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18話 飛べない○○は殺される & 補足・魔法

 



蓮は右手で持つ七星を鷲尾が隠れている場所に向け


「そんな所で隠れてないで出てこい鷲尾!」


鷲尾は隠れたまま、インカムで、誰かと数度会話すると

自分達を覆っていた大きな布を外すのだった

それは魔物対策に使っていた、カモフラージュ用の布だが

人間から見れば、そんな偽装は見破る以前の問題であった


そして、鷲尾とその部下10人は

白旗をあげるべく武器をその場に置き

両手を挙げたのだった

そんな意味不明な行動に、疑問を抱く蓮


「なんだ・・・それは・・・」


「お手上げだ、殺 (や)るなら、いっそひと思いに殺してくれ」


「鷲尾!どういう意味だと聞いているんだ!!」


気迫と怒りの篭る声が造船ドックに響き渡る


「どうもこうも無い

 あの魔物10匹は、最後の奥の手だ

 俺達では、あれ1匹にすら、勝てないだろう

 もし勝てても生き残るのは精々1人か2人

 そんな魔物を一度に殺す事のできるお前達は・・

 次元が違う・・・・

 思い知らされたよ

 【復讐】・・小宮の、そんな甘美な言葉に乗せられた

 そして、あの猿の魔物より強い魔物が10匹

 絶対勝てると思ったんだ!

 だがどうだ!

 師匠でも敵わない、魔物でも敵わない

 お前はいったい何者だ!

 いや・・・いい

 それを聞いた所で、俺達はお前に殺されるんだろ

 それだけの事をしたんだ覚悟は出来ている

 唯一の心残りは、師匠たちに、今回の侘びを入れれないことか

 いや、いんだ情けなぞ要らない

 師匠達を騙すようなマネをして、お前達と戦わせたんだ

 俺の事を恨んでいるだろう

 だが、あんな事を言った手前、姉弟子に顔向けできないけどな

 もしも、師匠達と会うことがあったなら

 俺が謝りたかったと伝えてくれ

 もしも、君達に情けがあるなら

 部下達の命だけは助けてやってくれないだろうか

 こいつらは、俺に命令されただけなんだ」


「リーダー」

「鷲尾さん」

「そんな事言わないでください」


「いや、全ては俺と小宮に責任がある

 その罪を償うのは、俺と小宮だけでいい

 仮面の男よ俺の最後の願いだ

 どうか部下達だけは」


「いやだ、貴方は俺達のオヤジみたいなもんなんだ」

「そうだ、オヤジを見捨てるなんて出来ない」


「分かってくれ、お前達だけでも」


「先輩!」

「オヤジ!」

「体調(笑)!」

「リーダー!」



鷲尾とその部下達は、茶番劇を繰り広げる

さすがに、どうでもよくなる蓮

そして、蓮のセンサーに何かが引っかかり

今までまったく気づかなかった存在に気づき


鷲尾よ!今度は何を仕掛けて俺を楽しませる!と・・


「あ~~~~~~・・・

 おい鷲尾!茶番はもういいか?

 何がしたい?時間稼ぎか?

 それとも、あっちに隠れている奴が【本命】か!」


蓮の左手が造船ドックのある一角を指差した

それに驚く鷲尾

そこに居るのは、鷲尾が【シスター】と呼び

仮面の男の前に出るまで、インカムで話していた相手である

完璧なまでに魔法で姿を消し

隠れていた場所まで多少距離が有り気配など感じるはずはない

そう鷲尾達でも気づかないほどの隠形の技であるはずがバレたのだ!

