第109話 眠りへ
「大丈夫か?」
「はい。大丈夫です。ありがとうございます」
二人は、今日、泊まっているログハウスに戻り、靴を脱ぐと静かにそれぞれの部屋に戻ろうとする。
「それじゃあ、お休みなさい」
「ああ、おやすみ」
二人は自分の部屋に戻り、布団に入ると、眠りについた。
「どこに行っていたのですか?」
と、寝ていたはずの拓が、寝ようとしていた敦也に話しかけてきた。
「ちょっと、寝付けなかったから外に行っていたんだよ」
「そうですか」
「起こしてしまったか?」
「いえ、ちょうど、私もあなたが帰ってくる少し前にトイレに行っていたものでしたから……」
「そうか……」
その後、二人は何も話さずに眠った。
「唯ちゃん、帰って来るの、遅かったね」
「穂乃果さん、起きていたのですか?」
「まぁ、ちょっとね……。私も眠れなかったからさ。唯ちゃんが帰ってくるまで、待ってた」
「すみません……」
唯は穂乃果に謝る。
「謝らなくていいわよ。私が、ただ、寝付けなかっただけだから。それで、どうだったの? もう、眠れそう?」
「はい、おかげさまで……」
「そう、それは良かった……」
「それじゃあ、おやすみ」
「はい、お休みなさい……」
二人は再び、目を閉じた。