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アンタッチャブル・ツインズ ~転生したら双子の妹に魔力もってかれた~  作者: フラック
第2章 中等部模擬戦篇 第1部 きぐるみ幼女なの!
69/166

1.5話 クズクラス 

この話まら、23時予約投稿にかわります。

完全に自分の都合です。




鈴と、かんな夏目は胡桃を見送ると、中等部の校舎に向けて歩いていた

いつしか3人の会話は、合宿の話に代わり

今この場に居ない、優美と桜の話題で盛り上がっていた


そんな中、鈴はふと・・・・・周りの雰囲気が、いつもと違う事に気が付く


鈴「ねぇ、なんか変な視線を感じるんだけど・・・」


かんなは、辺りを見回しながら


か「え?私か?でもねぇ

 私には、りんちゃんという決まった相手がいるからね

 熱い眼差しで見つめられても・・・ごめんね」


鈴「決まってもないし、かわいく、ごめんねっていっても

 誰も見てないし聞いてないね、眼中に無しって感じ?

 ついでに私の眼中にも無し!」


か「りんちゃん、ツンデレだからぁ~もしかしてヤキモチ?

 ねぇヤキモチ焼いた?」


そういって、かんなは、後ろから覆いかぶさるように、鈴に抱きつくが

鈴は頭を振り、頭の後ろにある大きな髪留めのリボンで抵抗を試みるのだったが

その上を行く、かんなは、鈴のリボンと髪に顔を埋め・・・・


か「りんちゃんのリボン、いい匂いがするぅ~」


鈴「なんで、そうなるのぉ~」


実にいつもの風景だと言わんばかりに、夏目は、ほっこりする

その夏目も、すでに気が付いていたようで、周りを確認する素振りもなしに


夏「まぁ・・いつもより視線をあつめてますが・・・・

 それは・・・まぁ、しょうがないでしょうね」


夏目も周りの雰囲気がいつもと違うことを感じていたのだろう

そして、その口ぶりから、その原因も知っているようでもあった


普段からも、多少の視線を集めている、鈴ではある

その大半が男子生徒でもあるのだが、今日は少しちがったのだ


なぜなら、今日、鈴に視線を送るのは、中等部の生徒ばかりであり

遠目から鈴を見てはコソコソと話しているのだ

ある人は、楽しそうに会話をし

ある人は、敵意ある眼差しで鈴を睨みつけるようでもあり

そこには、色々な感情がはいった視線があったのである


そんな、謎な視線と、周りの雰囲気を感じながら中等部校舎にはいる3人



 中等部校舎、そのメインとなる3階建ての大きな建物

 入口では、学年・クラス別に下駄箱があり、そこで上履きに履き替える

 メインの校舎は、縦長の建物であり、中央吹き抜けで、左右に教室が並んでいる

 その1階は、3年生のクラスがあり、2階は2年、3階は1年である

 そして、校舎の奥にもう一つの大きな建物、こちらは学科別教室や

 それに伴う、文化部、インドア系部活動の部室等が並ぶ

 その、さらに奥に存在する建物

 クズクラスと銘打たれた、1・2・3年の最下位クラス

 そして、部活に昇格出来ない、少人数の研究会クラスのクラブである



鈴達3人は、下駄箱で上履きに履き替え、微妙な雰囲気の中

鈴達のクラスがある2階へ階段を上がっていった


1階での3年生の突き刺さる様な視線が途切れ

2階に上がると、朝から有る視線の理由が判明するのだ

それは鈴達3人の周りに大勢の同級生が集まる事にはじまり

口々に、鈴に声をかけだした


「お~い、三千風、生徒会長を叩きのめしたんだって?」

「いやいや、生徒会長に土下座さしたって話だぞ」

「りんちゃん、生徒会に喧嘩売ったって本当?」

「模擬戦で、こてんぱんにしたと聞いたぞ!」

「会長が、泣いて謝ったとか?」


それを聞き、鈴は、やっと事の重大さに気がつき

朝からの視線の原因を理解したのだ

それには、さすがの鈴も慌て出す


いったい何処から、そんな話が・・・・・

話に尾ひれが付くのも、限度があると言うもの

あの、気位高い、生徒会長が、土下座して泣いて謝った?

