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13話 運命の肉体的再会

再開とは、うれしいものだ!

そう、僕は、ブクマ、感想、評価してくれたら嬉しいだ~~~よ!


 



突如現れた、15cmほどの人形の様な生き物は


俺の名前を叫びながら、俺の顔にへばりついた


その瞬間、犬のマーキングかの如く、その小さな身体を俺の顔に、なしりつける

まぁ、大昔、あの世界で飼っていた飛龍の子供よりマシだが

あいつに舐められると、全身よだれまみれに、なったもんだ


ハッハッハッハ、と、心の中で笑う


まぁ、何故?俺の名前を知っているのか聞きたい所だが

今は相手にする時間はないし、とりあえず邪魔だ


そうして、軽くつまんで、放り投げる、シオン


後ろの方では、未だ、デブが、声を張り上げているし

あの調子では、この結界魔法も、鈴の魔核に耐えれなくなって

崩壊するのも、時間の問題だ、それまでに

魔核をどうにかしないと・・・・



頭を悩ます、シオンに対し

人形の様な生き物は、何かを願うように

シオンに問いかけた



「シオンさま、私です、リルです

 貴方様が、付けて下さった名前

 【リトル・L・アンシャン】です、覚えておりませんか?」



その名前を聞いた瞬間、シオンの心に何とも言えぬ感情が湧き上がり


それとともに、苛立ちに襲われる


自分の名前を呼ぶ、生き物はよりにもよって

リルの名前を口にしたのだ、それも・・・俺が付けた、リルのフルネームを

それも、自分がリルだと、その本人だと名乗ったのだ


シオンの苛立ちは、言い表せないほどであった

シオンが、その本来の力を使えたなら

すでに、リルと名乗る生き物の、その存在はすでに無かっただろう


そう、この生き物が、リルであるはずがないのだ



シオンが、前世で出逢った、リル

それは、俺が付けた名前


【リトル・L・アンシャン】


ハーフエルフであろう、女性だった


最後に見た姿は

身長150cmほどで、メイド服を着ていた

その見た目からは、年齢も種族すら、わからない

それは

全身にある古傷を隠すように、いつも包帯を全身に巻き

その顔は、左目も失われ、ハーフエルフの象徴でもある耳も無く

右目以外の全てを、包帯で巻き、仮面をもつけていた

そして、リルの声帯は潰れており、言葉を話せず

会話は念話でしか出来ない


それが、リルなのだ


ただ1つ、リルと、この生き物の共通点

それは、その綺麗な薄紫の長い髪だけであった


目の前にいる、綺麗な人形の様な生き物は

自分が、そのリルだと、いったのだ・・・・


そう、俺の腕の中で死に消えていった、リルだと・・・


歯を食いしばり、握る拳に力がはいる


だが今は、この世界の家族を救うために時間が無い

2度と、家族を失わないと決めたのだから


そして、自分自身に怒りをぶつける


(何をしている、鈴を助ける方法、魔核の対処が絶対事項

 もう、こいつに構う時間は無い)


そして、小さな生き物に、俺の視界から消えるよう命令する


「知るかチビ、じゃまだ、潰されたくなかったら、消え失せろ!」



そして、シオンは再び、意思加速の中

鈴を助ける方法を探る・・・・





そして、ある不確定要素に気づくのだ

それは、今この場に出現してきた、リルの名前を語った生き物


あの生き物は、俺の名前・・・

それは、この世界でも同じ、紫音、そしてシオン

知っていてもおかしくはなかった・・・

だが、リルの、あの名前を知っていた

それは、間違いなく、あの世界の住人である事の証明であった

それならば、何かしらの力があるはず

精霊でもなく、妖精でもない、何かしらの力が!


そして、シオンは、その小さな生き物に声を掛ける


「おぃ、チビ」


いや、それよりも早く、リルは、シオンに語りかけた


「シオンさま、それくらいで

 この私が、引き下がると、お思いで?

 最愛のシオンさまを、諦めるとでも?

