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36話 それまでの シスター それからは・・・

 



 

 イタリア・ローマの貧困街、俗に言うスラム

そこで、貧しい夫婦に、1人の子供が生まれた


 その子は、母親に似て、色が白く玉のような可愛い赤ちゃんであった

ただ普通の赤ちゃんと違ったことは

その碧い瞳には、普通の人間が見えない物が見えていた事である。


 彼女が生まれ、3年も経てば

小さなスラムでは、その変わった子供の事は知れ渡っていた。

 スラムの住人が、畏怖の眼差しで彼女を見る中

両親だけは、他の子供と壁を隔てる自分達の子供を見守る。


 そして、その噂は教会に届く。


 教会は彼女を異能力者と判断し

碧い瞳の少女を両親から【買い取る】。


 その金額と、厄介者の娘を手放せる喜びから

少女の両親は、迷うことなく笑顔で首を縦にふるのだった。




 ただ、少女にとって救いだったのは

物心つく前であり、まだ個として確率してなかった事で

その真実を知る由もなかった事だろう。




 彼女がイスラエルの教会に連れてこられたのは8月

教会の神父が、口を閉ざす彼女に名前をつけた、それが


【オーガスト】


 彼女は、それ以降、本当の名前を封印し

【オーガスト】と名乗り

名付け親の神父は、オーガストにとって

貧しく死に直面していた私を救ってくれた恩人で有り

育ててくれた神父は、義父 (パテラル)となり

オーガストが心を許した、たった1人の家族となった。


 物心が着く頃には

自分が置かれている立場も理解できるようになり

体が成長してくると、西方教会の指示道り

生きるために暗部に入る事となる。


 そして、十数年が立ち、少女は15歳となる頃

暗部の訓練を終え、本格的に闇に生きることとなる。


 暗部の訓練施設では、彼女は優秀であった

それは、学力に対しても体力、武力に関してもであるが


 何よりも他の暗部生を抜き出たのが

彼女が持つ、固有スキルであった。


 この世界では彼女の能力は特殊であった

個人特有 (ユニーク)のスキルであり

魔法デバイス無しで発動できる、魔法であるのだ。


 そして、何よりも、その能力は暗殺に向いていた。

オーガストも、自身の能力の全てを教会に伝えてはいなかったが

その基本スキルである、気体操作は、とても優れたスキルであった。


 いくつかの制限はあるものの

距離50m、風ない場所なら、高確率で殺せるのだ

これほど暗殺に向いたスキルも少ないであろう。


 その指定位置の空気を操り

目標の人物を窒息させると言う

痕跡を残さない、殺人方法は

どの組織でも喉から手が出るほど欲しい存在であるだろう。


 だが、世界規模を誇る教会である

優秀な人材は、彼女だけではない

彼女の位置づけは、No19【オーガスト】

同時期に訓練を受けた中では、3番手であり

彼女の知りえない暗部上位陣も数多くいたが

15歳でNo19に位置づけされた事は

優秀である証拠でもある。


 だが、この数年前に、闇で繰り広げられた宗教戦争で

数多くの暗部の戦闘員が死に、Top20のうち

10人が死んだことは、その争いに参加していない人間は知る由もない。



 オーガスト、彼女の初仕事は13歳の時

ある要人を殺す仕事だった。

 訓練生ではあったが、優秀な成績で成功させた。


 それから、15歳となって、正式に暗部となり

18歳で、ある極秘任務に着くまで

30人は暗殺し、協会への貢献度も上げ

No17まで、暗部での地位を上げていた。



 そう、それは、ある極秘任務だった。



※ 日本の十士族の持つ異世界への研究資料を盗み出す事。


 又は


※ 異世界に通じるゲートの研究をしている

  十士族の、三と六と八の名を持つ士族

 【三成 (みつなり)】【六道 (ろくどう)】【八知 (やち)】

  この3士族の研究者のトップの拉致


 オーガストは

名古屋に在る、3士族の合同研究所に忍び込んだ

そして資料を盗み出そうとPCを操作し

データを記録媒体にダウンロードしている時

セキュリティーに引っかかり、警報が鳴り

その作戦を失敗するのだった。


 逃げるオーガスト

それを、追いかけるのは

この時、六道に呼び出されていた

士族の幾つか在る戦闘部隊の、とある1部隊だった。


 彼等の動きは早かった。


 逃げ場を無くすように地上から上の階へ向けて包囲を広げていく

研究所の屋上に、部隊長である男性を配置したまま

そこに、侵入者を追い込んでいくのだった。


 