そんな事あるわけないのだが、皆面白がっているのだ

そして、2年の生徒がこれなら

下の階、3年生の教室では・・・・・考えるだけでも恐ろしくなる

それで、1階での3年生からの突き刺さる視線の原因は

きっと、柊朱莉の崇める派閥の人間達であろうのだろう

嘘か誠か、今私の周りの友人達の言っている様な話が3年生に流れているならば

私は今後、3年生の約7割以上の人間に、目の敵にされかねない


そう、それほどまでに、彼女の影響力は大きい

性格はどうであれ、生まれ持った、カリスマ性は、飛び抜けていた

そして彼女自身のスペックも高く、それもさる事ながら

日本有数の財閥、十士族に並び立つとも言われる柊財閥の第一子なのだ

跡取りとなるべく、幼い頃から帝王学を学び、人の上に立つべく人間

そんな、人間に憧れを持つ生徒が多くいるのだ

だが、その一方で、気に入られようと尻尾を振る生徒も多くいる

なら、そんな人間が、今一番、気に入らない人間

そして、柊朱莉に気に入られる為

目に見える、いじめの対象となるであろう人物想像すると

それは、紛れもなく【三千風鈴】私なのだ

私自身、普段は、そんな多少の事は、気にもしないけど

さすがに、これがずっと続くのは、めんどくさい・・・

出来るだけ速く、誤解を解かないことには、私の学園ライフが・・・・



 そして、鈴はまだ、想像すらしてなかった

 柊朱莉が、高等部を卒業するまで残り、数年

 幾度となく、彼女【柊朱莉】と相まみえることを



そんな中、同級生に囲まれながら、私は人と人の間から

この中で一番たちの悪いだろう友人に目を向けると

そこには、楽しそうに、元々細い目を更に糸の様に細くして

「クスクス」笑っている人物がいた

そして、その表情を読み取る鈴


あれは、絶対確信犯だ、絶対に知っていたはずだ

そして、びっくりして、テンパる私の姿を見て楽しんでいるのだと


この噂話の発端は、たぶん合宿に参加していた人物達

それも多分私と同じ2年生達・・

私が合宿不参加を申し出た際に、便乗して合宿不参加を言い出した

ノリのいい、お調子者の友人達だろう

良く良く考えれば、奴らが黙っているはずがなかったのだ

そして、私が思うに、あの目の細い彼女は

あの時点で、こうなる事は解っていたのだろう

常に冷静を保っている彼女は

基本一歩引いたところから、全体の流れを読む事がおおいい

だからと言って、その流れに乗るような素直な人格でもないのだ

そして、人をからかったり、しょうもないイタズラをしたり

友人の困ったすがたや、てんぱった姿を見るのが好きという

まったく、タチが悪いとしか言い様がない人物なのだ

まぁ、私の親友の、小早川夏目なんだけど・・・

色々思っても見たが、所詮リルと比べれば

まだまだ可愛いもんだと思えるのだから、おかしな物だ


だが、

知っていたなら、教えて欲しかった・・・

いや、知っていたからと言って

どうなる物でも無いのは理解できているし、わかってる

だけど、心の準備というものが・・・


いやいや、まずは皆の誤解を解かなければと、軽く頭を左右に振り

