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21話 つかの間の休息

 



 ん?


 紫音の笑い声が聞こえる、と

蓮は、その方向に目をやると

地面に横たわる、上半身裸の紫音の姿があった。


 ああ、負けたのか、それにしても、シオンの奴嬉しそうだな

フォーと抱き合ってやがるし・・・・・・・

こちとら、メンドクサイのが、出てきたと言うのに・・・。



 そう、レンは先程まで、マントヒヒに似た魔物と戦っていた

すでに1匹は倒し、のこり2匹であったが、それ以上に・・・。


 今、魔物とレンの間の少し上の空間が歪み

一人の、カーボーイ姿の女性が現れた。


 姿を現した女性は、レンと視線を合わすと

それを合図かの用に、意思加速を使い念話でレンに話しかける。




 姿を現した女性は

そのまま、ゆっくりと地面まで降りてきて

かぶっていた、大きなテンガロハットを右手で取り

胸にあてて丁寧に深くお辞儀をし

そして姿勢を正し帽子をかぶり直した。





 これは、そんな数秒に・・・・・・・・





 ユーリは2階から1階を確認したときに、確信した。


 魔物と戦っているのが、レイ様ね

姿は以前と変わってはいるけど

うん、漂う雰囲気は以前のまま

いや、以前より洗礼されている? かも?

でも、オーラ?魔力値は低い

ミカが言ってた通り、やっぱ転生組なんだね

それに

高峰と戦っている人間は、覚えがないけど・・・

高峰に手も足もでないとなると

ただの人間かな? うん、ほっとこう。


 それより

まだ全力は出してないだろうけど、ミカの力は予想できたし

後は、転生したレイ様の力を・・

いや・・転生組なら、肉体限界があるし

瞬間魔力出力だけなら、私やミカの方が上だろう

なら、今確認しないといけないのは

以前のレイ様の力や

そのスキルが、転生した今の肉体で使えるかどうかか・・

または、どこまで使えるかどうか・・・。


 そして、ユーリは、とりあえずはと


300倍近い意思加速で念話で話しかけたのだ

それに、即座に反応し会話を始める、蓮


 事実、現状のフォーですら、300倍に達する意思加速は出来ない

いや、する必要がなかった

それは、魔術に長けた(ダーク)エルフ族でも

大半は意思加速100倍程度であり

200倍に達した、エルフは歴代でも数人であった

その為、フォーは、それ以上である

300倍に達する意思加速を必要としなかった

その事から察するに

フォーの実力はすでに歴代屈指のダークエルフであることが分かる


だが、レンは、それを難無く対応する。



『レイ様お久しぶりです、ユーリです』


『おう、元気だったか?

