11話 謎かんな玉 原価500円 そして、恋話
かんなと夏目は
桜達を探しに山へと向かう途中
真剣な顔をした、荒巻先生達と出会うのだった。
少し前
荒巻は生徒会・風紀委員を集め対策を練り
主力メンバーを増員して、行動に移す。
荒巻先生達は
生徒が襲われた映像を見て即座に行動を移した
生徒が襲われた事により、この合宿場のキャンプが襲われる事も考慮する。
香月先生を中心とした防衛組みに
生徒会のメンバーを収集して
生徒会会長・柊朱莉 (ひいらぎしゅり)
副会長・草壁大樹 (くさかべたいき)
副会長・白梅愛樹 (しらうめあき)
書記・城戸 (しらと)あきら
会計・和泉古都 (いずみこと)
計6人である
これは普段から連携を取っている生徒会メンバーなら
何かあったとき対応がしやすいと言うことだ。
朱莉は映像を見た瞬間に理解した
この3人は多分、四条優美と
初日駐車場で私に喧嘩を売ったチビ、三千風鈴
もう一人は名前は忘れたが、桜色の髪の2年だと。
そして、生徒を助けに行くメンバーとして
荒巻先生を、中心としたメンバー
二ノ宮先生
綾部みどり先生
風紀委員長・宮崎心 (みやざきしん)
副委員長・中山結斬 (なかやまゆいざん)
計5人である
荒巻先生は、魔法格闘部の顧問であり
魔法近接戦闘においては学園の先生の中でも指折りの強さを誇る
綾部・二ノ宮先生は、後方支援が得意であり
風紀委員は
中等部での争いごとを取り締まる事があるため
中等部で上位の強さを誇る人間が推薦されその地位に就くことが多いい
宮崎と、中山は中等部では上位の強さを誇る
ちなみに、生徒会副会長・草壁大樹は
魔法格闘部に所属し、中等部主将であり
接近戦において中等部最強といわれている、あくまでも噂である。
荒巻の、作戦はこうだ
現状から、キャンプが襲われる確率は低いが
魔物の居る方向は、映像とデバイスの軌道情報から分かっている
その方向に防衛線を張り、生徒会主力である、草壁と香月を配置しる
残りの生徒会委員は草壁を中心に多方向に防衛線をはる
もし草壁がいる場所以外が襲われたら、香月先生が追撃に向かう
またキャンプが襲われても今回参加している生徒は
それなりの実力者であり、戦える人間ではある
ただ、それは対人間の場合である。
後は、その都度、臨機応変ということだ
ただもしも魔物にたいして戦えるかどうかは分からないが
草壁・香月・柊がいるなら、どうにかなるだろうと、判断している。
救出組は、3人を探すことが最優先である
方向は判っている、山道を逃げている用だから
後を急いで追えば追いつのは時間の問題だと
戦うのは荒巻自身が行えばよい、あとは、救出を最優先する
綾部・二ノ宮がいれば、ある程度の支援や、傷の回復と防御は行える
救出さえすれば、魔物の強さ次第で、作戦を変える。
デバイスから送られてきた映像をみるかぎりは
1匹1匹の強さは
生徒でも充分戦える程度だと推測される。
もしも強い個体がいるなら
キャンプに連絡を中山に頼み
合宿参加者に連絡を入れ、全員で籠城・防衛
これは最悪の手段であって
中山の連絡が入るまで、生徒には知らせないで置くということ
救出組は、殿軍 (しんがり)自分がし
宮崎と先生方に、襲われた生徒達の援護を頼み
キャンプまで戻ればいいと
その他にも、相手が弱いなら
襲われた生徒たちを護衛しながら
荒巻自身・宮崎・中山がいれば、殲滅できると考えている。
そして、荒巻は、宮崎らを連れて急いで山に向かおおと移動を開始すると
山に入ろうとする2年生の生徒2人と出会う
かんなと夏目だ、合宿初日に集合場所で
揉め事を起こしていた中心にいた、5人の生徒と言う事で、顔と名前は覚えている
荒巻は2人の生徒を制止するが
「荒巻先生たち?みなさんどうしたんですか?」と
夏目が、息を切らし走ってきた
先生達と先輩達をみて疑問に思う
そんな夏目に、荒巻は・・
「山に入ったと想われる3人の生徒が居てな
戻ってこないので探しにいくとこだ
お前達も何かあったら危ないから戻りなさい」
ほんとは、何かあったから急いでいるのだが、それは言わないのだが
その3人を探している、かんなにしてみれば
「3人?あぁ~~多分、桜ちゃんたちだね~携帯もつながらないし」
そして、ペラペラと、しってる情報を喋るかんな
荒巻は、眉間に皺を寄せていく・・
話を聞くと、四条・三千風・ティオーノの3人が山に入ったとのこと
三千風?・・・初日の揉め事の張本人ではないかと
頭を抱えたくなるのを我慢する
そう言えば、デバイスの映像に映った生徒3人を思い出すと、背格好が一致する
そして、襲われたのは、四条優美?