小さく息をはく


そして鈴は、一旦皆を落ち着かせ、簡単に事の詳細を説明した


生徒会長が、背の低い私を小学生と間違えた事

えだっち(江田先生)が、私が中2だと説明し誤解を解いた事

生徒会長が、それに対して、謝ったと言う事を


それでも、異様な盛り上がりをしている、同級生たちであった


そう、事実あの生徒会長、柊朱莉が個人に謝ったと言うことが凄いことなのだ

神輿に担ぎ上げられた柊朱莉だが、その実力は本物なのだから


それにしても噂と言うものは広まるのが早いものである


鈴達が自分のクラスに着くまで、ずっと声を掛けられっぱなしである

そしてクラスに着けば着いたで、クラスメイトに囲まれる始末であった


クラスメイトは、そんな話で盛り上がり

鈴は、ずっと誤解を解いている

後からクラス入ってきた、桜と優美は、何事かと

かんな・夏目に話を聞き、優美以外は、クスクスと面白そうに鈴を眺めていた


優美の心境は複雑である

皆の会話の中では、評判の悪い生徒会長、柊朱莉


 柊朱莉に憧れる人間は、ある種スキルに近い彼女の、カリスマにより

 多少の理不尽も意に介さない、だからこそ、カリスマであり

 多くの人間は、彼女に付き従うのだが

 彼女に対抗できる、カリスマを持った人間がいた

 本人は気づいてはいないが【四条優美】であり

 それにより、2年生の大半は、柊朱莉のカリスマ性に囚われる事は無いのだった

 だからこそ、傍若無人な、生徒会長・柊朱莉のやり方が好きでない者がおおいいのだ


だが、優美の中では、彼女も昔は心温かく

とても優しいく尊敬できる人物であったのだ

何処で道を間違えたのか、周りの取り巻きの大人達が悪いのか定かではないが

優美は、昔の姉のように慕っていた朱莉に

昔の優しい朱莉に戻って欲しいと今でも願っていた

いや、今でも心の底では朱莉の事を信じていた




ガラガラガラ


 

一人の男性が、クラスに入ってきた、クラス担任の江田先生である


「はーい、せきにつけぇーーー」



そうして、いつもの学校生活がはじまった


ただ違うことがあった、休み時間に成るたび、優美が何処かに行っているのだ

たまには、そんな事もあるだろうと、鈴達はさほど気にしないでいた


そして、土曜日である、今日の授業は終わりを迎え

帰り支度をするもの

部活動に参加する為用意をするもの

または、これから遊びに向かうため集まって相談しあうものなど

多種多様でもあったが

帰り支度を終わらせた、鈴は何時もと違い

何かを考え込む優美の姿が目に入ったのだった


鈴「優美ちゃん、どうかしたの?

 今日一日、何かしていたみたいだったけど?」


話しかけられた事に気づき、左手を軽く唇にあて

何かの踏ん切りが着いたのだろう、ゆっくりと話しだした


優「鈴・・・おかしな事を聞いてもいいですか?」


鈴「おかしなこと?」


優「はい、この学園の中等部は、1・2・3年共に10クラス

 AからJクラスまであり、1クラス、基本36人のはずですよね?」


鈴「うん、そのはずだよ?」


何を、当たり前なことを聞くのか?それも私に?

