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第110話 二日目の朝
目を覚ました頃は、太陽は東の空に昇っていた。
「朝か……」
布団から出ると、テレビの音が聞こえてくる。
「おはようございます。体調は大丈夫ですか?」
朝のニュースを見ていた拓が、話しかけてきた。
「ああ、大丈夫だよ。それよりも何時から起きているんだ?」
「六時ちょっと前ですね」
「それからずっとニュースを見ていたのか?」
「はい、まだ、やる事もないですからね」
まだ、午前六時四十分。
朝食まで、後、二十分もある。
「そうだな。顔を洗ったら、五十分頃に出るか……」
「そうですね」
敦也は、顔を洗いに洗面所に向かう。
すると、洗面所は朝の女子達による手入れで、大渋滞だった。
(ははは……。まぁ、この時間帯だからな……)
敦也はドアを開けずに外で待つことにした。
「あっくん、どうしたの?」
「ん? ああ、洗面所が使えないんだよ」
「そういう事」
「顔を洗いたいだけなんだけどな」
「…………」
ジーっと見つめる咲弥。
「なんだよ」
「寝癖酷いよ。それはいいの?」
「分かってるよ。それも合わせてやるんだよ」
敦也は、女子達の時間が終わるまで待つことにした。