そして鷲尾は、その視界に動き出す蓮を捉えると叫ぶ


「逃げろ!シスター」


「遅い!」


蓮の言葉と同時に、左手から飛ぶ電撃の魔法

威力は抑えたが、蓮の電撃魔法に嬉々して力を貸す雷精霊達

初歩的魔法にして桁違いな威力になった魔法が

ある一点に向かって飛んでいくが

何かに当たったかのように

曲がり壁まで飛び壁の一部を電撃で焦がす


鷲尾達はその事に驚いたが

その事に一番驚いたのは魔法を放った蓮である

使ったのは異世界の魔法、自身の魔力を使い組み上げた魔法である


威力を最小限に抑えた為に

雷系の魔法を防御されたこともあるし

相殺されたり、より大きな雷系の魔法に吸収されたり

金属などで避雷針みたいに軌道を歪まされた事もあったが

それはまだ、蓮にとって予想の範疇であるが


あからさまに魔法の軌跡を変えられ

それを行った魔法すら見て取れないとなると

雷系魔法に絶対の自信がある、蓮が驚くのは無理はない


そして、何らかの理由で姿を消す魔法が解けたのか

そこにいた【シスター】と呼ばれた人物が姿を現したのだ


体のラインが分かるような

タイトな紺色の修道服とベール着る女性の姿があったが

体のラインが強調された服のハズなのだが

胸の膨らみは確認できない

ベールから覗く顔は、綺麗に整っており綺麗な碧い瞳

ひと目見て日本人で無い事が分かるだろう

大人びた化粧をしてはいるが

まだ成人を迎えて居ない幼さが残る、ヨーロッパ系の女性

ただ、足が悪いのか、車椅子に座った姿である


「俺の魔法を捻じ曲げただと!!

 お前は何者だ!」


「・・・・・・」


無言で答える女性

だが内心、完全に姿を隠し気配を断っていたのに

自分の存在がバレて見つかった事に驚く


「なら、無理にでも喋らしてやる!!」


蓮の左手から魔法が繰り出される

先ほどと同じ、電撃の魔法が連続で2度


シスターは車椅子に座ったまま両手を前に出す


そして、蓮が放った電撃の軌道を変えるのだった


「どういう原理だ!」


キッ!

とキツイ目で蓮をニラム女性は口を開く


「・・・・

 オ前、何故ワカッタ、私、居場所」


それは、彼女自信も自分の能力に絶対の自信を持っていたからに他ならない


質問に質問で返す女性だが

蓮は魔法を捻じ曲げられた腹立たしさより

女性の悔しそうな顔がよほど嬉しかったのか


「そんな事教えると思っているのか!

 それに知った所で理解も対処も出来るはずもない!

 だが!!教えてやろう

 そして、ワレの名と共に其の身に刻め

 ワレは【雷帝・レイ】

 イカズチを操る、世界最強の魔王だ!

 どれだけ姿を隠そうが、電気を使うデバイスや

 その車椅子が電動である限り

 ワレの感知から逃れることは出来ない

 全ての電気はワレの手の内にあると思え!」


かなり誇張し、ドヤ顔で(仮面を付けてるので見えないが)言い放つ蓮

基本大雑把な蓮、電気の感知も遮蔽物があったら遮られたり

細かな電圧である、魔法デバイス等の感知など出来はしない

今回は女性が使っていた車椅子が

かなり高性能にカスタマイズされた物であった為気がついただけである

それもついさっき、鷲尾が茶番をくり返していた時

彼女が車椅子の方向を変えるために動かした為

電気が動いた事、発生した電流が、たまたま蓮の感知に引っかかっただけであった


「マオウ?サタン?

 ライテイ・・・エレキ・マスター・・・電気使イカ・・・」


「フン、そんな所だ!解った所でどうする事も出来ないだろうがな!

 さぁお前も名乗れ、そしてその力を教えろ!」


「私、バカデハナイ、教エルハズ、ナイ

 教エル、オ前、バカ」


教えるはずがない、一般的な魔法ならまだしも

自身のスキルを、口に出すのはバカのする事である

とくに戦闘系のユニーク(個人固有)スキルなら

それは他人には知られてはなら無いだろう

もし持っていても、人に教える人間はマズ居ない

スキルを使うにしろ魔法デバイスで偽装したりと

他人に気づかれない工夫をするのが常識であるが

世の中には、常識で測れないバカも居る事も確かである


「まぁいい、そのスキル、ワレの手で丸裸にしてやろう!

 さぁ、ワレの魔王の力どこまで耐えれるか!