その事はと言うか、学園の事なら

小等部から通っている、優美の方が詳しいはずなのだ


優「ですが、休み時間に校舎を廻って調べてみたのですが

 2ーIまでの9クラスは有る物の

 10クラス目である、2-Jのクラスが、どこにも無いのです

 不思議でなりません

 実は何か、私の知らない学園の何か大きな秘密が・・・」


鈴「え?」


優「?ですから、2-Jのクラスが何処にもないのですよ」


鈴「うんと・・・・なんで、2-Jを探しているのかな

 想像は付くんだけど、違っていたら嬉しいな・・・」


優「紫音君が、2-Jだと聞きましたから、少し話をしたいと思いまして」


か「ほう紫音君とな!」


言葉と共に、机の下からいきなり顔をだし、優美を驚かせたのは

帰り支度をすませた、かんな

そして、面白そうな匂いを嗅ぎつけた、夏目の2人であった


優「そうなんですよ、紫音君と話をしてみたくて

 彼のクラスに行こうと思ったんですが

 有るはずの、Jクラスが無いんです

 これは、もしかして学園の7不思議とういう・・・」


その言葉に笑いながら、かんなが


か「ゆみちゃん、クズクラスって知ってる?」


優「はい、名前だけは知っていますが?」


か「う~~ん・・・夏、説明よろ~」


夏目は、かんなに一度振り向くと、ちいさく息を吐き


夏「まぁいいけど、優美ちゃん、これは、この事は

 優美ちゃん以外の中等部、高等部の全生徒が知っている事であろう真実

 そして、それは、口にするのも、恐ろしい学園の暗き闇・・・」


机を挟み、優美の顔に顔を近づける夏目

その細い目で、優美を真剣に見据え、顔を寄せた

その真剣な眼差しと、いつになく真剣な夏目の雰囲気に、優美は一歩たじろくのだった


夏「この学園には触れてはいけない禁忌がいくつもあります

 その1つが、クズクラス・・・・

 学園の闇、学園生活についてこれない人間達の墓場であり

 治外法権の学園内で犯罪を犯した、闇に消された犯罪者の監禁場所であり

 人格破綻者や、犯罪者予備軍の軟禁場所でもあり

 決して、私達、普通の生徒が触れてはならない学園の禁忌

 創設以来、中等部と高等部に設けられた闇の又闇に隠された場所

 それが、学年最下位・Jクラスなのです

 そして、何時からか、そのJから、J・U・N・K、ジャンク

 壊れ物、壊れた人間、ゴミ、クズ、と言われ

 今では、Jクラスは、学園の掃き溜め、クズクラスと呼ばれているのです」


優「そ・・・そんな、学園にそんな闇が・・・

 私は、知りませんでした・・・・そんな禁忌が存在しただなんて」


夏「まぁ嘘なんですが」


優「え?うそ?」


優美は目を丸くし、驚いたように聞き返した


夏「ウソですね、真っ赤な嘘です」


優美の驚きに

クスクスと笑う夏目と、今まで笑いを堪えてた、かんなは大笑いを始めた

鈴も流石に口元に笑みがこぼれる

そして、楽しそうな雰囲気を感じてか桜も

「なぁにぃ~?」と近寄ってくる


鈴「なっちゃん、今のは、からかいすぎ」


夏「ごめんなさいね、優美

 かんなが、ふってくるから、何かボケようかと」


優「それは、いんですけど、クズクラスがJクラス?なんですか?」


夏「そうなんだけど、鈴、説明お願いね」


鈴「そして、最後は私かい!」


まぁ、何時もの流れであるので、気にはしないが

これを言わないと、オチが付かないのも確かであり

簡単なオチがついた事で、皆は軽く笑い、再度鈴は話し出す


鈴「まぁこの学園では、小等部5学年の時から

 学力や実力別で、簡単なクラス分けが、行われるんだけど

 中等部から、そのクラス分けが明確になるのは、優美ちゃんも知ってるよね」


優「はい、とりあえずは」


鈴「んで、中等部から、トータル成績から

 上位3クラス、中位4クラス、下位2クラス、そして最下位1クラスに

 分けられるんだよ、私達は上位クラスの2-B

 そして上位から下位までの9クラスは、中等部本校舎にクラスが有るんだけど

 最下位クラスの、1年から3年までの、Jクラスは

 学科塔の奥にある旧校舎の方に、有るの」


優「そんな事が、、、でも鈴、それは、なぜですか?」 


鈴「聞いた話だと、数年前までは、その最下位クラスと言うのは

 本当に素行が悪かったらしいの

 当たり前と言ったら当たり前なんだけど

 最下位クラスといっても、そこに行く人間は

 成績が悪い生徒ばかりじゃなくて、素行の悪い人間や

