19話 それからの井門圭人
ほんと・・・23時更新にしようかな。
井門圭人は、放心状態で、狐の魔物の背に倒れこむ少年を見ていた
その姿は、両腕を失い全身を黒いモヤで覆われていた
その姿を見たものは、確信したであろう、その少年の死を
そして、その原因を作ったのが自分だと言う事に自分自身を追い込む
最初は、組織への協力を得るため、三千風蘭に要請をだし断られ続け
なにが、どうなったか、組織は強硬手段に出ることとなり
三千風先生を強制拉致する事になった
三千風先生が働く研究所は、ガードが固く
3月に実家に帰る情報を得て、今に至る
それは、子供を盾にした、脅迫によって三千風先生を拉致できるはずだった
それを、好戦的なバカな部下達と
やまが連れてきた、小太りな男の裏切りで、計画は潰れ
各々で戦闘を始める始末
それの、被害で
三千風先生と、その娘が銃弾に倒れた
そして少女は、何かに守られるように黒い渦に吸い込まれた
その異様さ、力の大きさは
魔力の流れを感じれない井門ですら、分かるほど強力であり
その力が、暴走を始めた事は、そこにいる全員が理解できるほどであった
そして、少年の説明通りなら、その暴走は核に匹敵すると
それを止めるために、力を貸せと
そして、井門圭人の理解を超えた力によって
その暴走は止まり、少女は救われた
だが、その代償として、その少年は・・・・無残な姿となって死んだのだ
原因は何であれ、事の発端は自分にあると確信する、井門圭人
(こんなハズではなかった
俺はいたって普通の一般人だ
前の会社が不渡りを出して倒産して
再就職の面接受けて、13社目にして、この会社に合格した
前の会社で営業担当だった事が大きく評価されたらしい
そして、その会社の初仕事が、三千風蘭先生との交渉であった
出来すぎていた、よく考えれば分かる事だ
俺みたいな人間が、十士族の1つである四条家の下部組織に連なる会社に合格するわけがなかった
そうだ、俺は使い捨ての駒の1つだ
雲の上の存在からすれば、俺なんて、地を這いずる虫みたいなものだろう
だが、虫けらにも虫けら並の自尊心はある
組織の命令であろうと、決行したのは俺だ
それによって、子供が1人死んだ、それは有っては成らないことだ
全ての責任は俺に有る・・・・
三千風先生には、謝っても、許してもらえないだろう
それでも、許してもらえるまで、謝罪するしかない
だが・・・・それでも、今生きているのは、あの少年に救われたからだ
なら、この命を・・・・・・・を?」
空が光り、そこにいたのは、15cmほどの少女
その背に開く6枚の翼、その少女が使う魔法で
少年は、身体を取り戻す
そして、少年は身体を起こした
井門は、今その瞳で、神の奇跡を、目の当たりにする
その衝撃に、井門はその思考を止める
彼は、それを目で追うこ事しかできなかった
彼以外も、同じであろう、西神虎亜以外は・・
そして、少年は降りてきて母親に抱き抱えられる
2人の子供をその両手に抱き抱える親子の姿は
心打たれる光景であった
その心洗われる時間も、終わりをつげ
少年は、井門達の居る場所へ足を運びその口を開く
その言葉の中に、「見逃してやる」の単語が井戸の頭に響く
すこし西神と会話したあと、少年は井門に声をかける
「最後に、お前、井門
お前らの組織に伝えろ、蘭さんと交渉するのは構わない
その選択に、乗るか乗らないかは、蘭さん次第だからな
だが、これ以上蘭さんや、俺の家族を傷つける事があるなら
それは、この俺に敵対するとみなす
全ての物を失う覚悟で、手をだすんだな、と」
自分の名前が呼ばれた事に、正気を取り戻す井門
そして、その意味と、自分の立場を理解し返答する
「わかった、伝えよう
だが、俺は今回のことで、首を切られるだろうし
今後、三千風先生と、交渉する事も、会うこともないだろう
そして、すまなかった
傷つける気は、無かったんだ
言うこと聞かない、バカ達と
暴走した、ガキの事は
俺が全責任をとる、本当にすまなかった」
井門は本心を告げ
深々と頭を下げ謝罪する
「ああ、それは、いい、いい
終わったことだし、気にしてない
あれは、あれで、色々と楽しかったからな
死んだ自分の姿は、久々に笑わしてもらった
ある意味では、お前達に感謝もしてるしな、きにするな」
右手を左右に軽く振り、笑いながら応えるシオン
「なんでだ?1度は、いや、2度死んだかもしれないんだぞ」
「ん?ああ、気持ちよく死んだよ
まぁそれも、あれだ
ん~~~~~と、あれだ
終わりよければ、全て笑いとばせ?