 オーガストも、追い込まれるようにではあったが

研究所の屋上を目指した、もう1つの作戦も視野に入れて。


 屋上に着いた彼女の前に

1人の男が立ちはだかった。


 2メートルは有ろうかと言う身長にしては体の線が細く

ビルの上に吹く突風で飛んで行きそうな体格の男。

 その男の動きは独特であり

スライムが、動くように、ヌメェっと・・・気持ち悪く動き

見たものに嫌悪感を抱かせるほどであった。


 オーガストは、戦う場所に、ビルの屋上を選んだわけではなかった

戦うのなら、風の無い屋内を選ぶ方が【気体操作】を行い易いからであるのだ。

 オーガストが、ここに来たのは

彼女の2つ名である【エア・マスター】と呼ばれる

その本領を見せつけるためである。



 【エア・マスター】



 それは、彼女が得意とする空中戦と言う戦闘スタイルから

いつしか呼ばれるようになった2つ名である。


 それは、空中移動であり、空中浮遊や空中闊歩では無い

彼女の持つスキル【気体操作】で、空中を移動できる技である


 それなりの精神力を使うため、魔法戦メインでの長期戦には向かないが

この技を使ってビルの屋上から装備も無く、空を飛んで逃げると言う

反則級の逃げワザを持っていた。


 そして、これが有るからこそ

集団での行動を苦手にし

戦闘特化でない彼女が、常に単独行動を好み

今まで命を繋いでこれたとも言えたのだった。



 そして今回も、逃げの一手である彼女は

追っ手を振り切るために、ビルの屋上から空を飛び逃げ出すのだった。


 だが、相手が悪かった

名も知らぬ長身の男、その男を甘く見ていたのかもしれなかった。


 悲劇は彼女は、ビルから飛び降り

その落下速を利用し一気に降下する瞬間に起きた。


 体勢を崩したのが先だったのか・・・・・・。

 痛みを感じたのが先だったのか・・・・・・。

 それは定かではないが

彼女が気づいた時には、両足のスネの辺りから下の存在が無く

 吹き出した血液が、空中に散乱していた。


 それは、あの男の仕業だと理解するが

両足を切断した、その方法など、分かるはずもない。

 分かるのは、このままでは、数分後には失血多量で死ぬ自分の姿だけであった。


 冷静に状況を判断する、オーガスト

何人もの人を殺し、自身も死ぬ寸前まで追い込まれた事も幾度とある。

 そこに多少の感情はあるのだろうが

死というものに関してだけ言えば、恐怖もなく冷静であった。

 そして、何度も体験した、時速100キロ以上で落下する速度に対しても

冷静であり、そこに恐怖はなかった。


 そして、時速100キロを越えようといい瞬間でも

彼女は冷静に動き出す。


 速度は上がるが、体を丸くし

刈り取られた両足に少しでも風を当てないようにすると

気体を操作し、刈り取られた両足を気体ごと凍らし止血をする。


 止血が終わったら、体を開き空気抵抗を上げると

何度もスキルを使い、加速した落下を速度を落としながら

自身で操作できる、空中移動の速度まで落とすと

仲間との合流地点まで逃げ切るのだった。


 命からがら、逃げてきた彼女だったが

足を失い、満足に歩くこともできない暗殺者など

組織にとっては、お荷物でしかなかった・・・・・。



 使えない道具は処分する、それが暗部の方針である。



 死にたくない彼女は組織に、有る事を申し出た

イルラエルの医療では無理だが

アメリカや、日本と言う国には、最新の義足が在ると

軍事起用される【アーミー・アーチフィジカル(軍事用義足)】

それを、手に入れれば

今後も組織で活動できると。


 組織は、半年と言う期限付きで、彼女の申し出を受けた。


 彼女は、日本には知り合いも伝手もなかった

アメリカには、何度か作戦を共にした、顔見知りがいたが

国が関わる軍事用の義足となると、国家機密となり

