27話 それからの、お笑いコンビ
「おじゃましやーーーーーす。」
「おっじゃまじゃまじゃまーーーおじゃま・・・・いわねぇっすよ!」
「はい、お疲れ様でした
どうぞ上がってください
あっ!靴は・・・脱いでって、紫音さん裸足ですか・・・。」
とあるマンションにある井門の家に転移してきた
紫音・マリア・井門だったが。
玄関に転移の出口を指定して
紫音とマリアに靴を脱いでもらおうと
普通に考えていた井門だが
そんな普通の事すら裏切られるのだった。
「ん?きにするな!
足以外にも、ボロボロでグチャグチャで
汚れまくってる!」
「汚い、シオンさんを汚す!
それもいいっす!
なんて、いわねぇっすよ!
あたいは綺麗好きなんすから
キレイなシオンさんを汚すっす!
あたい色に汚すっす!」
マリアは、紫音を襲うような仕草をしながら
本能剥き出しで、嬉しそうに言い放つ。
そして紫音は、玄関に膝から崩れるように倒れこみ。
「身体は汚されても
フンドシは・・・・フンドシだけは、誰にも汚させない
僕の最後の、砦 (とりで)なの・・・・。」
赤いフンドシの端を口に咥え
両手でフンドシを持って、物悲しそうな瞳で
自分を襲おうとするマリアを見つめる。
そして井門はと言うと・・・・・。
「はいはい、適度に遊びも切り上げて上がってくださいね
紫音さんも、そのままで結構ですので
タオル出しますので、足と、後適当に拭いてください。」
「それでは、あたいが、シオンさんの身体を
隅から隅まで、綺麗にするっす!
まずは、その赤い布から!
ぬがしてやるっす!」
マリアは、紫音のフンドシの端を掴み引っ張る。
「あぁ~~~~~れぇ~~~・・・・。」
「・・・・・・回らないっすね?」
なぜ?と首をかしげるマリアに
股間を両手で押える紫音。
「まぁな、フンドシだからな
回るのは着物の帯を引っぱた時だ・・・・
そして、手を離せ、た・・・玉が潰れる。」
マリアは舌をだして、エヘ!って、いやらしい顔をするのだった。
玄関で、じゃれあう2人の側に
リビングから戻ってきた井門は、タオルを置く。
「手がすいたら体を拭いて上がって
リビングで適当にしててください
私は彼女達を綺麗にしてきますので。」
そして、その足で、洗面台がある脱衣場に向かう。
背広の上着を脱ぎ、壁に掛け
ネクタイを外し、壁にあった上着に引っ掛ける
靴下を脱ぎ、ズボンの裾を折り上げると
風呂場に向かう。
風呂場に一歩入って、その歩みを止めた井門。
肩から力が抜け、脱力感と共に出た言葉は。
「さすがに、一日に女性を3人も洗う事になるとは・・・
さっきの人は・・・・さっきの人で、アレでしたけど
今度の2人は、1人は意識がないし
もう1人はすでに息をしていないとか・・・・
それも3人が3人とも・・・・・事後ってまぁ・・・
もう犯罪者の気分ですよ・・・。」
「コン!」
「ギンさん、2人の転移、ありがとうございます
もうしわけないですが、もう少しお付き合いおねがいいたします。」
「コン・・・・。」
風呂と言っても、一般家庭のお風呂なのだ
大人が3人も入れば狭いし、身動きするのも一苦労するのである。
井門は、意識の無い人間を洗うことの大変さを数時間前に体験していた。
そこで、井門はギンにお願いして、女性を宙に浮かせ
そのまま洗うと言う、紫音ですら考えつかない技を使うのだった。
一方、変態達と言うと。
玄関で、フンドシのネタを繰り広げていたが
それも一通り終わりを迎えると
適当に汚れを、マリアに落とされた紫音。
だたそれは、ほぼ強制的に拭かれた。
「7:3メガネの家に来るのも久々だな。」
「そうっすか?
あたいは、さっき来たっすよ。」
「知ってる
よしマリア!
エロ本探そうぜ!!」
「エロ本と言えば、ベットの下っすね!」
男が友人の家に行けば
絶対探すであろう【エロ本】
いや時代的には、PCの中の、エロファイルだろうか?
または、スマホでのエロサイトの観覧履歴か?
