13話 それからの、女子会
ザク・・・・
「ふふ」
ザク・・・・・
「ふふふ」
ザク・・ザク・・サク・
「ふんふんふん♪」
無慈悲にも、、
ある生き物の死体に刃物を入れ、切り裂いてく
その、人物の顔は喜びで、口元は緩んでいた
「フフ・・・フフフフ・・・・」
そこへ、何の断りも無く入ってきた人物は
刃物をもって、肉を切り刻む、人物に驚くこともなく
声を掛けるのだ
「りん~~きたぁよぉぉ~~」
「桜まだ、お昼よ?来るの早くない?」
「お昼たべにきたぁぁ」
「お昼かぁ、私も朝から何も食べてないし
私も何か食べるかな・・・
桜なにが食べたい?
夕御飯あるから、軽くなら一緒に食べよ」
鈴は夕食の下準備の為
鶏肉を切り分けてたのを、手早く終わらせ
すでに用意していた、タレにつけると、冷蔵庫に入れた
そして、桜の【パスタ】の、リクエストに答え
量を抑えた、少なめの、キノコのクリームパスタを作り上げるのだった
桜は、パスタを一口食べると
「おいしぃぃ~~~~」
と両腕を軽く震わせ、叫ぶのだった
「りん~意思加速~つかえるのぉ~?」
「そうだったね『念話も』使えるよ
3年程前に、紫音から教えてもらったんだけど
桜は小さい時からだって聞いたんだけど?」
「『うんとねぇ~』小学校に入った頃からぁ~かなぁ~?
今までぁ~許可なくぅ~つかったらぁ~
ダメってぇ~いわれてたぁ~内緒だってぇ~」
「紫音も必要以上に使うなって言ってたね」
そうして2人は
意思加速と、念話を使いながら、しばし会話を楽しんでいた
その話は、昨日から行われた
蓮のシゴキの話になり、桜は朝から行われた
そのシゴキから逃げてきたらしいのだ
桜は全身筋肉痛と、打ち身と擦り傷でボロボロなのだと
いったい、桜が根を上げる蓮さんのシゴキとは
きっと私の理解を超えた、シゴキなのだろう・・
私も紫音のシゴキを受けたことがあるが
あれは、戦闘のシゴキ、肉体的苦痛ではなかった
魔法に関する、とくに封印関係に関する
魔法勉強で精神的なシゴキであった
そうしないと、私は私の中にある【元紫音の魔核】に潰されてたかも知れない
そう、その過程で意思加速を覚えた
そして、訓練するうちに、その速度は尋常ならざる速度まで上がっていく
だが、それが、私が精神崩壊寸前までなった
紫音のシゴキであった
体内の魔核があるためか、私の意思加速は1万倍近くまで加速される
そう、その約1万倍の意思加速の中で
紫音の、魔法に関する授業は続いていく
現実世界・・・・
1分が60秒、1時間が3600秒、1日で、86400秒
そう、現実世界で1日は、86400秒であるが
1万倍の意思加速の鈴にとって8.64秒
10秒に満たない時間で
意思の世界では、1日が24時間が過ぎているのだ
そう、鈴はその時、現実世界で1分ほどで
約7日近い時間を過ごしていた
後に
鉄雄、胡桃に意思加速を教えて分かることだが
この世界の人間では、意思加速は10倍ほどであり
これは、達人と呼ばれる、武人の人間が使う
意思加速に似た力も、10倍程度であろうと紫音は判断していた
そして、その持続時間は現実世界で、数秒である
連続使用は出来る物の、1時間も連続使用するものなら
その消費する体力は計り知れないし
精神にかかる負担は想像を絶するものだろう
だが、その意思加速に使う体力や魔力を魔核の力で補っている鈴は
その速度を、1万倍まで引き上げる事ができたのだ
そして、有り余る魔力の為、鈴はその使用時間に制限はない
だからこそ、その精神が崩壊する寸前まで紫音の講義は続く
鈴は10歳になった時、その3月初めから、3月の終わり迄の
現実の約1月の間に、何年もの時間を体験する
