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17話 そして家族の元に・・・。

 

 

 

「ハッハッハッハハ、死んだ死んだ、ボロクソだぁあ

 すげぇなぁーーーいままでの、3本指に入るくらいの、ボロクソ具合

 イヤァーー写メ取っときたかったなぁーーーー

 あ、、、写メって、うわぁ脳が現代事情に犯されてるぅぅ」


そこには、大笑いしている、男の子が一人


すでに、幽体となったシオンは、宙を泳ぎ

動きを止めた紫音自身の身体を見て、大笑いする

それは数十回または百数十回死に

今と同じように、その姿を見てきたシオン

その中でも、今回の死に様は、いや、その残った残骸を


それを見た者は、その残骸から視線を外さずにはいられない程に

ボロボロに朽ちていた、いやまさに、活動を停止した、その肉体は

今も尚、朽ちていっている

そう、そうの物体は、死んだ後ですら、呪は続き

その、ボロボロとなった身体を、ドス黒いモヤがおおっていた



「それにしても、すごいな、流石、元俺様の魔核、その鱗片ですら、あの力か

 我ながら呆れるくらい、無駄魔力・チートくせぇ~~」



シオンは、霊体となっているが、その魂はまだ肉体に有り

意識が霊体となって抜け出ている状態、幽体離脱と言っても良いだろう

どれだけ、ボロボロの肉体であろうと、その機能が止まっていようと

重要機関である、心臓と脳は呪に犯されているが存在している

そう心肺停止状態、シオンはまだ死亡していないのだ


だが、応急処置をしようにも、その肉体は魔法でも修繕不可能なほどに、壊れていた


心の蔵の動きを止めた、肉塊は足元から崩れ落ち地上約20メートル

【北狐亜種(シルバーフォックス)】の背中からずり落ちるが

その瞬間【北狐亜種(シルバーフォックス)】は

すかさず空を蹴り活きよい良く飛び出し空中で反転し

落ちていく紫音の身体の下に潜り込み、空中で、その身体を受け止めた



空を舞う、15cmほどの少女は、その小さな身体を震わせながら

シオンの名を、大きく叫ぶ

少女にとって、その消し炭となった少年は

自身の命より、自分のその身より、大切な存在であった


その少年に・・・・・・


いや、少年の前世であった、その男性に、その少女は救われたのだから

救われた・・・・それは語弊がある

少女は、とある日常の中で、ただ生きていた

他人から見れば、それが地獄であろうと、少女にとって平穏な日々であった


シオンとの出逢いは、それを、その平穏を壊すものだった

その男と出会わなければ、少女は人を愛することを知ることはなかった

その苦しみに、その身を焦がすことも無かっただろう

そして、最愛の相手の死に、その悲しみに絶望を感じる事もなかった

最悪にも、今、2度目の最愛の人物の死に直面する

それは、心の蔵を潰すような苦しみ悲しみに、その少女は涙を流し

その男の名前を、叫んだのだった


少女にとって、平穏な日々から

苦しみと悲しみを与えたシオンとの出会いは

地獄の入口だったのかもしれない

それであっても、少女にとって

その男こそが唯一の絶対的存在

その男こそが世界

その男こそが全てであった・・・・



少女は【北狐亜種 (シルバーフォックス)】と

その背中にいるシオンを追いかけた

そして、シオンの身体の元に、たどり着くと

その震える両の手を、シオンにかざし回復魔法を使う



それは・・・・


どんな魔法だっただろう


何度使っただろう


どれだけ魔力を注いだだろう


いくらくかの時間が立っただろう


だが、一切紫音の体には変化はない・・・


その一方で、リルの涙は止まらない

全身は、細かく震え、鼓動は加速し、呼吸は大きくなり

詠唱する魔法は度々途切れる

それでも、少女は回復魔法を、止めようとはしなかった


心肺停止、その直後ならば

蘇生魔法の使えない、リルでも

回復魔法による蘇生は可能である

そのタイムリミットは心肺停止から約3分

それ以上は、酸素不足によって、脳に回復不可能なダメージが起こる

そのタイムリミットも、すでに残り2分となっていた


その震える手に魔力を込めながら回復するリル・・・

その思いが、今、吐き出されていく


『シオン様、戻ってきてください、生きてください

 お願いします、お願いします、シオン様、どうかお戻りください

