13話 ひょっとこ、かっこよくね?
その建物は、ある国道から少し入った所
平屋の大きな一軒家である
外見は築数50年は超えると思えるほどの、ボロ屋である
そして、家の前の道は舗装されておらず
この家に用事が無ければ、誰も通る事はないだろう。
周りは山と森に囲まれ
その建物以外の家は見て取れない
まずその家を知らない限り
誰も踏み入れない
忘れられた場所である。
そんな家に一歩入れば
そこは外見と相反する最先端の内装となっている
1年ほど前から、ここに出入りする人物達の趣味の、たわものであるとしか言い様がない
そして各部屋は、その部屋の主人の感性と言うか趣味全開の作りになっている。
この家の中心にある8畳2間
ソレをぶち抜いて作った、16畳のリビングで
大きなソファーに座ってパソコンを、いじっている180cm程の男が居る
桜の兄・蓮 (レン)である
まだ、15歳、中等部3年ではあるが
鍛え抜かれた肉体に
赤い髪をワックスで立たせた攻撃的な髪型の
一見【漢】と思わせるほどの迫力を持つ。
同じく蓮の横で
ソファーに寝転がって、テレビを見ながら、お菓子を食べている女性が居る
レンの2人居る配下の1人・ミカである
明るい茶髪、ボサボサのショートカットである
もう1人の配下、ミーティアと、容姿ダケは似てはいるが
その性格は、まったく異なる。
ミーティアが、出来るお姉さんなら
ミカは自由気ままな妹である
普段は、そんなミカだが
レンの忠実な配下であり、やる時は、殺る性格でもある。
基本この家は、ミカと、ミーティア、2人が暮らしているが
2人の主人であるレンは、かなりの頻度でこの家に居座っていた。
紫音は、よく蓮に呼び出され
この家に来ることが多いい隠れ家というか、たまり場である
ちなみに、紫音は、紫音で三千風家以外に、隠れ家がある。
そんな、リビングに空間の歪みが起き
転移してくる人物の姿があった。
「よ!すまん、ちと遅れた」
「おう!電話したの、何時だっけか?」
紫音の挨拶に、笑いながら答える蓮であった
その紫音の横で、警戒態勢に入り魔力を貯めるフォーの姿がある
「まて、友達 (ツレ)だ」
そう言って、フォーの頭に右手を添える。
(ん?髪まだ濡れてるな・・・。)
フォーは俺の顔を確認すると
魔力をとくが、警戒はおこたらない
とりあえず、1人用ソファーに、フォーを座らせ
リルに、タオルとドライヤーを持ってこさせ。
さて、挨拶は大切だ!
それも初対面ならなおさらだ!
第一印象で、コレからの関係性が決まると言うもの
だからこそ、俺はフォーに大切な仲間を紹介しよう!!
紫「さて紹介しようか
あの飛んでるのが【チビ】
こっちの赤頭が【脳筋】
そこの菓子貪ってるのが【アホ】
そして俺が【変態】だ!」
そう言いながら
フォーの髪をタオルで拭く、リルが羨ましそうに、見つめているが無視だ!
蓮「おう、脳筋だ!」と
ソファーに、もたれて、適当に右手を振り挨拶する、蓮
ミ「アホどぇーーーす」と
両手を振る、ミカ
そして、ふわふわ飛んでるリルは
リ「そんなモブに紹介されても・・・
どうせ、今回だけのポット出!
記憶に残すだけムダ!ですね。」
紫「うん、チビは無視だな!