そんな所で、俺達は、お暇 (いとま)するよ
じゃぁな」
シオンは、右手を振り挨拶すると
振り返り、家族の待つ車に足をすすめた
残された、井門達は、また衝撃を受けることになる
目の前で、三千風先生の車が消滅、いや、消えたのだ
井門は、最後の最後まで、度肝をぬかれる
だが、井門は、自身の右手で頬を叩き意識を立て直す
そして残った放心状態の人間に号令を出す
「撤収だ!
逃げるぞーーー」
その言葉に、正気を取り戻す、男達
そして、各自が乗ってきた、黒いボックスカーと、トレーラーに飛び乗り車を出す
どうにか、警察が来る前に、その場を逃げ切る事に成功した
そして、車に乗って逃げ出した人物の中に
西神虎亜が居なかった事に、後で気付くこととなる
また、緊急救助の連絡をした、トレーラーの2人は
その履歴と、妨害電波回復の為
後に警察に捕まる事となるが
その取り調べで、訳の分からないことを、喋り
意識障害?又は精神異常?または何かの魔法に掛かっていた事と診断され
実害が無かったため、罰金を払うことで、釈放される事となった
そして、井門は次の日、朝一から、自社に足を向け
そのまま、今回の事を指示した社長の部屋のドアをノックする
「入れ」
「失礼します井門です」
部屋に入って来た人物を目にし、部屋の主は驚き
座っていた椅子を倒す勢いで立ち上がった
「お・・おまえ、生きていたのか?
いや、昨日から連絡を入れていたんだが、繋がらなくて
それで、作戦は?先生はどうなったんだ?」
冷静に応える井門
「先生には逃げられました、作戦は失敗しました」
「どういう事だ、今回の事には、多大な金が掛かってるんだぞ
それに・・・・私の立場が・・・
す、全てはお前の責任だ、もう一回行け
そうだ、もう一回だ、今すぐ先生を連れてこい」
顔を真っ青にして、井門に命令を下す男
それに、冷静に井門は答えた
「社長、私は初めに反対したはずですよ
それでですね、失敗した理由は
三千風先生が此方に投降の意志を示していたに関わらず
貴方が集めた人間達が、暴走して仲間割れをしたせいです
こちらの命令を聞かず、喧嘩を始めたんですから
その隙をついて、どこかの人間が先生を逃がしたんですよ
あぁ、逃げるのを手伝った人物は、どこの組織か分かりませんがね」
「あいつらが、仲間割れをしただと・・・
あの組織の阿呆ども、そんな人間を送ってきたのか!