裏ルートを使っても、それを手に入れることはできなかった。


 半年と言う期限が迫る中

期限ギリギリで、以前作戦を共にした

アメリカの、ある男性から、オーガストの元に連絡が入った。



 日本で大きな仕事があると。 

 たった2人の殺人依頼だが

成功すれば、2000万ドルにもなるのだ

そこで、絶対を期す為、私の力をかしてほしいと。


 車椅子生活である、私は力になれないかもと

オーガストは、断ろうとしたのだが、男性は、話を続けた。


 傭兵部隊を100人ほど連れて行くから

戦闘は視野に入れなくていい

オーガストは、もしもの時の保険であると。


 そう、これは暗殺ではなく、殺しなのだ

そうなれば、気体操作スキルで

気体化した毒薬を操作すれば

人間を殺す事ができる

ただ、これは味方にも被害がでる可能性があるため

最終手段となるだろう

そう、オーガストの毒薬は、もしもの時の保険なのだ。


 そして、なりより、今回の作戦リーダーの1人が

数日前に腕を失くし、今は【軍事用の最先端義手】を装備していると

作戦で功績をあげれば

オーガストに、その医療を施した場所を紹介する事の話が出来ていると、教えてくれたのだ。


 オーガストは、こみ上げる気持ちを押し殺し静かに

「OK!」

と答えた。



 オーガストは、日本に飛び、男性と合流した

彼は名前を【ホワイト・ヘア】と変えていた

作戦によって、呼び名を変える、よくある事でもあった。


1人、1000万ドル、どんな人間かと思ったら

それは、変態だった

裸に真っ赤なパンツと変な仮面で現れた

オーガストは、スキルを使い

変態の周りの空気から酸素を除外していく。


 びっくりするほど簡単に男は意識を失った。


 【コミヤ】と言う日本人は喜んだ

そして、この作戦が終わり次第

【アーミー・アーチフィジカル(軍事用義足)】

を付ける裏の医療組織を、オーガストに紹介してくれると口にした。


 オーガストは安堵した、これで、死ななくていい、組織に帰れると。

 これからも、私を育ててくれた、神父様に恩返しができると。



 だが、2人めの、ターゲットは恐ろしく強かった。

その男は、異世界の生き物だろう

【ワイバーン】龍種の亜種を雷撃の魔法で殺したのだ。


 いや、その事は、どうでも良くなる程、オーガストを驚かせた事があった

【コミヤ】の裏切り、いや、初めから騙していた事を知る

だからこそ、変態はあっけなく捕まったのだと

オーガストは、全身から力が抜けていくのだった。


 そう、それは【アーミー・アーチフィジカル】を手に入れれないと言う事だった。


 そんな、憤りを感じるオーガストに

ある、男が、笑いながら話しかけてきた

それは、コミヤと変態と共に居た

オーガストより若い、黒いリーゼントにサングラス、マスクをする少年。


「よう、シスター?

 ん?・・・

 まぁいいや

 隠れていたのに、バレたみたいだな

 でも、なんで、あんな奴らと一緒にいるんだ?

 シスターだけ、毛色が違うだろ?」


 オーガストは、少年をニラム

そして、やっぱりだと思ったと、私が姿を消していたことを気づいていたと

そして、ワイバーンを蹴り殺した、この男も警戒すべき存在だと・・・


 そして、直感で、この男には、嘘が通じないと思った・・・

いや、今思えば、直感は本当の事を言えと告げていた気もすると・・。



 オーガストは、素直に口にした。



 私は裏組織の人間で、少し前、作戦中に失った足を取り戻したい

あの、コミヤが高性能な義足を付ける医療機関を紹介してくれるはずだった

だから、今回の作戦に参加した・・・と、拙い日本語で伝えた。


「へぇーーー・・・

 だったら、その足治したら、こっち側につくか?」


・・・・治したら?


君が、私に最新の義足をくれるのか?と尋ねたら。


「日本語知らないのか?