そうとは、言ってもその時間は全て、紫音の講義であり
鈴の精神的な成長はごく僅かであるのだが
そんなシゴキを思い出すと
桜に対して、どうにかしてあげたいと思うのだが・・・・
「桜、紫音から回復魔法は、禁止されてて
訳あってしてあげられないけど
自然治癒力を上げる魔法ならしてあげられるよ」
「りん~回復魔法つかえたのぉ~?」
「うん、これも念話と同じで、絶対秘密だかね」
「はぁ~~い」
そう、異世界の回復魔法を使ってもいいが
何故か鈴の回復魔法は、その根源である
魔核の力と相性がいいのだ
リルの様な失われた肉体まで回復はできないが
鈴の回復魔法は、その作用全部が上級魔法となってしまうのだ
その為、シゴキと言う訓練後に、桜に回復魔法を使うと
その体に蓄積された経験値までも
蓄積される以前の体に回復させてしまうのだ
その事を、桜に説明しても無駄だろうと
それなら、治癒力を上げる魔法を使おうと
そして、鈴は桜に対して手をかざし
異世界の魔法を使う
それは桜を優しく包み
その暖かさと、疲れと、お腹が膨れた事によって
静かに眠りにつくのだった
テーブルで寝てしまった桜を、ゆっくりと抱え上げ
リビングのソファーに寝かすと
鈴は、ソファーの横に膝を下ろし
そのまま、1時間ほど自然治癒能力を上げる魔法を使っていると
音もなく、リビングに、顔御だす少年
それは、桜がリビングに居たら、絶対顔を出さない男
紫音は2階の自室に居て、1階の話し声から
蓮の妹が、遊びに来ていることが分かっていた
夕方からだと言っていたが、流石桜、昼飯まで食べに来たかと
まぁ何時もの休日と変わりないなと・・・
だが、そろそろ紫音も出かけようと1階の雰囲気を確認すると
寝ているだろう桜の寝息が聴き取れた
ならいいかと、リビングに顔お出したのだ
そして、時折寝苦しいのか
体をクネクネと動かす桜の姿をみると
「お!桜さんは、おねんねか」
「知ってたから降りて来たんでしょ
蓮さんのシゴキでボロボロだったんで
治癒力上げて回復してる所」
「そうかい?でも蓮の奴に似合わず、かわいい寝顔だな
なめていいか?」
「冗談でも、コロスよ?」
その迫力は、紫音ですら、背筋が凍るかと思った程だが
そんな事にビビル紫音でもない
そして、言わなくていい事を、口にしてしまうのだ
「なんだ?鈴がなめてほしいのか?」
「・・・・・死ぬより辛い苦痛って知ってる?」
なんだそれは?と、言わんばかりに、チャラけて返事をする
「さぁな、100回ほど死んでるけど、そんな体験は未だないな
あるんだったら、体験してみたいもんだな~~」
「そう・・・・リル」
呼びかけに、応じて、メイド服を着た女性が姿を現し
「はい、何でしょうか、鈴さん」
「今日一日、紫音を好き勝手していいよ
紫音の許可もおりたし
誰が、何と言おうと、私が許す
それに昨日晩、精が付くのいっぱい食べたから
好きなだけ、もてあそんでいいよ」
そこには、感情を押し殺しているが
背中に、ピンク色のエロイ妄想を背負った
メイドが、鈴に対して、深々と頭を下げた
「ありがとうございます【鈴様】それでは、シオン様まいりましょう」
「リル!ちょっとまて!!!くそ、動けねえ
鈴もだ、お前本気で俺をころすきかあぁぁぁあああ」
「そうそう、先ほど言っていましたが
舐めたがっていましたね、ならば、まず1時間ほど
私の全身を舐め回して頂くとしましょう
あぁ・・・・・今日は何と素晴らしい日なのでしょうか
誠に感謝いたします【鈴様】」
すでに、リルの魔法によって
体を固定され身動きの出来ない紫音の叫びと共に
リルはその妄想を口にして
静岡の、マンションに転移して行くのだった
・・・・・何か、リルが恐ろしいことを言ってたみたいだけど
