8話 絆
「しおぉぉっぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
蘭の悲鳴と言える絶叫が、谷間に響く!
そう、それは、大きな音に、身体が反応し、蘭は音の方向に首を振った
そこに横たわるは、目の前にいたはずの、紫音の体があり
そして、蘭は顔面蒼白となり、紫音の名前を叫んだのだ
その声は紫音の耳には届いたが、その声に反応することはなかった
太腿を銃で撃たれ、膝を付いていた蘭は、紫音に駆け寄ろうとするが
その痛みで立ち上がる前に、左によろける
それを支えたのが、蘭に回復魔法を使っていた鈴である
そして、蘭がその場を動かないように、抱きつき、静かに
「大丈夫、紫音は大丈夫」
その言葉は震えていたが、確かな意思があった。
後に、思い返した時、そこには違和感があった
私が紫音の姿を見たとき、死んだかと血の気が引いたことを覚えている
だが、鈴に至っては、紫音の姿を見ることもなく、無事だと判断を下していた
双子の持つ、感覚なのだろうか?私には分からない絆なのだろうか?
双子ではあるが、物心つく前には、紫音は鈴の面倒を見ていた
そう、紫音、鈴が4歳になる頃には
私も旦那も仕事で、月に数度ほどしか家に帰らないようになっていた
4歳の2人の子供を、家に残し数日も家を空けるなど、今なら虐待と言ってもいいだろう
そんな、異常とも言える家庭環境であり
育児放棄をしたと言われても否定できない私達であったが
だが、それでも、それ以上に、紫音と言う息子は異常であった
知らない間に、手の掛からない子供になり
知らない間に、鈴の面倒まで見ていた
料理は私に似て苦手みたいだが
それ以外の家事は、そつなくこなすようになっていた
朝、鈴が起きれば、洋服を準備し着替えさせ、2人で保育園に行き
帰りに、お店で、自分達の夕食の弁当を買って帰り
帰ってくれば全自動ではあるが、洗濯もする
できる範囲で、片付けや掃除もする最後には
「じぶんたちのことは、じぶんでできます、りんも、しんぱいないです
ぼくもりんも、たのしそうな、ふたりのかおが、だいすきだから
らんさんも、おとうさんも、したいことをしてください」
びっくりもしたし、嬉しくもあったが
当時、3歳の子供の言う言葉ではなかった
それまでは、夜には・・・
いや、月の半分位は夜には、私か旦那が家に居るようにしていたが
それ以降、徐々に家を空け、子供2人に留守を任せることが多くなったのはたしかである
もしかしたら、私と旦那が
どちらが家に泊まるかで口喧嘩をしていた時期がある
それは、険悪な仲違い、顔を合わせれば、口喧嘩
私の頭の中には、離婚の文字すら浮かんだ事があった
そう、子供を旦那に押し付けて、自分の研究に没頭したかった時が
今思えば、旦那も同じだったのだろう
私に子供を押し付け、自分のやりたい事をと
それを紫音が見ていたのかもしれない・・・・・・・
私も旦那も若かったのだ
大学時代に、子供を授かり結婚して
20代前半の、まだまだ遊びたいと、やりたい事をがまんできなかった
若かりし罪深き時・・・・私より旦那より
3歳の紫音が一番、大人だった、一番家族を愛していたと
私達、家族を救ったのは紫音だと
そんな紫音の好意に溺れ、徐々に家に帰る回数は減っていった
それでも、できる限り日曜には家に帰り、子供達と触れ合い愛すと決めた
鈴も紫音ほどでないが、小学生になる時には
ある程度の事は、自分で出来る様になっていた
それは、親を見て育ったわけでは無い
全ては、紫音を見て育ったのだ
そう鈴の育ての親は紫音なのかもしれない
そんな2人の関係は、私には解らないところに有るのかもしれない・・・・・