ならば、十士族がらみ? と最悪の事態予想する
2人にキャンプにいるように言い、自分達が探しに行くと伝えると
かんなと夏目は自分達も行くと言い出したが
こんな時間が無い時に!と、2人を説得することに・・・・・・
そんな、問答をしていると
山道のからチラチラと、光が近づいてくる
その光に照らされるは3人の姿である
なにやら、楽しそうに3人で手を繋いで歩いて来るではないだろうか
姿を確認した荒巻が3人に近づこうとした瞬間
荒巻の横を、かんなが駆けていく
「みんなーどこいってたのー」
その言葉に、鈴・優美・桜が、目を合わせ
桜「リンがぁ~やまにぃ~しばかりぃ~
優「鈴が、川に洗濯に
鈴「3人で星空を見に展望台に」
3人同時ではあるが
・・・・びっくりする、鈴
鈴「裏切ったな!」
かんな「桃太郎かよ!」と、古い童謡をおもいだす
鈴は2人を、睨むが
桜と優美は、ハイタッチをして、やってやったと!
そんな3人を笑う、かんなと夏目。
そんな会話をしている2人の後ろから近づいてくる
怖い顔の先生達と風紀委員達がいる
彼らの姿を見た鈴と優美は
自分たちが襲われた事に気づいた先生達が人を集めて助けに来る途中だったと気づく
さすがに、バカな言い訳は、聞いてくれない雰囲気で近づいてくる・・・。
そんな事は露知らず、夏目が切り出す
夏「桜、あっちで、えだっちがギター弾いてるから、歌いにいかない?」
桜「ほんとにぃ~~唄うぅ~~~♪どこぉ~~」
か「おぉ~」
桜・かんな・夏目が江田先生の元に移動しだすと
助け舟と思わんばかりの、夏目の提案に
鈴と優美は、すかさず先生達から逃げ出すように付いていくが
荒巻「四条優美さん」
優「はい・・・・」
呼び止めたのは、荒巻先生
逃げる事が出来なかったのは、優美
そして優美を置いて、逃げるように鈴と桜達は、その場を離れていく。
荒巻は3人に、事情を聞きたかったが
今は3人とも無事なら、良いかと安堵はするが
それでも、事情を聞かないと警戒を解けないと言う事もあり
話が、きちんと出来そうな四条を呼び止めた
又、荒巻は襲われたのは、四条優美であり
三千風とティオーノは巻き込まれたと考えている
なので、四条が今の現状を一番理解出来ていると考える。
荒「四条さん、先程私のデバイスから
貴方達が何者かに襲われてる映像が送られてきましたが
どういう事か説明できるか?」
優「え~・・・と、全部消えました・・・・・・」
荒「消えた?」
そう、事実消えたのだ
これ以上説明のしようがないのである
荒巻は困惑する、100体は居ただろう魔物が消えたと言われたのだ意味がわからない
荒「消えたとは、どういうことだ?きちんと説・・・」
荒巻の言葉を、遮るように優美の携帯の着信音が鳴り響く
妨害電波が弱くなったのだろうか、携帯電話使えるようになったのだ
優「家からです、出てもいいですか?」
優美の問いに、頷くしかできない荒巻である
四条家にも、何らかの報告が上がっているのは明白である
それを遮ることは後々メンドくさい事になるからだ
「はい、優美です」
・・・・・・・・・
「無事です、はい」
電話中に、優美は、ふと荒巻先生達をみる、そして爆弾発言を
「荒巻先生が、いち早く事態に気付き
生徒会と風紀の皆さんと助けに来てくれました
無事に助けられ、誰も怪我もなく無事です
詳しくは戻ってから伝えます」
荒巻は、びっくりする、俺が助けた?