そうだ、その話が本当なら
そのせいにすれば、私の責任は免れる」
青い顔をしたまま、机に両手を付き
自分の責任を誰かに、なしり付ける為に、その頭を回転させていた
「社長、先生が逃げるのに手を貸した人物から伝号がある
【三千風先生と交渉するのは構わない
その選択に、乗るか乗らないかは、先生次第だと
だが、これ以上彼女や、彼女の家族を傷つける事があるなら
それは、彼女の後ろに居る自分達に敵対するとみなす
全ての物を失う覚悟で、手をだすんだな】だそうだ」
「なんだと・・・それは十士族にバレたという事か?」
「いや、十士族ではないでしょうが、それに匹敵する組織かもしれないし
そうでないかもしれない、私には解りませんがね
俺達の包囲網から、未知の魔法を使かって消えてみせた
かなりヤバイ奴だ、事情が聞きたければ
今回呼んだ助っ人達に聞けばいいと思いますよ。」
井門は、なんだかんだと、蘭や紫音を守るため、嘘をつく
「くそ・・・・」
しばし、高そうな机に両手を付いたまま、男は考え込み始める
その姿を見て
「それでは、私は通常業務に戻ります」
振り返ろうとした瞬間後ろから声が飛ぶ
「クビだ、お前は首だ、さっさと出て行け」
井門は足を止め振り返り
「わかりました、引き継ぎだけして、帰らせてもらいます」
いたって普通に応える
井門にとっては、予想内の出来事その事に驚きはしない
いや、すでに一生の3回分くらいは、驚き尽くしていたのだから
そのおかげで、もともと肝が座っていた井門圭人の精神は
さらに磨きをかける事になったが
今、社長である男の前でも、その態度が普段と変わる事がなかったのは
元々からの、図太さであった
そして、全ての作業を終えて、会社を出る
もう戻ることは無い会社であったが
井門にとって、昨日の経験は、ある意味、財産であると
そう、突然のクビだが、この会社に悪い印象はなかった
ただ、悔やむ事もある
この会社、ブラック企業の割には
それなりに給料が良かったのだ
そして、この瞬間から、井門圭人は無職となった
「はぁ・・・無職か
多少蓄えはあるが、早く次の仕事探さないとな
見つからないと、今度こそ実家に戻って・・・
あぁ、なんかもう、実家に戻って家継いでもいいかな」
そんな独り言を呟き、家路に向かう
そして、1月と少したった時の事である
いつもの用に、仕事を探し、就職斡旋所に足を向けけていた井門圭人
その帰り道、いつもと違う事が起きる
チャラ男、そう説明するのが正しいだろう
どう見ても、金髪のホストみたいな男に声を掛けられた
「ごめんちょ、兄さん、井門圭人さん?」
「そうですか?それが何か?」
「兄さんに、いい話があるんすが、話聞きませんか?」
ニコニコと笑いながら話しかけてくる、ホスト男に違和感を感じる
「どこで、俺の情報を仕入れたか知らんが、勧誘なら断るよ」
「そうですか~、いい話だと思うんっすよね
良い所に就職できるかもっすよ」
「・・・・・・・・・・」
「興味わいったっすか?
もし断られたら、この名前だせって、いわれてたんすが
まぁいっか、どうせ俺、使いっぱしりだし
なんだっけか?道草?未知クソ?満ちヤマっすか?」
「それは・・・・ミチカゼ?」
「そう、それっす、確か、さんぜんに、カゼで三千風 (ミチカゼ)っすか?」
その名前を出されたら、井戸の選択肢は
話を聞くしか無いのだ、いい話だろうが、悪い話だろうが
それは、仕方ない事、そして、井戸は頭を立てに振る
「分かった話をきくよ」
そして、チャラ男は、どこかに電話をすると
一台の車がやってくる、それに乗るように勧められ
井門が、車に乗ると
車の外で手を振る、チャラ男を乗せず走り出した
そして、運転手は、新しく乗ってきた男に対して一言告げる
「目的の場所に着くまで10分ほどお待ちください」
そして、井門はある場所に連れていかれる
そして・・・その・・・・数日後
井門は、いつもの用に、髪型を7:3にキメ
黒スーツに、黒メガネという風袋で
とある見慣れた、ある場所に立っていた
そして、ため息混じりに、諦めた声で独り言をいう
「はぁ・・・また、ここに来ることになるとは、思いもしなかった」
そして、入口から入っていき、受付に足を向けるが
受付に辿り着く事なく警備の人間に両手を抑えられる
「まってくれ、まだ何もしていないだろ」
「井門圭人だな、お前の会社と、お前はブラックリストに入っている」
「前の会社はクビになったんだ、調べてもらえば分かる
とりあえず、三千風先生に、取り次いでくれ」
「むだだ、先月から、アポの無い人間や、交渉に来る人物は
全て、排除するか、ブラックリストの人間は十士族引き渡す事になってるんだ
ブラックリストにも、のっているお前は、十士族に引き渡す」
すでに、地面に押し付けられ
身動きを封じられた井門は、警備員に、知られざる事実を告げられる
「ちょっと、まってくれ、一度でいい先生に」
だが、それも無視され、最終的に警備員4人に捕まり
ブラックリストに乗っている井門は、十士族に
手足を縛られ、簀巻きにされていく
そして、たまたま、そこに歩いてくる、白衣を着た女性
受付に、近寄ると、受付嬢に声をかける
「何か面白いことが、起こっていると聞いてきたんだが?」
「先生、実は、ブラックリストにのった人物が来たんですよ」
「先生、あそです、あそこの人だかりです
昔よく先生に会いに来ていたでしょ?たしか井門さんでしたっけ?」
「そうそう、井門さん、リストに乗ってるから、十士族に引渡しらしいですよ」
そんな、受付嬢達の会話を聞き、白衣を着た女性は
白衣のポケットに両手を突っ込んだまま笑いながら人だかりに歩いていく
そして、手足を縛られ、口を抑えられ、何も出来なくなった
縛られた男を、みて、大笑いする
「緯度経度、お前、そんな趣味もあったのか!