 他の生徒に悪影響を促すであろう生徒を隔離する場所らしいの

 登校しない、授業は聞かない、騒ぎ立てる

 そんな生徒を、他の真面目な生徒と

 同じ校舎に入れれなかったらしいし

 全校生徒からの冷たい目や、まるで、ゴミや、ウジムシを見るような眼差しに

 クズクラスとなった気の弱い生徒達は、耐え切れず辞めていったり

 他のクラスの人間に怪我をさせたりと、停学や退学になったらしいの

 学園設立当初からあると言われる、その制度はね

 当時では、腐ったリンゴは排出すべきと、必要だったらしいの

 今でも、必要悪とも言われてるし、その制度は変わらないのね

 じっさい、最下位クラスになりたくないと

 勉強に励む生徒は多いいらしいからね

 そして、未だに、学園の8割近い生徒は

 最下位クラスの事を【ジャンク】とか【クズクラス】と言って

 蔑み、嫌い、馬鹿にしているの

 優美ちゃんも、多少は聞いたことあるでしょ?」


優「・・・噂では何度か、それでも

 私の耳に入ってくる幾つかの出来事には、Jクラスの不祥事より

 他のクラスの、不祥事の方が多いい気がしますが」


鈴「だろうね、実際2年ちょっと前から、中等部に置ける不祥事は、少ないはず

 1年前、私が入学してからに限っては、0に近いんじゃないかな」


その事に、いち早く反応したのは、夏目であった


夏「それなのよ、2年ほど前に、何があったか鈴は知ってるの?

 去年・今年と卒業して、高等部に進学したJクラスの生徒や

 高等部、Jクラスの生徒も2年ほど前から

 不祥事や警察事がほとんど無いらしいのよ

 実際に彼等は授業中、講師の邪魔をし

 騒いでいた生徒だったらしいのに

 私も、嘘だろう噂話しか、聞いた事ないんですよ」


桜「うわさぁ~?」


か「さすがに、気になるね」


噂話と聞いて、興味津津な桜と、かんな

そして、優美は、2年ほど前に起こった事や

クズクラスの事に、心引き込まれていく


夏「私が聞いた話だと、2年ほどの前の4月

 私達が、6年になった頃の話なんだけど

 ある先生が転任してきたらしいの

 その先生は、ハンサムでカッコよくて

 その実力も、あの荒巻先生の数段上をいく達人クラスだったらしいのよ」


桜「おぉぉ~~~~」


達人クラス、その言葉に目を輝かせ、興奮するのは、桜であるが

鈴からすれば、桜自体が達人クラスだろう

それでなくても、桜の兄である蓮さんは、更に上の次元だろうに

と、突っ込みたいくらいである

そして、夏目の話は続いていく


夏「その先生が、中等部、Jクラスの担任になったらしくてね

 その後、幾つもの問題を解決したり

 いうことを聞かない相手達には、その実力で押さえ込んだり

 更正させたらしいの、そして、それは、他の学年のJクラスにも及んで

 最後には、高等部のJクラスまで、更生していくの

 就任して約1年で、中等部・高等部の全てのJクラスをその手で更生させ

 また転任していったらしい

 その後、GT【グレート・ティーチャー】と呼ばれ噂に残っているんだけど

 きになって色々調べたけど、そんな先生は居ないし

 当時の生徒、今の3-Jの生徒や

 高等部のJクラスの生徒に聞いて回っても

 詳しいことは誰も教えてくれないのよ

 ただ、高等部のJクラスの生徒達は何かにとても恐れているの

 いったい、何があったのか・・・・

 (お父さんが、とても気にして 

  一度だけ私に聞いてきたのを覚えているわ)

 鈴は何かしってるの?」


その言葉に4人の視線は、何かを期待して鈴を見つめるのだった

その中に、瞳を輝かせる桜の姿があった


そう、私は知っている、クズクラスと言われた生徒がおとなしくなった理由を

そして、桜・・・・・桜も知ってるはずだ


鈴「私も、同じ様な噂は知ってるけれど、本当の事はしらないよ」


夏「そうかぁ、しらないかぁ、もし分かったら教えてね

 気になってて、それで、優美

 クズクラスと呼ばれている、Jクラスの事はわかった?」


優「ですね、旧校舎に、あったとは知りませんした

 それでは、昼休みに成った所で

 Jクラスに、紫音君を探しに行ってきます」


か「それは、無理だね」


優「かんな?何でむりなの?」


か「優美、気づいてる?今日は土曜、そして今は、お昼、授業終わりね

 たぶん、話し込んでいる間に、帰ったね」


夏「帰ったでしょうね」


鈴「うん、すでに手遅れだね」


桜「いなぁいねぇ~」


優「え!・・・

 ええぇ!!!