 私の記憶が無いのなら、思い出させるだけ

 いや、私の存在を、その記憶に、その魂に刻み付けるまで

 それをもって、私は私の証明と致すとしましょう」


その言葉の意味を半ば理解したシオンは、驚き


「まて、チビなにをするきだ」


そして、リルは昔の用に念話で答えた


『すぐに解ります』


そして数千倍であろう、意思加速で

シオンに、ある映像を送る


それは、リルの前世、前の世界での記憶

リル自身が、その命を失った、あの日の記憶

シオンが【蒼き勇者】と戦い、敗北をし

そして召喚された、6体の天使に封印され、殺される様を

そして、それに飛び込む、リルの記憶

マリアの笑顔、涙を流す【蒼き勇者】

それを見守る、勇者の仲間や

涙を流し、何かを叫ぶ、街の住人達

それは、悪魔と呼ばれていたシオンの敗北、その消滅を喜ぶ物なのか

その住人にとって、優しき天使の様な存在である

リルの死を嘆く物なのかは解らない




『これは、お前の記憶なのか、、、』


それでも、その記憶ならば、そこにいた全員が知っている事でもある

それだけでは、証明にならない事は、リルも承知の上でもある


『そうです、そしてこれが、私が私となった記憶

 そして、私とシオンさまだけの、美しく愛しき記憶の断片』


そして、再びシオンに、ある光景をみせる



それは、今まさに、滅びようとしている都市の光景

天は曇りその雷雲は、叫び喚き、大いなる雷をその地に落とす

すでに、その巨大な都市に降り注いだ、魔法の傷跡で

各地で崩壊が始まり炎が上がり

爆発が起こり、すでに数十万人の人間が死んでいた

だが、それで終わる事はない

都市を襲う魔法は今尚続く、そこには逃げ場所もなく

多くの人間、数百万人にもなる人間の叫び声が、続いていた



そんな巨大都市の遥か上空、雷雲の中に浮かぶ影


全身傷だらけの女性を・・・

いや、すでに人の姿とも言えない存在を、その腕に抱える少年

雷が光るたび、その少年の髪は深い紫色に反射する

それは、10歳ほどの幼き、異世界のシオン姿であった


そして


シオンは、その腕に抱える女性に、名前を付ける


「・・・・・・を忘れ・・・・・・・

  ・・・・・・この・・・・・・・・

   ・・・・・・・の・・・・・・・

    リトル・_____・アンシャン・・・・・・

     そう、今からお前の名前は

      【リトル・L・アンシャン】 ・・・・・ 」




そう、それは、シオンが初めて、リルと出逢った時の記憶

そして、腕の中の女性に名前を付けた時の記憶



ソレは、二人だけの記憶であった



『リル・・・本当に、リルなのか?・・・・』


『シオンさま、記憶があるのですか?シオンさまの記憶が?』


『あぁ、ついさっき記憶が戻った所だ、だが・・本当に、リルなのか?』


『なぜ?見て解りませんか?

 多少サイズが小さくなってますが・・・あと昔の傷が無いくらいで

 そんなに、変わりは無いはずですが?』


『ちょっとまて、そんな認識なのか?』


『何か?間違いでも?』


念話の中で、シオンは深くため息をつく・・・・


『はぁ・・・・・・・・・今からある物を見せる』


そう言って、ある人物の映像を見せる


『これは誰だ?』


身長約180cmの人間

少し長めの濃い黒紫の髪

切れ長の瞳の細身の美青年


『シオン様では?』


『では、これは?』


身長約150cmの人間

胸の大きく、銀髪の長い髪

そして、少しタレ目な、メイド服を着込んだ、美女


『マリアです』


『これは?』


身長約150cm

メイド服を着込み、服以外の場所は、包帯が巻かれ

右目部分だけ穴があいた仮面の女性を映し出す


『私ですが?』


『最後にこれは?』


そして、シオンは、裸の少女を映し出す

その透き通るほどの白い肌、薄紫の長い髪を携え

女性ですら、心奪われる、美しい笑顔の少女である


それを見た、リルはその瞳を見開く


『誰でしょうか、コレは

 こういう方が、シオンさまの好みなんでしょうか?