いやこれから助けに行くはずだったが・・・・
「それでは失礼します」
電話を切った優美に
荒巻は今の会話を、問いただそうとすると、今度は荒巻の携帯が鳴り響く
言葉を飲み込み冷や汗を拭う
「どうぞ、出てください
助けに来ようとしていただき・・・・・・・・
いえ、助けていただき、ありがとうございました
今回の騒動は終わった物と思われます
もう襲われる事はありません
皆さんにもお伝えください
それでは、これで失礼します」
「な!!!!」
言いたい事を言って、その場を離れる優美である
少しの罪悪感で後ろ冷たい気もしながら。
そんな中、荒巻の携帯は鳴り止まない
しぶしぶ、電話にでる荒巻
二ノ宮先生はとりあえず、優美達の後を追う
綾部先生他は、騒動が終わったことを、香月先生と生徒会のメンバーに連絡をしはじめる
「もしもし、荒巻です」
「はい、天童学園3-C担任、今回の課外合宿の責任者です、今回の事は・・・・・・」
それは、予想どうり、四条家の関係する人間からだったのだ
荒巻は電話の対応しながら、すこし夜空を仰ぎ
左手で綾部先生と風紀のメンバーに、戻ってもいいよと、サインをおくり
電話をしながら誰も居ない森にむけて、何度もお辞儀をする。
余談であるが
荒巻はこの日だけで、数キロ痩せたと言う
帰りのバスでは死んだように寝ていたとか?
桜達は、江田先生達が歌っている場所につく
桜「えだっちいぃ~~私もぉ~うたいたいぃぃ~~」
江「おぅきたか、就寝時間まであんまりじかんないぞーー」
桜「倍速で歌うぅぅぅ~~~」
江「違うだろ!」
「「「クスクスクス・・・・」」」
集まった生徒たちから、笑い声がこぼれる
すでに1・2年合わせて20人ほど集まっており
すでに盛り上がっていた。
桜と江田先生は
広場の階段の上に陣取っている、といっても
広場より40cmほど、高いだけだが
広場に数十人集まっても、歌っている姿が全員が見えるのだ
そんな桜と江田先生が、何を歌うか決めていると
ゴソゴソと、かんなが二人の周りに20個程の小さなカラーボールを置いていく
夏「かんな、なにやってるの?」
か「ないしょ、後のお楽しみ」
夏目の問いに笑顔で答えるかんな
江「よっしゃ、時間すくないけど、怒られるまでいくか!!」
「「「おぉーーーー」」」
江田先生がギターを弾き始め
「盛り上がり系だー、はい、手拍子ー」
手拍子が始まり、桜の歌い始めの一声!
