23話 倉庫格闘戦 決着
中等部・合宿篇・決着!
これにて終了
・・・・ではない
後書きで・・・
言葉を失い、ただ佇む、二人の男の姿がある
だが、その周りでは、騒がしく人間が口々にはなしていた。
それは、海に隣接する、ある港の大きな倉庫
倉庫内一面を見渡せる、2階に設置された、休憩部屋。
細長い作り、約5m×12mの部屋
出入り口は、倉庫内1階に繋がる階段と倉庫外部地上に繋がる階段がある
休憩室兼、事務所に使われていて机が4つほど並べられ椅子も数個あった。
その奥に和室、仮眠室に使われてただろう
押入れ付きの畳部屋8畳の部屋がある
今は、ただ1人、九重静香が拉致され監禁されていた。
すでに撤退準備は粗方終了していたが
いくつか困ったことが起こっていた
その1つが
脱出手段である
2階の部屋から外を蔦って、降りる階段があるのだが
そのドアが、どうやっても開かないのだ
外に面した窓があるが、そのガラスも、外に繋がるドアも
どうやっても、壊れないし、割れないのである
それは、たぶん侵入者が港に現れた時からである
色々調べても見たが、仕組みがわからないのである
そう、魔法の痕跡すら無いのだから
そして、もう1つ
妨害電波である
それにより外部との連絡が取れなくなっていた
妨害電波が出ていたのは、分かってはいたが
それを自分達のチーム力なら、すぐに解除できると思っていた
だが、それも未だに解除ができないのである。
そして今、この部屋に出入りできる唯一の扉
それは、倉庫1階に続く階段に通じるのだった。
沈黙を続ける、2人の男、高津と島崎と
その騒がしい部下達は2階のこの部屋に閉じ込められていたのだ
ユーリの言葉ではないが
なぜ逃げないと言われても、逃げる手段が無いのだから。
実働部隊であった、小宮の敗北と、その部下の死
護衛部隊であった、鷲尾の敗北は
侵入者に自分達が、負けた事を示し、最悪殺される事を示してもいた。
そんな事があったがため、高峰が、コートの男に勝った事や
ユーリの出現と、それにより禍々しい姿になった魔物の存在は
確実に侵入者に勝てると、高津は喜び、叫んでもいたのだった
そして2階に取り残された、高津達にとって、2人は救いだった。
そんな、協力者の2人
ユーリと高峰は、戦闘を途中に、この場を去ったのだ
高津この男、この数時間でどれだけの、感情をさらけ出したのだろう
そして今その感情は絶望にちかい。
それに反して島崎は、ずっと冷静を保っていた
部下たちの話にも耳を傾け対応していた
混乱する部下たちを落ち着かせててもいたし
何かあれば、細かく部下に指示していた
その島崎は、すでに諦めていた
後は、ただ2階に登ってくる侵入者を怒らせない事だけである
怒らせれば、全員殺される可能性があるからだ
それには、この高津を・・・
どうにかしなければならなかった・・。
そして、それを行う前に
いや、どうするかも考え倦ねていたが
そんなことお構いなしに唯一の出口となった
その扉が開かれた。
初めに、部屋に入ってきたのは
笑いを模した黒い仮面の男
髪をワックスで立たせ、見るからに攻撃的であった
ボロボロのスカジャンは
すでに、汚れと埃で、元の黒色はみてとれなかった
すでに部屋の入口から反対の位置に固まってい高津達数名を確認すると
無言で部屋の中央まで歩き、そこに置かれていた机に腰を掛ける。
その後から入ってきたのは
ひょっとこお面の男である
ロングコートを脱ぎ捨て今は上半身裸である
そこには、高峰に付けられた刀傷が幾つも見られ
そこからは血が流れ全身が血だらけで
なぜ未だ生きているのかが不思議なくらいの姿でもあった
入ってくるなり、いや、既に階段を上がってくる時からだろう
「しぬ~」「もうだめだぁ~」「侍反則くせ~」「なんで階段あるねん」
「待てや雷帝」「足上がらね~」「階段で俺をころすきかぁ~」
「風呂はいりて~」「エスカレーターにしろや~」・・・・・・・
あと、色々と叫んでいたのだ
そして、黒い仮面の男の近くまで来て、近くの椅子に座り
「しぬぅ~~~~~」・・・と
最後に一言残し
炎天下、真夏のビル街で
さっきまで外回り営業をして来たような疲れきった態度
足元はふらつき、倒れそうでドアや、机を、手すり変わりにして
レンが座っている、机近くまで進み
死にそうなサラリーマンの如く
椅子に座り上半身を机に投げ出した。
一瞬の静寂の後
戦いの後だから、衣服の汚れはあるが
この場の絶対の支配者、そんな威圧
王の風格すら漂わす「雷帝・レイ」と名乗った黒い仮面の男が、話を切り出す
「やぁ、皆さん初めまして
ワレは、雷帝・レイ
さて話をしようか!