うん、聞こえてない、聞こえてない
この後、2人がどうなったか想像はできるが
したくない鈴であった
そして、鈴の横で眠る
桜の可愛い寝顔を見つめると
「・・・・・・さて、もういいかな、仕込みの続きをしないとね」
そう言って、鈴は夕食5人分の支度を始めるのだった
夕方の5時になる頃
呼び鈴に呼ばれ玄関まで迎えに行く鈴
そしてドアを開けると
一番に飛び込んできたのは、かんなであった
か「りんちゃぁぁん、きたよぉぉ~~~」
夏「こんばんわぁ~~」
優「おじゃまいたします」
そして、夏目が続き
最後に、桜が脱ぎ捨てた靴も合わせ
全員の靴を揃え上がってくるのは優美である
か「りんちゃん、桜しらない?連絡つかないんだけど?」
鈴「桜?リビングで寝てるよ」
そう言って、3人をリビングに通して
ソファーで寝ている桜を指すと
か「なんですと!それは電話にでないはずだ
起きろ桜、ご飯だぞ!」
桜「ごぉ~はぁ~~ん~~~~~~~」
むくっと起きてくる桜
先ほどの、紫音と、やり合ったときすら起きなかったのに
食べ物で釣られるとは流石であるが・・
鈴「まだ出来てないよ」
桜「ねるぅぅ~~出来たらおこしてぇぇ~~~」
そういって、再びソファーに顔を埋める桜であった
か「寝た・・・・よ」
鈴「なんか、色々と疲れてるらしいから、寝かしといてあげて」
か「しかたないな・・・」
優「鈴、これつまらない物ですが」
鈴「優美ちゃん、何も持ってこなくて良いって言ったのに」
優「それでも、先日もお邪魔しましたし
食事あとに、デザートでもと思いまして」
鈴は渡された、箱の中身を確認すると
鈴「なら、後で皆で頂こうかな」
か「え?何?デザートなの?」
鈴「おしえなぁ~い、後のおたのしみー」
そう言って、鈴は三度 (みたび)台所に戻り
優美から受け取った、箱を冷蔵庫にしまうのだった
鈴「6時位に、食事が出来上がる予定だから
好きにしていてね」
か「は~い」
軽く返事をした、かんなは、すでに寝ている桜にちょっかいを出していた
夏「料理するのを見ていていい?」
そう言って、対面式キッチンの反対側の椅子に座る夏目
優「紫音君はご在宅ですか?」
鈴「さっき、連れ去ら、、、
逃げるように出て行ったよ」
優美ちゃん、それほどまでに、先日の事が気になるのか
優「それでは、私も料理を見てていいですか?」
鈴「どうぞ、どうぞ、一昔の料理法だから
面白くもなんともないと思うけどね」
******
三千風家のダイニングキッチン
対面式のキッチンで
機能性重視の為、余計な物は置いていないが
キッチンの主である、鈴の使い勝手の良い様に、カスタマイズされている
その最大の特徴は、キッチンと背面にある食器棚の間の床は
30cm近く底上げされている
それは、背の低い鈴が使いやすいようになのだ
また、鈴以外の人物は、まずキッチンに立たないので支障はない
そして、食器棚の横には、大きめの冷蔵庫
キッチン奥のスペースには、パントリーも有のだが
そこは、紫音によって、作り変えられ
キッチンの作業場の一部とかしている
横長のダイニング側は
対面キッチンの側に、4人掛けのテーブルがあり
テーブルを挟んで、キッチンの反対側には、ソファーが置いてあった
*****
対面キッチンに椅子を並べて、鈴の作業を見つめる、夏目と優美
夏「鈴は、全部手作業で料理をするの?」
鈴「全部じゃないよ、多少はレンジも使うし」
夏「全自動調理器とかは、使わないの?」
鈴「う~~ん・・・・好きじゃ無いんだよねアレって」
夏「私の所は、大体アレだけどね
冷凍食品を、全自動調理器に掛ければ
すぐできるし、けっこう美味しい
今の時代、どこの家庭も、あれじゃない?」