 ・・・・・・・・

 忘れてました、連休明けの登校で、頭の中は月曜でした

 だから、皆さん帰り支度をしていたのですか・・・・」


桜「ゆみぃちゃん、てんねんさぁん~」


その言葉に、口には出さないが

鈴・かんな・夏目は思う、桜に言われたら終わりだろと・・・


優美も帰り支度を済ませ、5人は教室を出るため

先頭に立っていた優美は教室のドアを開けた


彼女達は、その時知りもしなかったのだ


廊下で待ち受ける

中等部3年、舞姫と呼ばれる彼女の事を・・・





*******




2年前のJクラス事件



その話を、鈴と桜が聞いた相手は、桜の兄、蓮からである

それは、蓮にいつ紫音と出会ったのかを聞いたとき

その経緯は、蓮が紫音と出逢う、1年前に遡って話は始まっていった



その話は【蓮・B・ティオーノ】彼が中等部に進学したことから始まった

小等部から、エスカレーター式で中等部に進学した蓮

彼と、そして彼を取り巻く友人達は、ある事を計画する

彼らは、誰もが嫌がる中等部Jクラスに入ることを望んだのだ

クズクラス、そこは何をしても許される

普段の行いが悪い彼等には天国の様な、場所である

授業なんて聞く気はない、勉強もする気がない

だけど、最低でも、高校卒業資格は欲しい

そう、Jクラス、ここは最低限の成績

そして、学外での不祥事、警察沙汰を、しさえしなければ

進級、そして卒業できるのだ

ならば、そこに行く事こそ、彼等の望みでもある


ただ、今までのJクラスのその粗悪な生徒たちのおかげで

授業内容は、期待できるような物ではない

他のクラスの様な、授業内容によって、学科別で移動教室がある訳でもない

高価な機材を使って授業をする事はない

Jクラスの授業は、昔ながらの黒板にチョークで書かれる、レトロな物であった

それに、授業をボイコットする教諭すらいるのだ

その為、最低限の成績を残すためには、各自で勉強するしかないのだ

だからこそ、何もしなければ、進級は出来ず、卒業も出来ない

だが、それなりに勉強が出来る蓮や、その友人達はJクラスを望んでいたのだ

そう、授業を聞かなくても怒られない

とりあえず、学校さえ行けば、出席日数もとれ

終わるまで、好き勝手できるのだ、そう自由なのだ

そして、蓮を含める友人達は、進級試験でワザと成績を落とし

クズクラスを勝ち取ったのだ

いや蓮いわく、負け取ったと誇っていた


そして、蓮が中等部1-Jとなったとき

同じくJクラスには、彼の話に共感した、友人達の数は

15人を超えていた

それ以外のクラスメイト、中等部からの進学組は

基本頭の悪いバカではない、学年で手の付けられない変わり者や

今まで、クラスに馴染めなかったりと、先生達が手を焼いた人物達である


だが、その反面、Jクラスと成るはずだった

20人近くの、本当の素行の悪いバカ達は

G・H・Iクラスに配分されたのだから

同じクラスになった生徒達はたまったものではない・・・


そしてJクラスにも、10人ほど、中等部からの転入組がいた

そう、これこそ、入学試験をギリギリ通ったバカ&問題児達であった

入試試験や面接では猫をかぶっていた彼等は

初登校すぐに、クラスの後ろで集まり、我が物顔で騒ぎ出した

誰の机か分からないだろう机を何脚も合わせ

多くのジュースを並べ、お菓子を広げ

その上に寝そべり、入学式すら始まっていないのに

騒ぎ立てていた


それは、このJクラスの支配者は俺達だと

いや、実際それだけの実力は有ったのだ

そうでなければ、ただのバカが、この学園に入学できることはない

