12話 再会?
(*'ω'*)オレできる子
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【ザ・ワールド】を起動させた西神虎亜
今までの恨みを晴らすが為
今その相手、やまさんと呼ばれる男に、その矛先を向けた
虎亜、独自開発魔法【ザ・ワールド】
その結界内において、虎亜は絶対者である
他者の時間を1/10程に落とし、自身の時間を7倍程度上げる
その速度差は、単純計算で約70倍である
そう、この結界において、虎亜の動きを認識できる人間は居ない
虎亜が、ゆっくりと、やまさんに近づき、その右手を振り上げようとも
やまさんは、それを認識することすら許されなかった
そして、後は右手を振り下ろせば、積年の恨みが晴れるはずであった
その時、信じられない光景を目の辺りにする
それは、誘拐対象であった子供
それは、先程、やまさんに蹴られ動かなくなったはずであった
虎亜は今の今まで、その子供は死んでたと判断していた
だが、その男の子は、動いている
家族である、2人の側で
何かを振り払うように右手を動かしていたのだ
「ありえない、何故動ける!なんだ、お前は!」
魔法【ザ・ワールド】において
虎亜の速度に付いてこれる、存在は居ないはずなのだ
そう、虎亜には世界がまるで、止まって見えていた
それは、やまさんが、速度強化し必死で動こうとも
その動きは、まるでスローモーションであったのだ
それが、まるで、全てが関係と無いと言わんばかりに、普通に動いて見えていた
その声に反応する男の子
気だるそうに、首を傾げ、その方向に首を向けるシオン
「チッ・・・あぁ、お前が、この魔法の発動者か」
すでに、その身に纏った覇気で
結界内に置ける時間制御の効果を打ち消していたシオン
虎亜の言葉を聞き、その速度を理解し、肉体加速によって返事をする
約7倍になる、肉体加速それは、10歳になろうかという子供の体には
大きな負担、動くたびに筋肉の繊維はボロボロになってゆくが
今は鈴の発する、回復の魔素により
その負担も瞬時に回復していた
虎亜の耳に、普通に聞こえてくる言葉
それは、同じ速度で動いているに他ならなかった
その事に、1拍置いて気が付く虎亜
「何故俺様の速度に着いてこれる
神の領域に踏み込んだ、俺様の魔法は完璧なはずだ
現に全ての物が、俺様の速度に付いてこれてない
なぜだ、なんでだ、お前は、お前は、何者だ、こいつは、いったい・・・」
まくし立てる虎亜
シオンは、首だけ左後ろに向け、虎亜に顔を向けたまま
右手は、シオンの周りに断続的に起きているノイズを振り払っていた
「俺か?、俺は俺だ、ただの人間さ、何の力もない、小さな子供だ
それより、亀裂に、ノイズ、どこが完璧な魔法だ
すこしは、時空、次元に関する勉強をしろ
それにしても、ノイズがうぜぇ」
「ただの人間が・・・・・ただの子供が
俺様の速度に着いてこれるわけがないだろうが!」
虎亜の脳はフル回転する、高速演算能力を手に入れても
この子供の正体が、存在が、有り様が解らない、理解できないでいた
その結果、魔法【ザ・ワールド】の維持能力が落ちる
「おい、集中しろ、魔法が解ける
お前にはまだ、この魔法を解いてもらっては困るんだ」
虎亜には理解不能な一言
なぜ?この子供は魔法を解くなと言うのだ?
この子供にとって、家族を助けたいなら、結界を解いて
そこの井門でも使って、即座に病院に向かうことが最善ではないのか?
なのに、なぜ?結界を解くなと言うのだ?
事実、魔法を解いてしまえば不利になるのは虎亜自身である
頭目の相手、やまさんに続き、この正体不明の子供を相手にする事は
負けを意味する、それは死に繋がっている
そして、再度魔法に意識を集中し、乱れた結界を立て直すが
それでも、納得がいかない虎亜は、何度も問いただす
「だから、お前は何者だ!」
「あぁ、デブ!うるさい、ノイズがうぜぇ、どうにかしろ」
一度、維持能力が落ちたことにより、よりノイズが強くなってきたのだ
ノイズの音が大きくなる、それは、耳の良い・・・・
いや、スキル【波】を持つシオンにとって
音や、周波数よる攻撃は効果的なのだ
その耳に残る周波数は、だんだんシオンを苛立たせる
だが、その周波数に乗せて、人の声にも似たものが聞こえて来るが
シオンにとって、知ったことではない
「神の力を得た、俺様に命令するだと!お前は・・・・」
デブが、何か言い放っているし、ノイズもウザイ
「あぁぁ・・・・めんどくせえぇ・・・いらつく・・うぜぇぇええ」
ノイズを振り払う、シオンの右手にも、徐々に力が入る
そして、目の前で起きたノイズに、鬱憤をぶつける用に右手を振り下ろす
ノイズを、どれだけ手で振り払おうと、それは当たるわけでもなく
干渉するわけでもなく、振り払ったその手は、空を切っていた
だが今、無意識に、その手にスキルを乗せるシオン
それは、ノイズと逆位相の周波数
そう言うなれば、ノイズキャンセラーを、その手で再現しようとしていた
そう、ノイズに対し、シオンは逆位相の周波数を叩きつける
ノイズそれは、次元干渉によって起こされた現象
次元、時空という存在を知っているからこそ
シオンは逆位相のノイズを
時空に対してぶつける
そう、それは別次元に干渉する一撃
「バチ!」
っと大きな音と共に何かが、ハジけ飛ぶ
そして、シオンの周りから、ノイズは消えたのだが・・・・
そう、ハジけ飛んだ、そうなのだ、ノイズと共に、ある物がハジけ飛んだ
それは、コミカルに、クルクルと回転しながら蘭の胸に飛び込んだ
「うきゃ」
かわいい声をあげ
仰向けに倒れた、蘭の胸の谷間に挟まれた
そして、シオンは、その可愛らしい声に反応し
虎亜に向けていた顔を戻し蘭の胸に視線を落とした
それは、胸に挟まれ、ジタバタと暴れる、小人・・・・・・
大きさは、15cm程の裸の人間?