 治すっていっただろ

 足を元通りするんだよ

 もっかい自分の足を取り戻せるって言ってんだ?」


 バカ?だと思った

失った肉体を再生できる回復魔法なんて

大司教様でも不可能

それに、すでに私に残された期日は無い

組織に戻っても、死が待つだけ・・・。


 そして、何処にも、そんな奇跡は有りはしないんだ

物心着いた時から神に使えてきた私ですら

そんな奇跡を見た事も聞いた事もない。


そう、私の命の期限はもうない。


 私の足を取り戻せる程の回復が行えるなら

神にすら出来ない奇跡だ。


 私の命でもある足を、取り戻せるなら・・・・・。



 それが出来るなら、心と魂、以外・・・

この私の体も私の人生も、全てアゲル

でも・・・ムリ・・神の奇跡でも、そんな事は、ムリ・・・。



 そんな事を口にした。


 そんな覚えがあった。


 そう、失った足を取り戻せるなんて、夢物語だと想って・・・。


 サングラスの下で、少年が笑った気がした。


 少年は修道服のスカートの裾を躊躇いもなく捲り上げると

スネから下の失った両足を掴むと。


「じゃぁ、戻すぞ。」


 その言葉の後に、全身にこみ上げる血流が鳥肌を呼び覚まし

有るはずのない足に、誰かが触る感触が伝わる。


 私もさわってみる、そこには、存在しなかった足があった。

 動かすと、重い道りに動く足先、それこそ本当に自分の足だった。

 驚きよりも、感動よりも先に瞳から涙がこぼれ落ちてくる

それを、静かに指先で拭ってくれたのは、少年だった。

 そして私は、初めて涙を流している事に気が付いた。


「よかったな、足が戻って。」


 その言葉は、まるで、無くしたと思っていた、アクセサリーが

ポケットの中から見つかったかのような軽いノリで・・・・。


 神の奇跡ではない

この少年が行ったのは、神以上の御技

そして、まるで、自分は何もしてないと言う態度に

私の心が大きく動いた気がした。


 心の奥底で沸き上がってくる感情が在った

それが何かは分からないが

ソレを拒む何かが、新しく芽生えた感情を押さえ込んでいく。 


 頭に刻まれた何かが、古い記憶を思いださせる。


 そう、私の心と魂は、神に捧げた・・・。

優しかった義父を、私は裏切る事はありえないと・・・。

 