だが、あえて【エロ本】と言い
定番の隠し場所である、ベットの下を指摘する
紫音とマリアの、無駄コンビネーションが光るのだった。
そして、リビングに行こうともせず
寝室らしき場所に向かう。
「寝室に、ドーーーーーーーン!!」
家の主人に許可も得ず、いきなり寝室のドアを開ける紫音。
「ハイレグ、ドンドーーーンっす!!」
紫音の後ろから、フンドシの腰の部分を持ち上げ
ハイレグに仕上げる、マリア。
「股間が、ドーーーーン!!じゃぁねぇ
お?・・・・おお?
マ・・マリア・・・・・あれをみろ。」
「なんすか?股間を見ればいいっすか?」
マリアはその場でしゃがみこみ
紫音の股の下を、紫音のケツを揉みながら覗き込む。
「違う、ベットだ!
7:3メガネの奴、女連れ込んでやがる。」
「な!!マジっすか!
うわ、マジだ!
ベットに金髪女が寝てるっす!」
「とうとう、7:3メガネにも彼女ができたのか。」
「でも?おかしいっすよ、あれ呪符でベットに固定されてるっすよ。」
「なんだと、あいつそんな趣味が!ドSか!」
「そうじゃないっすよ
きっと意識の無い、マグロ状態の女相手にしか欲情しない性癖なんすよ。
きっとアレも、レイプした後で、逃げないように
ベットに拘束してんすよ!」
「いや、俺の知るメガネは
縛って拘束して、目隠しに、ローソク、ムチ、バイブと
嫌がる女を、無理やり犯すドSだ!」
(そうであってほしい!)
「性癖っすよ!」
(そうに違いないっす!)
「ドSだ!」
(バカか?ドSにきまってんだろ!)
「レイプっすよ!」
(レイプ魔っす!レイプメガネに違いないっすよ!)
「ドSだ!」
(俺がドSっていったら、ドSだろ!)
「鬼畜っすよ!」
(鬼畜・・・鬼畜メガネっす!)
ある意味、全部一緒である。
「うるせえ!
ドSだろ!
きっと、そのへんにSM道具があるはずだ!」
「あるとしたら、ベットの下っすね。」
「探せ!」
「おっけっす!」
・・・・・・・・・。
「ないな・・・・・。」
「ないっすね・・・・・。」
そこには、探すのに飽きた2人。
実に探し出して1分ほどであった。
「まったく、貴方達は、人の寝室で何をしてるかと思えば・・・。」
あれこれと、部屋中をひっくり返し
まるで泥棒が入った後の様な自分の部屋に
ため息しか出ない、井門である。
「エロ本さがしてた!」
「SM道具さがしてたっす!」
(ん?SM道具だっけ?)
(あれ?エロ本っすか?)
「どっちもありませんよ。」
「ないんかい!」
「そういや、メガネっちに、金髪の彼女が居たなんて知らなかったっすよ。」
「緯度経度パパに!彼女!
浮気・・・・パパ浮気したの!」
「・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
はい、浮気しましたよ。」
そして、井門は諦めた。
「ママリア、パパが浮気・・・・した。(涙)」
「信じていたのに・・・・浮気だなんて・・・ゆ・・許さないっす!(怒)」
「ハイハイ、私が悪かったです
許してくだし、隠していましたが
リビングにも不倫相手が、2人居ますので
ドロドロの不倫劇をご覧になられますか?」
「まだ2人もいたなんて、離婚っす、うったえてやるっすよ!!(喜)」
「ボクは、ママリアの味方だよ
ゲス不倫なんかする
緯度経度パパなんて、大っ嫌いだ!!
でも離婚したら、パパについていくね
新しいママが3人なんて、おっぱい6房、飲み放題!!(涎)」
「なんて事を、今飲むっす!
あたいの、おっぱいを今飲むっす!」
「うっせぇ!新しいおっぱい飲みにいくぞーーー。」
変態は嬉しそうに、寝室から移動していく。
それを追うように移動する、ビッチ。
残ったメガネは
ベットに横になる女性に目をやり
剥がされていた、薄での掛け布団を裸の女性にかけ直し
先に出て行った2人の後を追う。
紫音が好き勝手行動すると手がつけられない
でも、それを無視したり、辞めさすと、拗ねて後がめんどくさいのだ。
だからこそ、紫音の好きそうな話を振り
巧みに紫音を動かす井門だが
根がマジメであるが為
普段の紫音だけならまだしも
紫音とマリアの、即興下ネタコントに参加するのは
あきらめが必要とされるのだった。
リビングに着くと
そこには、大きな毛布が敷かれ
その上に横たわる2人の裸の女性の姿があった。
紫音は生きている人間の方の胸を指をさし
「こっちのは、なかなかいい、おっぱいだな。」
「そうっすか?あたいの方がデカいし、形もいいっすよ。」
「いや、この大きさで、この形
丁度俺の手に収まるサイズで、中々の弾力と見た!」
変態は躊躇なく、おっぱいを揉む。
「うん、いい感じだ
適度な弾力に、なかなかのサイズ感!」
「そうですか、なら、その乳房を切り落としましょう
持って帰って、シオン様のお部屋の壁に飾るとしましょう。」
いきなり紫音の後ろから
世にも恐ろしい事を口にする、女性の声が聞こえるのだった。
「ちょっとまて!」
「何故ですか!
