パジャマパーティー・3話 【かんなさん】好感度急上昇中
三千風家のリビングには
鈴・桜・優美・夏目・ニニス・カレラ・茜・雫・千秋・涼子・ひろみ
の11人が居た。
流石に、11人もいれば纏まりはない
鈴は料理を作りながら、皆に食べたいものを聴いたり
好きな食べ物や、嫌いな食べ物を聴いたり
好みの味付けなどを聞く。
そんな鈴の料理を勉強する、ひろみや
興味本位と・・・料理長の為にと・・・優美も解らないながら観察する。
アリスは、ニニスを抱えたまま
後輩4人と親睦を深めたり
あるものは、そんな人間を観察したり
楽しそうな友人の笑顔が嬉しく、ただただそれが嬉しかったりと
それぞれが、それぞれに楽しんでいた
そんな時、悲鳴が轟く!
「キャァアーーーー
紫音君のエッチィィーーー
スケベェェーーーー・・・・・・・・・・・・・・。」
それは、シャワーを浴びに、お風呂へ行った、かんなの悲鳴
いち早く反応したのは、アリスだったが
その腕にニニスを抱いていた事で、優美よりも一歩遅れる。
優美は、その悲鳴に驚くも
その後に出てきた名前に、さらに顔を険しくし
「かんな!」と、その視線は声が聞こえた方向へと向け
足を踏み出すと同時に、腕に付けるデバイスを確認し
いち早く、リビングから廊下にでるドアに手を掛けドアを開けると
風呂場がある方向から、リビングに向けて逃げるように走ってくる少女
だがそれは、かんなではなく・・・・黒髪を揺らす、優美よりも小柄な少女だった。
優美は初めて見る、その少女に足を止める
この場所に招待されてない存在
此処に居るはずのない存在に
侵入者と判断する、だが自分より小さい少女
魔法での拘束をやめ、その腕で捕まえようと両腕を広げ迎え撃つ
「まちなさい、貴方は誰?」
ドアの幅は1mもない
両腕を広げる優美によって完全に封鎖され通れるはずがなかった
だが、見知らぬ黒髪の少女は、ドアを封鎖する女性など気にもせず
リビングに向けて、いや両腕を広げる女性に向けて飛び込んでいく
「つかまえた!」と・・・優美は何もない空間を抱きしめる
抱きしめた瞬間・・・
いや、抱きしめる瞬間まで、この両腕の内側に居たはずの少女は
すでに、優美の背後に存在し、そのまま台所に居る鈴に向けて移動していた。
そして、その少女を追うように
脱衣場から飛び出て
「くるみちゃん!!まってぇぇぇええええええええええ!!!!」と
バスタオルを体に巻いた、かんな
呆気にとられる優美を押しのけ
リビングに入ってくるが・・・
その腕を掴んで、かんなを止めたのは夏目
「かんな、胡桃さんに、いったい何をしたの?」
か「げ・・・ナツ・・・・・・いや・・・あの・・・・。」
優「かんな?え?」
千「かんな先輩、なにがあったんですか?」
雫「お風呂、誰かに覗かれたんですか?えっと、しおんくん?」
涼「雫、シ!忘れたの、しおん先輩は鈴先輩の双子のお兄さん」
ひ「あの子は、たしか・・・・。」
ア「クルミさんは・・・・・大丈夫そうね。」
ニ「シオがいるなの?」
茜「新たなる幼女!」
胡桃は、体を小さくし、抱える荷物を鈴の背中に押し付け
その荷重つに顔を埋め・・・・・小さく震える・・・
鈴は、気にもせず料理を続ける。
収集がつかなくなりかけた所で
夏「みんな、少し待ってくださいね
このバカに、何があったか説明してもらいますから。」
と、かんなの腕を引っ張り、皆の前に連れ出される、かんなは
か「いや・・・これには色々と理由ががって」
夏目の手を振り払おうと暴れる、かんなだが
その姿は、バスタオル1枚
暴れれば、当然
バスタオルはヒラリと
かんなから離れ床に落ちた
かんなは「イヤン♡」と、空いていた手で胸を隠す。
後輩達4人は、驚いて視線を外し
優美は落ちる、バスタオルを掴もうとするが
バスタオルを失った、かんなの体を直視し動きが止まった。
バスタオルを失った、かんなの姿・・・
ショーツが隠れるだけの、極短の白のショートパンツに
かんなの胸が、2/3ほど隠れるだけの
ピンクのチューブトップのベアトップインナー
