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第136話 シャワーの後
「はぁ、家に帰って来たっていうのに、この疲れは……」
里菜に石鹸を渡してから十数分後に、ようやくシャワーを浴びることが出来た敦也は、タオルを持って、風呂場に入る。
シャワーを浴びながら、髪を濡らし、シャンプーをつけて、汚れや汗を洗い落とす。
どちらにしろ、シャワーを浴びた後、もう一度、お風呂に入る事になるのだが、体をきれいにしておくのは問題ない。
一度、シャワーの勢いを止め、タオルを濡らし、今度はボディーソープを使って、体を隅々まで磨く。
そして、再び、シャワーで洗い流し終えると、風呂場の扉を開け、床に置いていたタオルを手に取り、体に付いた水滴を拭き取った。
「あ、やべぇ……。着替え持ってくるのを忘れた……」
敦也は、体を拭き終えた後に気づき、このままでは自分の部屋に戻るまで、裸のまま、家の中を徘徊しなければならない。
この疲れて、体を動かすのもやっとな自分の体の下半身にタオルを巻き、誰にも気づかれないようにゆっくりと、自分の部屋に戻った。