 シオン様の居ない世界に、何の価値が有りましょう

 シオン様の御側に居られない私に、何の意義が有りましょうか 

 世界よ、何故シオン様を拒む

 運命よ何故に、シオン様に死を、連続する運命の中で

 数度、数百度の人生を歩ませる

 数百の死を持って何とする

 そんな運命の輪、ウロボロスの蛇に取り込もうとする

 何故に終わりなき、シオン様の運命を弄 (もてあそ)ぶ


 何故に・・・・

 

 なぜに・・・・

 

 なんで・・・・


 私から・・・・

 

 シオン様を取り上げるの・・・・・

 

 私が幸せになる事は許されないのかもしれない

 生まれる前から定められた運命であり神事でもあった決め事

 それに、逆らった罰なの、それでも、ダメ


 シオン様を殺すことは、許されない

 私の罰の為に、シオン様が死ぬことは許されない

 

 私のシオン様、私の愛するシオン様

 だからこそ、生きてください、戻ってきてください

 もし、その身がダメであるなら、私の身体をお使いください

 私の全てを捧げます

 

 生きてください


 シオン様 』



だが、回復魔法を何度使おうとも、シオンの体は回復しない

その憤りは、より、リルを追い詰め

最愛の人を失う事に恐怖する



そして、それを地上から見ている数人の人物達

 

自分達を救ってくれた人物の死に、言葉がでなかった

現実で起れえる、創造しえる事柄を超えて、目の前で起こった事実

その事に数人は付いてこれず、放心状態でもあった


一番理解できていたのは、西神虎亜 (にしがみこあ)だけである

いや、それでも、その事実の1割も理解できていなかっただろう

ただ理解できたのは

鈴と言う少女の、計り知れない魔力の暴走

それは、核に匹敵する、あるいはそれ以上の爆発を起こしうる物であった

それを、あの紫音と言う少年が封印し押さえ込んだと言う事だ


核以上の魔力、そんな力は、現代に置いて有り得ない

その力の存在すら、創造すら出来なかった

だが虎亜の高速演算処理能力は、それを、その力の大きさを弾き出したのだ

いや、正確には、核以上の力だと、計算不能だと導きだした

そして、その能力によって、数分後の自分の死すら弾き出した


そして、それを人の身で押さえ込んだ、少年その力の源は何処にあるか解らない

虎亜の能力をもってすれど、その少年は、普通の人間以下の魔力であった

それでも、その力は、その存在の大きさは分かった理解できた

それは、虎亜の能力ではない、人間としての本能、それが、判断を下したのだ


そして、その子供が、その身を犠牲にして自分達を守ったことも

計り知れない、虎亜の知る由もない力を使ってだ

守ったのも自分達ではない、その子供の家族を母親と妹をだ

だが、結果、両腕を失い半身は焼かれ

半身は黒い影を纏朽ち死んでしまった少年が守ったものは

自分達であり、日本であり、世界であった

それを魂で感じとる虎亜

その目には、涙が溢れていた

その事すら気づかない程に

死した少年と、それを回復しようとする妖精に心を奪われていた



蘭は悲鳴をあげ、泣け叫んでいた

コレ程までに、心を乱した事は無かっただろう

コレ程までに、全身が震え、悲鳴を上げたことも鳴き叫んだことも無いだろう

それが、今盛大に泣き叫ぶ

それは、我が子の死に直面したからだ


数分前、自分も死にそうではあった、紫音は倒れ、鈴も苦しんでいた

それでも、楽天家な蘭は、全員が助かると、心の何処かで思っていたのかもしれない

事実目を覚ました時は、鈴は危ない状況であったが、紫音は地に足をつけ立っていた

そして、紫音は鈴を助けるといったのだ

昔から幼少の時から、紫音の言葉には説得力がある

なら、鈴の無事に帰ってくるのだろうと

親子3人で、無事帰れると確信した・・・・が

今、それは、紫音の死によって、打ち消された


上空にいる紫音の姿はハッキリと見えた

両腕はなく、意識無く倒れ落ちる、ボロボロで燃え朽ちる姿を見れば

その人間の命が無いことは、誰しもが理解できた


我が息子の死、それも、壮絶な死、その姿に

蘭は気が狂う程に悲鳴を上げた



そして・・・・・・

それを、遥か上空で笑いながら見ている、悪趣味な男、シオン



「おうおう、リルの奴、なかなか諦めないな

 すでに死んで1分って所か、蘇生までの、残り時間は2分かな?