その胸が気に入ったのなら
持って帰って飾ればいいじゃないですか!」
声の主は、裸で横になる女性に近づいていく
それは、本気で女性のおっぱいを切り落とそうとしていた。
それは、紫音やマリアの様に
冗談や、ふざけている訳ではない
本気の行動である事は、紫音が一番理解していた。
そして、数日の間、紫音に会えなかった事で
その存在が抱える鬱憤は、溜まりに溜まっていた。
そう、もっとも、タチの悪い存在が鬱憤を溜め
もっとも、最悪のタイミングで出現した事に頭を抱えるのだった。
「ひさしぶりだな、リル
会えなかった時間が長かったから
一つ気付いたことがある。」
「お久しぶりです、少し待ってください
すぐにあの、無駄な贅肉を切り取りますので。」
「お前の存在の事だ。」
ピクっと、リルの動きが遅くなる。
「その存在が、俺にどれだけ必要だったか
どれだけ宝物だったか。」
リルの動きが止まる。
「大好きだ、リル!」
「あたいも、シオンさんが大好きっす!!」
先に動いたのは、マリア
いきなりシオンに抱きつく。
「な!マリア、そこは私が抱きつくとこですよ!」
「たった3日の謹慎で、動きが鈍ったっすね」
「シオン様、私はマリアの100倍大好きです。」
「ふふん、あたいは、お嬢の101倍大好きっす。」
「なら私は、マリアの1002倍だいすきっす。」
「あたいは、1003倍大好きっす!」
「私は、10004倍大好きっす!」
「10005倍っす。」
「100006倍です。」
2人の言い合いが続いていく・・・。
(・・・あの一桁の微妙な数字の上がり具合は・・・いったい・・)
「騒がしいと思ったら、リルさんも来られましたか。」
「あぁ、めんどくさいのが来たけど
ここ、リビングだろ?テレビくらいないのか?
もしかして、テレビも買えないくらい給料すくないのか?
ひどい会社だな、上司に文句をいったらどうなんだ?」
「そうなんですよ
もう、ブラック真っ只中って感じで
この部屋は寝るだけに帰って来るようなもので
テレビなんて見る暇がないんで
買ってないんですよ
給料より、ゆっくりできる時間が欲しいものです
先ほども、部下が出来そうでしたのに
変態上司のおかげで、その話もイケメンに断られましたけどね。」
「ほう、なかなかの変態上司とみた!」
「まったく、自覚して欲しいものです」
「そんな変態上司が、ドSの部下を労って
みんなを連れて慰安旅行を考えてんだが
どっかい良い温泉旅館をしらないか?
混浴のでっかい温泉があって
料理が美味しくて
貸切が出来て
あと、秘密厳守な
人里離れた場所の所」
「温泉ですか・・・・」
「混浴っすか!」
「温泉!」
紫音の左右から抱き
紫音の前で顔を突き合わせ言い合いをしていた
ビッチ1号と2号は、混浴温泉と言う言葉に反応する
「紫音さんの満足できる料理が作れる人間が
この世界に何人いるとお思いですか
ですが、料理以外なら
ほぼその条件を満たす場所がありますね・・・・。」
「さすが、7:3メガネ
温泉旅館も詳しいとか。」
「シオン様すぐ行きましょう
私と2人っきりで。」
「なにを言うっすか!
先に約束したのは、あたいっすからね。
シオンさんと、2人っきりで行くのは、あたいっすからね!」
先程より白熱する、1号2号。
それは、紫音に抱きつく力も上がっていく。
「つ・・・潰れる・・・
おまえら、離さないと2人とも連れて行かないぞ!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「ふぅ・・・・で、その温泉旅館って?」
「私の実家ですね。」
「え?」