「ラララァァ――――――」
その瞬間、手拍子がとまる
江田先生も、かろうじてギターを弾く手を止めないでいる
桜の透き通るハイトーンボイスが、キャンプ場に響き渡る、それは女神の歌声でる
鈴・かんな・夏目は、よくカラオケに行くので知ってはいるが
しらないなら衝撃をうけるだろう歌声であった
大きな歌声ではないのに
キャンプ場の隅から隅まで響き渡り
その声は、キャンプ場に全員の耳に響き渡る
桜が歌い始めて少したったころ
かんながデバイスのスイッチをいれると
先程転がしていた、小さなボールが、空にむかって7色の光を照らし出す
一個一個が独立して、小さく動きながら
投写機のように光の形を変えながら7色の光を照らし出した
20個の交差する光の束は、3D映像の如く、夜空に光の芸術を映し出し
見る者の心を震えさせ、感情を沸き立たせる
そして、桜はサビに入り、より一層聴く者達は盛り上がり
それに連れて、小さなボールの光も、点滅、拡散、形を変え、桜の歌を盛り上げてゆく
1曲目の後半になる頃には、優美も合流でき、かんなと夏目に話かける
優「あの光は・・・なにですか?
向こうからでも見えたんだけど?」
夏「そうそう、あの変な玉なに?魔法?」
夏目も思い出したように、かんなに問いただすが
ふっふっふ!と 胸を張り自慢げに、かんなは答える
か「初披露、かんな印ライトボール、バージョン4なり」
優「魔法ですか?」
夏「この子が、まともな物を作るはずが・・・」
か「魔法でなくて、ただのLED付きボール?魔改造付きだけど」
優「ただのライト?」
か「うん、メインは百均の、カラーボールと
LED、広角レンズかな?
後ちょこっとの廃物利用の魔改造!原価で1個約500円」
優・夏「「あれが500円?」」
びっくりする優美と夏目
優美は、テレビや、音楽番組で
コレに似た光の光景を見たことはある
あれは、プロの職人が、色々な機材を使って、作り上げているものであって
かんな玉20個でできるはずがないと、謎かんな玉を、凝視する。
夏目は、かんなが、この手の発明が得意なのはしっているが
1個500円20個で1万円?
性能と値段がおかしすぎると、細い目をさらに細くしていく・・。
それほどまでに
音楽と一体化した光が織りなす映像とも言える光の芸術は、すばらしかったのだ
いったい、どんな魔改造が行われたか
それをどうやって操作しているかは、全くの謎である。
そんな、謎かんな玉の話をしている3人をよそに
盛り上がってた1曲目が終わると
盛大な拍手と、アンコールの声が沸き起こる
桜は、両手を上げ、両足で、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいる
その頃には
ほかの場所で歌を聞いた1・2年の参加生が集まりだしていて
合宿参加生徒の約70人全員が集まっていた。
「それじゃぁ2曲目いってみよーーー」
江田先生が、ノリノリで2曲目にはいる
ノリノリの2曲目が終わって
「どんどんいくぞぉーーー3曲目ーーー」
「そこまでぇぇえーーーーーーーーーーーーーーー!」
柊朱莉が、全ての動きを止めた!
「就寝時間は、過ぎてます、全員解散、コテージにもどり就寝してください」
放心状態の生徒達に、追い打ちをかけた、朱莉だったが
生徒達は、もっと桜の歌を聴きたかったのか、ブーイングである。
そんな生徒達の態度が、朱莉の機嫌を逆撫でする
「 全 員 解 散 ! 」
鬼の形相になった朱莉が、低い声で叫ぶ
集まった生徒達は、これ以上怒らせると
本気でマズイと逃げるように各自のコテージに戻っていくのだった。
朱莉は、血管が切れそうな位、機嫌が悪く頭にきている
本当なら、ここで歌っているのは、自分であったはずだと!