 まぁ、あのボロボロ状態じゃあ、蘇生しても1分もたないだろうし

 あの状態の身体に戻るなんて、どれだけの痛みだよ

 両腕なしで生きて行けってか?断固断るよな

 蘭さんも、泣いてるじゃん、これはレアだ!激レアもんじゃね?

 あの蘭さんでも、取り乱す事があるんだな

 すげぇな


 ハッハッハッハ


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



誰にも聞かれることの無い、空回りする、笑い声

だが、シオンの両手の拳は、固く握られたいた



「・・・・すまんな、しおん

 蘭さん、鈴、あの2人は、紫音の家族だ

 挨拶もなく死んだ後悔があるんだろ

 言いたかった事や、伝えたい事、いっぱいあったんだろ


(うん、でも、鈴は助かった、僕の命は無くなったけど

 僕の気持ちは・・・

 2人を愛している事は伝わったと思う

 それだけ伝わってればいい)

 

 わるいな・・・

 しおんが死なない選択肢も有ったんだ

 だけど・・・・・


(わかっているよ、僕はシオンなんだから

 僕もこの結果が最善策だと思う)


 すまん・・・・・


(どうせ僕達は、又何処かで転生するんだしな

 シオンの世界か、僕の世界か、まぁ出来るなら、この世界がいいな

 そしてもう一度、やり直せるなら、蘭さんと鈴と又家族になりたい)


 あぁ、俺もな・・・・そう思うよ


(シオンこそ、いいのか?

 せっかく逢えた、リルの事は?)