優「そうですね、家のコックも料理の下準備等では使っていますね」
鈴「私は小さい時から、こうやって料理してるからね
この方が、しっくり来るし
冷凍食品だと、味が均一化して、面白くないでしょ?」
夏「そういうもの?」
優「私は、料理出来ないので、何とも言えませんが」
鈴「そう?よし、油使うから、あまり近づかないでね」
IH (電気加熱器)に掛けていた油がいい温度になって来たので
すでに冷蔵庫から、取り出し
下準備を終えた、鶏肉を油で上げていく
一度火を通してから
もう一つの鍋で温めていた油で
当たり前の様に、二度揚げをする
夏「ん?なんで?揚げたのを、違う鍋で揚げるの?」
鈴「えっと・・・・・・
こうした方が、美味しいから・・・・・?」
それなりの理由はあるのだが
料理を知らない人間に教える事は無理であるから
端的に答える鈴
夏「そうなんだ」
鈴「色々理由はあるんだけどね
食べるなら美味しい方がいいでしょ」
夏「そうだけど、料理って難しそうだね」
鈴「そうでもないよ、一度覚えれば、やってること一緒だしね」
鈴は、夏目と会話をしながら、テキパキと料理を仕上げていく
優美は鈴の邪魔をしないように、静かに鈴の手際の良さを関心していた
そして、そろそろ、時間も6時になる頃
鈴「よし、桜起きて」
桜「はぁ~いいぃぃ」
桜は目を擦りながら
ソファーから、ピョコっと立ち上がり、キッチンへ向かう
鈴「じゃぁ、皆でテーブルを、キッチンに付けて
料理だすから、並べてね」
4人がけのテーブルをキッチンに直角になるようにつけると
出来上がった料理がどんどん、運ばれテーブルに並ぶ
女性に優しい、サラダの盛り合わせから
先ほど揚げた、鳥の唐揚げ等、数種料理が並ぶ
そして、パントリーから、持ってきた、お釜
それは、このタイミングが一番美味しく食べれるように計算された
特製のガス釜で炊いた炊きたてのご飯である、それを、茶碗に盛って、配っていく
まちかねた、かんなが
フライングで・・・
か「イタダキマーース」
鈴「かんな、まって」
か「なに?いいにおいで、お腹が騒いでんだけど」
鈴「これから、メインディッシュ作るから後数分まって」
か「まだあるの??」
夏「まだあるんですか?」
優「メイン?」
そういって、鈴は大皿をだし
冷蔵庫から取り出した、冷えたトマトを素早く輪切りにして置いていき
その上に、ほうれん草のお浸しを引き詰めていく
そして、冷蔵庫から、大きめの肉のブロックを取り出した
手馴れた手つきで、スライスする
1枚綺麗に切り取ると、軽く包丁を拭い
また1枚と、スライスしていく鈴
その肉は昨日、買い込んだ、幻と言われるチョットお高めの、お肉である
30枚ほど、切り分けると
それを、すでに用意してあった
ケチャップで少し酸味をきかした特製タレを付け
IHコンロで温められた、2枚のフライパンで焼いていく
それは、1枚1枚丁寧に丁寧に焼かれ
大皿に盛り付けられていく
それを見た、かんな、夏目、優美は思うだろう
全部いっぺんに焼いてしまえば、いいのではないかと
だが、1枚1枚丁寧に焼くから、美味しいことを桜は知っていた
それは、何度か食べたことのある、鈴の得意料理の1つだからである
そして全ての肉が焼かれ、大皿に盛られると
テーブルの中央に並ぶのだった
「さぁ、これで、終わり、みんな食べて」
「鈴は、食べないのですか?」
優美の質問は3人の疑問でもあった
鈴は未だ、キッチンに立っていたのだから
「食べるよ?だけど、皆を、おもてなしするのに
此処に居た方が、何かと楽なのよ
おかわりもあるから、遠慮なく言ってね」
「それでは」
「「「「いただきます」」」」
まずはメインと
お肉に手をのばす、かんな
「うま!