その体型と、薄紫の長い髪から、女だと理解できた
そして、背中にあるのは、大きさにして1cmも満たない
1対の2枚の翼のような物が生えていた
「精霊?妖精か?」
シオンは、つい思った事を、口にする
それは、異世界に居たシオンにとっては、珍しくもない生き物であるが
この世界には居るはずの無い生き物である
居るのかもしれないが、その存在は確認されてはいない
だが、蘭の2つの胸の間に挟まった、その生き物は
シオンが疑問形で呟いた「精霊?妖精?」その言葉どうり
ソレは精霊でもなく、妖精でも無い
シオンの知らない生き物であった
「狭い狭い潰れる」
騒がしく、蘭の胸の谷間から抜ける、15cm程の裸の少女
ペタンと蘭の腹部に腰を下ろすと、頭をぷるぷると左右に振り
目の前に、そびえたつ、2つの山の谷間から、その持ち主の顔が垣間見れた
そして、今まで挟まれていた場所が、蘭の胸と気づく
「げ、なぜ?宿敵の胸に!」
そういって、小さな右手で、蘭の左胸を叩く
それは、蘭のハリのある胸の弾力で、音もなく弾かれた
「え?」
信じられぬ光景を目にした、いやその手に感じ
心底ビックリした少女は
自身の震える両手を見つめる
「ああああああああああああああああああああああああああああ」
歓喜の叫びを上げ
その小さな両手で
1回・2回・3回・4回と
蘭の左胸を何度も何度も、ペチペチと叩く
最後に両手を蘭の胸に置き、震えるように言葉をこぼす
「さわれる、本当に、さわれる・・・・」
そして、何かを思い出したように顔をあげ
首を左右にふる
何かを探すように周りを見渡す少女
シオンの目と、少女の目が合うと
「シ・・・・・シ・・・・シオンさまぁーーーーーーー」
それは、少女にすれば、最大の大声であっただろう
そして、その小さな顔には大粒の涙が溢れ流れ
その15cm程の裸の少女は、浮くように蘭の胸から離れ
シオンに向けて宙を駆けける
そう、少女は重力を無視し、宙に浮く
透き通るような白い肌の美しい少女
薄紫色の長い髪が、空を泳ぐかのように拡がり
その少女の瞳には、とても小さな涙が溢れ流れ宙に舞う
その綺麗な長い髪と、小さな涙の粒が
光に反射しキラキラと、その輝きを増してゆく
そして少女は
最愛の相手に、ふれれる喜びを、その感情を隠そうとはしない
少女の顔は、喜びに満ちていた
その笑顔は美の女神すら嫉妬するほど美しい物だったに違いない
空を飛ぶ、15cm程の小さな少女
その少女のいる空間は、それは美しく幻想的な美しさがあった
優雅さを背負って宙を舞う美しき気高き少女
その姿を見たものは、きっと心を奪われ
脳に刻まれた、その姿を一生忘れる事は無いだろう
だが、その神秘的な光景を目にしたのは、世界でたった2人
その1人は井門圭人、だが、井門と少女の間には
数十倍と言う時間の流れが邪魔をし
井戸はその一瞬の出来事に
少女の姿すら認識する事は出来なかっただろう
そして、もう一人は、少女の最愛の人、シオンであった
そして少女は、1メートルほど、宙を舞った
その姿は一糸纏わぬ姿、そして裸であるその姿を
隠そうともせず、恥じらおうともせず
シオンの顔にへばりつく
そして、シオンの鼻に腰を掛け
両膝をそろえ、シオンの口に足を掛ける
そして両腕を、シオンの眉毛の上に広げ
少女は、その小さな頬を、シオンの額に当て
「シオンさま、シオンさま」と・・・
少女は腰を、シオンの鼻にのせ
「あぁ、シオンさまの、お鼻」
少女は、その足で、シオンの唇を触り
「あぁ、シオンさまの、くちびる」
少女は、その腰を、シオンの鼻に強く押し当て
「あぁ、シオンさまぁぁ~~」
少女は、その手で、シオンの眉毛をさわり
「あぁ、シオンさま ・ ・ ・ あん ・ ・ ・ 」
少女は、その腰を動かし
「あぁん・・・・・シ・・・シオンさま・・・」
少女は、その頬を、シオンの額にあて
「あぁ、シオンさまの温もり」
少女は、その足を、シオンの口の中にすべり込ませ
その腰を強くおしつける
その小さな手は、届く範囲を、触りまくる
何度も確かめるように、懐かしむように
最愛の相手の名前を口ずさみながら