 あぁ、いいんだよ、あれは

 すでに、前世で別れは済ませてる 

 それに、アレは俺に依存しすぎだ、自分自身で生きる目的を見出さないと

 今後が心配でな、その意味でも、蘭さんや、鈴と一緒に暮らせれば・・・

 3人が俺や紫音の居ない寂しさを、紛らわせればとなとな・・・


(そうだね・・・大丈夫さ、蘭さんは強い人だし

 鈴は、ああ見えて、しっかりしているからね、リルとも仲良くやれるさ)」



そして、誰も聞いていない、1人の会話は沈黙を迎える



その一方で、未だに、回復魔法を使い続ける、リルの姿があった

そして、いつの間にか、その周りには、たくさんの精霊の姿が集まっていた

その姿はこの世界の住人には見えない、シオンですら、その存在に気付くことはない

その存在を確認、視認できるのは、リルだけであり


リルの回復魔法、それは光属性の精霊魔法であり、その力の大きさは

込める魔力と、精霊の加護の大きさで決まる

そして、リルの呼びかけによって、リルの純粋な気持ち

【愛】【献身】【自己犠牲】そして助けたいと言う思いに応えて

リルの周りを覆うように、小さな妖精が集まってきていたのだ


それは、15cmほどの、リルより少し小さい人型の10cm程の光の精霊

背には、2対の大小の羽、計4枚の、トンボの様な、綺麗な虹色の羽があり

その中性的な体も羽も、透き通るほど、希薄な存在でもあった


その精霊達が今、リル思いに引き寄せられ

回復魔法の加護を上げるため集まってきたのだ

だが、物言わぬ、下級の光の妖精、それが100人集まろうが

多少の精霊の加護が増えようと、紫音の体には、何ら変化はなかった

それでも、諦めず回復魔法をかけるリル


未だ、魔核が振りまいた、高密度の魔素の中

どれだけ、魔法を使おうが、リルの魔力量は尽きることはなく溢れていた

それでも、リルの精神力と、心は、徐々に疲労を蓄積していき

限界を迎えようとしていた


そして今、リルの全ての感覚が止まる

まるで、時間が停止したような感覚、目に映る全ての物が、モノクロとなり

体は動かない、精神だけが、時間から切り離された用に

何かに、何者かに支配されたような感覚の中

目の前に、一人の人物が現れる


リルとさほど変わらない大きさ、女性型の美しき姿の人物

その人物が、静かにリルに語りかける


「神の力を宿す少女よ

 何故、その少年を救おうとする

 その魂は、この世界の物ではなく

 その少年の持つ力は、この世界には必要ないものであり

 その存在自体が、悪で有り、害なす物である事は

 神の力を宿す少女も理解できるであろう」


「貴方が、誰であるかは知りません

 もし、貴方が神の使いであろうと、神であろうが

 シオン様を、その存在を否定することは、許しません

 そして貴方は何を持って、悪とみなします?

 神は正義であり、その行動は常に正しいのですか?

 有り得ない、あの世界の神々は、正義ではない

 自身の理想を押し付け、その神の使徒に強要する

 神々の争いに、巻き込み、大量殺害を意に介さない

 この世界の神々は、違うと?

 一部の使徒に力を与え、その思想を与え

 その理念に合わない物は壊し殺害し奪い、私利私欲をもさぼる

 数千年に渡り、今も尚、終わることのない宗教戦争

 その発端を作ったのは神であり、今もなお、見て見ぬ振りの神々が正義だと?

 それでも、神は神では、あるのでしょう

 だが私の知る神は、私が生まれたその都市に居た神は正義ではなかった

 一部の住人には、悠久の幸せを与えた

 その住人には正しき神であっても

 その・・・

 

 ・・・・・・


 そう、その、片隅で永遠の地獄を約束された者もいた

 その者にとって、神とは、正しくも正義でもない

 ただその意志を押し付ける、わがままな子供以下だった

 だが、それも今の私には関係ありません

 貴方達の神々が、真なる正義であったとしても

 目の前に居ない神、会ったことも無い神

 世界が滅びに向かって進んでいる事が分かっていても

 何も手を下さない様な神々に興味はありません

 もしも、神々にとって、シオン様が、悪であっても

 私にとって、神とはシオン様であり

 私にとって、シオン様が全てなのですから」


すこしの沈黙のあと


「それでは、その少年が悪ではないと?

 神が間違っていると?

 答えによっては、神の力を宿す少女よ

 その魂も、その少年の魂も無に還す事に事になりますよ?」


「その考えこそが、間違いだと何故気がつかないのです?

 完全なる正義も、完全なる悪も存在しない事を

 私にとって、シオン様が悪であろうと、神々が間違ってようと

 どうでもいいのです、ただ今はシオン様を助けたいだけですから

 それが、神々の意思にそぐわないと言うのなら、好きにすればいいのです

 私の魂も、シオン様の魂も、神々の意思通りになる事はありません

 無に還すなら、すればいい

 神ごときが、シオン様の魂を、消滅させることなど、出来はしないのですから

 そう、シオン様は魂は負けない、私達は負けない

 私達は、私達の意思を貫き通します」

 