なにこれ、うま!」
その横では、味噌汁を一口のんで、固まる夏目
優美は優美で、二度揚げされた唐揚げが気になって一口
「あ・・・美味しい・・・」
そして、そんな事は知ってますと
箸を持たない左手を、ブンブンと震わせながら
どんどん食べまくる桜の姿があった
その後、数分は4人とも、会話もなく
目の前のご馳走に、箸を走らすのだった
一通り食べた、かんなが
か「りんちゃん、結婚して!!」
鈴「無理!」
か「えぇぇ~~~~~~~~」
夏「かんなの、思いも解りますね
私も、これほど美味しい料理は初めてです
嫁に欲しいくらいです
それにしても鈴の料理がこれ程とは・・・」
優「唐揚げも、お肉も絶品です
こんな美味しい料理、星付きレストランでも食べたこと無いです」
鈴「言いすぎだよ
見ててわかるでしょ
そんなに、手間かけてもないし簡単な料理ばっかりだから
それに、作りたてだからね美味しんだと思うよ」
か「いやいや、りんちゃん、本当に、うまいって
このお肉の甘味とケチャップの酸味のタレ?
お肉とトマト一緒に食べた時の口の中に広がる、うまさって
体験したことない位、うまいよ!!
あと、このタレと肉汁が掛かった、ほうれん草もメチャうま」
優「ですね、お肉もですが、二度揚げした唐揚げというものが
これほど美味しいなんて知りませんでした
外はカリカリっと、中はジューシーその言葉どうり
家でも、これほど美味しい唐揚げを食べたことないです」
夏「全部が美味しいですね
ご飯や、味噌汁まで」
鈴「いたって普通の食事だから
冷凍食品や、インスタントよりは
美味しいとおもうけど
喜んでくれるなら、私も嬉しいよ」
そんな、心温まる雰囲気を切り裂く人物の声が響く
桜「りん~お肉ぅ~なくなったぁぁ~~」
鈴「はいはい、すぐ焼くからね
みんなも遠慮せずいってね」
そう言って、鈴は肉を切り分け、焼いていく
気づけば、いつの間にか、テーブルの上のお皿は全て空になっていた
か「うぅ、、食べ過ぎたかも」
夏「私も、さすがにもう食べれません・・・」
優「レシピを・・・鈴、レシピを・・・どうか・・・・」
鈴「優美ちゃん、無理だって、私のレシピなんて
ネットに在る様な、簡単な物だから
優美ちゃんの所のシェフに、笑われるだけだし
中学生の個人レシピなんて、気分悪くさせちゃうよ?」
優「それでも・・・・」
鈴「また、皆で食べ効きてよ、ご馳走するから」
か「では、来週にでも!!」
鈴「かんな、毎週は勘弁して!」
桜「ん?わたしぃわぁ~毎週~きてるよ~?」
鈴「桜は、きてるね・・・
数年に渡って、気が付くと、お昼一緒に食べてるね
まぁ、1人分位は、ついでだけど
毎週5人分は、大変なんだって」
か「そうか・・・お昼に、突然来れば、食べれるのか
そういえば、優美ちゃんが突然きても、昼飯食べたって言ってたから
私も、突然遊びに来れば、いいのか!」
桜「そうだよぉ~今日もぉ~パスタ食べたぁ~」
鈴「かんな、心の声が漏れてる
なっちゃんも、パスタに反応しないで!」
か「ちっ、まぁいいや、また食べに来るね
今度は、お泊りで、パジャマパーティーとかしたいな」
夏「それはいいですね、ですが、鈴の家族に迷惑では?」
優「お泊り、私の夢の1つ・・・・・」
優美が小声で何か言ってたけど・・?まぁいいか
鈴「私の所は大丈夫だよ、蘭さん達は2人とも帰ってこないし