そう、かんなは、バスタオルの下に服を着ていた。
夏「どうせ、そんな事だろうと思ったいましたけど・・・」
そう、夏目は、かんなと幼馴染であり、その性格をよく知っていた
そもそも、イベント好きな、かんなが一番最後に来ること自体がおかしいのだ
本来なら、一番最初に来ても良いはずであり
泊まりなら、お風呂は鈴と入りたがるはずである
それなのに、来て早々1人でシャワーを浴びるなど有り得ない
夏目は分かっていたのだ
かんなが、何かを企んでいたことを・・・・
だが、それを分かっていて、何も言わず
見て楽しむのが、夏目と言う人間である・・・・が
それが、全く関係ない他人を巻き込むとなると話が別であり
それも、か弱そうな胡桃を巻き込んだのだ
さすがの夏目も、かんなの馬鹿さ加減には
呆れ果て怒る気も失せるが
鈴の後ろで、震え怯える胡桃を見れば
多少怒るというものである
かんなに謝罪と、どうしてこんな事が起きたか
しっかりと説明させようと
その場に正座させるのだったが。
優美の視線と・・・
ソファーに座っていた茜が立ち上がり
その視線が、自分の背中に釘付けになっている事で
鈴は、料理をしながら口を開いた・・・
「かんなと、なっちゃん、アリスは知ってるけど
後の皆は、初対面だと思うから紹介するね
私の後ろにいるのは幼馴染の【宮守胡桃】ちゃん
【宮守鉄雄 (てっちゃん)】の妹で、小等部の6年生
後・・・少し人見知りで、言葉数少ないけど気にしないでね。」
カレラは、その存在は知っていたが・・・いや
鉄雄の家族構成など、数年前から調査済である
ニニスの持つ権力ではないが
カレラも、ニニスの親類なのだ
国元では、それなりの地位に付く貴族であり
それは日本に置いても、それなりの権力を有している
その権力を使い調べ上げていた
だが、カレラにとって、胡桃とは初コンタクトである
ここで対応をミスれば、後々、鉄雄との未来に支障がでると
その対応を高速で巡らしていくが、ただ一番はじめに思ったことは
カレラは胡桃と初めて会う時の事を考え
その対応と会話パターンを考慮していたが、ため息とともに
(数千通りのロジックを組んでいたのに
かんなの御蔭で、全てロストしましたね
さすが意外性ナンバー1、シナリオブレイカーかんな
何をしでかすか、わかりませんね。)と・・・本音が漏れそうになる。
かんなに、色々と言いたい事もあるが
胡桃の手前、怖い人だと思われたくないカレラでもあるが
また、胡桃に声を掛けたいが
鈴の背中で震える胡桃に初対面の自分が
わざわざ、胡桃の傍までよって優しく声を掛けるのは
それはそれで不自然と・・・・
動きもできず、口も出せず
静かにストレスを貯めていくのだった。
夏「さて、かんな
胡桃さんに謝罪と
紫音君の名前を叫んだ事と
その姿の訳を聞きましょうか?」
正座をして、夏目に怯えるかんな
ニニスの天敵が、カレラで有る様に
かんなの天敵は、夏目であるのだ
かんなは全てを諦め
ポツリポツリと・・・口にする。
********
かんな【作者】は
お泊まり【パジャマパーティー】が決まった瞬間
ある事【少年誌に良くある、定番のお風呂で、ポロリ、キャー、エッチ♡】を思いつた
鈴の家には、紫音君が居る、以前クズクラスで初めて会った時
騙された挙句、ひどい目に合わされた
これは仕返しが出来るチャンスではないか?
中学2年生、年頃で思春期きだろう紫音君に
少しエッチなイタズラを仕掛けれないか?
姉がいれば、多少色気に耐性があるだろうけど
兄弟は鈴だけ、それもロリときている
なら、大人(私)の色香には弱いはずだ
本当は、紫音君がお風呂に入っている所に
バスタオル1枚(下は水着)で入ってみるのも面白いかもだけど
(この時、かんな自身がどれだけ恥ずかしいかは考えてない、所詮マンガ脳)
鈴が言うには、紫音君は夜は宮守君の家にでも泊まりに行くと言う
なら、紫音君が家に帰った所で
風呂上りの、バスタオル1枚(下は服)私と廊下で顔を合わせて
「キヤァーー紫音君のエッチ!」と叫んで
皆が来た所で、私が驚いて、体に巻いたバスタオルを落とす!