歌には自信があった
幼少期から、習い事の1つとして、ヴォイストレーニングを受けているのだ
初日の失態を取り返し本来のカリスマ性を発揮し
1・2年の、信頼、尊敬を得るはずだったと
それが、自由時間になってみれば
生徒3人、優美達が襲われたと、収集され
あっちこっちと、キャンプ場を走り回され
挙句の果てには、何事もなかったの如く帰ってきたと
無事だったからよかったけれど
気が付けば、襲われたはずの桜色の髪の生徒が
70人近い生徒を集めて歌っているではないか
それも、光輝く幻想的なステージで
信じられないほど盛り上がっていたのだ
これで、腹が立たない方がおかしいと言うものだ
朱莉にとって今回の課外合宿は
これからの中等部・高等部と学生生活を確固たる物にする為に必要不可欠なものだった。
まず2年生の幼馴染の十士族である四条優美を引き込めれば
2年生は大方意のままにでき
1年生には、生徒会長である自分のカリスマ性を見せれば
操りやすくなるというものだ
合宿2日目の夜に、毎年恒例で江田先生はギターを弾いているので
そこで私が歌い上げれば
生徒全員の私を見る目がより神掛る予定であった
それ以外にも、裏で動いてはいたのだが
ことごとく、失敗し最悪、醜態をさらした朱莉は
生徒達からの信頼を失いかけてもいたのだ
ただただ
鬱憤が貯まり
ぶつけようもない怒りが朱莉をおそうのだった。
鈴達は、朱莉に急かされ
自分達のコテージに戻る
各コテージは1棟に付き、10人前後宿泊しており
鈴達は、2年生の、鈴・桜・優美・かんな・夏目と
1年生4人、合わせて9人である
1日目の夜は、軽く自己紹介し、ゲーム等をしてもりあがっていた。
そして今日、1年生の4人は1日目と違って緊張もとれ
気楽にしゃべれるようになって来たところで
女の子が集まれば
アレである
そう恋話である!!
何年何組の誰々が、カッコイイとか
誰々が優しいとか、話し出せば尽きないのである
盛り上がる8人と、ついて行けれない優美
鈴「優美ちゃん、盛り上がりが足りない
優美ちゃん、気になる人とか
あの人カッコイイなーって人いないの?」
あたふたして話を聞いていた、優美に話を振る鈴
優「私は、人見知りで人付き合い苦手ですから
それに私は、あまり男子から話かけられないですし
多分あんまり好かれてないのではないのでしょうか?
だから男子の事よくわかりません。」
「「「ええええええええーーーーーー」」」
7人が、声を上げ、鈴が代表して、不満たっぷりに
「優美ちゃん、美人過ぎて誰も声掛けれないんじゃァァーーーー」
両手を上げ、襲いかかる様な素振りで叫ぶ
かんなと桜が、後ろで「そうだそうだ!!」と叫んでいる
鈴「それと、人見知りって言って
引っ込み思案なのはダメ!
少しは男の子と話す努力をしなさい
いつも声かけられても
『うん』とか『はい』とか一言、二言で返事してんじゃん
必要以上に会話しないし
きちんと会話しなさい
相手に失礼でしょう」
鈴の説経が、始まりそうになったとこで、夏目が話を戻す
「そう言えば誰か男兄弟いる人いる?」
まず桜が嬉しそうに答える
桜「1こうえにぃ~兄ちゃんいるぅぅ」
か「しってる、蓮さんだよねー背高いしかっこいいよねー」
優「遠目で見たことありますね
体格も良かった気がします
何か運動でもされてんでしょうか?」
1年の女の子「3年のティオーノ先輩ですよね
お兄さんも、カッコイイから有名ですが、桜先輩も、かわいいから有名ですよ」
桜は兄を褒められて、嬉しいのだろう、デレデレである
そして、桜の話題で、1年の女の子が話し出すと
それに釣られて、ほかの1年の女の子が・・・
「1年の間では、四条先輩、桜先輩、鈴先輩は、すごく有名なんですよ!」
「そうそう
私達皆さんとコテージ同じなので他の1年に、いいなぁーって言われて
それも昨日、名前で呼んで、いいよって言ってくれたじゃないですか!