紫音も、先に言っとけば、何処かに泊まるだろうし」
か「やった!なら来月位に予定たてるか?」
夏「そうですね、早めに優美の予定を確保しないとダメですから」
優「ごめんなさい、私がなかなか時間とれなくて」
か「優美ちゃん、こういうのは障害が有る程燃えるんだよ!」
夏「かんなの言うとおり、合宿と違い、お泊りなら
オールナイトで遊べますよ」
優「・・・・・・・」
夏「うわ、どうしたの優美、うるうるしないで」
夏目の言葉に、優美に視線を送ると
今にも泣きそうに、瞳に涙を貯めていた優美がそこにいた
そうして、ゆっくりと話だした
優「いえ、なんか、感極まって
今まで友達と呼べる友達が居なかったもので
これが、何の気兼ねもいらない本当の友達・・・親友なんだなと・・
常に私は、十士族、四条の娘でしかなかったのですが
今の私は、生まれて初めて、1人の人間として存在が許された・・
そう、初めて1人の個として認められた思いなのです・・」
優美は両手を胸にあて、大粒の涙が頬を伝う
その優美の姿を見ていると、何と声をかけたら良いか分らなかったが
毎度の事の様に、空気を読まず、雰囲気を切り裂く人物が此処にいた
桜「十士族ってぇぇ??」
鈴「うん、桜それは、どうでもいいことだから
優美ちゃんが、持ってきてくれたデザート食べる?」
か「たべる!」
夏「いただきます」
桜「たべるぅぅ~」
そしてもう1人無言で頷く優美の姿があった
鈴は冷蔵庫から、優美に貰った箱を取り出す
中身を確認すると、雑誌に良く載っている
有名店『カリントウ』の、カップのプリンが1ダース、12個入っていた
たぶん、あとで、私の家族も食べれるように
多めに持ってきてくれた事が見て取れた
でも、カップのプリンか・・・・・
それは、蓋を外し逆さにして、底にある爪を折って
お皿に盛るタイプのプリンであった
鈴「みんな、アイスクリームで、バニラとストロベリーとチョコどれが好き?」
か「バニラ一択!」
夏「ストロベリーで」
優「私もバニラでお願いします」
桜「ちょこぉぉ~~」
鈴は、可愛い柄の入ったお皿を用意すると
冷凍庫から取り出した、自家製アイスクリームを
種類ごとに、大きめのスプンで掬い盛り付けると
カップのプリンと共に差し出した
「プリンを、カップから出して、お皿に盛っても良かったんだけど
桜が、自分でプッチンしたい人間だから
そこは、みんなセルフで」
「ぷっちぃ~~~~~ん」
その桜の発した言葉に、全員が笑いだした
そして5人は、パジャマパーティーを来月の何時にしようかと
楽しく話すのだったが
優美が何かを思い立ったかのように違う話題を、口にする
優「来月と言えば、学年別の模擬戦が始まるのでは?」
か「そういえば・・・」
優「たぶん私は立場上、参加せざるえないのですが
皆さんは参加するのですか?」
一瞬考えた、かんなが
か「私は参加したいけどね
そのへんは、どうなの、なつ?」
夏「そうですね、学年別2年の模擬戦は
9人対9人の団体戦、勝利条件は
9人全員を戦闘不能にするか
敵陣地の何処かにある、敵シンボルの破壊の2択
私達のクラスが36人で
模擬戦の登録は、メイン選手9人と、サブで9人
これは、模擬戦がトーナメントの為
1戦ごとの、メンバー変更は可能です
この18人なら、何人でも変更可能です