 今は、連・B・ティオーノと言う名前だ、レンでいいぞ』


『わかりました、レン様、それと・・・

 久しぶりと言うのに、念話だけというのは味気ないですね

 こういうのは、どうでしょう?』



 そう言うと、ユーリは、念話の上位にあたる

イメージを共有する念話を開始する

今風に言うなら、脳内に仮想空間(バーチャル、スペース)を作り

そこへ自分の、アバターを作り上げ操作し

オンライン上で、会話等をするものである。


 仮想空間で、対話、遊び、戦闘訓練等、色々できるため

(バーチャル・スペース・プレイ)V・S・Pとユーリは呼んでいた

それは1秒にかかる情報量が跳ね上がり

通常の10倍近い情報量になるのである

なので、約3000倍の念話ができないと

300倍のV・S・Pが使えないと言うことである。



 そして、ユーリと、蓮の脳内に、同じ映像が浮かび上がる

それは、ユーリが構築した、仮想空間で

窓も出入り口もないが、オシャレなリビングである

そして、その中心に置かれた、テーブル、それを囲む用に置かれたソファーだが

その特徴とも言ってもいいだろう、全てが、ディフォルトされていたのだ

そこへ、出てきたのは

2.5等身程に、ディフォルトされた、アメリカンスタイルのユーリの姿であった

その短い手で、履いてないスカートの裾を持つ仕草をし、丁寧にお辞儀をした。


 それを見て、蓮は自分のアバターを作り上げる

部屋のイメージと同じく2.5等身に、ディフォルトされた、レンの姿であった

ちなみに仮面は付けてはいない

そして、レンの分身である、アバターを少し動かしながら


『こんなもんか?』


『さすがですね、レン様、やはり、これくらいなら付いてこれますか』


『ああ、ティアやミカでも、慣れれば出来るだろう』


『そうですね、立ち話もなんですから、座りましょうか』


 ユーリの話の内容は

300倍の仮想空間に付いてこれた、と言う内容であるし

冷静に答えてみせたが

内心は、転生した身でこの速度に付いて来れた事に驚いていた。


 蓮の内容は、頭の硬い、ミーティアでも練習すれば

そのうち、2.5等身のアバターを作る事が出来るだろうと言う内容ではある。


 蓮にしてみれば、たかが、300倍の仮想空間出来て当たり前なのである

そして、すれ違いのまま話は続く


 2.5等身の、頭のデカイ、ユーリと、蓮のアバターは、ちょこちょこと歩き

ディフォルトされた、ソファーにすわる。


『イメージ共有か、仮想戦闘とかで使った事はあったが

 こう言う、ディフォルトは初めてだな、なかなか面白いな』


『それは良かったです

 それと、先ほどの、ミカの事なんですが?』


『ああ、あれは自業自得だ!ミカが悪い』


 先程やっていた、ユーリとミカの戦闘の事なのだろう

ミカも笑ってたし事実調子にのったミカが悪いのだからと、笑いながら答える


 それを確認した、ユーリは、本題にはいる


『それと現在、敵同士と言う構図ですが?どうしましょう?』


『そのままでいいぞ、手抜き無しで』


『いんですか?

 レン様は、転生組の様な気がしますが?』


『転生組?・・・・そうか、やはり、【ギャルコレル】も転生してきてるのか!』


 ギャルコレル、それは、あの世界での、レンの友人であり

ユーリは、ギャルコレルの部下であり友である。


 レンは、ユーリの姿をみて

あちらの世界の姿とあまり変わらないと感じていた

なら、それは召喚されこの世界に来たことを示している。


 そして召喚した人物は

召喚術を使える人物、ギャルコレルであろうと

その通り名は 【サモンマスター・ギャルコレル】

そう召喚術師である。


 そして、フォー話から

この組織は召喚術を使い、フォーを召喚したと

なら、ギャルコレルと、この組織は、何らかの繋がりがあるのだろう

なら、ギャルコレルはどうやって、この世界にきた?


