第130話 合宿最終日
合宿最終日——
ゴールデンウィークの三日間を使った合同合宿も終盤を迎えた。
今日は、午前中のみの練習でもあり、迎えの車が駐車場に埋まっていた。
コートでは、それぞれの選手たちが、汗を流しながら練習に励んでいる。
最終日という事もあり、疲れが溜まっている人ばかりで、足がついていかない人もいる。
敦也もまた、その一人であった。
厳しい練習に休ませておいたはずの体も疲れは溜まっている。
それを何とか乗り越え、全日程終了する。
「ダメだ。体、動かねぇ……」
と、芝生でうつ伏せになった状態で、ピクリとも体が動かない康介は言った。
「誰かぁ~、助けてくれ~!」
助けを求めてくる。
「康介、今から着替えたら帰るよ。俺の親も来ているから、早くして」
健斗は、汗をタオルで拭きながら言った。
「シャワー浴びれないのか?」
「無理、無理。皆、荷物を持って帰る準備しているから、浴びたいなら家じゃないと無理だよ」
「マジかぁああ。面倒くせぇー」
完璧にスイッチが切れた康介は、何もする気が無くなっている。
「お疲れ」
「あ、お疲れ。見てよ、敦也。康介が、死んでいる」
「ああ、まぁ、三日も練習を続ければ、そうなるよな」
敦也は、水を飲みながらなんとか立っている状態である。
「それじゃあ、俺、片づけたら先に帰るわ。また、ゴールデンウィーク明けな」
「うん、連休明けだね」
「おお、じゃあーな」
と、振り向かずに康介は返事をした。