次はフォー、自己紹介して」
未だ警戒している、フォーが話始める
フ「先んせ、その攻撃的なオーラをどうにかして欲しいのじゃが」
蓮「やはり、見えるか
やっぱり、本物のダークエルフか!ハッハッハ」
そう言うと、蓮は部屋を覆っていた攻撃的なオーラを押さえ込む
それを感じてか、フォーも警戒を、少しだが緩めた。
ソレは、約50分前
蓮は先程、リルがここへ来たとき
森での出来事の大体の説明を聞いていた
ティアから送られてきた映像も見てはいたが
それだけでは、全部は把握はできていなかったからだ。
その中に、この魔術師のダークエルフの事があった
そのダークエルフは盟約に縛られて
四条優美 (しじょうゆみ)を襲ったと
そして鈴は巻き込まれ
桜は進んで割り込んだ・・・。
最終的に、そのダークエルフは盟約に抗い、死にそうな所を
リルは、シオンの命令で虚数空間に隔離し助け
盟約の解除を受けたが
それは、盟約と名ばかりの拘束具であった。
魔術師が着ていた、ローブの下に
首・腰・両手・両足に拘束具と言う、デバイスが付けられていた
実際それは、刑務所で使う囚人の拘束具である
命令一つで、拘束具が全身に激痛を与えたり
両手、両足の拘束具が魔力で引合い動けなくしたりというものである
一度つけてしまうと
解除キーと、管理者権限が無い限り外れないと言うものだ
オマケに、発信機、小型の爆弾着きと、至れり尽くせりであるが
空間転移が使えるリルにとって
ダークエルフから、この拘束具だけを外すのは
1秒もかからない作業ともいえる。
ただ、この世界の人間なら
それは見ただけで拘束具とわかるものだが
異世界の人間には、まったく未知の装備品である
だからこそ、異世界人は、疑いもなく、それを付ける
あとは、盟約と嘘を付き
その人物を縛り付ける事ができたのである。
そして、リルは、こちらに来る前に
その魔術師を風呂場に連れて行った
その理由は、数日風呂に入ってないのか
とても汚く、そして臭かったから、と
レンに告げた。
一通りの報告を済ませたリルは
自分が、こちらに来た最大の要件を、レンに告げる。
リ「レンさん、ティアにお願いしたのですが
先ほどの、シオン様の映像のコピーをお願いできますか?」
蓮「まかせろ、今編集している所だ
ティアに感謝しろよ、完璧なアングルで録画してあるぞ」
リ「なんと、これは・・・・・すばらしい」
蓮「ここなんかどうよ? わらえるだろ?」
リ「いいですね、そこのカットは、ヨリでお願いします」
蓮「ハッハッハ!
リルお前わかってるじゃないか!!」
リ「いえ、ティア様様です
まったくティアのカメラワークは洗礼された物がありますね」
蓮「なら、ここなんかはロングからヨリまで
スローで1分くらいもたしてみるか?」
リ「おおおお!
斬新です!
レン様!!」
そんな編集作業で盛り上がっていた、蓮とリル
ただ、時間だけは過ぎて行き
30分後に連絡を入れると言った、紫音からの連絡が来ないので
リルは約束の時間も、風呂場に置いてきた、ダークエルフの事も忘れ
蓮と共に編集作業に励んでいた。
ただ、変態映像に興味がなかった、ミカ・・・
いやこれが、レンの変態映像なら食いついてきただろう、ミカが
「リルちゃん、時間いいの?」
と、聞かなかったら
早くても後30分は、レンと一緒に編集作業を行なっていただろう
多少遅れたが、連絡が無いことは
シオンも急いでないと考えるも
リルは急ぎ戻る準備をして、蓮に
「シオン様と魔術師のダークエルフも連れてきます」
と、告げて、消えていった。
そんな、リルを、軽く右手を振って答えた蓮は
引き続き、パソコンで録画の編集を続けながら、考えをまとめる。
ダークエルフの魔術師
あの骨を見る限り、ある程度の、力があると見ていい・・・
手っ取り早く実力がみたいな
昔よくやった、オーラ垂れ流しでもするか!