いやぁ、知らなんだよ、ムチとロウソクも使うか?
それとも、私がピンヒールで踏んでやろうか?」
そんな、大笑いをしている、女性に、警備員の一人が声をかける
「三千風先生、危険です、離れてください
こいつは、ブラックリストの上位に載る人物なんですよ
なにかあったら、困ります」
「はっはっは、すまんな、そいつを離してやれ
その男は、大丈夫だ、危害はない
もし何かあっても、私が責任をとろう」
「そう、言われましても・・・」
蘭は、警備員を説得して、井門を開放させる
だが、常に2人の警備員が、つきそう形で皆を納得させた
井門は、警備員にもみくちゃにされ、ボサボサになった髪の毛を
どうにか、直そうと両手で髪をいじっていたが
とうとう諦めて、蘭にはなしかける
「三千風先生、ありがとうございます
そして、私の名前は、井門圭人ですし
縛られる趣味もありません
まぁ、美人相手なら、一度位は踏まれてみたいきもしますが」
「私は、美人ではない、言い草だな、もう一回縛られてみるか?」
「いえいえ、先生も美人ですが、できれば、独身の方にお願いしたいですね」
「すまんな、私は、かなりの美人だが、子持ちだからな
それにしても、久しぶりだな、あの件以降1月ぶりくらいか?」
「そうなんですが、この警備は厳しくないですか?」
「ああ、あの件がバレたんだ、お前ら緊急救助あいてに十士族の名を出しただろう
それで、その前後の情報、カメラとか、衛生情報とかでな
私が関係したのが、バレて、私も大変だったんだぞ
士族の連中から、呼び出し呼び出しで、色々きかれてな
そのお陰で、この警備だ
お前の居た会社なんぞ、士族に潰されたと聞いたが?
なんで、井門お前ここにきたんだ?」
「え?潰されたんですか?
あの、さく・・・例の件の後に責任を取らされてクビになったんですよ
それで、先日新しい仕事に付いたんで、挨拶にきたしだいです」
「ほう、就職おめでとう?ん?話が見えないんだが?」
井門は、後ろに立っている警備員をちらりと見て小声で話し出す
「実は、ここの警備が強化されて
各組織の、三千風先生との交渉が、全て止まったと聞きまして」
「まぁ、さっきも言ったが、上の方針でな、色々とめんどくさくなってな」
「そこで、何故か私に白羽の矢が立ったわけですよ
前の会社のバックに付いていた組織が
他の子会社を使って私をスカウトしてですね
どうにか、また三千風先生とのパイプを作れと
まぁ、それが無理ならクビっていう、毎度の使い捨ての駒ですがね
まぁ、色々含めて、私自身も断れない事情もありまして
今日に至ったというわけです
あ、お土産もあります、いつもの、どら焼きを5箱ほど持ってきました」
「おお、あそこのどら焼きか?
後で頂くとしよう、で?私にどうしろと?
大体、前にも言ったが、当分ここの研究所を移動するつもりはないぞ」
「いえ、それは分かっています
私も・・・・先生の、お子さんに睨まれる事をしたくないので
私的には月に2・3度、合ってもらえればいんですが?
