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9.5話 ザ・ワールド

本日2話目




虎亜の目の前で、その結界魔法、【ザ・ワールド】は完成された


その薄い青く光る結界を見上げ


「やはり、俺様は天才だ、くくく、俺様の時代が来た

 ハッハッハッハッハ!!!」




ザ・ワールド



この魔法、簡単に説明すると

結界内の時間の流れを約1/10程度に遅らし

術者の虎亜の時間の流れを約7倍程度まで上げる魔法である

これにより、結界内の人物と、術者の速度差は

単純計算だと約70倍程度になるのだ


実は、元々の効果は、もう少し劣っていた

結界は半径10メートルも有れば上出来だっただろう

結界内の時間の流れも、1/5も有れば良かった

自身には時間魔法ではなく、速度強化魔法のはずであった

それでも、2倍程しか上がらない計算であったが


それが、身体に溢れ出る魔力・そして湧き上がりこぼれる程の魔力量は

虎亜の潜在能力を倍以上に引き上げられ

虎亜の手に入れた、脳細胞全領域使用、高速演算処理能力

2つの、能力により、半自動的に、書き換えられ

結界魔法【ザ・ワールド】は

元の魔法から、まったく違う魔法へと変化していた


そして、その魔法は想像以上の効果を発揮し


その光景に、虎亜は喜び歓喜する





ちなみに時間の流れは、速度強化とは違う

時間の流れを上げると、その使用者は、普段どうりの行動であっても

他人から見ればそれは、数倍の速さで動いているように見える

その為、体の負荷も無く

他人から見れば、その思考さえも、早くなっていると感じられるだろう


そして誰でも使える魔法でもなかった

世界の理に反する魔法である

その資質とそれに見合う能力か、スキルが無ければ使うことの出来ない魔法である

虎亜には、その資質は多少あったのだ

そして、結界と言う外界から隔離された空間でのみ、その魔法を使うことができた

実に、元々から魔法の実力は天才の域であったとも言えるのだが

悲しいことながら、馬鹿である



また、速度強化は、その肉体を酷使し無理やり速さを求める魔法である

肉体的速さはますが、その思考は、早くならない

その為、この魔法に慣れないうちは、頭と体が一体とならず、歩くことさえ難しいのだ




まぁ言うのは簡単だが、それは、信じられない程の高度な魔法である

この半分のサイズであろうと

その魔法起動に数人の魔法師

そして魔法維持に数人の術師が必要となるほどであるが

最大の理由は、この魔法が、結界空間による時間制御の為だが

それも、結界内の時間の流れを遅くす魔法と

魔法使用者の時間の流れを早くする魔法

相反する魔法を、同じ結界内で行ったことによる為と

元は3つの合同魔法で有ったはずが

虎亜の覚醒した演算能力により、3つの魔法が1に統合されたため

複雑怪奇な、魔法となっていた為であるだろう




しかし、この魔法には重大な欠点があった

1つの結界内での、同時時間制御魔法

それは時空、他次元に干渉するものであったからだ

そこまで考慮し、対策を練った魔法であるならば

扱える人間は、この世界では数人居るか居ないかだろう

それ以前に、次元にすら干渉しうる魔法を、制御し対策ができる

魔法式を作り上げれる人物が、この世界には居ないであろう


そう、この魔法が時空、次元に干渉するなど

分かりもしないし、知りもしない

そこまでの知識がない虎亜

脳が覚醒しその力の100%が使えようとも

演算処理能力が上がろうとも、知らないものは、その計算に含まれない

そして、足りない魔法式と

3つの魔法式を1つに合わせ簡素かされた

複雑怪奇では有るが、つたない魔法式

そんな、試運転もされてない、魔法は徐々に、その綻びをみせる事となる






虎亜は、動きを止めた、やまさんを見つめる


そう、約70倍の速度差

やまさんの1秒は、虎亜にとっての70秒、約1分ちょっとである


「なにが、起こっているか、それすらも感じられぬ顔だな、やまさん

 まずは、その四肢を、もぎっとてやる

 これは、リベンジでも報復でもない

 神である俺様の身体を傷つけた罰、大罪である」


ゆっくり歩き、やまさんに近づく虎亜

その耳に、小さな音が届く


 パチッ    ジジジ     パチパチ      パチ・・・・ジジジ・・・


「ん?・・・なんだ?」 


そくざに、周りを見渡す

それは、結界内の数箇所で起きていた

次元干渉によるノイズと、時間軸に干渉による亀裂であった




「くそ、巨大すぎる神魔法の為か

 その維持にも莫大な魔力を持っていかれるという事か・・・ん?」


そう、それは魔法発動と、その維持の為、すでに魔力量が底をつき

この魔法【ザ・ワールド】の結界が、解けかけていたと、考えたが


虎亜の体感できる魔力量は、未だに溢れるほど、存在していた

そう、この神魔法とも言える魔法の維持をしているのにも関わらず

虎亜の魔力量は、減ることを知らずにいた、そればかりか

溢れんばかりであった

そんな自分に、神となった俺様は疲れ知らずかと心で笑うが、1つの不安がよぎる


それは自分で組んだ魔法式に、何かの不具合が有ったのかと

自分で組んだ物ではない、脳がその高速演算処理能力で作り上げた魔法式

その、複雑な魔法式に虎亜自身が、理解できずにいたが


原因は、すぐに理解した、左腕に装備していた、魔法デバイス

この魔法の元であった、3つの魔法式の1つが搭載されていた、デバイスである

この魔法の為だけに用意したものであるが、これが熱を帯びていた

キャパオーバーによるオーバーフローであると

帰ったら、特注で新しく作らすかと・・・・


俺様の脳が、魔法式を間違えるわけがない

そんな自信に、自分を疑うことすら、思い及ばない虎亜


「・・・・まぁいい、あと十秒も、持てばいい

 それで全てがおわり、新しい神となった俺様の世界が始まる」


そして、全ての動きの止まったとも感じる、小さな結界世界


やまさんに恨みを晴らすべく、その右手を振りかざす


そして、信じれない光景を見る


そう、それは・・・



 

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