思春期で、女の子の体に興味があるだろう紫音君は
顔を真っ赤にして、股間を抑えて、あたふたしながら醜態を晒す!
カンペキ!! 私、天才!!
かんなは計画を実行すべく
急いで家に帰ると、お泊まりの準備を急いで終わらせると
鈴の家に向かう。
かんなが到着したのは、優美と涼子が鈴の家に入っていく時だった
外から静かに、家の中を観察し
紫音が在宅してる事を確認するが・・・分かる訳もなく
紫音と一緒にいた宮守が家に帰っているかと
宮守建設の中を道路から覗き込むと
事務所から、出てくる胡桃を発見
胡桃も、かんなに気がつき、小さく頭を下げる
ちょうどいいと
「くるみちゃん、こんにちは
宮守君と紫音君って、もう帰ってる?」
胡桃は無言で首を横に振る。
ニヤリと笑う、かんなは
「くるみちゃんありがとーー」と
手を振ると
紫音の帰り待つ為、宮守家の庭に隠れ場所を見つけ隠れるのだった。
鈴はこの時
胡桃からの念話と敷地内に入ってきた存在を察知し
かんなの事は把握していた。
かんな、隠れて紫音の帰りを待つが
パジャマパーティーの集合時間と
鈴や紫音が使う、バスの時間を考慮し
紫音を罠にはめる時間を考えると、残された時間は少なかった。
その後、カレラが到着し
茜が家の前をウロウロし
アリスに捕まるのを隠れて笑っていると
待てる時間内の最後のバスの時間となった。
かんなは拳を握る!
そこには、鉄雄と、紫音の姿を見たからだ
そして最後の難関
紫音が家に帰らず、その足で宮守家に行って仕舞わないかだったが
2人は宮守建設の前で、足を止めた。
そして、かんなは、鉄雄が紫音に向けて手を振る姿を見たのだ
そう、2人は別れて、紫音君は何も知らずに家に帰ってくると確信を得た、かんなは
作戦を実行するため、嫁の実家に入っていく
そして、皆と簡単に挨拶を交わし、シャワーを借りると鈴に伝え
脱衣場で服を着替え、バスタオルを体に巻くと
廊下側のドアに、耳を当て、紫音の帰りを待つのだった。
宮守建設の前、紫音と鉄雄の会話
鉄雄は紫音に「紫音、またな!」手を振ると
「鉄雄さん・・・ちょっとまって。」
「ん?」
「今日は、かえりたくないの・・・・ずっと貴方と一緒に居たいの・・。」
「気持ち悪!!」
「私を捨てないで!!」
「キモいから、三文芝居はやめろ!」
「っち、まぁいいや。」
「で?」
「なんか鈴達が、今日パジャマパーティー開くんだとさ。」
「それで・・・・帰りたくないと?」
「まぁ、そういうこった。」
「なら寄っていくか?」
「私を家に連れ込んで何をする気!!」
「わかった、変態は家に帰れ!!」
「てつぅっぅぅぅ~~ゆるしてくれ~~~~~~(笑)」
と、紫音と鉄雄は何時ものように、バカをやりながら
宮守建設の敷地に入ってくと
事務所から出てきたのは、リルと胡桃
紫音と鉄雄はかるく挨拶を交わしていくのだが
ふと、紫音は思い出す
今、ニニスは、イカを着ている
あれは応急用であって、長いこと着て行動するには適していない
それも、これから一晩着ている可能性もあると考えると
それは紫音のプライド・・沽券に関わる!!