そちらの代表者は誰だ?」
その言葉に、数人の人間の目線が動き
メガネを掛けたオールバックの男に集まる
レンは、そう感じたが、そのメガネの男の後ろから
一人の男が前に進み出る
「お、俺は、高津、今現在ここのトップだ、話は俺がしよう」
高鳴る鼓動を抑え、平常心を装う高津
レンとの間には机があり机で死角になった
高津の足元は震えていた。
黒い仮面の下で一瞬だけ眉が動く
リルの話だと、責任者は、この高津
だが、纏め役、交渉役は、メガネのオールバックの男、島崎だと聞いていた
高津と言う男は、役にたたないバカと、言っていたから
てっきり島崎が出てくる物だとおもっていた
そのため、代表者は誰だと聞いたのだから
まぁ、それはそれか・・・と、ため息を飲み込み話だす
「何度も聞かれるのは不愉快だから
先に言っておくが
ワレと、この、ひょっとこは、十士族とは、無関係だ
あと、この部屋の出入り口は、ロックしてる、逃げ出すことはできんぞ」
逃げられないのだから、今ここに居るのであるし
無関係なのは、すでに鷲尾の部下から、連絡は聞いていた事であり
そこからくる、疑問を高津は聞くのだった
「か、関係ないなら、なぜ俺達を襲う」
「簡単に言うと、俺達も十士族の・・・・・・・
いや、止めておこう
下っ端の、お前達の知らない情報だな
お前達意外にも
十士族を監視していた組織があったと言う事だ
現状で騒ぎを起こしたくない組織にしてみれば
お前達は邪魔ってことだな」
高津を見据え淡々と話す雷帝・レイ
妹の桜の事を言うはずもなく、適当に話を作る
それでも、あながち嘘でもない
紫音は数年前から、十士族に対して
何度も、ちょっかいを出してるし調査しているのだから。
そして高津も子供を誘拐し
十士族を脅迫するとしか、大まかな作戦を聞いていなかったのだ
情報漏れを嫌った、上層部が使い捨ての高津に情報を漏らすことはなかった
そうとは言え、これだけの戦力を出してきたのだ
組織も本気であった事はたしかである
「し・・・・・・・・・」
下っ端?、、、、、俺は幹部だぞ!今回の作戦さえ成功すれば
本部の上層部にだってなれたんだぞ!
一瞬、高津の口が開きそうになるが、そんな気持ちを、高津はぐっとおさえる
いや、雰囲気に飲まれ言い出せなかったのだろう
「さて、時間も無いので話を戻そうか
まず、こちらの妨害で四条の娘の拉致は阻止はしたが
九重の娘は拉致に成功しているな
そして、こちらの要求は
九重の娘を無事に解放する事
それと、お前達の責任者の命
嫌だと言うなら
ここに居る人間は全員死んでもらう事にするが
さぁ、どうする、責任者?」
その言葉を聞き、高津の顔が青から白くなっていく
意識が、0.1秒ほど飛んでいたが、高津にとって、それは数時間にも感じた
そして、すこしよろけ倒れそうになったが
斜め後ろに居た、島崎がそれを支えた、それにすがり、震えた声で
「あ、あの娘は、く、くれてやる
だから俺の命を助けてくれ、た、たのむ」
その言葉を聞き、雷帝・レイは右手で顎を触り
「娘は、ワレに差し出すと、でも、お前の命を助けろと?
