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11話 魔核

家に帰ってから投稿予約しようと思ってたら、家に帰ったの23時半・・・もう、むりぽ・・・。

言い訳でした。

 



覇気を纏ったシオン


その体は今、呆然と立ちつくす


(なんで、それが、そこにある・・・・・・・)


自分の目を疑うが、事実それは、そこに有ったのだ


いや、実際には見えはしない、シオンの魂だからこそ、ソレが感じ取れたのだ



口を開き、大きく息を吸い、おおきくため息を吐く・・・・


そして、それを確かめる為、シオンはその歩みを進める


その先に居るのは、地面に倒れこむ少女と女性

そして、その2人を助けようと近寄った男性がいた


しかし、すでに動きを止めた、その男は、シオンの眼中には無い


シオンは、静かに一歩一歩、家族の側に近づく

それは、シオンと、しおんの魂が同化するように

魂と、その身体を馴染ませるように、すりあわせてゆく

【ひ弱】であった、その身体も多少ではあるが、強化されてゆく

筋力・魔力がではない、その強固であるシオンに魂に導かれ

世界の違う次元での強化が行われてゆく

だがそれも、10歳の体では微々たる物でったし

その事に、シオンすら、気づくことはなかった

シオンの身体に芽吹いた、その力が花開くのはいつの事であるだろう・・・


そして、全てが1つに重なる頃には

シオンは、母(蘭)と、妹(鈴)の側までたどり着き

その歩みを止めていた


太腿を撃たれ、腹部には銃弾が貫通した穴が空き

大量の血を流し、意識を失った母親

その隣には、腹部に銃弾を受け、大量の血を失い、意識を失った妹


そして、アスファルトに、拡がる大量の赤い血を見れば

誰しもが、2人が死んだと確信するだろう


だが、シオンには届いていた、2人の心音が

それは弱々しいが、確実に力強くシオンの耳に届いていた

だが、大量の血液を失い、その肌と顔は青白くなっていて

危ない状況には間違いがなかった




2人の側まで来て、シオンは確信する


いや、すでに確信していた、分かっていたのだ


それに・・・・・


そう、この異常とも言える現状の原因が、ここに有る


元々は俺様のアレ・・・・・だ・・・・と・・。



そう異常なる状況



ここ一帯に充満しているだろう、魔素

それは、この世界で言う魔力|(MP)ではない

その元となる力、異世界での魔力の根源であり

この世界で例えるなら、不純物を含まない魔力であり

新しい元素とも言っても良いだろう物が、魔素である

普段、大気中の魔力を吸収し体内で変換し蓄積する事で魔力量|(MP)とするが

これには、人にもよるが、幾ばくかの時間が掛かるのだが

それが、魔素であるなら、その所要時間は少なくなるだろう

そして、その魔素を使って行われる魔法は、威力を上げるだろう


そんな魔素が、信じられない濃度で、この一帯に充満していた

それも、高濃度に圧縮された、魔素がである


そして、この場にいる人間なら、その魔素によって

魔力は膨れ上がり、魔力量は、湯水の用に溢れている事だろう

そして、普通の人間であるなら

高濃度に圧縮された魔素を吸収したその身体は

その魔素によって、徐々に破壊されていたかもしれない

必要以上の高濃度の酸素は、毒でしかない

それと同じ用に、高濃度の魔素は毒でもあったが



それをも回復してしまう、力も充満していた



壊れていたはずの俺の脳

覇気の開放で、傷ついた俺の肉体

全身大火傷で、その肌は爛れていただろう、チビでデブな男

そして、銃弾を受けた、母と鈴の傷

そう、その全てが治っている、回復しているのだ

そして、多分、この井門と言う男の脳神経も

すぐに回復するだろう



その原因もシオンには理解できていた



時間と共に、大きくなる目の前の力の根源

それは、魔力を感知できぬ、井門、シオンにも分かるほど

その体からオーラを放っていた

それは、シオンの目の前で横たわる、一人の少女【三千風鈴】である


その小さな少女から感じる、それは・・・

強大であり、懐かしくも有り、約千年の時を共に過ごした戦友であった魔核


(俺の魔核・・・・どうして、ソレが、そこに・・・・・)


