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6話 敵前逃亡

 



ぷちっと・・・


俺は最後の監視デバイスをこわす

上半身を軽くひねり

背後にいる、2人とバカをみて

お手上げと言う、デスチャーをして、ため息を吐く。


 そして、リルに、靴と魔法印付きの木刀を出すように言うと

地面に降り立つのだった


 いきなり目の前に現れた紫音を敵と認識した

ボーンウォーリヤー達が襲いかかるのだが

紫音は恐れる事なく

軽く右手に持つ木刀で横一閃に振り抜く

それに応じて、数体のボーンウォーリヤーの上半身が吹き飛ぶのだった。


 む・・出力ですぎか、威力もうちょい落として

強化少なめのほうが・・・。


 試作品の木刀を見ながら調整をこころみる。


 紫音は、鈴に強制召喚され不機嫌ではあるが

実は気分は少しだけ、ノリノリである

久々の実戦である、そして人間相手ではなので

手加減なしで粉砕できるのだ

魔法と違って体術、格闘技術等というのは

身体を動かして培わないと向上しないのだ

レンと組手をする事もある紫音だが

実戦でないと培われないものもあるのだ

そうとは言っても

こいつらは、[敵を倒せ]と命令された意識無き意思

数の多いいだけの傀儡でもあった。


 さてと・・この騒動の首謀者の位置は、ティアに確認済みだ

どんな奴かな、多少は歯ごたえがないと、ククク・・・。


 紫音の不気味な笑みがこぼれる、そして目標を定めると

後ろの3人を気に止めず

紫音は、この場から逃げるように一気に走り出したのだった。



******



空中に出現した、それは地上に降りて

振り向いたと思ったら

数体のボーンウォーリヤーを粉砕した

そしてやっと、桜と優美は現実に引き戻される


桜「あ  あれってぇ~、しおんくんなのぉ~~??」


優「し?紫音君?

 確か鈴のお兄さん? の? え? え? なぜ?」


鈴「あ・・・えっと・・・なんでかな・・・

 見た目変態だけど、紫音です、認めたくないけど」


2人から目線をそらすように、答える

桜は小学校2年からの大親友だから

何度も家に遊びに来てるし紫音の事はしってるけど


優美ちゃんは、情報としてしか紫音の事をしらないはず・・・


それでも、突如でてきた変態が

紫音だと認識できるまで、多少の時間がかかったのだ。


鈴「えっと、助けてもらうために召喚して来てもらったから

 もう大丈夫だよ、ああ見えて結構・・・」


視線を戻しながら、そう言いかけると、私は自分の目をうたがった

先ほどまで、そこに居たはずの変態が

コートの裾をなびかせながら山のふもとに走り出したのだ


に・・逃げた!?


 桜はただ見ているだけだろう

優美は何が起こってるのか解らないだろう

さすがの私も、解らない。



 桜は、深く物事を考えない

よく言えば、どんな時でも臨機応変に対処できる

今の変態の経緯は、すでに起こった事として、認識している

だから後は楽しむだけなのだと


桜は、過去の記憶を思い出す

鈴とは大親友だけれど

その双子の兄、しおんとは、あまり話した記憶がない

いや、どう見ても強そうに見えない紫音に対して興味が湧かなかったともいえる

もう1人の大親友は、よく、しおんにちょっかいを出してはいたが

桜はそういう性格ではなかった

挨拶程度はした覚えがあるが、普通に会話した事はない

もともと、あれこれと話すのは苦手でもある

兄の蓮から聞いた話だと1年ほど前に知り合って今は厨二病仲間だと

そしてここ2年以上顔を合わせた覚えはなかった

また昔から常に眠そうで、やる気がなく

ダルそうに歩く姿が、桜の知る【しおん】の姿だった。


 空中から裸コートで腰を振り降りてきた

それは変態であったが、地上に降りて立つ姿、木刀を横に一閃する姿は

背筋に一本の筋がとおり、一流の武人を想わす姿であった・・・・が

振り向いた顔は、紫音君なのだ

桜の問いに鈴は「紫音だと」いった、桜は思う


[紫音君の変態バージョンかっこいぃぃにゃぁぁぁ~~]


心の声である・・・が


その紫音は走り逃げていく


[にげぇぇたぁぁぁ やっぱりぃぃかっこわるぅぅぅぃぃぃぃ~~]


心の叫びである




******




 優美は、幼少の頃から

父親に深く物事を考えるよう教えられ、そうして育った

いや、そうしないと身内ですら敵が多いい四条家では、生きていけれないのだ

今の一連の出来事を考える、解らない事だらけだけれど。


優美は、考えを巡らす。


鈴は言った「召喚したと」召喚されたそれは、変態だったけど

コートの下は裸だったけど、はだか・・・・お尻が・・・

ふとももとふとももの間から、チラチラみえた、、、、


[きゃぁぁあああああぁぁぁぁあああああ]


心の叫びである


 真っ赤になった顔を右手で抑え顔を左右に振りながら

ダメダメ、考えないと・・・と・・・

現存する人間を、召喚するとか?なに禁呪?

それに、空中に出てきて浮遊してた?

周りの大気が動いてないから風魔法ではない?原理は?

そもそも、デバイス使った形跡が感じられない

私の知らない魔法なのに、魔法陣すら見て取れない?

だけれど鈴に聞く事はできない

鈴に「秘密にしてほしい」と私は誓ったのだ秘密にすると


そして、そんな優美を、嘲笑うかのように

理解できない事が続くのである


鈴は「助けに来てもらった」と言っていたが

鈴を助けに来たと思った紫音君が、何故か走って逃げ出したのだ


絶句である、結界に篭ってる私達は

すでに囲まれ逃げることすら出来なくなっているのだから。




 だが、その絶句も1秒も続かない。




 3人の目の前に

小さな光が近づいてきて

鈴のデバイスに吸い込まれる


そして鈴のデバイスが光りだし

鈴の手のひらの上に15cmほどの小さな少女が姿を現すのだった。

 

 腰より長い薄紫色の髪、整った目鼻立ち

白と黒のゴシック調のメイド服姿の小さな少女

小さな姿から想像するなら

有名な人形造型師が作った最高傑作と言っても過言ではない


その小さき少女は、桜と優美を確認すると

優しく微笑む

その笑顔を見たら多くの者は心を奪われることだろう

天使の笑顔である。




 小さな少女は、軽く会釈 (えしゃく)をし流暢に話し出す




「桜・C・ティオーノ様、四条優美様

 はじめまして、私 (わたくし)は、リトル・L・アンシャンと申します」



 

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