そして、そんな鈴の視線の先には、紫音を蹴り飛ばした男の姿があった
その男は、すでに蘭に対して攻撃態勢をとっていたのだ
「やま! 何をするんだ、今話は済んだはずだ!」
井門は、やまさんに、振り向き叫ぶ
紫音を蹴り飛ばした男は、一歩下がり
飛んでいった紫音と、蘭・鈴を視界に入れたまま戦闘態勢を維持し
「だまれ!お前は解らなかったのか?あのガキの異様さを
魔法なしで、アイツ等2人を倒したんだぞ、それも時間にして約2分ほどで
そして今狙われたのは、お前だ井門、俺が手を出さなかったら
今倒れているのは井門、お前だ」
何かに苛立っていたが、その声には緊張がうかがえた
そう、やまさんは、その異様さに気が付いた
蹴り飛ばした、その足に残る感覚、そして吹き飛んだ子供
それは、この子供は、強化魔法なしで、大人2人を倒したのだ
魔法が不得意という情報があったとしても、2人の大人を倒したのだ
接近戦での基本魔法であろう、肉体強化をしていて当たり前だろう
その強化魔法が、かかっていなかったのだ
そうでなければ、あそこまで吹っ飛ぶ事はないのだ
やまさん程の力量、経験則から
対峙すれば、その力量、ある程度の戦闘力は測れるだろう
魔力は別物だが・・・
それでも、あの子供の力量を測ることができなかった
日々鍛錬をしている身体ではない
武術を志している雰囲気はない
歩き方から、重心移動もチグハグである
まるで、10歳の子供のようである
そんな子供がと・・・・・
動かない子供を視界に入れたまま、戦闘態勢を崩さない
それは、未だ頭の中で、アラーム鳴っているからに他ならない
井門は、やまさんに言われ、倒れた紫音を再び見つめ
蘭の車の脇で、倒れている男を見る、今度は、やまさんと同じように
少し離れた所で戦闘態勢を取っている2人に目線を送る
2人は、それに気づいたのだろう、軽く頷く
それを確認すると、井門は背中に寒気を感じた
そして、横たわる紫音の姿を、その視界にいれる
「あの子供に、そんな力が・・・・・・」
「紫音にそんな事出来るわけないだろう、まだ9歳の子供だぞ」
くってかかる蘭
いや、蘭は知っているのだ
それが出来るからこそ、紫音なのだと
普通の理屈の通じる9歳の子供ではないのだと
「先生さんの意見はどうでもいいんだ、静かに付いて来てくれればな
嫌だと言うのなら、そっちの、お嬢ちゃんも痛い目にあうぞ」
そう、それは蘭を庇うように、蘭に抱きついている、少女のことである
「チッ・・・」
やまさんの、言葉に、奥歯を噛み締め、言葉を返せない蘭
井門は、一度その瞳を閉じ・・・・・開く
右手で、トレーラーの助手席を指し
「降りて来い、そして、その倒れている子供をコンテナに運べ」
そして、やまさんの後ろで、構えを取っていた2人に
「お前たちは、車の向こうで倒れている2人だ」
一番後ろで、両肩にマシンガンを下げていた男に
「お前は、そこの丸焼けになった奴を運べ」
そして、一度やまさんに目を送り
「三千風先生、あちらの、コンテナの方にお願いします、お子様もご一緒に
車の方は、こちらで移動させますので」
蘭は一度紫音に目をやる
その瞳は開いてはいるが、生気を感じない
それでも、うっすらと、動いている肩それは呼吸をしている証拠であった
「わかった、だがこれ以上の・・・・」
蘭の言葉が、止まる
そして
「うわ、、やめろ」
蘭の視界の先、井門と、やまさんの背後で、それが起こった
それは、両肩にマシンガンを下げた男が
井門の指示で、丸焼けになった虎亜(こあ)を介抱に近づいた時だ
いきなり、虎亜に襲われたのだ
虎亜は、男の持っていた、マシンガンの1丁を奪い取り
その銃口を、やまさんに向けた
「やぁーまぁーー てめえは、ゆるさねぇーーーーーーー」