2度3度、頭をかき、言い捨てる


「あぁぁ・・・・・・・、まぁ・・・・いっか」


そう、あれこれ考えてみたが、どうしようも無いのだ

鈴の中に、ソレを感じる事が出来ても、今のシオンでは

ソレを取り出すことも、触ることも出来ないのであるのだ

もう諦めるしかないのだ、こうなれば、決断は早いシオン


シオンの魔核

それは以前の世界では魔王すら凌駕し

神すら殺した力の根源でもある

その膨大までに成長した魔力、神すら超える力


だが、まるで、そんな、神をも超える力を

地面に落とした、食べかけのアイスの用に諦める

きっとそれは、ソレを受け取ったのが鈴だったからに違いなかった


事実それどころではない、鈴の共に有る、魔核が起動し始めているのだ

それは、未だ余震のようなものだが、その力の1%であっても

この地一帯を吹き飛ばすには十分なパワーを有しているのだ

どう考えても、鈴の体が、魂が、その1%ですら耐えれるとは思わない

そう、封印も制御すらされていない、その魔核

少しずつだが、確実に、その力を解放しようとしていた




魔核、シオンの魂と共にあった、ソレは

シオンと共に成長し来た

限界を知らないソレは

いつしか、魔王や神にも匹敵する力まで、成長した

その頃からか、シオンはその魔核に封印を施した

そう、シオンの魂と共にあったならば、その封印は機能していただろう


だが、その魔核も今は、鈴と共に有った

ソレは先ほどまで、まるで冬眠していたかの用に

静かに、佇む様に、誰にも気ずかれず

鈴の魂の側に、ただ存在していた


元の主である、シオンの生命の危機に、ソレは反応した

シオンの元で封印されたままあったなら

ソレは起動する事は無かっただろう

ソレは、小さな鼓動と共に、徐々に覚醒していったのだ


魔核、そう、ソレの今の主人は、鈴である

鈴の中で、徐々に覚醒する魔核

その鼓動は徐々に大きくなってゆく

その存在を、知りもしない鈴

その鼓動を紫音の鼓動と勘違いすることになったのだ


そう、すでに屍と化していた

双子の兄の心臓の鼓動だと

だからこそ、兄は生きていると

すぐにでも私と蘭さんを助けてくれると、信じていた

いや、きっと死んでいても紫音は

私達を家族を助けてくれると

信じていた

そこに何の確証もない


自分の双子の兄、それはもうすぐ10歳を迎える、小さな少年

だが、その兄は鈴にとって、この世界で一番信頼置ける人物

そして何でも出来ると、全ての事をこなせると信じていた

たとえそれが、銃火器を持ち自分たちを攫おうとする集団でも

母が十士族と対峙しようと、一個師団の軍隊であろうと

それが、どんな理不尽である出来事であっても

紫音なら、兄ならその全てから助けてくれると信じている


紫音にとっては迷惑極まりない話でもあるが

当の紫音は知る由もない



魔核、その本来の働き、起動する事によって、魔素を作り出す

シオンと共にあった魔核、ソレがただの魔素を作り出すわけがない

不純物を含まない高濃度に圧縮された魔素、それを限りなく作り出す


未だ1%も覚醒していない、魔核であろうと、その生み出す魔素は

巨大であり、小さな鈴の身体では受け止められる物ではなかった

飽和した魔素は、徐々に身体の外に漏れ出していた


そんな時だ、マシンガンの銃弾を受け、母・蘭が倒れた

鈴も銃弾を受け、大量の血を流し、鈴も倒れる

心にトラウマを抱えた鈴だからこそ

心優しき鈴だからこそ

その奇跡が起こったのだろう


母を救いたい一心

自分の命を捨てでも、自分の命より母の無事を願った

鈴の心・願、それは徐々に覚醒する魔核に届く

シオンの魂と共にあった頃の魔核には、ありえない事でもあった

魔核、たった10年ほどであるが、鈴と共に過ごした


鈴と共に、楽しみ、笑い、おこり、悲しみ、泣いた

そして、鈴の心に突き刺さった古傷、そのトラウマは

少なからず、鈴と共にあった魔核に傷を残し、何かを刻む


そんな魔核だからこそ、鈴の心に答えたのだ

いや、魔核それは、言うならば、ただの機能、魔素を生み出すだけの機能である