それは、レンや、シオンの用に

【奴等】に殺され、奴らにこの世界に飛ばされた確率があがる。


 そして、シオンの予想では

あれに殺され、奴らに飛ばされたなら

あちらの世界で4263年以降であり

転生したなら、姿は以前の者ではないと

レンが、飛ばされたのは。4272年である。


 ギャルコレルとは友人だが

長い年月を生きていた俺達は、10年間合わない事は普通でもある

なので、ギャルコレルが殺された事に気がつかなくても

仕方のないことであったとも思っていた。


 そして、ユーリの転生【組】という言葉で

レンの頭の中に、転生してきた人物

そしてユーリの用に召喚された人物が、2人以上居る事を裏付けた


それを、今、ユーリの転生組と言う言葉で全てが繋がることになる


そして、レンの「ギャルコレルも転生してきてるのか」の言葉に

ユーリは、してはいけない、失言をしたことに気づく。


 その失言で、この世界の

ギャルコレルの存在、それも転生してきた事がばれたのだ

召喚組は、召喚される前の、能力のまま、この世界に来る

それでも世界の違いで、多少の世界制限等は付く

転生組は、この世界の人間として転生するため

能力や肉体の、制限や限界ができてしまう

それは、ギャルコレルが以前より

弱体化してる事に他ならない事が、レンに知られたのだ


『・・・・・・・・失言でした・・・』


『いや、そっちの組織が召喚魔法を使えるのがわかった時点で

 ギャルコレルが、この世界に居るだろう事は、ある程度の予想はできてる』


その言葉に、多少は安堵するユーリ、そして腹をくくり、難しい顔をして


『では、隠しても意味はないですね

 レン様の想像通り、ギャルコレルも転生してます

 なので今は名前が違いますが

 それは許可なく言えません・・・。

 本人がギャルコレルと言う名前で呼ばれるのが嫌らしく

 今は、ファーストネームの、ワーウィックと呼んでください

 後レイ様が、同じ世界に居ることを報告をしないといけませんし

 今一番の問題は敵対する組織に、レン様がいるいう事ですね

 この世界の人間相手なら、どうにでもなりますが

 同郷の人物と敵対となりますと色々と大変そうですしね』


 たしか【ギャルコレル・B・ワーウィック】

魔術に携わる者であるから

真名では、ないだろうが、あの世界での名前だったか・・・

あの世界では、ギャル=女、と言う概念が無いため、気にしなかったが

この世界で、ギャルコって・・・・・・


蓮は、軽く鼻で笑う


『ギャルコレル・・・

 くく、ギャル子ってか?

 サイズ教えろよ、スカート送ってやるぞ』


『やめてください

 色んな意味で、町一つ吹き飛びますよ』


 ギャルコレル、前の世界では白い髭を蓄えた

見た目100歳を超えるジジィである

それを、ギャルと呼び、スカート送ると言う

蓮の冗談とも言える、イヤガラセを理解したのか

ユーリは、右手と頭を左右に振りながら答えた

そんな姿を見て、奴ならやりかねないと、もう一度軽く鼻で笑い話を戻す


『ああ後、組織とか、まったく関係ないからな』


『え?関係ないの?』


ユーリは「組織とか関係ない」と聞き

2.5等身の体を、ソファーから立ち上がり声を発した

ユーリは今、高津達の組織[レッドストーン]に、手を貸している

そして今日、その組織レッドストーンは

十士族の四条家の娘、優美を拉致しようとした、それは失敗したが

九重家の娘、静香の拉致は成功していた

すでにその十士族に、情報は伝わっていると考えていた。


 侵入者のロングコート姿、そして速見からの連絡で

倉庫への侵入者は、四条家縁の者

または十士族の関係者だと考えていたのだ

それを、関係ないと言ったのだ

なら何故? ここに来たのだと思考を巡らすが

それは、次の、レンの言葉で納得する。


『お前達が、襲った学生の中に、この世界での俺の妹がいてな

 無事だったが、腹が立ったんで潰しにきた』


『妹・・・それは、あぁ、、、申し訳ありません

 作戦開始まで、詳しい内容が、わかんなかったんで

 私と高峰、そこで、レン様のお仲間と・・・・

 し、、、死んでははいないですよね?』


 立ち上がっていたユーリは、レンに対して、深々と謝罪した

自分達の立場を、レンに説明しようとして

高峰が居る方向に意識を移すが

そこには、高峰に切り刻まれ死体の用に横たわる

ひょっとこ仮面の男の姿があった


『ハハ、大丈夫、あの変態は、殺されても笑って許してくれるさ』


『そ・・・そうなんですか?』


『ああ、なんなら本人に聞いてみな、居るんだろ?』


『え?・・・・・・・・』


 2.5等身の、コミカルな2体のアバターの間に、数秒の沈黙が流れ・・・

部屋の片隅の空間が歪み再構築され、そこに

卵を逆さまにしたような白い頭、髪の毛はなく、瞳は、パッチリ黒く染まり

鼻と眉毛はなく、2.5等身の身体は白色で服装は赤いフンドシ一丁の、アバターが現れた

完結に言うと、よく、その類の雑誌にのる、グレイと言う宇宙人に似た姿であった

その、グレイに似たアバターは、後ろ頭を掻きながら


『ばれたか!』


そう言い、ちょこんとソファーに座る

ユーリのアバターは、目を丸くし大きく口をあけていた

それを見ていた、レンは、アバターの制作自由度に感心し、シオンのセンス笑い

ユーリの、アバターの表情の動きに面白そうにわらっていた

そんな事お構いなしに、シオンは楽しそうに話しだした


『この空間は、面白いな、色々遊べそうだな

 それにユーリだったか?

 前に1度会ったことがあるけど覚えてるか?』


『い、いえ、覚えてないですがって!!