いやね、今の会社が手広くやってまして
その相手の各組織から、先生に渡してくれと、封書を8通ほど預かってまして
それを渡すだけでも、金になる理由です
だからこそ、パイプを作れと
私の上司的には、先生がここに居る方が利益は上がると言う事なんですよ
そして、私も、封書を渡せれば、手当が付きますし
そしたら、また、先生には、お土産も奮発できるという事になりますし
どうにか、なりませんか?」
「ああ、いいぞ、ブラックリストから外してやる
そして、毎週お土産もってこい」
「そうですよね、あの件があったんで、無理ですよね?って
いいんですか?」
「あぁ、お前はどう思っているか知らんが
紫音にいたっては、お前と、あの小さいデブは、気に入ってるらしいからな
私も、色々来ていた交渉役の中では、お前は、お気に入りの部類だからな
なにせ、毎度美味しい差し入れを入れてくれたからな
それに、今度何かあったらというか
お前らの力では、今の紫音に勝てないだろ?」
「はい、二度と逆らおうとは思いませんね
いやぁ、先生が承諾してくれて良かったです
前の仕事クビになって・・・・・
就職の為、送った履歴書は100通を超え
受けた面接は24社全て落ち・・・
ほんとに・・・なにのために、いきているのか・・・・ハァ・・・・」
だんだんと、生気が抜けていく井門に蘭はビックリして
井門の肩を揺らす
「井門、おい井門、正気もどれ」
「え? すいません、つい・・・・
最近自分の事を考えると、鬱っぽくなっちゃって」
「お前も色々あるんだな、まぁ受付と警備員には言っておく
週1でお土産頼むぞ」
「三千風先生ありがとうございます
これで、当分生きていけます」
まったくの、ノリで行われた交渉は成立してしまう
ここに、蘭と井門の密約は結ばれることとなった
「まぁ、早めに次の就職先見つけるんだな
それと、髪型は今の方がいいぞ、7:3は時代遅れだろ?」
「いえ、髪型は私のポリシーなので」
そんな話で盛り上がり
井門圭人は、三千風蘭の承諾を得て、研究所に出入りすることを許される
そして、井門は次の交渉相手に会うために大阪に向かう
表向きには、営業と言う形で入社はしたが
その実、裏の事業で、各地の交渉担当という立場となる井門
だが、井門もバカではない、影に隠れて、自分の会社や
裏に居る組織を調べ上げる、そして、それに与する組織までも
そう以前居た会社、蘭を拉致しようとした会社
蘭は潰れたと言っていたが、その裏で四条家が絡んでいたことは、井門は口にしていない
その事を、蘭が知っていたか知らなかったかは分からないが
作戦が失敗して、それが組織に伝わった時点で、四条家から切り離され
その拉致の痕跡を消すため四条家の手で、潰されたことは
その後の井門の調べ、いや、巧みな交渉術で手に入れた情報でもあった
そして、今の会社にも、四条の息が掛かっていることも
井門はすでに確証を掴みつつあった
蘭は、井門の帰った後
あの事件を思い出す
そして、井門の度胸に関心し一人なっとくする
そう、あんな事件を起こしておきながら
飄々と私の前に顔をだしたのだ
そして、研究所の警備の強化の事も知っていた
そんな中現れたのだ
その図太さといったら、すごいものであるだろうと
だが、それすら全て計算ずくだったなら、ある意味天才なのかもしれない
前々から、気づいてはいたはずだ
あれは、あの井門と言う男は、何らかの才能を有していると
それに、一瞬だが、前の会社が士族に潰されたと話したとき
目の色が変わった気がする
そして、前の会社のバックの組織とも言っていたな
あの男、どこまで情報を持っているのか?
フフフ、その内また何か起こりそうだな
とりあえず、紫音に伝えておくか
声に出さないが、心の中で、笑いながら
蘭は、自分の研究室に帰っていく
そして、井門圭人は、毎週蘭にお土産持参で
結ばれることのない、形だけの交渉をすることになる
だが、その事は、各組織に広がり
三千風蘭との交渉、または連絡は、すべて井門が窓口となる
そのおかげか、井門の名は、その筋の世界では有名になりつつあった
そして、いつしか
井門の表の普通の仕事に付きたいと願う想いとは反して
裏社会での交渉事に関して
井門はトップクラスの交渉人となるが
それも、全ての始まりは、井門と蘭との密約が行われた
数週間後に、かかってきた電話が発端となる・・・
その話は・・・・・・
今日もまた、間に合わず・・・
え?(昨日のうちに予約投稿しとけって?)
なにが?
・・・・・・き・・・きこえない、きこえない・・・