ソレは、感情も意志も心すらない、だが、ソレは鈴の心に答えたのだ

ソレは、その魔核は、生み出す魔素に大いなる力を乗せる

全てを包み回復する力を

そして、魔核は鈴の意志を受け母を回復するため、その力を使うため

その覚醒速度を上げる、それが鈴の身体を破壊する事に成ろうとも

鈴の意志を継ぎ、魔核は覚醒していく


そう、魔核が起動し、回復の力を乗せた魔素を

その小さな身体から、放出していた


その魔素は、紫音を回復し、蘭を回復し、西神虎亜を回復し

この場にいる全ての物を回復していった

また、その魔素によって、その全ての人間が普段の数倍の力を得たのだ


そう、西神虎亜の、神がかった力や、回復力

やまさんの、溢れる力も

元を探れば、鈴から漏れた魔素を取り込んだからなのだ



だが、それに気づいた人間は

魔核の存在を確認できた、シオンだけである

そして、その魔核の覚醒が、鈴の身体を徐々に蝕んでいるのに気づくのもシオンだけである

母の傷は、治っている、鈴の傷もだ

そして、魔核の覚醒に耐えれない鈴の身体は

その破壊と共に起きる魔素の回復力で、今はまだ、その生命を保っているが

2人の流した血は戻らない、だからこそ、2人の顔は、青白く血の気が無くなっていた


下位の回復魔法、治癒魔法では失った血は戻らない

魔素に乗せた回復の力でも、血は戻らなかった

それは自然の摂理、回復・治癒魔法では体外に排出した物は戻らない


汚い話になるが、小便、大便した後に、回復、治癒魔法を使ったなら

小便大便が、体内に戻る・・・・・と言う事はない

同じように、体外に排出された血液は、戻ることはない


完全回復の魔法であるなら、四肢を失った人間すら完全回復するだろう

失った血液ですら、その身体に戻っただろう、それでも例外は有るのだが

傷を治したい、蘭を助けたいと願う心に反応した魔核では

流した血を取り戻せる力はなかった


傷は治ったとしても、その身体の大半の血を失った2人の生命の危機は間違いなかった



そう、シオンは全て理解していた

だが、シオンには、それをどうする事も出来ない

考えを巡らすが、今すぐ、思いつく最善の方法は、1しかない

井門が呼んだ救助を待つしかできない

だが、それでも、鈴の中で徐々に覚醒する魔核の対処は

今のシオンでは、いや現代科学ですら、対抗できないであろう

もしかしたら、十士族の人間が何人か揃えば対処できる可能性もある

それも時間の問題である、後10分もしない間に、人知を超える力の暴走となり

日本の地形が変わるほどの力が解放されるのだから

いや、その前に、鈴はその魔核に耐えれず消滅するだろう



知識、魔法の知識はある、この世界の科学魔法の知識も解ってきた

だが、それを実行できる魔力、魔力量がない・・・

すでに、シオンは紫音の身体を見つめ直していた

それは、悲しいが、能力診断の通りであった、魔力、魔力量共に

普通の人間以下である、これは、双子に良くある事である


双子として生まれる時

極めて稀だが1人分の魔力を分けて生まれる事がある

それは双子2人共、普通以下の魔力を有していることとなる

又は

2人分の魔力を片方の子供が受け継ぎ生まれてくる場合である

これは、片方の魔力が大幅に上がるが、もう一方は普通以下となる


紫音と鈴は、後者にあたるのだろう


普通の人間以下のシオン

覇気を纏って、魔力の質は多少変わる物の

その魔力は上がることは無く

鈴の体から発散される魔素によって

多少の力の向上が有るものの

それでも、普通の人間より上程度なのだ

そんな、シオンでは、まともに魔法すら使えない

異世界の魔法知識が有っても、それを発動できる

魔力と、魔法量が無かった


力なきシオンは、その場に立ち尽くす

その思考は、シオンの知りうる知識を駆け巡るが

何万と言う選択肢が浮かぶ中で、鈴を救うし選択は1つも無く

シオンにとって、千年に及ぶ人生の中で2度目となる最悪の事態に陥ろうとしていた


1度目の最悪の事態、それは、前の世界で、その腕の中で消滅していった、リル