で・・・・その対価は?」
「た・・・対価だと?」
高津は対価と言う言葉に、一筋の光をみいだす
どうにか、その対価を提示すれば、生き残れるかもしれないのだ
「ああそうだ、ここで何もしないで帰れば
ワレの名に汚点がつくと言う物
だから、今回の責任者
そうお前の首が欲しいのだ
それに見合う対価だ
金でもいい、情報でもいい、ワレを満足させれるならな」
その言葉を聞き、高津は、たどたどしく、島崎の顔をみる
だが、島崎は眉間にシワを寄せ、首を横に振る
そう、命に見合うだけの対価が無いのだから
今回の軍資金は、まだあるが、それも、たかが数百万である
その島崎の行動に絶望の淵に追いやられた高津の顔は今にも涙がこぼれそうであった
それを机に倒れこみ見ていた、紫音は、ニヤリと笑い
「別にお前の首じゃなくてもいいけどな
身代わりの首・・・いや、体・・・
そう、そこの、女達でもいいぞ」
そうここには高津の部下も居るのだ
部屋から逃げれず、奥の和室に繋がる扉も開かず
この大きな部屋の片隅に高津の部下、島崎以外の6人がいた
その中に、二十歳前後の女性が2人含まれていた
ちなみに、男の1人は、魔物のオーラに負け気絶し横に寝さされていた。
ひょっとこのお面をかぶった男の言葉に
高津達はびっくりする
部屋の隅で抱き合う女性2人は、恐怖でかたまり
高津の部下達は、その仮面の男の言葉に怒りを覚えるが
抵抗すれば、全員殺されるであろう状態では、我慢するしかなかった
それでも、この男の視線から、女性を守ろうと
視線の間に割り込み背中で女性達を守る
「おいおい
そこに立たれちゃ俺の可愛いオモチャの顔が見えないじゃないか?」
島崎と女性の前に立つ男達は、自身の残った勇気を振り絞り
机の上に裸の上半身を投げ出した男を睨みつける
それを楽しむかの用に
すでに、恐怖し心が壊れそうな女性に対し
紫音は言葉にスキルを乗せ、語りだす
微妙にスピードを変え、音程をかえ、耳障りで吐き気を催す話し方で
念話で、念話によるイメージの交換も出来ない人間達に
1秒間に10回ほど、1万分の1秒に満たない、あるイメージを送り込みながら
「おもちゃと言っても
逃げ出さないように、手足を固定し
抵抗も出来ない状態で・・・・
それは、尋常の精神では想像も
口にも出来ないほど酷い非人道的事柄を
紫音はそれは嬉しそうに、語りだした・・・・が
「おい!変態、そこまでにしておけ」
黒い仮面の男が、その言葉をとめる。
念話が出来ない人間でも、感受性の高い女性達は
その言葉に、その言葉の内容と、イメージも浮かばない何かを受信し
頭の中に、言葉に表せない、いやその想像すら、何かも判らない物を想像した
女の1人が倒れこみ口に手を当てて嗚咽し胃の中の物を吐き出す
女の1人は同じく倒れこみ全身を震わせ涙し、床には湯気を上げる液体が充満する
男達は振り絞った勇気のぶん、どうにか立ったままでいられたが
それでも、こみ上げる気持ちの悪さで、その場に崩れそうでもある
だが、その場には一人だけ、違うことを考えていた人間がいた
その男は島崎に、よかれ掛かりながら
(そうか、こいつらを差し出せば、俺は助かるのか
ならば、決まった、俺は助かる!)と
そんな中、リルから、シオンとレンに念話が来る
リ『シオン様、レンさん
そろそろ九重家の武装兵が到着します
予想では、5分ほどで倉庫に突入すると思われます』
蓮『おう、わかった』
と軽く返事をする
紫『あいよ、で、九重の娘は?』
リ『先ほど言われたとおり
部屋に1人に成った所を見計らい
侵入不可・音声遮断結界の後、寝てもらってます』
紫『ほほい、あと・・・・・・・・・・・』
念話で、紫音とリルが、会話してるが、置いといて、蓮は話をすすめる
「時間切れだ、高津といったか?どうするのだ?」
引きつる顔で、右手で部下たちを指差し高津がこたえる
「こいつらを、差し出す、お、俺をたすけてくれ!」
その言葉に部下の男たちが絶望と軽蔑の目で高津を見つめ
島崎は感情を抑え、その場で目をつぶる
蓮は、呆れた顔でため息をつく
ただ、紫音だけは、喜びを隠さず、クククと笑う
そして、ひょっとこお面の男が
バン!