 誰ですか?どうやってここへ?

 なんで入ってこれるんですか?

 それ以前に人間ではないではないですか?』


ここ一番の混乱である

意思加速300倍での、仮想空間のそれは

召喚組で、それも魔術師よりのユーリにとっても限界に近い速さである

蓮なら元々の能力は高く、前の世界なら、出来て当たり前だろうが


でも今は転生組、それも前衛よりの蓮ならギリギリだろうと踏んだ空間であったが

付いてこれた蓮の事は、ある程度、想定内ではあったが

そこへ途中乱入してくる人物が居るなど想定外

頭の片隅にすらなかったのだ

それも、さすがのユーリですら、宇宙人と会った事はないのに

会った事があると言われたのだ混乱するというものである


すでに混乱から、その宇宙人に似た存在が

乱入してきた人物に作り出された、アバターだとは頭の片隅に無かったのである。


『あぁ?俺?

 そこで血だらけで死にかけている、ひょっとこ男ですよー

 死にかけてるだけで、死なないから、気にしないでねぇ~

 まぁ、あれだ!

 面白そうなんで、のぞいてた』


 そして軽く笑う

その姿は、オモチャが、頭を縦に揺らして、カタカタ音を立てるように


『ユーリこいつも、あっちの世界の人間で、シオン、まぁ詳しくは今度な

 でだ、高峰?がどうしたって?』


 その言葉に冷静を取り戻そうと

息などしてないユーリのアバターが深呼吸する


ユーリは突然現れた、シオンと名告る、アバターを見つめ


 私でも限界近い、この空間に、わってはいってきただと?

何者だ?1度会ったことがあると言って言たが

その名前は記憶にない

それにしても、レンの仲間だろうが

こちらを、バカにした仕草

それに、態度がでかい

格上である私に対して礼儀も無いのが、気に食わない

くそ・・・

高峰に手も足もでないカスが・・・

そのまま死んでしまえばいいのに

潰したい、潰したい、今すぐにでも潰したい・・・・・・・

が、ここでレンの反感を買うのは得策じゃない。


 ユーリは、シオンに対して殺意を向けたが、すぐに押さえ込んだ

救いであったのは、ここが仮想空間であったことだ

現実でユーリほどの、実力者が、死にかけのシオンに、殺意を向けたなら・・・

いや、それは卓上の空論であるだろう。


 感情を完全に抑えきれてないユーリは

好意的では無い口調で、蓮の問に答える


『そ・・・そうなんですか?

 え~と、シオン?と戦っていた男が高峰と言いまして私の仲間なのですが

 今回は雇われ傭兵だと、思ってください

 詳しくは、許可なく言えませんので』


『わかった、詳しいことは、今度だな

 奴に暇なら遊びに来いと言っといてくれ』


『わかりました、ミーティアと相談して段取りしましょう』


『おう、たのむ、そして傭兵らしく戦うか?』


『そうですね、レン様、手加減無しの、この魔物に勝てますか?』


『この変態宇宙人が負けたからな、勝たなきゃまずいんだろ?』


シオンの宇宙人アバターが、顔を赤くして照れ


『変態って、そんなに褒めても羽くらいしか出んぞ』


 そういい背中に

穴が空きちぎれちぎれになったボロボロの黒いコウモリの羽みたいな物が出現し

シオンのアバターが少し、ソファーから浮いた

やりたい放題である。


 それを見たレンは、お手上げのデェスチャーをして

ユーリに『気にしなくていい、相手するだけ無駄だぞ』とつげる

それに、ユーリは頷いて


『それでは、考えがあります、こちらに合わせてもらえますか?』


『わかった、適当にあわす』


『それでは、ご無礼お許しください

 そしてユーリ劇場開幕でございます』


『まった!』


のりのりで、進めようとしたユーリは、いきなり止められ

声の主である紫音のアバターに、振り向いた


『え?』


『聞きたいことが、1つ?あるんだが』


『なんでしょう?』


苛立つユーリ、そのアバターにその表情はでないが

返事をした声のトーンは低くなっていた


『さっき、態度のデカイ

 ああ体もレスラー並に大きかったが、そいつが

 十士族を潰すといってたんだが

 森で会った、あの召喚された魔術師と、この魔物

 そして、これだけの戦力があるなら

 十士族のどこかは半壊させれるんじゃないか?