「リル、こないだ作った【きぐるみ】あるよな?」
「はい、もってますが?」
リルが、大きな巾着袋を出現させると
「くるみ、わるいけど、このきぐるみ、鈴の所に持って行っもらえないか?」
胡桃はしばし考え込む
パジャマパーティーとかで、今沢山の人が居る鈴ちゃんの家
恥ずかしいから行きたくないけど
あの、いつも楽しそうな【かんなさん】や
とっても元気な【さくらさん】
やさしそうな【なつめさん】
一生懸命な【アリスさん】
こわくない・・・こわくない・・・・
「うん。」と小さく頷き
リルから「お願いします。」と、きぐるみが入った袋を受け取ると
三千風家に向かう
胡桃は鈴に念話で事情を伝えると
家のドア開ける・・・。
胡桃が見たものは
玄関に乱雑に並ぶ、靴・靴・靴・・・・・・・・・。
胡桃は潔癖症・・・・・几帳面・・・ではないが
宮守建設の娘である
そう、家には仕事柄、危険な道具が沢山あるのだ
そんな中で遊んできた、鉄雄と胡桃は
乱雑に置かれた道具の危険性や
その影に隠れた危険な存在を知っている
だからこそ、2人は幼き頃より
整理整頓は叩き込まれていた
そう・・乱雑に並ぶ靴を見た胡桃は
無意識に目を細め、少なからず、イラっと不機嫌に・・・
そして、即座に並べ直す!
他人の家にお邪魔する時
靴の配置、置き方やその向きは、ある程度決まりがある
それに習い、胡桃は丁寧に置き換えていく
そして、並べ終えてスッキリするのだった。
だが、他人の靴を触った事で
手が汚れたかもしれない
そして、荷物を渡す相手の鈴は、台所で料理中
なら、洗面所で手を洗ってから台所に行こうと
洗面台がある脱衣所に足を向けた。
脱衣所では、ドアが空いた音を聴き
少し間が空いたが、挨拶も無しに家にあがる存在は
紫音しか居ないと決めつけた、かんながいた
そして、その足音は徐々に近づいてくる
かんなは(紫音君のくせに、家に帰ったら手を洗うのかよ)と・・・
何の疑問を持たず、準備万端で大きく息を吸い込み
胡桃が、ドアを開けた瞬間
力いっぱい、その栗色の髪を揺らし
「キャァアーーーー
紫音君のエッチィィーーー
スケベェェーーーー」
そして、目の前の存在が、紫音ではなく胡桃だと理解した時には、すでに遅く
スケベーーーの声が、小さくなっていき・・・・・・・
最後には、力もなく・・・声として成立出来ないほど、弱々しいものとなっていた・・・。
かんなの悲鳴でも、微動だにしない胡桃
かんなの悲鳴には驚きはしたが
その悲鳴の中に「紫音君のエッチ」と言う言葉と
さっき、かんなが、紫音の帰りを気にしていた事
そして、目の前のかんなの姿・・・・
そう、胡桃は一瞬にして、全てを理解したのだった。
かんなの悲鳴が終わった事で
その場でゆっくりと体を横に向かせると
そのまま、台所があるリビングに早足で動き出した
リビングのドアが空き、知らない存在が立ち塞がる
だだ、胡桃にとってそれは、壁でも障害でもなく
動いた瞬間スキを伺い、すり抜け、台所の鈴に向けて飛び込み・・・・
腕に抱える荷物を鈴の背中に押し付けると
今起こった出来事を思い出し
くだらない、イタズラをする、かんなに・・・・・
まるで・・・・しーくんみたいと
笑いを堪えるも、堪えきれない、にやけた顔を隠そうと
荷物に顔を埋め体を震わせ、笑いを堪えるのだった。
力が抜け切った、かんなは
とてもまずい事をしてしまった事に血の気が失せ
胡桃を追いかけ、リビングに飛び込んできた・・・・・・・
そして・・今
正座をさせられ、夏目に怒られ
自分のした、イタズラを白状し
そして、正座のまま、頭を下げ土下座をしながら
胡桃に謝っていた。
後輩4人の前で、間違えたと言え年下にイタズラをし
土下座で謝る、かんなに
先輩の威厳など欠片も存在していなかった事は確かであった。
とは言うもの・・・
もとより胡桃は怒ってもいないし
怖がったり怯えたりもしていない
ただ、鈴の後ろで笑いを堪えているだけで
胡桃の中の【かんなさん】は
夏目や周りの期待を裏切り
好感度が急上昇していたのだった。
それは、鈴だけが知る事実
それは胡桃と鈴が念話で
『かんなさんって、すごく面白いよ
しーくんみたい!』
『まぁ、紫音も、かんなもバカだけどね
一緒にしたら、かんなが可哀想だよ。』
『うん!わかってる
だって、この前お風呂入ろうとしたら
風呂場でしーくん、裸で逆立ちしてた。』
『あの変態!!!』
『おにいちゃんは、裸でブレイクダンスしてたよ。』
『ふたりして・・・・・・バカ?・・イヤ本物のバカね!!』
『たのしそうだったよ!!』
『ほんとうにもう・・・・
でも、かんなをあんなバカと一緒にしたら、可哀想すぎる・・・・・・。』
と会話していたのだった。
そう、鈴は本気で謝るかんなが・・・可哀想になってきた
「くーちゃんも、別に怒ってる訳ではないから
なっちゃんも、そのへんで許してあげて。」
「それでも・・・
こんなバカを野放しにした私からも謝ります
本当にごめんなさい・・・。」
「うん、くーちゃんも、もういいって言ってるから
2人とも顔を上げて。
そうだ、ニニス。」
「なのなの?