 泣いて謝るなら今だぞ!」


笑い声と共、連は叫ぶ!と

左手から、連続で電撃を飛ばす

初めは完全に電撃の軌道を捻じ曲げ真横に逸れていた電撃だが

連続で攻撃する事により、防ぎきれなくなり徐々に電撃の軌道は彼女に近づいていく


異世界の電撃魔法を使う蓮

その魔法は粒子になって消える事はない

着弾点を逸らされ壁にぶつかっても消える事はなく

四散したその電撃の一部は空中に留まり

次に放たれた、蓮の電撃の魔法の威力を上げていく


そう、蓮は一定の魔力で電撃を飛ばすのだが

その威力は徐々に強くなっていくのだった

そして、その威力に、彼女の持つスキルも悲鳴を上げていく


『リル、あの女のスキルが、何か解るか?

 結界で防いでる訳ではないんだろ?』


『はい、何かしらのスキルなのは間違いは無いと思います

 シオン様か、鉄雄さんが居れば判ったと思われますが

 その判別は私では解りません』


『やっぱりか』


『ただ、あちらの虎の子の様なので

 防御系のスキルに特化しているとは考えにくいですね

 攻撃系に特化している物と考えるのが妥当かと思われます』


それは、そうだとリルとの念話で納得する蓮は

攻撃を一旦辞めると

両手を腰にやり、上から目線・・・・いや

絶対的王者の風格を纏わせ


「ふん、弱き者よ、攻撃のチャンスをやろう

 そして、ワレを楽しませる事ができるのであれば

 命だけは助けてやろう!」


スキルを使い続けた為か

肩で大きく息をする車椅子の女性は

蓮を睨みながら右手の掌を蓮に向けると


「オ前タチ、殺ス、ソシテ

 アーミー・アーチフィジカル(軍事用義足)、手ニイレル

 死ネ!」


その瞬間

蓮は両手で胸を押さえ、大きく口を開け

声にならない叫びを上げながら苦しみ出し

そのまま床に倒れると

息が出来ないのか、喉と胸を抑えながらノタウチ回る


それには、鈴、胡桃、アリスも驚き

鈴は蓮を助ける為に、走り寄ろうとするのだったが


「待ってください、毒の散布の可能性があります」


リルのそんな言葉に鈴は


「私には効かない」と蓮の傍に走り寄る


彼女は先ほどの鷲尾との会話で

リーゼントの男が居なくなった今

予定より人数は増えたが

最初に倒す危険な人物は、黒い仮面の男と

メイド服のおかめの仮面の女だと聞いていた


そしてほぼ無力化した黒い仮面の男に右手を向けたまま

左手を、メイド服の女性に向ける

実際は手を向けなくてもスキルは発動するのだが

距離のある場所に対してなら

手を向けたほうが感覚的に細かい操作がしやすい為である


手を向けられたリル

仮面を押さえ、苦しそうに前かがみになり

一歩踏み出すと、動きが止まる


そして、何もなかったかのように姿勢を正すと


「空間操作?・・違いますね、空気?・・気体操作系のスキルですか

 レイ様は、息が出来ないだけだと思われます

 その方向で対処お願いいたします」


その言葉で、おそらく

彼女のスキル気体操作で蓮の顔の周りの空気が真空に近い状態になったか

呼吸に必要な酸素が取り除かれたと瞬時に状況を理解する鈴は

短く「わかった」と返事をすると

両手を倒れた蓮の仮面の前に持っていき

風系等の魔法を使い周りの空気をかき混ぜ

仮面のしたに新しい空気を送り込む

そうすると、蓮は徐々に呼吸を取り戻していく



そして、驚く車椅子の女性

左手を向け、スキルは発動したはずであり

黒い仮面の男と同じように苦しむ筈であったメイド服の女性は

未だ健在であり平然としていた


彼女のスキルは、リルの示したとおり【気体操作】である

生まれ持った、そのスキルの為

彼女は空気中の気体を色で判別できる目を持っていた

そうなのだ彼女には見えるのだ、気体の色が

そして、メイド服の女性の仮面から、二酸化酸素が出ていないのだ


「オ前、ニンゲンカ?、ナゼ?、呼吸、シテイナイ」


「想像にお任せしますが

 一つ言えることは、口から空気を取り入れなくても

 空気を身体に取り入れる方法はいくらでもありますので」


そう、リルは息が出来なくなった事で

これは毒の類で無い事を確認し

息が吸えないことで、空気を遮断されたことに気づく