それを見た、蘭は、鈴を守るため、その体で包み込む
井門は、虎亜に振り向き、身を屈めた
やまさんは、虎亜に向けて構えを取り、驚いたように
「虎亜、お前・・・・・・・その身体は、なんだ?」
それは、虎亜の身体を見た、全員の意見でもあっただろう
怒りと殺意に、飲み込まれた虎亜は、その敵意をむき出しに、やまさんに答えた
「ハッハッハ 解らんのか、硬化魔法だ、全身火傷で死にそうだったからな
全身に硬化魔法を使ったんだ、これなら、火傷した皮膚を固定化できて
痛みも少ない、そして、てめえの得意魔法の爆炎も、効かない
覚悟しろ、てめえには、地獄の苦しみを与えて殺してやる」
鋼の硬度まで硬化された、その全身は
光沢が無く、暗く薄い、くすんだ青緑になっていた
そう、例えるなら薄鉄色であるだろう
そして、焼け落ちたボロボロの服を、申し訳なさそうに着ていた
そして、今まで以上に苛立つ、やまさんと呼ばれた男・・・・・
虎亜を見下すように、上から目線で
「チッ・・・・きっちり殺しとくべきだったか
先に言っておくが、炎系が得意と言う訳ではない
ブタ相手なら、焼くのが手っ取り早かっただけだ
今度はきっちり、殺してやる」
「まて、お前達、何を 」
「うるさい、井門、こうなったら、先にこいつを処理する」
井門の言葉を遮るように、やまさんは、口をはさむ
その言葉に、井門も、納得するしかなかった
殺意をむき出しに、敵対した男、その手には、マシンガンがあるのだ
井門もマシンガンを肩から下げてはいるが、状況的に不利であった
井門は、やまから聞いていたのだ、この西神虎亜の魔法の事を
特出すべきは、硬化魔法、手足を鉄の硬度まで固くさせ、そのまま戦えると
硬化させたその手足は、もしかしたら拳銃も効かないかもと
だが、全身を硬化できるとは聞いていなかった
いや、やまさんも知り得なかったのだ
そう、井門の待つマシンガンが効果無い可能性もありあるのだ
下手に、自分が西神を刺激して、自分や、他の仲間や
最悪、三千風蘭が撃たれる事があれば、作戦がどうのこうのと言う事態では無くなるのだ
なら、ここは、やまに任せるのが一番良いと判断した
そんな、やり取りを、見ていた蘭、そして井門の仲間たちも
ここは、やまさんと呼ばれた男に任せるしかないと
西神虎亜を、刺激しないよう、身を潜める
「俺様を処理するだと、天才と言われた俺様をか!
やま、てめえも多少強いと言っても、凡人風情が、己を知れ、バカが!」
「お前が、天才だと?
あぁ 分かるぞブタが、言葉を喋ってるんだ
天才なんだろうよ、ブタの世界ではな」
「さっきから、何度も、俺様の事を、ブタブタと!」
鋼の硬度まで硬くなった身体、そして、その目を見開き、怒り叫ぶ虎亜
怒りとは、人間の感情の中で一番激しく持続する感情であるであろう
そして、その感情から、吹き出すパワーは計り知れない物である
だが、その感情は冷静な判断力を奪う
そう、全身に力を込めて、叫ぶ虎亜に、少しの隙ができる
その隙を付き、やまさんは、圧縮された炎の塊を発動させ、すかさず虎亜に撃った
「きかんわーーー」
それを、左手を前に出し、炎の塊を受け止める
そう、今の虎亜にとって、この魔法は恐るに足りないのである
だが、受け止められた炎の塊は、虎亜の手のひらで、破裂し一瞬大きな炎とかした
それは、3秒、いや1秒、虎亜の視界を塞いだ
だが、やまさんにとって、それは十分な時間であった
爆炎に隠れて、虎亜の胸に掌底を打つ
胸に衝撃を、感じた虎亜、その衝撃で一瞬、視界がクリアになり
胸に攻撃を繰り出した、やまさんの姿が見えた
「そんなものが、このか・・・ら・・・だ・・・グフ・・・なぜ・・・・」
やまさんは、その場から、右斜め後ろに飛びのく