 私の知らない方ですね、この世界の人間では無いようです

 この世界の人間なら、ずっと御側にいた私が知らないはずが無いでしょうし

 本棚の奥の本や、PCの画像にも無かったと記憶しておりますから

 私と出会う以前の世界の方でしょうか?

 それで、この方と、シオンさまの御関係は?』


念話に込められた怒りの念は、さすがのシオンも、たじろく

ずっと側にいた?ずっとだと?

いや、それより

隠していた鉄雄に貰ったエロ本に、PCの中のエロ画像も、バレた!?

今は・・・・・その事は置いておこう・・・・・


『この女性は、今のお前の姿だ、リル』


『・・・・・・・え?これが私?』


『あぁ、どうしてかは分からないが、今はこの妖精のような姿だ』


そのシオンの言葉には、嘘があった

妖精の様な姿に変わった理由に多少の心当たりが有るが

確信が持てるまで、いや今後その事を伝える事は無いだろう

リル自身が、その事に気づくまではと、その事を心にしまう


次元の狭間にいた、リルそれは幽霊の様な存在でもあった

その姿は、何物にも映ることはない

だからこそ、リルは自分自身の顔を見たことがないのだ、その美しい顔を


そして、リルは今自分の姿を、じっと見つめる

リルにとって、それは心底驚く事であった

ハーフエルフであったが

今の、その姿は今は、小さな妖精

そして映し出されたその姿の背中には、小さな羽のような物があった


『リル理解できたか?

 あの世界では、ハーフエルフであったし

 喉も潰れ声すら出せなかったお前だ

 この姿で、こちらの言葉を話すお前が

 リルだと信じられないのも分かるだろ』


『はい・・・・納得いたしました』


『それでだ、今の現状は把握できているか?』


リルは、シオンの問に、嬉しそうに答える


『はい、運命の出会い、いや、運命の肉体的再会

 その感動で抱き合う場面ですね

 あぁ、、、しかし肉体の大きさが

 どうしましょう・・・・・

 これでは、シオンさまの夜のお世話もできかねます

 いえ、これは、これで・・・・・

 あの世界では妖精に夜伽をさせる店があったと記憶しております

 でしたら、私も』


『まて、リル、違うだろ』


『え?ありませんでたか?

 それでも、小さい体でも出来る事はありますね

 シオン様も今は小さいですし

 あんな事や、そんな事、道具も使えば・・・・

 フフフ・・・楽しみですよね、シオンさま』


『だから、違うだろ・・・・』


『なんの事でしょう?』


不思議そうに聞くリル


『俺が置かれている今の状況だ

 鈴の中の魔核が暴走しかけてんだ』


『そうですね、それがどうかいたしましたか?

 その少女が死ねば、魔核はシオンさまの元に戻るのでは?』


まるで興味が無いかように答えるリル

その言葉に怒りを覚える


『どういうことだ?

 鈴が死んでもいいというのか?』


その怒りの念を、もろともせず

冷静に答える


『さあ、どうでもイイ事ですが

 その少女が死ねば、シオンさまは、魔核が戻りますし

 私は宿敵が1人減るので

 どちらかといえば、その方が、私達の為になると思いますが?』


シオンは、その言葉を聞き、姿は変わっても

その本質、リル自体は変わっていない事を確信する


『リル、俺は、母親と妹を助けたい、お前はどうする』


リルは、静かに答える


『シオンさまの、意のままに』


リルの最愛の人物、シオンはリルの主でもある

そのシオンの言葉は絶対である

そこにリルの意志は関係ないのだ


『リル、お前は何ができる?