これに反応示さなかったら、ただの魔術師
多少の魔力感知が出来るなら
警戒か、心が弱ければ失神するだろう・・・と考える
蓮が昔よくやった、初対面の相手にして驚かしていた、軽いお遊びの一つである
結果、この、ダークエルフは反応してみせた
紫音が止めはしたが
瞬間的に跳ね上がった、魔力は相当なものであった
それを感じ取った、蓮は、ニヤリと笑みをこぼす。
そして現状である
本来、ダークエルフにとって
人間は、言葉が話せるだけの下等動物である
知恵や、魔力は、エルフ族に、遠く及ばす
力や、技術は、ドワーフに、遠く及ばない
寿命は、長くても100年いかないだろう、だからこそ、数だけは多いい
あちらの世界では、知的生物の大半が、人間であった
フォーは、所詮、数が多いいだけの下等動物だと、思っていた。
そんな人間に自己紹介を、するなど・・・・
だけど、目の前にいるのは
天才と呼ばれた自分すら凌駕する、魔力を持つ者たちがいる
それに、我が主シオンが、友と言ったのだ
主シオンの、傍に居ることを誓ったのだから
それなりの礼儀を持って接しないと、いけないだろうと想い
フォーは、軽く息を吐き
威厳の有る態度で、自己紹介をはじめたのだったが・・・
1人掛の、ソファーに足を組み
ソファーの肘置きに左肘を付き、ふかぶかと腰を据えている
完全なる、上から目線である
しょせん、ダークエルフ
人間(紫音)を主とはしたが、早々性格が変わるはずがない
実際、人間もそんなもんである。
が・・・・・・
見た目は、ダブダブのジャージの上下
髪をシオンがタオルで乾かしている
そんな姿に、威厳も、上から目線も有りはしなかった。
「我は、フォー・フレイア、でありんす
知らぬ輩に異世界から召喚され
このシオンに助けられ
今は、主シオンに忠誠を誓い仕える身でありんす
後、見ての通りダークエルフでありんすが・・・
それにしても、我を見ても驚かないのでありんすな
我が召喚された時は
召喚士達は、皆驚いておったのだが
あ奴らは、この世界には、人間しか居ないと言っておったが?
お主らの、魔力はどういう事じゃ?
魔素量もさる事ながら、その魂
そちらの、おなごは、人間じゃなかろうし」
ちらっと、リルと俺を見て、すこし、イラつきながら
「少しは大きい魔力があろう?ちんちくりん
これでは、我が主シオンがまるで、この中で1番下ではないか!」
ソファーに、もたれていた、レンが、興味を持ったのだろう、前のめりになって
蓮「ほぅ、それが、わかるのか?」
フ「わかりやんす
これでも純血種のダークエルフじゃ
オーラと、魂、周りの精霊を見れば
ある程度の強さは、わかるでありんす」
蓮「ほほぅ・・・・・
なら、ちゃんと自己紹介するかな
この世界では、蓮・B・ティオーノと言う、レンでいい
そして、俺も訳合って異世界からの転生者だ。
昔は、向こうの世界、そうと言っても、世界に名前がないからな
最大都市で言えば、プローミスヘイムが有った世界
そっちでは、
俺は【レイ・マーティン】と言う名だった
こっちは、その時の俺の部下の1人、ミカだ
もう1人いるが、2人とも、同じ世界からの出身だ!
こいつらは、色々あって今は、仮初 (かりそめ)の肉体なんだよ」
俺は、ビックリして立ち上がろうとする
フォーの肩を抑えながら髪を乾かす
そして、フォーが話し出す
フ「そ・・・そうでありんすか
我も、プローミスヘイムがあった世界にいたでありんす
それに・・レイ・マーティンとな?
聞いたことがあるような、ないような?」
蓮「どこにでも、ある名前だしな、きのせいだろう」
考え込むフォーに、意味深な笑い込めながら、答える蓮
それを聞いて、フォーの髪を丁寧にタオルで拭きながら、紫音が問う
紫「フォーその世界の年号覚えているか?」
フ「確か、魔導歴で4269か70年あたりでありんすか?