ジャパニーズドゲザ、ニニスもするなの?」
「しなくていいから。」と笑い
鈴は胡桃から荷物を受け取ると
「これ、あたらしい【きぐるみ】だって。」
「あたらしいのなの?
これは、なんだろうなの~~~~~!!!」
あたらしい、きぐるみと聞いて喜ぶニニスに
袋に入ったソレを渡しながら
「【タコ】がダメになったでしょ?
それと、その【イカ】は【タコ】の代用品で、出来がイマイチらしいくて
リメイクするから、返してくれって。」
「わかったなの~~~~~!!」と
その場で、イカぐるみを脱ぎ始めるニニス
全員、女性なので・・・騒ぐこともないが
イカぐるみを脱いだニニス
金色のツインテールに碧色の瞳
透き通るほどの白い肌・・・
今は幼いが大人になったら
どれほどの美人に成るのかと、思わせるのだが
きぐるみの下は
かわいい白色のカボチャパンツと
かわいい猫の顔のイラストの入った、子供用のキャミソールが
全てを台無しにしてしまっていた。
そして、袋から、あたらしいきぐるみを着ると
両手を上げて叫ぶ
「コアラなの~~~~~!!」
そう、あたらしいきぐるみは、コアラだった。
そして、胡桃から耳打ちされた鈴は
(会話は念話だが、それなりにポーズを取る2人)
「アリスちょといい?」
「なに?」
「紫音とてっちゃんが、アリスを呼んでるって。」
「そう、それでは、向こうに顔を出してこようかな。」
アリスにしてみれば、何度も来ているので気にもしないが
カレラは・・・反応するも、ニニスの側を離れれない為
カレラをニラミはするものの動かない。
そんな中、動いたのは茜だった
この場所に馴染めない茜
この場所より、まだ、紫音や鉄雄の居る場所の方が気楽であると
「そこには、シオン殿と鉄雄殿が居るのでござるか?」
その問に答えたのはアリス
「あぁ、テツの家がすぐそこだからね
2人はそっちに居るよ。
私は、よくおじゃまさせて貰ってるが
興味が有るなら、アカネも一緒に行ってみるか?」
この場に馴染めない茜の心情を察知する
いや、半分カレラに対する当てつけであり
自慢であるのだった。
「行ってみたいでござるな。」
「あと30分もしたら、夕飯だから
遅れないようにね。」と送り出す鈴。
「あぁ、用事を済ましたら、すぐ帰ってくるよ。」とアリス
「わかったでござる
ではしばし席を外すでござるよ。」と・・・茜
そう、呼ばれたのは、アリス1人
だが、興味本位で動いてしまった茜
その時は知る由もなかったのだ
アリスを呼び出した人間は、紫音でも鉄雄でも無かった事に
ただ呼び出す便宜上、鈴が紫音と鉄雄の名前を使っただけで
鉄雄に会えると、のこのこと無邪気に呼び出された【アリス】
そして、皆の元から逃げるように
アリスに付いてきた【茜】は、アリスに巻き込まれる形となる
彼女達が・・
夕食までの30分に体験する出来事は
数時間に及ぶ出来事・・・・だったかもしれないし
思い返せば、一瞬で・・・過ぎ去った夢か・・・又は地獄か・・・
ただ、それは紛れもなく・・現実であった事は確かである。




