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28話 礼儀礼節失礼無礼

を、ブクマが5人に!!

ありがとーーーーーー

ドンドン パフパフ~~~

 



ピンポーーーーーン



ピ・ピ・ピ・ピンポーーーン



5月の連休最後の日

早朝から、三千風みちかぜ家の呼び鈴を鳴らす、女の子達がいる


四条優美と、桜・C・ティオーノの2人である


 「はいは~~ぃ、今あけるよ~~」


ガチャ ガラガラガラ


鈴「二人共、おはよう寒いでしょ早く入って」


優「おはようございます、それでは、おじゃまします」


桜「さむいぃ~~勝手に入ればぁ~いいのにぃ~

  入ろうとしたらぁ~ユミちゃんに怒られたぁ~」


優「当たり前です、勝手に上がるなんて失礼ですよ」


 桜に至っては、鈴が家に居るのが分かっていれば

いつも勝手に家に入って鈴の部屋まで上がって来るのだから

今更気にするはずはない。


 優美は、礼儀礼節を重んじる人間であるから

絶対にそんな事はしないのである。


 そして玄関で靴を脱ぐ仕草もそれが現れる

桜は靴の踵と踵を合わせ、グリグリと靴を脱ぎ、靴はそのままなのに対して

優美は玄関の廊下に腰を下ろし、両手で丁寧にブーツを脱ぎキチンと靴をそろえた

そして、桜の脱いだ靴も同じように揃える


鈴「気にしなくていいのに、桜は何時いつもの事だしね

  先に部屋にいってて、暖かい飲み物用意して行くから」


優「鈴ちゃん、その前に紫音くん居ますか?」


・・・・なぜ?


鈴「紫音?いないけど?」


優「なぜですか?