 それなのに何故?

 士族の子供達を誘拐した?しようとした?

 そして、それはなんで四条家・九重家なんだ?』


『それも・・・・・許可なく言えません』


 紫音の言葉に、ユーリは、一言いうと、口を閉ざす

それを見て、紫音は話を続ける


『それは、言えないのか、知らないのか・・・・

 まぁどっちでもいけどね

 後、ギャル子にも言っとけ、俺を巻き込むな!

 俺は、この世界で好き勝手に、ダラダラ生きていたいだけだ!

 鈴にしろ、蓮にしろ、何故?俺を巻き込む!

 おかげで、死にそうじゃないか!』


 (まったくです、巻き込まれて死んでしまった、シオン様の静止がなければ

 この一体の空間と共に、あの男も、この女も

 ついでにモブも、一緒に消滅させている所です)


 (おいおい・・・リルさんや、勝手に殺さないでください)


(・・・・そんな事言いました?

 もし死んでも、この世界を生贄にしてでも生き返らせますから、大丈夫です)


(ワオ!って・・・

 生贄なんて、そもそもいらねえだろ!)


 高速思念での仮想空間の中にもかかわらず、紫音の頭の中に

 世にも恐ろしい事を口走る、悪魔の姿があった

 もう、何でもアリな、リルさん・・・・

 さっきから、ちょくちょく、俺の頭の中で、何か言っていたが・・・

 基本、無視である

 


 身振り手振りの、チャライ態度で会話をつずける紫音に

ソファーに腰掛けて、ドッシリ構える蓮が、突っ込む


『さっきまで、ストレス発散してただろ!

 まぁ今回は俺も巻き込まれたけどな

 ユーリ、俺からも奴に伝言だ

 「四条と九重の共同開発の、アレに興味があるんだろうが

  四条の娘と俺の妹が友達でな、下手に手を出そうものなら

  俺達が黙ってみてないぞ」とな』


『俺を入れるな』


『どうせ、首を突っ込んで来るくせに!』


 共同開発のアレ、その言葉で、ユーリは驚愕する

この男、どこまで情報を掴んでいる?

アレの情報ですら私達が知ったのは1月ほど前だというのに・・・


『わかりました、伝えておきます

 ただ、私と高峰からすこしだけ

 言い訳になるかもしれませんが

 子供を襲ったり拉致すると分かっていれば

 今回の作戦に参加しておりません

 作戦実行されるまで知っていたのは

 内密にやり取りをしていた

 各実行犯リーダー数名だけでしたし

 私達は作戦が実行されて初めて内容を知りました

 だからと言って、ここが襲撃を受けて何もしないと言うのは

 この組織との、繋がりに亀裂がはいると

 今後の、ワーウィックの活動に支障がでるので

 戦闘に参加した次第です

 ミカと、そちらの、シオン?にも手加減して

 殺さないように配慮しましたし

 隙を見て、全員何処かに送ろうと思っていました』


『あぁ、そのへんはな、仕方ないだろう

 そっちには死人も出たんだろうし

 それは、全部コイツが悪いから、殺しても文句はいわんさ

 で、ユーリ劇場って?』


ユーリは、先程ノリノリで言ったことに赤面する


『え~~はい

 魔物と戦って勝ってもらえば

 後はコチラで、勝手に話すすめます

 すでに、布石はうっておりますから、お気ずかいなく』


『わかった、シオン、それでいいな』


『うぃ~~~

 死人に口無し、ただの屍の大役お引き受けします!』


 シオンは右手を頭につけ敬礼をし

ユーリを、からかいながら返事をする

心で、相手にしない、相手にしない、と呟きながら、ユーリは


『それでは、空間を解除します』




・・・・・・・・・・1数秒に満たない時間に行われた念話であった




そして今その女性は、レンに向かって挨拶をする


「初めまして、私は、ユーリ

   

   【マリオネットマスター・ユーリ】

 

             と申します」



 

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