彼女を、あらゆる意味で救えなかった事であった

繰り返してはならない、大切な家族を失うことだけは・・・・

そして、シオンは無限とも言える選択肢の中で、鈴を救う手段を探す


シオンと共に、生きてきた魔核

だが、シオンはそれを、躊躇無く諦めた

それでも、家族は諦めれない、救う手段が無くても

たとえ世界を敵に回しても・・・


その場に立ち尽くし、意思加速を使う

そして無限回廊という出口の無い選択肢の迷路に迷い込み

どれだけの時間が経ったのだろう、現実での時間は数分であっても

数万倍とも言う、シオンの意思加速の中では

数ヶ月又は1年近い時間が経過していた


・・・・・・・・が・・・・・・


シオンとって、それは、いきなりの出来事であった


ある魔法によって、現実に戻された

いや、いきなりの違和感

それ感じて意思加速を解いたと言ったほうが正解であるだろう


そう、この時、西神虎亜の魔法【ザ・ワールド】が発動したのだった


そしてシオンの時間は1/10程度に落ちていくが

意思加速ができる、シオンにとって、そんな物はどうでも良かった


物事に集中すると周りが見えなくなる

シオンと、しおんの悪いクセである

そのため、虎亜の展開した魔法に気づかなかった

その展開までにかかった時間は、意思加速していたシオンにとって

何時間になっただろう、だが一度集中したシオンは、ソレに気づく事は無く

魔法が展開、起動するまで、きずかなかったのだ


そして、瞬時に状況を理解する

結界魔法、そして結界内での時間制御魔法

それによって時間の流れが遅くなっていると


それはシオンにとって好都合でもあった

それは、鈴の中にある魔核も、その魔法の対象外ではなく

同じように、時間の速度が落ちていた

そして、血の気が無くなった、母と鈴の時間も遅くなっていたのだ

これなら多少は救助までの時間が稼げると

それでも、魔核の対処方法が無い、それが一番の難問でもあった

そう、後1人、魔術に長けた魔王クラスの人物がいたなら

そう、あの世界の魔王【精霊女王・レディー】【サモンマスター・ギャルコレル】

どちらかが、ここに居たなら、瞬時に事態が収まるだろう

最低でも、準魔王クラスの魔術師が・・・または【マリア】クラスの人物が居たならと


現実的に無理な事が、一瞬脳裏をよぎるが、頭を振るって打ち消す

そう、あの世界の人間が居ることを考えるだけ無駄である

だが、どう考えても、この世界の人間では対処が出来ないほど

鈴の中にある魔核は覚醒していた・・・

それでも火山の噴火前の静けさの用に、未だその力は1%にも満たないが

いつ完全覚醒して、その力を暴走させるかは、シオンですら読みきることが出来なかった


その為、この魔法【ザ・ワールド】はシオンにとって助け舟でもあった


しかしその考えも長くは続かない

覚醒前の魔核の力は

不完全な【ザ・ワールド】で、時間制御できるほど小さいものではない

鈴の周りに、結界の歪めるほどの亀裂が入り、徐々に大きくなってゆく


そして、シオンの周りに、ノイズが走る

それは、結界の次元が、より大きな他の次元の力と、ぶつかり合い

ノイズを発生させていた


ノイズは、結界内の至る所で発生はしていたが

その中心はシオンであった

原因は分からないが、ノイズが一番発生している場所は

シオンの頭の周りであった


頭の周りに発生する、ジャマなノイズ

「ジジジ」と小さな細かな音を発し、シオンの集中を邪魔をする

その細かな音と共に聞こえてくる、微かな声らしき音

それすら、今のシオンにとって、集中を乱す邪魔な存在


そして、それを消し去るように、幾度か手で振り払う


その動きは、時間制御された中であっても

通常の速さより数倍早い動きであった


そして、その動きに気がついたのは

この魔法【ザ・ワールド】を発動させた人物だけであった



 

こんな、適当な作者ですが

登録、感想、評価おねがいしまう。

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