中等部1年にして、お金持ちの子供や、魔力値が高かったり

戦闘能力が高かったりと、金と力を持て余した世間知らずの子供達


だが彼等は、彼等以上に我が道を行く人間達の存在を知ることとなる

それは、蓮を含める、自らJクラスとなった頭のおかしい人間達

蓮達は、入学式も終わり、自分達のクラスに戻るや否や

転入組の子供達、教室の後ろに集まり騒ぎ立てる彼等を

二度と逆らわないほど、リンチにするのだった


学校側としては、そんな事、毎年の事であり

係わり合いすら持つつもりもなかったが

事件は次の日、通常の授業が始まった事から始まった


蓮達は、別に騒ぎたいからJになった訳ではなかった

ただ、好き勝手したいのだ、ただ、蓮達は分かっているのだ

自分が好き勝手したいからといって、他人を邪魔する気は無いのだ

自分の勝手に、他人を巻き込むつもりは無いのだ

だからこそ、蓮の変わり者の友人達は、蓮の言葉に共感しJクラスとなった


彼等は一切授業を妨害しない

好き勝手しているので、小さな音がする事はあるのだが

基本授業中は静かであった

それに驚いたのは、学園側であった、創設以来初めての出来事

何が起こったのかは、今まで関与しなかった、学校側は知りもしなかった

そして、好き勝手しながら、授業を受ける蓮達

だが、それを邪魔する大きな音が隣の教室から聞こえてくる

そう、隣のクラス、2-Jからであった

それが、気に入らない、蓮達は先生や学園の目を盗み襲撃したのだった


蓮とその友人達、彼等は強かった

その中でも、蓮の強さはずば抜けていた

そして、男子2人と、女子1人、蓮に続く強さの持ち主

その実力なら上位クラスになれる生徒である

それは、鼓道場出身者、蓮とは小さい時からの顔馴染みである

そう、この3人、簡単な戦闘力で考えるなら中等部でも最強クラスなのだ

そして、蓮の実力は、すでに達人クラスとなっていたのだ

彼等が揃えば、接近戦において

相手が高校生であろうと負けることはないだろう


そう、相手はJクラスなのだ

多少力の在る生徒だろうと、知れていたのだ

それ相応の実力者は、基本、上位クラスなのだから


そう、蓮達の襲撃は中等部2年だけで、終わることは無い

その次の日には、中等部3年

そして、すこし離れてはいるが中等部の旧校舎から見える、高等部旧校舎

そこには、高等部のJクラスが存在した

そう、蓮達は、中等部となって、1週間も立たず

中等部と高等部の全てのJクラスを襲撃し、尽く粉砕した

そして、クズクラス全ての生徒に告げる


「授業中は静かにしろ

 もし、騒がしかったり、授業を妨害するなら、容赦なく潰す」


そう、その後も、蓮達は何度か騒がしいクラスを襲撃し

2度目の襲撃以降は、彼等の弱みを掴み脅し

2度と逆らえないようにしていった

そう彼等は、2度と蓮達に逆らわなかった

そう、絶対的な弱みと恐怖を植えつけられたのだ


最後まで、蓮達に逆らった生徒がいた、その生徒は最後には学校を辞めたが

その衝撃的事件は、全Jクラスに広まった・・・・・・

その最後まで、逆らった、高等部2年の生徒

彼の父親は、ある大きな会社の幹部であり

母親は、有名な華道の先生だった

彼は、生まれつき体格がよく、その実力は学園上部にもくい込むほどであった

だが、バカだった、蓮達に対して、3度目の反抗

彼は腕を折られ意識を失い病院に運ばれる事となる

そして、病室で、目を覚ますと

目の前には、涙を流し悲壮感に包まれた両親と弟の姿があった

彼は、きっと家族は自分の為に泣いているのだろうと思っただろう

だが、父親から発せられた言葉は、彼の想像を超えるものだった