「神の存在・・・

 考え方の違い・・・・

 そうなのかも知れません

 人間と私達が、その住む次元を分かち合ってから

 長い永い時間が立ちました、時間の願念が、あまりない私達には

 どれだけの時間を有しようと、自分では意識の改革はままならない

 ありがとう、神の力を宿す少女よ、私はこれで、一歩進めるのかもしれない

 神の力を宿す少女、その数奇な運命の中であっても、決して絶望せず

 その少年を思う【強い心】に、その【深い愛】に、応えて

 その力を開放してあげましょう、後はその翼に聞けばよいでしょう

 私の名前は【エリレス】また逢う事もありましょう

 有意義な時間を感謝いたします」


そう言い残し、彼女は消え、リルの止まっていた時間は動き出した

そして、【エリレス】の言った、力の開放が訪れる


リルの体が光りだし、ある力が流れ込む

それは、魔力でも、呪力でもない力、天力である

呪力それは、負の思念の力、それに相反する力こそ

天力であり、神を思う信仰心によって作り出される力であった


その力は、リルの中で集約され、背中の小さな翼に流れ込む

リルは両の手を、その小さな胸に重ね

今、その身体に生まれようとしている力に集中する


そして、今リルの体は弾けるように大きく開かれる

それはサナギから、帰った蝶が、初めて大空を羽ばたくため

その美しい羽を大きく広げるように

リルの背中から、その身体を覆うほどの大きな左右3枚、計6枚の翼が開かれる

それは、見る物の心を魅了する美しさ

その美しさは

全ての者を魅了する、賢き女帝をイメージされた

【北狐亜種 (シルバーフォックス)】でさえ、一瞬その視線を奪われる

それは、【北狐亜種 (シルバーフォックス)】にある感情を大きく芽生えさせる


だが、リルは、自分自身がどうなろうと気にはしない

ただ、最愛の主を救える力を解放する


そして、リルの頭の中に、知識が流れ込む

それは、リルのシオンを救いたいと言う想いに

その力の象徴ともいえる、6枚の翼が応えたのだ


リルは、ボロボロとなった紫音の身体に両手をかざし

頭に浮かんだ魔法を使う


「天の加護をもって、全ての邪なる効果を打ち消し、その身を浄化せよ

 【エ・スペ・レ・ディ・フィ (浄化の風)】」


一瞬にして、紫音の身体を覆っていた、黒いモヤは吹き飛ぶ


そして、すぐに次の魔法を、詠唱する


「神の意思に従い、その者の身体を、完全なる状態にて召喚せよ

 【ウィ・ディ・ソコ・マ・ルオ (復元召喚)】」


紫音のボロボロの体がブレ

次の瞬間には、怪我1つ無い、裸の紫音の体が、そこに存在した

その姿に目も呉れず、最後の魔法を詠唱する


「神の力をもって、その魂を召喚し肉体に帰 (き)し、その命を吹き込め

 恩恵と感謝を持って、肉体・魂・命を今一つにし

 神の奇跡を借りて、今ここに、その存在を確立する

 【ウィ・ト・マ・ドゥ・ハ・カン (人体蘇生)】」



その、一部始終を見ていた、シオン


その目を丸くする


「マジか!あれは、あの力は、奴らの力か?

 解呪だと!そして肉体復元の完全回復だと

 本当にあれは、天力か?それよか、このままじゃァ、あれか?

 リルの奴、マジで、蘇生するつもりか?、嫌だ戻りたくない

 うわぁぁああああああああああああああああああああああ

 やめてぅれぇぇ~~~~

(嘘言うな、もどりたいんだろ?僕は戻りたいよ)」


シオンの魂は、有無を言わさず、肉体に戻された



・・・・・・・・・・・・・・・



シオンは、ため息混じりに、ゆっくりと目を開け、中に浮かぶ少女を見る


それに気づく少女は涙を流し、シオンの名を叫び

その場から、飛び出し、シオンに飛びつこうとするが


シオンは飛んでいる虫を叩くように、右手でリルを叩き落とした


「アホが!ここで死んで、家族を守った方が、カッコイイだろうが

 新しい力に目覚めて、俺を生き返らせるって

 どこぞの、しょぼい漫画か、ラノベかよ

 これじゃぁ、オチが無いだろ、オチが!」


それでも、リルは瞳に涙を溜めて嬉しそうに笑う


視線が合ったシオンは、舌打ちをしながら、照れくさそうに視線を外した


身体を起こし、【北狐亜種(シルバーフォックス)】の背に座るように腰掛け

左手で【北狐亜種(シルバーフォックス)】の首筋を軽く触りながら


「下まで降ろしてくれ」


【北狐亜種(シルバーフォックス)】は声高々に嬉しそうに鳴く

それに共鳴してか、下に居た【西表山猫(ヤマピカリャー)】も嬉しそうに鳴いた


【北狐亜種(シルバーフォックス)】は、その場を蹴り

螺旋階段を下るように、ゆっくりと、空中を降りていく


そう、下で待つ家族の元に、シオンを乗せて降りていったのだった。



 

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(しれっと昨日更新してないことを流す俺。)

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