なら対処は簡単である

おかめの仮面に小さな結界を張り空気が漏れなくし

リルがもっとも得意とする空間転移を使い

口の中と外の空気を転移させ入れ替えればイイだけの話である

その為、仮面から二酸化酸素は出ないし

空気中の気体密度を変えられた空気を吸い込むことはない


「アリエナイ・・・」


「気体操作、紺の修道服、若い年齢、カタコトの日本語

 もしかしてと思いましたが?【エア・マスター】ですか・・・」


片膝と片手を床に付け、苦しそうに息を整える蓮が反応する


「・・・・【エア・マスター】だと・・・」


「はい、前に【7:3メガネ】から聞いた事があります

 気体を操り、空を駆け巡り、空中での魔術格闘戦闘を得意とする

 紺色の修道女、裏世界の通り名は【エア・マスター】

 たしか、ヨーロッパ・ギリシャ方面

 東方教会の裏組織に属していたと聞きましたが

 車椅子で足が不自由な事で、その可能性を視野に入れていませんでした」


「オ前、私、知ッテル、デモ、今【エア・マスター】違ウ

 足、失ッテ、飛ブコト、デキナイ

 オ前タチ、殺ス、小宮、約束シタ

 アーミー・アーチフィジカル(軍事用義足)クレル

 足アレバ、マタ、飛ベルハズ

 戦エナイ、私、居場所ナイ・・・・

 存在、許サレナイ

 使イ道、無イ、私、処分サレル・・

 死ヌ、孤独、暗闇・・・モウイヤ

 殺サレル、イヤ、ダカラ、オ前タチ、殺ス!」


仮面の男達を睨みながらも

何かに酷く怯えるも、その意思を明確にし

自分を追い込むように、口にするのだった

が、そんな事関係ない男が立ち上がる


「そんな事は、どうでもいい

 さすがのワレも、死ぬかと思ったぞ!

 ネタバレしてみれば、あの世界では珍しくもないスキルだ!

 それに魔法で代用出来る程度のスキルでもあるしな

 たぶん、電撃の軌道を変えたのも

 空気の密度を変えた空気層を作り、電撃がそこに流れ込む用にしただけだろう

 カミナリの性質を知っていれば、誰でも出来る簡単なトリックに過ぎなかったわけだ

 だからこそ」


蓮は立ち上がるときに拾っていた

3cm程度のコンクリートの欠片を車椅子の女性に見せると

おもむろに投げつけた


女性も上半身を捻ってよけるが、その欠片は彼女の左肩に当たる


「この石みたいな物質は軌道を変えれないと言う訳だな

 たしか【エア・マスター】だったか

 もし飛べたらのなら戦って見たかったが

 飛べない、お前に興味は無いが

 ワレを苦しめた代償は高くつくと思え!!」


蓮は、右手に持った七星を車椅子の女性に向ける

それに対抗するべく、彼女も蓮に向け両手を向ける

もう少して、黒い仮面の男を殺せると思っていた鷲尾達も

【シスター】と呼ぶ女性が不利になったが

仮面の男をあそこまで追い込んだ彼女が居る今なら

まだ勝つ可能性は大きいと

鷲尾とその部下は、床に置いた武器を手に取ると、その銃口を蓮に向ける


鈴と胡桃は、ゆっくりと後ずさりし距離を開けていく

それを守るかの様に、アリスは移動していく


だがリルだけは、紫音がさっきまで写っていた、モニターから視線を外さない


一瞬にして

張り詰めた糸の様に、緊張が張り巡らされる造船ドック

物音は消え、一瞬の静寂を迎え・・・・・





「てってけてーーーーーーーーー」と




そんな緊張感の無い声が、スピーカーから流れるのだった



そこに居た全員が、戦闘態勢のまま、モニターに視線を送ると

そこには、木の板で作った、プラカードのような物を持つ

黒光りする、リーゼントの男が写っていた


そして、リル・鈴・胡桃、3人以外の

蓮やアリス、鷲尾、その部下や、エアマスターと呼ばれた女性までもが

その、プラカードに、書かれた文字を読み

口を開け目を点にして、呆気にとられ、思考を停止させた


その、プラカードに書かれた文字


それは


【ドッキリ!大成功!】


であった





*******

 補足・魔法

*******





この世界の科学魔法、その攻撃系魔法

その多くが魔法系等の1つ【具現化系魔法】と呼ばれる物である

(細かい設定は有るのだが長くなるので割愛する)