そして最大で4戦、私たちはBクラスなので、たぶん3戦ですね
それで、私達のクラスの選出メンバーですが
私の知り得た情報から推測するなら
上位ランクトップ10に入る人間が、岡山君と優美、桜
それに、トップ30のランカーの5人
それを合わせれば、8人いますから
そのメンバーは確実に、メイン選手登録でしょうから
かんなは、入れてもサブに、でも試合に出れるかは分かりませんね
あと、たぶんですが、生徒会特権で・・・
いえ多分、生徒会長の強制で、愛樹と古都は、登録メンバーかと
残念ですが、鈴のシミュレーション成績では
メンバー登録は無理かと」
鈴「え?私?いや、参加する気無いから
戦いとか、無理だからホントに
でも、そういう、なっちゃんは?」
夏「私?見る専門ですが?何か?」
いったい何を聞くの?私が戦うわけないでしょ、と言わんばかりに
首を傾げ返事をする夏目
鈴「わかった、一緒に観戦しよう」
夏「分かりました!かんな、優美、桜、応援は私達に任しください」
桜「まかしたぁぁ~~」
か「サブかぁ・・・試合出れないとなると、あの子達のお披露目がぁぁぁ・・・・・」
優「お願いしますね、ですが夏目
やっぱりAクラスが優勝候補ですか?」
夏「そうですね・・・・ランクトップ10の7人がAですからね
とくに、その中でも戦闘技術で言えば、志摩君、倭 (やまと)さん
魔法技術では、グリエン君、雪村さん、4人が、最大の敵だと思いますね
ですが、Cクラスの、バラッカ君とフォンクさんの魔法コンビも強敵かと
他のクラスにも、注目すべき、特化型の生徒は何人かいますが
その中でも、Jクラスの、宮守君とカレラは、ランク外ですが
トップ10クラスの実力がありますね」
優「え?カレラさんJクラスなんですか?
小等部では上位クラスだったと思いますが?」
夏「それは、色々とね、あるんですよ」
鈴「カレラさんて?」
夏「鈴は知らないですか、小等部から居る、ある意味有名人なんだけど
一言で言うなら【拳銃 (ガン)マニア】なんですよ
そのへんは、紫音君か、宮守君にでも聞いてください
同じクラスですから」
ガンマニア・・・私の知らない世界・・・紫音に聞いてみよう
夏「色々言ってみたみた物の
最大の強敵は、やっぱりAクラスですが
単騎突破能力は、多分桜が1番でしょうし
岡山君は1年以上ランク1位の座を守ってる強者ですし
戦略次第としか言えませんね
対戦相手も、岡山君を始め、桜、優美は警戒されてますから」
優「そうですか・・・・
1年の時、あまり成績が良くなく、色々と怒られましたから
最低でも今年は準優勝はしないと・・・」
鈴「優美ちゃんも大変だね
私も応援だけしかできないけど、頑張ってね」
優「鈴、ありがとうございます
それでも、チーム戦ですし
私1人では、どうしようも無いですから
楽しめればと思っています」
か「だね~~~でもね、ゆみちゃん
今一番大切な事何かわかる?」
優「模擬戦に向けての鍛錬ですか?」
か「なわけ、あるかぁぁぁああ!!
お泊りいつにするかだよ!!」
両手をあげて、優美を襲う仕草をしばがら
笑いながら怒る、かんなに
そして、クスクスと笑いながら「そうでした」と答える優美であった
そして、優美のお迎えの車が来るまで
彼女達は、まだ来ない、お泊まり会にむけて
期待を膨らませながら、女子会を続けるのだった