我の村は、スヴァルト山の北の村、ダークエルフの女世帯の隠里でな
世界の物事とは、あまり関わってないでありんすし・・・
我は・・・家に篭もりっきりじゃったので・・・
正確な、年号や・・月日はちとな・・・。」
紫「そうか・・70年か、レンが、71年くらいだったか?」
蓮「ああ、確か72年の冬だった
後は世界軸か、、目印はなんだ?」
紫「村に籠ってたなら
世界情勢はきついか
勇者か?魔王とかは?どうだ?
フォーお前の世界で、魔王は何人いた?」
フ「魔王でありんすか?
確か10人だったと思うのじゃが?それが?」
紫「10人?レン、どう思う」
「10人か・・・・・
俺の世界では、最大で8人だな
たぶん違う世界軸だろう
それと
もしかして、フォーは、スヴァルト山の北の森
闇の魔術師フレイアの一族じゃないのか?」
紫「なんだと!」
フォーの頭をタオルで乾かしていた手が止まる
俺は、前回生きていた世界で
ある呪いか、闇魔法を解いて貰う為
闇魔法に特化した、ダークエルフの集落をずっと探して居たのだが
最後まで見つからなかったのだ。
フ「我を知っておるのか?
シオンも、あちらの世界の人間か?」
紫「あ・・・・
あぁ・・・・・
漆黒のフレイア、ダークエルフ
最強の闇魔法の使い手だと噂で聞いていたんだ
それと、俺も転生して、こちらに来た
多分、蓮と同じ世界軸だ」
フ「そうでありんすか
シオンもあちらに、居 (お)ったのか・・・・・・
それは、逢って見たかったでありんすな
まぁ、闇魔術は得意でありんす
まぁ小さい時から天才と歌われてはいたが
世界にそんな噂が流れてたでありんすか
それと、違う世界軸?
同じプローミスヘイムじゃないのかえ?
どういうことじゃ?説明しなさんせ」
紫「ん・・・・・並行世界と言うのは分かるか?」
フ「同じ世界であって、絶対に交わらない違う世界かえ?」
紫「そんなもんだ
あの世界には、数え切れない程の、並行世界があるわけだ
俺達の居た世界と、フォーが居た世界は
並行世界であって、違う世界なんだよ
もし同じ世界で時間軸が同じなら
戻してやれると思ったんだが」
フ「もどる?もどれるのか?」
紫「俺達の居た、プローミスヘイムの世界ならな
フォーの居た、プローミスヘイムには無理だ
まぁその辺は、ゆっくり考えろ、あとは、リル自己紹介」
リルは空中で・・・嫌そうな顔をするが・・・
ッチ! と・・軽く舌打ちしながら会釈をし
リ「リトル・L・アンシャン・・・
愛称は、リル
あと、そちらのミカと同じで人型にもなれますし
シオン様の1番の信用のおける存在
シオン様の妻は私でございます
そちらのモブが何時の間にか
シオン様の下僕になったとは聞き捨てなりませんが
下僕は下僕、モブは今回限りの登場でしょうし
さっさと消えてしまいなさい。」
フ「あらあら、妻とは
面白くもない冗談でありんすね
所詮は、ちんちくりんではありやせんか
我は主シオンの妻は我でありんすから
ちんちくりんは、お暇をあげてもよろしくてよ」
リルと、フォーが、にらみ合い、女同士の火花をちらす
そんな2人をみて笑いながらミカが油に火をそそぐ
ミ「もてる変態は辛いねぇーーーで、どっちが正妻?愛人?」
「ミカお前なんちゅうことを・・・
(だいたい正妻は【くるみ】しかいないだろ!!)」
ミカの正妻・愛人という言葉に、リルとフォーの言い合いは熱を帯びていく
紫「2人共それくらいで」
リ「シオン様うるさい」
フ「しずかにしてくんなまし」
唖然とする俺を見て
蓮とミカが、クスクスとわらう、そして蓮が言う
蓮「さぁどうするシオン?」
紫「くそ、、、リル・フォー、それ以上争うなら約束は無しだ!」
リ「・・・・・・・・・・」
フ「・・・・・・・・・・」
蓮「おおーーで、約束ってなんだ?」
紫「い・・・・言えない・・・・」
言い争いは、やっと止まったが
蓮が問うてくる・・・うざい!!