 出かけたら困るんで、朝一でお邪魔したのに」 


鈴「それで、いきなりきたの?」


そう、優美は鈴に連絡無しで来たのだ


 前日の夜に、桜に連絡入れて

今日鈴が家に居るか聞くと

桜は鈴の家に遊びに行くと聞き

無理やり朝一に桜を連れ出し

鈴の家に押しかけたのだ。


 そんな事全く知らない鈴、桜が遊びに来るのも

時間にルーズな桜の事だから来ても昼前なのである

そして鈴の家で昼食を食べるのが、桜の楽しみであるが

連絡無しで朝一に家に押しかけるなど

無礼極まりないのだが、言わないでおこう


優「それでって・・・

 あの夜の事で聞きたいことが山程あるのですが・・・。」


 そう、合宿での夜の事である

結局、何の説明も優美にはしていないし

詳しいことは紫音に聞いてと話を濁した鈴だった。


鈴「桜と一緒に来たってことは、桜に聞いてないの?」


優「何をですか?」


鈴「紫音と連さん

 一緒に遊びに行ったんじゃないの

 ここ2日ほど帰ってきてないよ」


桜「そういえばぁ~おにいちゃん、見てないねぇ~」


鈴・優「「・・・・・・・・・・・」」


鈴「とりあえず、上がって、飲み物持って行くから」


 その言葉で、鈴は台所に向かい

優美は桜の後を付いて行き

階段を上がり2階の鈴の部屋にむかう



 鈴の部屋は

白を基調としたシンプルな作りになっている

6畳程の部屋、鈴の身体には不釣合いな大きさの、ダブルベット

手作りであろう、勉強机は横長に180cmはあるだろう

その上には、PCや、女の子らしい、小物や髪飾りアクセサリー等が置かれている

同じく手作りの本棚や、白い丸テーブルがある。



 鈴は、アップルティーと

手作りのクッキーを部屋まで持っていくと

桜はすでに、鈴のベットで横になり漫画を読んでいた

優美は床におかれた、小さく可愛い白い丸テーブルに正座して頭をかしげている


鈴は白い丸テーブルの上に、クッキーと、アップルティーを並べるのだった。


優「鈴、今気がついたんだけど

 このテーブルの淵の飾り彫り可愛いですね」


 鈴と優美は出逢って1年ちょっとだが

優美は四条家の娘であるがため忙しく

この家に来たのは初めてである・・・

いや、鈴が紫音の事がバレるのが嫌なため

誰も家に呼ばなかっただけである。


 この部屋に始めてきた優美は

可愛らしいテーブルに興味が惹かれ観察していたのだった。


鈴「それ?紫音がほったよ」


と、さらっと、答える


優「え?」


鈴「このテーブル、紫音が作ったからね」


優美は、可愛いテーブルを、マジマジと見つめる


鈴「てっちゃん家って分かんないか

 近くに住む幼馴染の家が大工さんでね

 紫音も昔は、てっちゃんと一緒にゴソゴソ作ってたからね

 そこの本棚とベットは、てっちゃんが作ったものだし

 その長い机とこのテーブルは、紫音が作ったよ」


優「すごいね・・・」


 事実、デザインはシンプルだが、しっかりと作りで

機能性を重視した上で、細々と飾り彫り等可愛い作りになっている


優美の家は、十士族、四条家と言うことで、それなりの豪勢な家である

高価な物や貴重品がたくさん飾られている

それは、優美個人の部屋もそうであるが、それらは見た目重視であり

ゴテゴテの豪勢な飾りがあり、機能性が悪いのである、


だからこそ、この白い丸テーブルに心惹かれたのかもしれないが

これを、紫音が作ったとなると、複雑である


それに拍車を掛けたのは、桜の言葉だった


桜「ユミちゃん、リンちゃんが着てる服も、シオンくんの手作りだよ」


鈴「な!」


優「え?」


鈴「いや、これは、そうなんだけど

 普段着と言うか部屋着に使ってるだけで

 桜!なんで言うのよ!」


 鈴は、顔を真っ赤にして

照れながら両手で着ている服を隠そうとするが無理である


 フリフリの薄い紫のミニスカート

それが隠れるほど丈の長い薄い水色の長袖のブラウスを着ていた


優美はその姿を見つめる

その服は、鈴に似合っていた、いや似合いすぎていた

サイズ感はバッチリ、色合いも鈴の髪色と合っていた

鈴の可愛さを引き立たせる洋服である


と、言うか・・・・これを紫音くんが作った?


桜「なんで恥ずかしがるの?

 ミカさんや、ティアさんも普通に着ているよ?」


鈴「それは、そうなんだけどね

 なんか・・優美ちゃんの前だと・・・・」


鈴は、その後、優美にあれやこれや、机の事や、服の事を色々聞かれ

桜は知っているから気にはしないが、優美に服の事がバレたのは

鈴には、かなり恥かしい事であった。


 優美は、紫音と言う人間が分からなくなってくる

ここ数日で調べ上げた、紫音と言う

鈴の双子の兄は

学校では根暗オタクで通っている

いや、学園最大の癌とも呼ばれる・・・存在

誰しもが気持ち悪いと

学園ネットでも・・話題の・・・男・・。


だが、鈴は優美の質問を巧みに躱し

まったく関係ない、たわいもない話をしていた。


 優美にとって笑えた話は

まだ鈴と桜が8才位の時らしいが

桜がお泊りに来た時、その時は市販のセミダブルベットで寝ていた2人

桜の寝相の悪さで、鈴がベットから蹴り落とされ壁とベットの間に挟まったのだ

そんな事があり、鈴の父親が、将来大きくなっても

鈴と桜が一緒に寝ても落ちないようにと、手作りでダブルベットを作ったのだと

だが、それがあまりにも下手くそで

呆れ返った、幼馴染の男の子が

新しく作ったのが、今使っているダブルベット

壁側と足側には落ちないように取り外しができる柵があり

頭の方には小さな本棚とライトが設置されていた

ベットの各所には

幼馴染の女の子が彫った

可愛らしい花の彫り物がしてあった、と言う

へたれ父の話であった。



すでに部屋に掛けられた古ぼけた丸いアナログ時計の針は11:30を指していた


鈴「もうこんな時間か、2人共、お昼何がいい?」


桜「チャーハンかぁ~ハンバーグぅ~」

 