少女は、シオン額に何度もキスをする
その小さな身体全体を使って
最愛の相手の体温と鼓動・その全てを感じようとしていた
・・・・・・・・・ が ・・・・・・・
ヒョイ っと
シオンによって、剥がされた
一瞬あまりの出来事に、反応が遅れたシオン
その一瞬の間に、シオンは顔を、なでくりまわされる事となる
しおんであったなら、びっくりし、その顔に張り付いた
その小さな生き物を、叩き落としただろう
だが、今はシオンなのだ、多少顔を、触られようが
頭から魔物に食べられようと、さほど気にしない、笑って許すだろう
そして、シオンは、まるで飛んできた、蝶々を剥がすように
静かに、人差し指と親指で、顔にへばりついた、少女を優しく、つまみ上げ
興味が無いかの用に、横に放り投げる
「じゃま」
その身長は15cmほどであったが
その少女は美の女神アフロディーテすら嫉妬する美しさがあった
そして、宙を舞う少女は、誰もが心惹かれる優雅さがあった
が・・・・・・
それを、虫を取り払うように、つまみ放り投げたのだ
投げられた方は、溜まった物ではない
いや、叩き落とされなかっただけ、良かったのだが・・・
少女は、空中で一回転し態勢を整え、自分に起きた出来事に目を丸くする
先程まで、少女は最愛の人に
触れられた事を、その温もりを感じた事に
心の底から喜び気持ちが高ぶっていたが
シオンに無下に扱われた事に、びっくりする
そう、少女は10年という時の中で、一時も離れずシオンの側にいた
そうなのだ、その言葉どうり、一時も離れず寄り添っていた
この世界に来て、少女は次元の狭間に陥り
その存在は、この世界から認識されることは無く
少女からも、この世界に干渉することも出来なかった
そうなのだ、少女は10年と言う長い時間の中
寝る事を知らない、小さな身体の少女は
最愛の人の側で見守る事しか出来ず
触れ合う事もなく、その言葉どうり
1日24時間一時も離れず、シオンの側にいたのだ
少女は、諦めていた、最愛の人間に触れることを
自分の存在を彼に知ってもらえることを
許されるなら、1度でいいその腕に抱かれたいと
それが、今現実と成ったのだ
先程まで、何時もの用にシオンの周りを飛んでいた
それは別の次元、シオンは、その存在に気付くことはない
そして、西神虎亜の魔法【ザ・ワールド】によって
シオンのいる世界と、少女の次元が干渉しあい
その存在自体が異質の力を持つ少女は
ノイズとなって、その魔法に干渉していた
そこに、シオンの一撃、それにより少女は、この世界に叩き出された
世界に、さわれる、温もりを感じられた
その喜びは言い表せない
それ以上にシオン触れた喜びは計り知れなかった
そして、少女の脳裏には
自分と同じく
私と逢えて、涙を流して喜ぶであろう、シオンの姿があったはずなのだが
現実は、全くと言って良い程違っていた
そして気がついたのだ大事なことに
あまりの喜びに、心の昂ぶりに
あることが、頭の中から抜け落ちていたのだ
そう、シオンが転生して、この世界に来た事を
10年の時の中で、少女は確信していた事があった
それは【三千風紫音】として、転生した、シオンさまは
前世の記憶が、私と過ごした記憶が無いと言うことを
長い時の中で、少女は、紫音が前世に関わる事を
口にした記憶も、その素振りをした記憶がなかったが
先ほどの威圧感、そして今まさに、その身体を覆っている覇気
それは、間違いなく私のしっているシオンさまである
もしかしたら、頭の良いシオンさまは
生まれてから今まで、その事を隠してきたのかもしれないと
自分を納得させ、最後の希望を持って
シオンに問いかける
「シオンさま、私です、リルです
貴方様が、付けて下さった名前
リトル・L・アンシャンです、覚えておりませんか?」
両手を胸の前で合わせ、縋るような瞳で、シオンの顔を眺める、小さな少女リル
そして、その言葉に、帰ってきた言葉は
リルの想像していた言葉では無かった・・・・
そう、リルの問に帰ってきた言葉、それは
「知るかチビ、じゃまだ、潰されたくなかったら、消え失せろ!」
その口調は、怒りに任せた強いものであった