ため息がでる、そしてフォーの髪にドライヤーをかける
紫「フォーあまり時間が無いが、他に聞きたいことないか?」
フ「主シオンに失礼かもしれやせんが
そちらの、お二方の、強さは計り知れないでありんす
まぁ、ちんちくりんは置いといて
主シオンは、その・・・
お二方と比べるとじゃな、多少、いや、ほんの少し・・・
いや、魔力が全てじゃ無いと思うのでありんすが・・・
我に解らぬ何かが、ありやんすか?」
申し訳なさそうに聞いてくる
なら、これは秘密だが
そこまで言うなら、教えてやろう!!
紫「ん? なんも無い!
比べるも無く、天と地ほどの差があるだろう
エルフの目なら見て分かるだろう!
俺は魔力も普通の人間以下
スライムより劣る!
精霊も俺の周りには寄り付かない
無能と呼ぶに相応しい【変態】だ!!!
無い物は無い! もう諦めた!」
フ「そ・・・・そうなんじゃが、それでも何か?ないのかえ?」
紫「まぁ、あるとしたら、生まれついてのスキルが、あるけど・・・・・」
フ「流石は、主シオン
いったいどんなのかえ?我の主なら
指先1つで1つの都市くらい吹き飛ばすくらいのスキルはあるはずでありんすか?」
紫「期待でかいなー、フォーそこの、コップ見ていろ」
そう言って、コップに右手をかざすと
中身はすでに飲み干され、空になったコップが、カタカタと揺れだす
それを、マジマジと見ていたフォーが
フ「なんぞや?」
ふん! 胸を張って言ってやろう!
「スキルだが?
それも物を揺らせるスキルだ!
どうだショボイだろ
ヒャッハッハッハッハ」
核となるスキルは、波 (なみ)であるが
それは、俺だけの秘密であり
蓮もリルも知らないことである
蓮「前より、威力おちたか?」
紫「コップが重いんだって、全力出せば、もうちょいいけるぜ!」
蓮「花瓶でやるか?」
紫「ふ・・・・無理!」
蓮と、そんなやり取りをやっていると
言葉を失った、フォーが振り向いて俺を見つめてくる
そんな、蛆虫を見るような目で見るなよ!
てれるじゃんかぁぁぁ~~
紫「おう、呆れたか?
なら俺を見捨てていいぞ?
この中で1番下じゃなく
この世界でもかなり弱い部類だぞ
俺なんの力もないからな
大体、リルや、蓮が居なかったら、俺なんも出来んしな
アレだったら、蓮の下についてもいいぞ
さっきも言ったがゆっくり考えろ」
フォーの目が俺をぬ睨む様に厳しくなり
フ「我が主と認めたのは、お主じゃ
シオンに力が無かろうが有ろうが我の主は、シオンだけでありんす」
そぉ言うとぷいっと前を向く
蓮「俺も、シオンに惚れた女なんぞいらねえよ」
フ「レンに言われなくても
レンの下につく気はないでありんやす!」
その言葉に反応したのは、ミカだった
言葉を聞くなり、立ち上がり闘気を纏う
それを、レンは制止するが
ナゼ!制止する! と言わんばかりの、リル
俺はそんな姿を見、フォーの頭を「ポン」と叩き
紫「フォーここ居る全員の前世合わせての年齢わかるか?」
フ「年齢?であるか、お主達は、転生して来たのじゃろ?