大まかな工程は、デバイスに組み込まれた【化学魔法式】で魔力を具現化し飛ばす

これは、相手に当たったり壁に当たったり、ある程度の衝撃を受けると

その力を発揮し【化学魔法式】で定められた現象を引き起こす

その後は魔力の粒子となって消えていく

または、防御に土の壁や氷の壁なども具現化もあるが

具現化系魔法とも呼ばれる、この種類の魔法は

一様にその効力を終えると、魔力の粒子となって消えるのだが


異世界の魔法は違う、現象は魔法と魔力によって作られるのだ

わかりやすく解説するならば【水】である


科学魔法で具現化した水は、具現化し続けない

手を洗う程度なら出来るだろうが

(手を洗った場合、具現化した水にゴミは付着し

 そのゴミは水が魔力の粒子に戻るとき、その場に取り残される)

持続する魔法の具現化は

それはそれなりに大きな魔力を必要とするし

もし飲んでも、すぐに魔力の粒子となる為

喉の渇きも潤わないし胃にも貯まらない


だが、異世界の魔法では、本物の水を作り出すことも可能であるし

具現化魔法の用に、仮初 (かりそめ)の水を作り出す事も可能である

もちろん仮初の水を作るより、本物の水を作り出す方が数倍の魔力を必要とする


異世界でも、多くの攻撃魔法は魔力消費を考え、仮初の物である

そして、6属性である 火・水・風・土・雷・木 

そのうち【木】を抜く、5属性、火・水(氷)・風・土・雷 は魔法の基本であり

具現化しやすく、戦いでもっとも使われる魔法でもある


異世界の攻撃魔法で説明すると

実物の【氷】を作り出し攻撃するのに、MPを100必要とすると仮定する

だが、仮初の【氷】を出現させ攻撃するのに、MPが20で済むなら?

威力はほぼ同じ、違うのは、攻撃した後

飛び散った【氷】が消えないか消えるかと言うだけ

MPは無限ではない、戦いで使うのなら、確実に後者であるが


魔法によって使い方によって違いも出てくる

もしこれが【氷】ではなく【雷】だたなら

相手が1人では無く複数で有ったなら話は変わってくる


仮初の【雷】なら、1人に当たれば、そこで魔力は粒子に戻るが

実物の【雷】なら、1人に当たっても消えはしない

1人の人間を伝い、地面をはいより電気を通しやすい物に向かって拡散していく

そう、単体の魔法で或るにも関わらず、範囲攻撃となるのだ


実物の雷で一度に4人倒したとしよう

なら仮初の雷なら、同じ魔力で5人倒せるのだが

一度の魔法施行で、一度に4人倒せると言う事に意味があるのだ

集団戦に置いて、どれだけ早く敵の数を減らせるかと言うのは重要である

敵が早く減れば、それだけ自軍で有利になるのだから


そして、異世界においても、現代世界においても

5属性の内、他の属性と違って【雷】は特殊であり

雷だけは上級者向けの魔法と認識されている


雷魔法は扱いが難しいのだ

光魔法同様に、物質的な魔法では無いが

光魔法や、他の放出系魔法の様に直線的にまっすぐ進まないのだ

カミナリの性質上、金属に引っ張られる

相手との距離が長ければ長ほど、直線に進まず、命中率も落ちる

ましてや、混戦で使うとなると、味方の武器や防具に当たる可能性が高いのだ


その為、雷魔法を得意とする使い手は少ない


そして、6属性の内、特殊なのが【木】である

【木】=【生命】と考えられている

その為、魔法形式が、2大属性や残りの5属性とは全く異なるのだ

6属性の内、使い手が一番少ない属性でもある


木魔法の使い手は、多少なり回復魔法、応急手当程度だが使える者が居る

逆もしかり、回復魔法を使える者は、木魔法も使えると言う事である


使い方次第だが、戦いに向かない魔法と認識されている


そして、鈴が得意とするのが、この【木】魔法である




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