 心が葛藤を繰り返す

何かに縛られた心を、解き放ち自由に成りたいと

だが、何かは、心を縛り続けるのだった・・・。 



 少年は、足が戻ったのを確認すると

立ち上がり、私の頭に手を載せて、やさしく動かしながら



「まぁ、嬉しいだろうが

 先にアレ(ゴーレム)を倒すのを手伝ってくれ

 俺は、まぁ・・・ちょっと疲れたし

 あっちに、用事もあるしな。」



 私をやさしく触る、少年の手を両手で握ると

サンブラスの奥にある、少年の瞳を見て


「あ・り・が・と・う!」と伝える

日本の感謝の言葉はこれしか知らなかった

それなら、心を込めてと・・・口にした。



 車椅子から降りて、素足で、地面を確認する

ジャリ・・・と言う音と、チクチクする足の裏の感覚

ただ、それだけであったが、その時の感覚は一生忘れはしないだろう。


 そして、軽く飛び上がると

気体操作のスキルで

その場所に2メートルほどの何もない細長い空間を作り上げる

体が、その空間に触れると、空間は私の体を取り入れるように

先ほど作った2メートルの空間を勢いよく移動する

コレを繰り返すことによって、私は空を飛ぶことができる。


 空間の幅を太くすれば速度は出るし

最大まで上げれば瞬間移動並の速度がでる。

 距離も最大10メートルは行けるが

やりすぎると体が付いていかないのだ。

 使いようによれば、物を移動させたり

他人を動かしたりもできる、使い勝手のよいスキル。



 そして、エレキマスター(雷帝)と名乗る男と共に

ゴーレムと戦うこととなった。


 だけど、ゴーレム硬すぎであった

攻撃力も足りず、成す術もなかった時

ダークナイトが動き出し、ゴーレムのヘイト(敵対心)が

完全にダークナイトに移行した。


 エレキマスターとダークナイトが作り出した時間を使って

私が持つ最大の攻撃【ニルブヘルム】の準備にかかる。


 気体操作の上のスキル【気体支配】それを使って

手元に結界を作り窒素を集めていく、そして液状化させていく

徐々に大きくなっていく、水玉

だが、水玉と言うほど可愛い物ではない

ー200℃を下回る液体である

結界に隔離されていても周囲の温度を下げていく。


 だが、人間なら瞬間凍結する

【ニルブヘルム】を使ってですら

ゴーレムは止まらなかった。


 それなのに、エレキマスターの斬撃は、ゴーレムを真っ二つにし

空に浮かんだ女性は、ゴーレムを跡形もなく焼き尽くした。


 それは、組織のトップ5にも匹敵する力だった。



 そして全てが終わった・・・そう思った。



 でも何故か、私は小さな少女の家にいた

少女は私の名前を聞いた、オーガストではない

本当の名前を・・・・・。


「サ・・・・」次の名前が出なかった

何かに遮られるように口が止まる。


 そして、出てきた言葉は「サラ」・・・だった。


 そして、私の名前は【サラ】となった。


 少女は【リン】というらしい。


 私の足を治してくれた、リーゼントの男の名前は【テツオ】というらしい



 そう・・・・テツオ・・・・・って、言うらしい・・・。

 


 そして彼等の名前を聞いていく・・・


 まるで一家団欒に、紛れ込んだように

先程までの緊張した雰囲気は・・・・いや・・・・

エレキマスターの男と、騎士鎧の女以外は

あの戦いの中ずっと変わらず、ほんわかした雰囲気だった・・・。


 テツオに勧められるまま、椅子につく

そして、リンと言う少女が料理を始めた・・・・・。


 魔力で、肉を焼く、その信じられない行為に驚いたが

それ以上に、リンが発した言葉



「肉の内部に温度調節点を200個ほど作って

 温度をコントロールしながらミディアムレアに焼くんです」



 その、現代科学魔法では考えれない魔法に

私は、リンをガン見し、その言葉の本当の意味を理解するのだった。


 魔法で炎や氷を擬似的に魔力で作り出すことはできる

だが、それは大気中に作り出すのであって

物質に干渉して作り出すことは出来ない。


 そう、物質という存在に対しその内部に

自由に干渉できる魔法など有りはしない。


 筋肉に干渉する強化魔法、肉体強化や速度強化などはある

それは、筋肉の内部にある白筋や赤筋に干渉する

理論的に証明できる、科学魔法だ。


 だが、リンは言ったのだ

肉の内部の温度をコントロールしたと・・・。


 それが、事実なら、リンは、人間の肉体をも加熱できると言う事だ

そして、もし、彼女が、生き物の心臓や脳の温度を少し上げるだけで

人間が殺せると言うことを理解しているなら

人類史上最悪の存在となる。


 そう、ただ生き物を殺すと言う事に関してなら

リンと言う少女は、誰よりも特化していた。


 そう、私なんか比べ物にならない

鼻歌交じりに料理をしながら、200もある場所を加熱する

そんな風に、人を殺せると思うと


 つくづく、リンと戦わなくてよかったと

そして、その事実に誰も気がついていないのか?

それとも、知っていて、ソレを口にしないのか・・・。


 きっとその時、私は真っ青な顔をしていたはずだ。


 だが、そんな事や


 その後の、エレキマスターが激怒した事など


 どうでも良くなる出来事が在った。


 そう、ステーキの美味しさで、全て吹き飛んだ


 そう、全てが吹き飛び


 無我夢中で、肉を口にはこんだ・・・・。


 生きてきた中で、最高の食事に、私は心を奪われた。




 そして、突如現れた、あの変態と


 変態にしがみつく2人の女性・・・


 彼女達の言動と行動に、私の理性が沸騰し意識が・・・・。




 その後も色々あったが・・・。




 

 私は今・・・・。



 

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