昼に、千秋と2人で
『優美せんぱーーーい、頑張ってくださいーー』って言って
優美先輩手振ってくれたじゃないですか
他のみんなに、名前でよんだーーーーって、羨ましがられてるんですよ」
興奮気味に話をする、雫 (しずく)に千秋が続く
千「おかげで私と雫は
そのあと皆につかまって色々きかれまくったんです
今晩だって3人さんと、恋話したなんて言ったら
そりゃもうずっと自慢できますよ」
か「えぇぇーーーー私と、なっちゃんは人気ないのかぁぁあ」
鈴「かんなは、ないね」
か「ガァ――――――ン」
かんなは、両手を挙げて夏目の膝に倒れこむ
そんな、かんなの頭を撫でる夏目
雫「いえいえ、かんな先輩、夏目先輩も、とっても人気ありますよ
授業の移動とか、昼休みとか、いつも5人でいるじゃないですか
すごく目立つんですよ!
こう、近づけない雰囲気があって
1年生以外も、言い方わかんないけど
いいなぁぁーーって見てると思いますよ、事実私は見てました!」
雫は、慌てて、2人も有名だとつげると
「「「私も」」」
他の1年3人も、同意した
「やっぱり、私も有名人」
かんなは、夏目の膝から飛び起きる
笑いがおきる、そして追い打ちに鈴が
鈴「変人で有名なんだよ」
か「なんですと!!
鈴と桜にはいわれたくないぃぃ!!」
「まきぃ~こまないでぃぃぃ」
鈴は左右の、かんなと桜に肩を持たれ、揺らされる
千「かんな先輩も夏目先輩も、美人ですから・・・かんな先輩は、喋らなければ・・」
「ガァ―――ン、パート2」
そういって、夏目の膝めがけて倒れこむ
笑いがこぼれる
「だから、そういうのだって」
夏目は、笑いながら、かんなの頭を撫でる
かんなは、笑いはとったど!と言わんばかりに、夏目の膝に頭をこすりつける
優美は、クスッと、軽く笑い
「雫さんも、千秋さんも、涼子 (りょうこ)さんも、ひろみさんも
学校でも気軽に声掛けてくださいね」
夏「そうですよ
挨拶だけでも、私達は嬉しいからね
たまには、先輩風吹かさせてね」
夏目は、細い目をより細くして優しく微笑む
むくりと、起き上がった、かんなは
「何かあったら言ってきなさい
なんてたって、私は先輩だから
そう! 先輩だからね!!」
胸を張って答える
鈴「そうそう
相談でも何でも言ってきてね
かんなと桜以外が話きくから」
か・桜「「ブゥ―ブゥ―」」
笑いの中、鈴の言葉に、桜と、かんながブーイングする
桜「無視したらぁ~
かんなとぉ~2人でぇ~こっちからぁ~捕まえにいくからねぇ~~」
か「ふっふっふ、とうとう、かんな印捕縛君3号を使うときが!」
優「変なのが2人いますけど
私達も貴方達に恥じない先輩であるように頑張りますから
いつでも遠慮なく声を掛けてくださいね」
びっくりする1年生4人、そんな4人を見て、鈴が
「優美ちゃん、それ言ったら、誰も話しかけれないよ
4人とも、ホントに気にしないでいいから
本人わかってないから、まぁ気楽にね
私たちも何かあれば呼び出すからね!