前世が人間なら、合わせても、100年経ってないのじゃありんすか?
ちんちくりんの年齢は検討がつかないでありやんすが?それが?」
紫「さっきフォー200歳って言ってたよな?」
フ「うぬ、たしか、212歳?じゃったか?」
紫「そうか・・・・
蓮とミカは1000年は超えてるし
リルは覚えてないらしいがそれでも最低でも500年か?
だから、フォーこの中では、お前はまだまだ、おこちゃまだ
ま俺は、こいつらと比べると生まれたての、ヒヨコみたいなものだけれどな
俺やリルはいいが、お前は、レンとミカには敬意を示せ」
フォーは・・・苦虫を噛んだかの様な顔に・・・
たかが人間に敬意を示せと言われても・・・と
だが、主が言うなら。。。。と
フ「失礼いたしもうした
姿からつい、そこいらの人間と同じ扱いになっており
先にシオンから言われたのじゃが
どうも我の覚えてた異世界語は変らしくてな
言葉使いは勘弁してほしいでありんすね
レン様とミカ様でよろしいかえ?」
それが、イヤイヤ言わされている事など
誰が見ても、聞いても分かると言うものだが
蓮は、そんなフォーの姿さえ
変態と比べると、まだまだ可愛いものだと
蓮「いきなり、ミカがすまんな
これは俺への忠誠心の現れと思って許してくれ
さっきレンで良いって言ったしな
だけどミカの手前、さん付けにしてくれ
ミカ事態は呼び捨てでいい
リルも呼び捨てにしてるし、そのほうが、仲良くなるだろし
ミカは自分の事は気にしないからな。」
フ「ありがとうございます
今後共よろしくお願いいたしまする
それにしても、ちんちくりんすら500年以上・・・・・・」
紫「他はないか?」
フォーはすこし振り向き紫音の顔をみる
紫音は優しく笑い首を傾げる
フォーは紫音が、数年で死ぬといっていた事も聞きたいが
それは今聞くことではないと判断する
フ「まだ、ありんすが
後でゆっくりと、主シオンに聞くでありんす
2人で時間のゆくまま気のゆくまま、語らい合うでありんす」
リ「そんな事させません、質問なら私が答えます」
フ「ちんちくりんに、何が答えれましょうに」
リ「しょせん、モブ
今回の事が終われば、あちらの世界に強制転送してあげましてよ」
フ「ちんちくりんが、力を持つ妖精でも
そんな力有る訳がありやせん
背伸びしても、1ミリも大きくなれませんでありんすよ」
リ「そこまで、言うのでしたら
今ここで強制転送してあげてもよいのですよ
名前すら覚える必要のない
明日には皆の記憶から消しさられる、モブなお人」
パンパンパン
フォーの髪を乾かし終えた、シオンは手を叩き、2人を止める
紫「はい!そこまで、仲が良いのもいいが、そろそろ時間だ」
リ「シオン様! 冗談は顔だけにしてください」
フ「よくないでありんす」
声が被る
「イキぴったりだな!2人とも」
リルは、フォーを1回睨みつけると
リ「それでは準備をしてきます
シオン様の上着と仮面も持ってきます」
背を向けたまま、そう言ってふわふわと
この家にある紫音の部屋に飛んでいく
フォーは、シオンが乾かしてくれた自分の髪を両手で触り
嬉しそうにするのだった。
俺はフォーの頭を軽く撫でると
紫「さあ俺たちも準備するか
ミカ悪いが、フォーに似合う服貸してくれないか」
ミ「ほほい、美人さんだから、ティアの服が似合いそうだね
でもとりあえず戦闘服がいいかな?