音を立て机から跳ねる用に上半身を起こし
座っていた椅子をクルリと回転させ両手を広げ高津の顔をみすえ
嬉しそうに告げた
紫「契約は成立した!」
島「ちょっとまってくれ」
シオンの言葉を遮ったのは、高津を支えていた、オールバックの男、島崎である
島「俺は、しまざ 」
それを、黒い仮面の男は左手を前にだし、島崎の言葉を遮り威圧する
蓮「お前の発言は許可した覚えはないが?」
今、雷帝のオーラを纏うレイ、その雷帝の覇気、そうといっても
先に戦った男、鷲尾あの男ならどうにか耐えられるほどの覇気に調整してある
足を踏ん張り、それに耐え抜き、島崎はどうにか言葉を発する
島「発言の許可をおねがいしたい」
蓮「時間が無いから要件を言え」
島「九条の娘の解放と
この高津と、俺の首を差し出す、それでこの場を引いて欲しい」
蓮の眉が少し反応した・・・
リルの言ったとおりだな、肝っ玉が座ってる、だが・・・
すでに遅いのだ、口を挟むならもっと早く挟まないと
他の部下たちは、代表者と言った時に、島崎、お前を見たのだぞ、、
冷静に状況を確認するのはいい、だが、時間は常に進んでいる
行動するなら、その時を間違わないことだ
だが慈悲はかけない
「却下だ、すでに契約は成立している」
その言葉に、高津は喜び口が開き引きつった笑顔で、黒い仮面の男を見る
島崎は歯を食いしばり下を向く
部下の男達3人は女性2人を背中で庇い
その場を動こうとはしなかった
振り絞った勇気で
この、頭の中が壊れてるとしか言い様がない
血だらけの男を睨みつけ
死ぬ気で、女性2人を守ろうと
恐怖で震える身体で抵抗しようとしていたが
そんな事は関係ないと言わんばかりに
血だらけの男は飛び上がるように立つ
そして両手を真上にあげ、声高らかに、それは嬉しそうに
「イッツ、ショーーーーターーーーーイム」
そう言うと、オーケストラの指揮者のように両手を動かしながら
「さあ~~、ちゅうも~~~く!!
まずはぁ~~~~、俺のオモチャとなった女達~~~~
ハイ!! スリー・ツゥー、ワ~~~~~ン」
右腕を振りながら、指でも、カウントダウンしながら
最後に右の指を鳴らす
パチン!
「ハイ、消えた!」
そう、消えたのだ!
女性を守っていた男達は、後ろを振り向き、驚愕する
そう今まで、後ろで泣いていた女性が居ないのだ
そして、男達の1人が、今まで保っていた気力が無くなり倒れこむ
そして、ドミノの用に3人が床に倒れたのだ
島崎の視線は、血だらけの、ひょっとこお面の男に向く
そう、未だ冷静であろうとする島崎は、何らかの魔法を使用したのではと
でも、魔法を使う素振りも、デバイスの起動も、何一つ感じ取れなかった
そして
「次わ~男4にぃ~~~ん、俺は~~いらないから、俺のペットの保存食にでも~
スリー・ツゥー・ワン・はい死んだ!」
男達の叫びが、倉庫に木霊するが
それは、すぐに消えた。
あと部屋に残るのは、蓮・紫音・高津・島崎、4人となる
そして、今度は島崎と高津に目線を移す。
覚悟を決めたように
島崎は、その男の仮面の下にある目をしっかり見返す
それを感じた、紫音は、「ククク」と小さく笑い
腕を体の後ろで組み、身体を左右に振りながら、もといた椅子に座り込む
それと同時に、雷帝・レイが、話し出す
「島崎、最後に一つ忠告していてやる」
島崎は、雷帝・レイに目線を移し
名前は名告る前に止められたはず
すでに調べられていた?
それに、これから死ぬ人間に何で忠告?
と言う言葉を使ったのかがわからなかった
「後方で冷静に分析、監視するのは良いが
今回の用に前に出るタイミングを逃して
部下の命を危険に晒してどうする
夢々忘れるなよ」
「ほい、ラスト」
その言葉で、島崎の視界が途切れ、闇に染まり、意識が深く落ちていく
そんな、意識の中で・・・・・
命を危険にさらす? どういうことだ?