だって、私も先輩風ふかしたいから」
首をすこし傾ける優美、そして緊張した4人に笑がもどる
夏「優美は言いまわしが、お嬢様はいってるから
あまり気にしない方がいいからね
もう、癖としかイイよがないでしょうし
そう言えば優美長女で、確か弟さんが?」
すかさず、話を元に戻す、夏目
優「私は、弟が2人いますね
大阪の学園に1人と
天童学園の小等部に1人いますね」
「「初耳!」」と、かんなと鈴
「みたことないぃ~」と、桜
ひ「しってます! 水樹君ですよねーやっぱり四条家ってことで有名でしたね」
優「どうしても、十士族・四条家って事で
どうしても悪目立ちしますから・・・・。」
ひろみの言葉に優美がため息ながらこたえる
夏目が、鈴をチラリと見て
夏「私と、かんなは一人っ子だから、兄弟ほしかったよね」
か「え?私妹いるよ?」
と、隣にいた、鈴に抱きつく、かんな
鈴「ちがうし」
と、みんなが笑い声の中、かんなを押しのける鈴
そんな、鈴を見て、空気を読めない桜が・・・・・
「りんもぉ~紫音く~ん~いる~」
「あぁ~~~~」と、かんなは、何かを思い出す
鈴は、できるだけ会話に入りたくなかったのだけれど
一回天井を仰ぎ(なっちゃんめ、話を兄弟にもどしやがって!!!)と心で呟き、正面に向きなおし
鈴「双子の兄がいます、桜が今いった、紫音です」
ひ「失礼ですが、お兄さんも背ひくいのですか?」
鈴「・・・・一卵性の双子ですが似てないよ
それに、紫音は普通に高いかな」
か「ある意味見たらびっくりするよ?なんたって・・・・・」
と、貯める、かんな
期待高まる、1年生
「根暗だから!もうすごいよ、髪長いしボサボサだし、猫背で、こう何時もやる気なしって感じで」
『パコ!』
夏目にスリッパで叩かれる、かんな
「あ!ごめん、りんちゃぁーん」と、鈴に抱きつく、かんな
そんな、かんなの顔を押さえつける鈴
「まぁ、事実だからしょうがないけどね」
「そんなことないよぉ~~シオンくん~かっこいいぃよぉ~~」
桜の発言に、振り向く、鈴・優美・かんな・夏目
「「「えぇーー 」」」
桜「だってぇ~
あの木刀を振る姿はぁ~
背筋も伸びて自然体でぇ~
すごくかっこよかったんだよおぉぉ~~」
先程、見た紫音の姿の事であるが、桜の目には、かっこよく見えたのだろう
「本当に?気のせいではないの?」と、夏目
桜「すごかったんだよぉ~~~
だぁぁ~~と、きてぇぇ~~
ぶわぁぁ~~ってぇなってぇぇ
どっかぁぁ~~んてぇ~~~
紫音くんのぉ~ことがぁ気になってぇ~しかたないのぉ~~」
意味不明だが、爆弾発言でもあった!
「好きになったの!!」と、かんな、興味津津である
一瞬止まって、顔を紅色にそめて
「・・・・わかんにゃい・・・・・・」そう言って、うつむく桜であった
言葉が出ない、鈴!
あの紫音にモテ要素なんて無いはずである
他の人間に桜を取られるのは我慢できても
紫音に取られるのは我慢できない
それに桜!
あんたは昔から紫音の事を知ってるのに
今更何をいってんの!!!!と・・・
訳の解らない感情が巻き起こる。
優美は、あの裸の変態のどこに
かっこよさが????・・・あったのかが理解できなかった
かんなと夏目は
話を振ったのは自分達であるが
あの根暗で・・気持ち悪い存在を
桜が好きになったか解らない!
桜に「あの変態はやめとけ!」と言えず、その場は凍りつく・・・・・
いや、空気を読める、夏目が他の話題を振り、まだまだ楽しい会話は続いていく
それにしても
想い大き乙女達の恋話に終わりはこないのだった。
かんなと夏目は
あの紫音にカッコイイ所なんてあるのかと
その見た目、根暗・オタク・ボサボサ・猫背・覇気がない・・・上げればキリがないが
ある意味、学園の有名人でもある
アノ不気味な気持ち悪い生き物の事を
連休があけたら、すこし調べようかと思い立つ2人であった
桜の応援より、ただ単に楽しそうと言うのが本音でもある
そして、合宿も2日目も終わり
騒ぐだけ騒いだ女の子達は、いつしか眠りにつくのだった。