どうせ、フォーちゃんも行くんでしょ
こっち来て着替えるよ」
そう言ってフォーをミカの部屋に連れて行く
フォーの後ろ姿を見送りながら・・・
はぁ・・・・リルとフォー・・・
何故あの2人は、反りが合わないんだろうか・・・
2人が少しでも仲良くなってくれれば、と
思いながらため息を吐く
リビングに残ってるのは、俺と蓮だけである
蓮は右手の人差し指で、黒い仮面を、くるくる回しながら
蓮「俺は何時でもいけるぞ」
紫「悪いな色々時間くって」
蓮「面白かったからいいさな
新しい仲間できたな、それもあのフレイア一族か、よかったな、で」
レンはシオンの方に身を乗りだし、小声で
蓮「どこまで、やったんだ?ミカより胸でかいんじゃないか?」
紫「内緒!」
そして二人で、大笑いする
蓮の仮面をみて、考える
紫「フォーも行くなら、仮面何にするかな・・・」
蓮「シオン、お前の仮面のセンスはどうにかならないのか?」
紫「え?ひょっとこカッコよくない?
おかめは、リルのだしな、般若にするか!」
蓮「般若って、マジでセンスねぇな!」
紫「そんなに褒めるなら般若だ
リルーーー般若面もってきてーーー」
リ「はーーーいぃ」
そんな話をしていると
レザーパンツ、レザージャケットー姿の、ミカとフォーが着替えて出てきた
そしてミカは、ソファーに座っている、レンに抱きつき
ミ「負けたぁぁーーーー、胸もウエストもーーー」
蓮「やっぱりか!」
ミ「やっぱりって言った!!!!」
そう言って、レンのお腹に頭を押し付けるミカ、まるで子供である
紫「フォー似合ってるな、かっこいいぞ」
フ「そうでありんすか?
かっこいいでありんすか」
始めてする服装に自分の服を眺めている
そんなフォーに、リルが持ってきた、般若のお面をみせる
紫「これどう思う?」
フ「角?オーガ?でありんすか?」
紫「そうくるかぁー」
蓮が大笑いしてやがる!!
いや。。。まて
フォーに、般若面を突きつけ!
紫「かっこよくね? かっこよくない?」
フ「我には、よくわからんが・・・」
リ「シオン様、私はコレが、おすすめです」
そう言って、リルは夜店で売っているような
かわいい【ブタのお面】をだしてきた
いつの間に、そんな、お面をとか思いながら
紫「それなら、いっそ能面の方がよくね?」
蓮「おいおい、言っただろ?センス悪いぞシオン」
紫「マジでぇーーーー
後は、天狗・キツネ・タヌキ・ジェイソン・鬼・キャラクター物か」
リルが、言われた通りの仮面を机に並べていくと、フォーが1つの仮面に興味をしめす
「これの黒色ってありますかえ?」
そして、フォーの仮面も決まり、レンが最後の確認をする
蓮「フォー念話と意思加速はできるか?」
フ「できるでありんす」
蓮「向こう行って、戦闘始まったら
基本的に、念話で意思加速は100倍まで
向こうに着きしだい、ミカは離脱後、広範囲監視、連絡網と監視潰せ
リルも離脱だ、親玉を逃げないように監視
俺とシオンで殲滅
今回は、逃げる敵は見逃せ、歯向かう奴は殺せ
フォーはとりあえず、変態に付いて行け
あと憶測だが
たぶん、面白い物が出てくるだろう
それじゃあ行くか
俺のかわいい桜を襲ったんだ
その報いは命を賭けて償ってもらう」
フ「すまぬ・・・我も手貸しておったんじゃが」
蓮「ん? かまわん
ただ、俺に歯向かうなら、この場で殺してやる・・と言いたいが
俺も、変態を敵に回すほど、脳筋じゃないからな・・」
蓮の視界の中で、リルが、そのモブを殺してしまえと・・・
蓮に訴えかけるが・・・
蓮はそれを笑いながら、リルに命令する
「いくぞ、リル転送だ!」
淡い光が全員を包み、その場から消えていくのだった。