それは、同じ射線上に他の人物を入れないためである
「フッ、発勁の一種だ、表面が鋼鉄であろうと、その内部は所詮内蔵だ
人間の体の90%以上が水分である以上、この打撃は有効だ」
そう足先から、貯めた力を全身を使って掌底に乗せ打ち出した、その発勁
だが、この一撃で仕留めるつもりだった、やまさん
思いのほか打点がズレ、威力が伝わらなかった
だが、確実に今の一撃で動きを止めた、なら次の一撃で倒すと
やまさんであろうと、そうそう発勁を使える訳でもない
虎亜相手の対策として、昔の武術の師匠に頭を下げ教えを受け
最近どうにか形になったきた技である
威力は師匠の、10分の1にも至ってはいないが
この、ブタ相手なら、それで十分でもあった
そして、動きの鈍くなった虎亜に、追い打ちをかけるべく
やまさんはダッシュする
右手の掌底から始まり、右廻し蹴り、左掌底と、10発ほどラッシュするが
その実、発勁が乗った打撃は最初の右掌底だけである
そして、ひと呼吸取るため、一度距離をとる
「さすがに、硬いなやはり焼くか・・・」
かろうじて、立っている虎亜、今にも倒れそうにふらついていた
先程まで全身火傷で死にかけていたのだ
その脳内には、激しくドーパミンが発生していた
それにより、火傷の痛みや、打撃による痛みは中和されている
それでも、発勁の威力だけはその身体に蓄積され、内蔵と足に来ていた
「ハァ ハァ、、、、、クソが、、、、、、、、
クソが、クソガ、クソが、クソクソクソクソ
やまぁーてめえだけは殺す、ぜってぇコロス!
コロスコロスコロスコロス
コロスウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウゥゥゥゥウウ」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ
虎亜は右手に持っていた、マシンガンを乱射する
その銃口は、やまさんに、向けて引き金を引かれたのだが
やまさんは、それに気づくと、とっさに右に飛び込むように地面に伏せた
それによって、マシンガンは空を切るのだが
虎亜にとって初めて撃つマシンガン
その扱い方も分からず右手だけで持っていたのだ
その銃撃の反動で右手が持っていかれる
そう、その銃口は、徐々に右に流れていったのだ
そして、その先には
蘭・鈴・井門が居るのだった・・・・・
その射線上に先に入ったのは、井門である
「くそ、何考えてんだ、西神のやつ・・」
そんな事を口ずさみながら、頭を抑え地面に伏せる井門
そんな井門は左肩に1発喰らい、その弾は、貫通した
「グァァァァァァ・・・・いてぇ・・・・」
左肩を抑えもがき苦しむが、その視界に入った人物を見ると
その痛みも頭から消え、言葉を失った
蘭は鈴を包み込むように、庇いながら地面に伏せていた
そして、虎亜がマシンガンを乱射すだすと、鈴を抱くその腕に一層力が入った
母親として、我が身を呈してでも、我が子を守りきると
鈴は、その瞳に涙を浮かべながら、そんな蘭にしがみついていた
怖いのではない、マシンガンを乱射する男が恐ろしいのでもない
自分に力が無いせいで母|(蘭)も紫音も救えなかった事が辛いのだ
自分を守る母親、蘭、違うのだ、私が母を守らないと、と
そうしなければ、私は又、私の性で蘭を死なせてしまうかもしれないと
今でもはっきりと記憶に焼き付けているあの事を
そして今でも夢で見る母親の死に魘される
あの全てを失ったかのような、喪失感・・・・
そう、泥団子の事件、一生消えないだろう、鈴のトラウマである
だが、兄が居た、紫音が居た
私の悲しみも不安も全て笑い飛ばしてくれた紫音が
料理を始めたのも、紫音が勧めたからだ
私が成長し知識を得、世間を知れば知るほど