 得意魔法はなんだ?』


『この世界に、いで未だ数秒でございます

 この体には慣れておりますが、魔法の類がどこまで使えるかは

 まったく分かりません、以前と同じであれば

 念話と回復魔法だと思われます』


『魔力・魔力量は以前のままか?それと回復魔法はどのレベルまで使える』


『はい、あの世界での私はその魔力の9割以上を

 自分の生命維持に使っておりましたが、今はそれもする事はなく

 その魔力を10全に使えれます、マリア程ではありませんが

 それに近い魔力、魔力量があると思います

 また、回復魔法は、上位魔法までです』


『それだけか・・・・・それじぁあ、、いや、それでも、、』


『あと空中に浮かべる事で、転移魔法も使えるようになりました』


『・・・・・・成功率低いがやるしかないか・・・』


時間も限られ人材も力も無い・・・・・・・・

だからといって、諦める事はできない

失敗すれば、死ぬ?・・・・・・まぁ、2人が死ななけりゃぁ、、、


『ははは、ま、いっか、なるようにしか、ならねえ』


時間もなく、切羽詰まった状況化にあるにも関わらず

その、10歳になるだろう少年の笑顔は

無邪気で、それは嬉しそうな笑顔だった

その笑顔を見た、リルは背中に嫌な寒気を感じる


あの笑顔、最後に見たのは、あの【蒼き勇者】と対峙した時

シオンさまは、あの2人を助けるため命を掛けると・・・

それほどまでに、大切だと言われるのですか・・・・



そんな思いの、リルを他所に

シオンは、リルに号令を掛ける


前世では、そのボロボロの身体のため

戦いに出向く事は出来なかった

戦いでシオンの、片腕となり、側に仕えるのは、いつも、マリアでり

リルは、いつも、留守番であった、その事には納得していた

家族として、シオンさまのメイドとして、妻として

家を守るのは、私の役目だと

それでも、心の何処かで

いつ如何なる時もシオンさまと共にと

そして、戦いで役にたたない自分に悲しくもあったが


『リル、いくぞ』


その言葉は、リルの心を奮い立たせるには十分であったのだ


『はい、命尽きようともシオンさまと共に』


それは、2人を救うため命を掛けようとするシオンに対し

そのシオンを、命をかけて守ると、その言葉に誓を立てる


そして2人は念話を解く




そして、それは、数千倍に加速された念話

現実では、1秒にも満たない出来事であった



そして、未だ、魔法【ザ・ワールド】の状況化

加速状態のシオンとリルの2人

そして、シオンは、すぐに行動に移す


「リル、蘭と鈴が出血多量で危ない、治せるか?」


「はい、では直します」


シオンの問いに、冷静に答えるが

その心は、シオンと共に居られる事で高ぶっていた

その為、答えると同時に行動に移す


シオンのめいを受け、空中に浮かぶリンは

その両手を、蘭と鈴にむけ即座に治癒魔法を展開させた


「あ、待て・・・」


「え?」


その時には、すでに魔法は発動され

2人の青白くなった肌は

じょじょに血色を取り戻し、薄いピンク色になっていく

それは、2人の回復を意味していた


シオンの頭の中にある予定が崩れてくるが

起こった事は、どうしようもないと


「まぁいいや、きにすんな」


完全回復する、鈴

それは、鈴と共にある魔核は、一気に活性化し、鈴の体が大きく跳ねた




・・ドクン・・・・・・




一度大きく脈打つ魔核

そして、鈴から一気に吹き出した魔素により

虎亜の結界魔法【ザ・ワールド】に大きな亀裂がはいる


「ぐ・・なんだ、これは、一気に・・・・・もう、無理だ!」


先程から、不安定な魔法を必死に維持してきた、虎亜

それも、すでに限界を迎え

トドメとばかりの、鈴の持つ魔核の一撃


半球場に張られた、虎亜の結界魔法に

一気に亀裂が全体入り、ガラスが砕け散るかのごとく崩壊していく

その欠片、1つ1つが、太陽の光に反射し

七色の光を映し出す、それは美しいステンドグラスの用でもあった

結界魔法の崩壊は、幻想的な光景を作り出していたが


誰1人その光景を楽しんでいる者はいなかった



そんな中、シオンは、いち早く行動を開始した


そう、数歩踏み出し、その右足に力を込め

地面に横たわる鈴の身体を

力の限り蹴り飛ばしたのだった。



 

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