「お前は、一体何をした、お前のせいで、俺は解雇された

 会長の更に上から直接の解雇命令だそうだ

 そして母さんも、華道の本家から除籍

 銀行口座は全て凍結・・・・・これからどうやって生きていけと・・・」


そう言うと父親は崩れ落ちた・・


その彼の家族と、家族ぐるみの、付き合いをする人達がいた

仲のよかった、2つの家族その子供も同い年であり

その息子もJクラスであった

そう、彼の家族が、たった1日にして落ちぶれた事は

彼の友人から、全てのJクラスの人間に伝わったいく

その後、蓮達に歯向かう人間は居なくなり

その事を他言する人間も居なくなった

そして、この事件は、2度と表に出ることはなかった



そうこれが、約2年前に起こった、クズクラス襲撃事件

結果的に言えば、蓮達の、ただのワガママ

静かに自分達の趣味に没頭したいが為に起こした事であった


その後、クズクラスの生徒が授業中に騒ぐ事は無くなり

学園内での、不祥事も無くなったのだ


それは、学園が、クズクラスに対する常識を根底から覆した衝撃的な事件だったが

その事件の詳細な内容は学園は知る事が出来なかった

その事件に関わった人間以外にとって、謎のままであった



そして、1年が過ぎ

蓮が2年となり

紫音が中等部に転入し、クズクラスとなる

紫音がこの学園に入れた理由

それは、どう考えても親の力であろうだろう

魔力の無い紫音、入学テストなど適当である

その気になれば、入学テストで満点近い成績を残した鈴に

念話で答えを聞く事も出来ただろうが

それ以前に、テスト問題すら半分も読んでもいなかったのだ

紫音は分かっていたのだ、自分が合格することを

だからこそ入学テストだろうと、どうでも良かったのだ


数十倍と言われる、国立関東天童魔法学園の中等部編入試験をだ

小等部は各学年36人8クラス、中等部は+2クラス、72人の募集人数である

そして、毎年この72人の内、数人は

紫音の様な、生徒の親の力を欲しがる学園側の、招待生徒

または、権力を持った大物の子供や

学園にお金を落とす、金持ちの子供

そう、すでに、それは昔からの決まりごと、学園の闇の部分である


紫音、鈴、彼等の母親【三千風蘭】彼女は、世界的有名な魔法化学者である

その知識や、彼女の幅広い人脈を、学園が欲しがらない訳がなかった

だからこそ、その息子を、学園が落とすわけがなかった

紫音と鈴は、【三千風蘭】とのパイプであり

とりあえず合格させてしまえと、後は、クズクラスに入れて

様子を見ればいいだろうと言う考えであった


そう、そうして、紫音は、クズクラスとなった

そして、大笑いをして向かえ入れてくれたのは

黒髪リーゼントを携える

紫音の幼馴染である、鉄雄の姿がそこにあった


そうして入学式も終わり

次の日から通常の授業が始まる事となる

そう、紫音は即座に寝る

鉄雄、そして鉄雄の仲のいい友人達は、好き勝手して過す

今年の1-Jに至っては、授業を妨害する騒がしい人間は数人であり

クラスのほとんどが、授業の邪魔もせず

我が事で精一杯の変人や、変わり者の集まりであった


だが、授業中に騒がしくする生徒たちも居たのだ

新入生だからと言って、それを許すほど

隣の教室、2-Jの頭のおかしい連中は優しくなかった



赤い髪を立たせた、少年は、ニヤリと笑い

嬉しそうに、周りにいる友人に声をかけた



「さぁ、狩りの時間だ」



蓮達は、意気揚々と1-Jに乱入する事となるのだった




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