優「ご飯?」


鈴「優美ちゃん、うちでお昼食べるの初めてかぁ~

 これから私がお昼作るんだけど

 ご飯食べたいものある?」


優「と・・・とりあえず桜と一緒で」


鈴「はいはい、では鈴ちゃん特性ハンバーグチャーハンを作りますか」


優「何か手伝いましょうか?」


鈴「・・・・優美ちゃん・・・何もできないでしょ・・・」


優「・・・そばで、見ていてもいいですか」


鈴「いいよ」


 そう、先日の合宿で分かったことだが

十士族、四条家、長女、四条優美 日本屈指のお嬢様である

そんな、お嬢さまが家事を出来るわけがないのである

合宿での食事の後、自分の使った皿を洗うことすら、出来なかったのだから仕方ない

その優美が料理を手伝えると言うことは、ありえないのだ。



 そして2人は台所で料理を始める

そうと言っても優美は見ているだけだが

桜は何時もの用に鈴の部屋でマンガを読みながら料理が出来るのをまつだけである。


 お昼12時過ぎに、料理は出来上がり

部屋で待っている桜を呼び、1階のリビングで昼食をとる

大きめのお皿に盛られた

ケチャップベースのチャーハン、上にオムレツとハンバーグを乗せ

特性デミグラスソースをかけ

海老フライと、少量のサラダ

桜の皿だけ特別に、爪楊枝で作った旗が刺さっていた

見るからに、お子様ランチである

その横には、甘さを控えた、ダージリン系の紅茶も用意していた


優美にとって、夢にまで見た、お子様ランチかは、どうか知らないが


優美は瞳を輝かせながら、料理を見つめる

その横で


桜「お子様らんちだぁぁ~~」


と、喜ぶ桜のすがたがある


そして、食べ始めると、先ほど以上に、優美の瞳は輝きを増す


優「おいしい!! 鈴 とても美味しいですよ!」


鈴「それは良かった、優美ちゃん家コックさん居るんでしょ

 それと比べられたら困るけど、美味しかったなら良かった」


優「いえ、あれは高価な材料や食材や、大きな厨房あっての料理ですから

  コックによってさほど味は変わりません、美味しいのは美味しいですが

  鈴の料理は、心の奥から美味しいと感じます」


桜「心ちがう~お腹のおくからぁ~だぁよぉ~」


さらっと、四条家の食事事情が暴露される

1食にかかかる値段が気になるところだが、聞くのが怖いと思う鈴


そんな思いと裏腹に、ちゃちゃを入れる桜


鈴「冷蔵庫のある物で適当に作っただけだから

 小さい時から作ってるからなれたもんだよ」


優「お母様は、作らないんですか?」


鈴「蘭(母親)さん?

 作らないよ? 仕事がら、家に帰って来ないし

 お父さんも紫音も

 ほっとくと死ぬ寸前まで何も食べないので、物心着いた時には

 私が、ご飯つくってたのよね」


優「そうなんですか、それにしても、家のコックより、美味しいです」


本気かどうかは、分からないが、美味しそうに食べてくれるのは嬉しい・・・が


鈴「だから、プロと比べないで」


そして、女の子3人で、リビングで会話の花を咲かす、軽い女子会である

少し時間が経った頃


不意に、思い出したかの用に優美が鈴に尋ねる


優「忘れてました

 紫音くんは、一体どこえ行かれてるのですか?」


鈴「知らないよ」


優「2日も帰ってきてないのに、聞いてないの?」


鈴「まぁ、連絡は貰ってるし

 何時ものことだし」


優「それなら、仕方ないですね

 ・・・・ですが

 ・・・連絡取れるなら

 今電話できますか?」


 本当なら断る所だけど

優美ちゃんには優美ちゃんの事情があるのだろう

それで、なければ連絡なしで家に来る事はないであろうし

普段休みの日は、家の用事や、習い事で、めったに遊べない優美

連休だったと言っても

その3日間は、学校の行事で潰れているのだから

残った1日は、かなり忙しかったはずである

それになの家に来たというのは

もしかしたら

あの夜の事で四条家は四条家で色々あるのだろう

どんな事情が有るのか聞きたいが

それは友人として言葉を飲み込む所であろう


そんな優美に鈴は一言で返事をする


「いいよ」


そう言うと、リビングのテーブルの上に、携帯を取り出し紫音に電話をかける



鈴「紫音生きてる?」


 紫[まだ生きてるけど?]


鈴「今ちょっといい?」


 紫[かまわんけど、どうした?]


鈴「優美ちゃんが、話あるって、代わるね」


 紫[まて・・・・・・・・・]


優「初めまして、四条優美です。」


 紫[あぁ・・・・・・・いや・・・あの・・ハァ・・・]


優「今日は紫音くんに話があって家にお邪魔したんですが

 居なかったので、失礼を承知で電話をお願いしました」


 紫[話って、愛の告白でしょうか!!!!!]


優「いえ、先日の森での事を詳しく知りたいのですが宜しいでしょうか?」


 紫[ちがうんかい!!って

 愛の告白以外なら、当然、いやです!断ります]


優「え?なんでですか?」


 紫[なんでって、めんどくさいからに決まってんじゃん、それじゃぁ]


優「まって・・・・・・・・・・切れました」


 優美は通話の切れた、鈴の携帯を無言で見つめる

そんな優美に鈴が声をかける


鈴「ごめんね」


深く息を吐き、大きく息を吸うと、自分に言い聞かせる用に


優「大丈夫ですよ、明日から学校ですし、学校で紫音くん捕まえますから」


桜「ふっふっふ、私もぉ~てつだうよぉ~」


 ぽかんと口を開く鈴

うわ、二人共マジでやる気だ、そして、私は重ねて紫音に怒られる。


 優美ちゃんの知りたい事の一部は私もしっている

それでも、私は色々と口止めされているだ

その大半は、私の存在に関する事柄であり

それこそ、四条家や、十士族に知られる事になれば

モルモットの用に実験材料にされかねない事柄もあるだ

それを、紫音の許可なく話すことはできないのである

もしもの時は、紫音が自分で話すと言っていたのだから、任せるしかない


結局そんな紫音が、優美に事実を話すことは無いであろうとは思う


しかし優美ちゃんは、どうやって聞き出すつもりだろうか・・・・・・


明日からの学校が楽しみになってくる



 

( ゜Д゜)新しい話も始めたいが・・・

したいこと多くて進まない。

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