死んだのでは、そして俺も死んでいくのか・・・・
そして、島崎の意識はとだえた。
状況が把握しきれていない高津は
歪な笑顔を作り出していた、それはすでに、笑顔ではなく
顔の神経が引き攣り痙攣し、歪んで見えた
「さて、高津、お前の命は助けてやろう」
そう言うと、黒い仮面の男は机から降り、高津に近づき椅子に座らせる
ひょっとこの仮面の男は、高津に近づきながら、ある情報を開示する
「高津孝司46歳・妻、美佐子44歳・長男、孝介20歳・長女、美佳18歳
東京在住、いいとこ住んでるな、趣味は釣りか
お!娘は美人だな、こもれ俺のコレクションに欲しいな」
高津の歪んだ顔が、一段と青くなって行く
黒い仮面の男が
「そこでだ、これからお前に魔法を・・・いや呪いを掛ける
もし、他の組織に捕まったり
元の組織にかえってもだ、俺達の事を話すものなら
家族の命は、いや、お前の家族は、全てこの変態の好きにさせる
わかったな!それでは眠れ」
だが、蓮の言った言葉は魔法でも呪いでもない、ただの脅しであるが
高津は、さっき男が口にした
狂気にも満ちた最低最悪な言葉を思い出し
大切な娘と妻が、オモチャ以下の扱いを受ける姿を想像し
その言葉を失った・・・
そして頭に衝撃を受け意識をなくなした
紫音が、高津の頭を叩き
紫音のスキルで脳を揺らし脳震盪を起こさせたのだ
紫「しゅうりょ~~~~~~」
蓮「シオンまだ、やることあるだろ
もうそろそろ九重の兵隊突入するぞ」
紫「あいよ~~ん
それにしても、リル家族構成までよくわかったな?」
リ『はい、7:3メガネからの情報で、すでに調査済みです
また、フルネームから検索したら
SNS・FB等で、写真付きで色々書いてあったととの事です。』
・・・・・・・
紫音と、蓮は二人して
気絶した高津を椅子に縛りながら
本物のバカか?こいつは?
マジマジと、高津を眺めた
『九重の武装兵が倉庫に突入しました
2階まで来るのにあと2分ほどです
あと1階の炎の煙で通報があったらしく
警察、消防も来るものと思われます』
リルの念話に、紫音は
「ほいほい、全結界、魔法解除、仕上げする、ちょっとまって」
紫音は、近くにあった紙に
【 ゆうかいしたのは私です 】
と書いて、高津の背中に貼り付けるのだった。
蓮は、奥の和室のドアを開き
九重の娘の無事を確かめた
敷布団を2枚重ねで、その上に横にされている少女を見つけ確認する
手足に取り付けられたデバイスで拘束され、アイマスクで視界を封じられていたが
怪我もなさそうで、安心する
そして、その娘に小さな声で語りかけた
「もう大丈夫だ
九重の家の人間が助けに来たから
もうちょっと頑張れ、じゃぁな」
そして、ゆっくりとドアをしめた
数人が駆け足で2階に上がってくる階段の音がしだした
「リルさん、撤収」
シオンと、レンの前に小さな光が現れ
『転移します』
念話でそう告げ、仮面を付けた男2人と、小さな光はその場から消えた。
******
十士族・九重家・その急遽設立された
九重静香、捜索隊は異例の速さで、この倉庫にたどり着く
幾つもの情報の中で、この倉庫を割り当てた、それもそのはずである
ある、男・・・シオンに【7:3メガネ】と呼ばれる男によって
この場所はの情報は、幾つかに分けて、すでにリークされており
【7:3メガネ】の匠なる情報操作によって
十士族の情報部の手によって導かれる用に、位置を割り出し
紫音と蓮の予想を上回る速さで
この場に駆けつけたのであった
そして、戦陣を切る武装兵が、2階に突入した時には
部屋に居たのは、椅子に縛られた男1人
奥の部屋には手足をデバイスで拘束され、アイマスクで視界を隠された少女
敷かれた布団に、少し足を崩すように座り、助けが来た事を確認すると
「ありがとうございます、とりあえず、このアイマスクを外してもらえますか?」
それは、小学6年生とは思えないほど冷静な言葉であった。
明日から、知り人ぞ知る【それからシリーズ】が始まります
これは【中等部・合宿篇】の、その後?
この作者が書きたいだけの【どうでもいい話】と言う。
ブクマ・評価・感想・お願いします
作者(俺)のモチベーションの為にも・・・
どうか、どうかぁぁぁっぁあああああ