紫音と言う人間が、そのスゴさ、異様さがわかってくる
そう、紫音なら、どんな事からも助けてくれる
双子である私には分かる、紫音は死んでいない
肉体を分けた、その半身の鼓動が、手に取るようにわかる
きっと、いつもの用に、遅れてきた悪役の用に
笑いながら、助けてくれると・・・
そんな蘭と鈴にも、確実に虎亜のマシンガンの銃口が向く
その弾丸の一発が鈴に覆いかかる蘭の背中に襲いかかった
その弾丸は蘭の左脇腹を貫通する
「ああああああああああああああああああああ」
その痛みで叫びをあげ、鈴を抱きしめるその手の力が抜け
鈴の手からすり抜けるように、仰向けに地面に転がった
「ら、、、ん、、、、、さ、、、、、、ん、、、、、、」
苦しみながらも、声の主、鈴に視線を向ける
その両手は、蘭の脇腹に向けられ、回復魔法をかけようとしていた
「いま、、、、た、、、、すけ、、、る、、、か、、、、、」
蘭は、痛みの中、鈴の異変に気づく
血で真っ赤に染まった鈴の服は、蘭自身の血だと、勘違いしていた
だが違ったのだ、鈴が言葉を発すると同時に
鈴の腹部から、血が噴き出していた
そして蘭は、理解する
蘭の脇腹を貫通したその弾丸は、そのまま鈴の腹部に穴を穿ったのだと
「鈴、おまえは、、」
すでに、左足を撃たれ、かなりの血を失い、今脇腹を撃たれ
多くの血をうしなって、体に力が入らなくなった蘭
その瞳に涙を浮かべ、最後の力を振り絞り、鈴の頭を撫でる
そこには、すでに顔から血の気が無くなった鈴の姿があった
腹部に銃弾を喰らい、息をするたび、声を発するたび
その穴の空いた腹部から大量の血が吹き出てくていた
その痛みは、どれほどであろうか?
どれほどの苦痛であろうか?
そんな事を、おくびにもださず、叫び声もあげず
意識の薄れる中、その両手は蘭の腹部にかざされていた
だが、薄れる意識、傷の痛み、集中力は欠け魔法は発動することはない
瞳に溜まった、涙は、、、、頬をツタイ流れる
「らん、、さん、、、、、、、、、、
お、、おかあ、、、さん、、、、ごめ、、、ん、、、、なさい、、、、、、
もう、、、、ち、、、から、、、、が」
蘭の瞳にも涙があふれる・・・・
「鈴、守ってやれなくて、ごめんな、いつまでも、これからも、愛してる」
2人は、両目から大量の涙をながしながら・・・・
「ぉか、、、ぁ、、さん、、、、、、、、
おか、、、、、あ、、、、
さ、、、ん」
母を呼ぶ声も、だんだん小さくなってゆく
その小さい体から、噴き出していた血の勢いが無くなってくる
それは、すでに、その小さい体に巡る血液が残り少ない事を意味した
そして、鈴は、そのまま蘭に、覆いかぶさるように倒れ込んだ
そして、すでに力のない、蘭は力を振り絞り鈴をだきしめる
そして、鈴は最後の力を振り絞り
とてもとてもとても小さな声で
「しおん、、、いるから、、、だい、、じょ、、、、う、、、、ぶ」
そして、小さな少女は、意識をうしなった
地面に倒れ、意識さえも無いであろう双子の兄、紫音に母を託して
だが、その言葉は蘭には届かない・・・
そして、蘭の脳裏に、鈴の死、蘭自身の死が浮かぶ・・・
もしも神がいるなら、鈴を救ってくれと・・・
悪魔でも何でもいい、、鈴を最愛の娘を・・・・・・・と
すでに蘭も、その意識は消えかけていた
そんな中・・・・・・・一人笑う虎亜
「ハハハ ハッハッハッハッハ ヒャハハハ ハハッハッハッハッハッハハハッハハハハッハハハッハハハッハハッハハッハハ ウヒャヒャハハッハッハ フフフ ハッハッハッハ ウワッハッハハハハッハハハハ」
すでに全弾吐き出した、マシンガンを、未だ左右に振りながら・・・。
ブクマ、感想、評価おねがいしま~~~~~~~~す!!!




