第101話 疲れた
川で疲れを癒した敦也は、一人、ログハウスに戻り、風呂に入る事にした。
この時間帯は、誰も居らず、一人、シャワーを浴び、熱い湯に浸かった後、いつも着ている寝間着ではなく半袖半ズボンを着た。
この後、他校と一緒に食事をするのに、いつもの寝間着で食堂に向かうのは気に入らない。
時刻は五時半。
まだ、夕食まで、一時間半余裕がある。
布団を敷いた部屋で、大の字になりながら、敦也は天井を見上げた。
今日、一日の事を振り返り、そして、目を閉じる。
「おや、どうやら、早めに帰ってきたのは、僕とあなたのようですね。敦也君」
「うるせぇ……。一人になりたかったんだよ。後々、風呂に入る時間が減るのも嫌だからな」
「そうですか。では、僕もシャワーを浴びてくるとしましょうか」
そう言って、拓はタオルを変えて、着替えを持って、部屋を出て行った。
「勝手に行ってろ……」
敦也はそう言って、拓を見送った。
十数分後——
「いや、気持ちよかったです」
「そうかい、それはなりよりで」
拓は、着替えた服を大きな袋に入れ、結ぶ。
そして、敦也の隣に敷いてある布団で横になった。
「どうでしたか? 合宿、一日目は……」
「何が言いたい」
「いや、別に。ただの世間話ですよ」
「そうかい。疲れた……」
「そうですか。それはなりよりで……」
敦也の適当な返答に拓はそれ以上何も聞かなかった。