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10話 1日前・どこまでイケる?リアル3D映像

 



「ただいまっす!」


「お・・・・・オカ!」


「・・・・・・・・・何してるんすか?」


「う・・・・み・・見て分からないなら聞くな!」


パクリ


『・・・ご自慢の、3D立体映像で

 アニメ【撲殺少女いのり】その主人公である

 いのりちゃんの姉【のぞみ】ちゃんを、リアル大で投影し

 下からスカートの中を覗き込んで

 素っ裸で興奮して股間を大きくさせながら

 携帯で写メ撮ってる様に見えるっすよ?』


「ちがう!

 解像度の低い2次元映像をリアル大まで大きくし

 3Dで映像投影した時

 オート処理で違和感のない様にプログラムしたんだが

 その画像の粗さと2次元で描かれていないスカートの中が

 どういうふうに3D処理されたか確認してたんだ!」


『そうっすか!でも何で裸なんすか?』


「久々に【鈴】と【リル】、【ギン】や【コハク】すら

 家に居なくて一人なんだよ、裸で羽を伸ばしてもいいだろう

 すきなエロアニメ、エロ本見てもいいと思わないか!

 俺の集大成、リアルエロ3Dを堪能してもイイじゃないか

 久しぶりだったんだぞ!!

 ほんとに・・・

 久しぶりに・・・・

 一人で・・・・

 エロ映像・・・

 だったんだぞ・・・・」


『じゃ・・邪魔したのは、悪かったすけど

 な・・・泣かなくてもいいと思うっす・・・』


「それに、スカートの中を除いて分かったんだが

 2次元で描かれてないと言う事は

 3Dでも描かれないと言う事だ

 よって、この【のぞみ】ちゃんは何も履いてない

 だがだ!俺の作ったプログラムは、彼女を人間と判断した!

 マリア!これがどういう事か分かるか」


『意味不明っす』


「フフン!

 聞いて驚け、この3D映像は【のぞみ】ちゃんを人間として投影した

 そして下着は投影されていない!

 彼女は今、ノーパンで!ノーブラ!

 男のロマンが、スカートの奥にあったんだ!

 これは写真を撮るしかないだろう!

 そして、それをオカズに頑張るしか無いだろうが

 それにマリア!お前は何をしてんだよ?

 気持ちイイだろうが!」


『だいたい混浴温泉を諦めてまで

 お使いに行って来た、あたいをほっといてっすよ

 たかが擬似映像に興奮してたんすよね

 その贖罪として、はち切れんばかりのチンチンを咥えているんすよ

 こうなったら、あたいの肉体のスゴサをその肉体に刻み込んでやるっす』


紫音の裸に耐え切れず

帰って来て早々に紫音の息子にしゃぶりつき

超絶技巧の舌使いで、話す事にその口を使うことを嫌い

念話で答えていたマリアだった



「3Dのリアルエロ映像を見ながらだと・・・

 いいかんじだ!!これは、これで、いい感じだ!!」


『よかったすね、ではそろそろ、あたいも御褒美くださいっすよ!』


「お?・・おお!!そうだ!」


『なんすか?なんか思いついたっすか?』


「あぁ、マリアあの映像と重なってみろ

 映像の中に実体があるなら、これは3Dリアル映像きぐるみ!

 映像がリアルに!俺が求めていたリアル実体映像!

 すげぇ!俺もしかして天才?」


マリアは、今まで口の中に含んでいいた異物を吸い込む様に

ジュルジュルと音を立てながら、口から手放すと

面白そうな主の言葉に

口の周り付いた、紫音の残りカスを舐める様に舌を動かす

そして、マリアの得意技である、空間転移を使った服装転移を行い

一糸まとわぬ姿で、部屋の中に映し出された映像に身体を重ねる


「どうっすか?

 あたいからは、どうなってるか分かんないっすけど

 欲望爆発っすか?!」


「はっはっはっはっは!さすが俺様!・・・・・・

 失敗だ、無理だ興奮しねぇ!」


「ん?」


「多角点からの交差式投影法

 全方位360度から立体投影

 その中に入ったら映像が遮られるじゃねえかよ!

 映像が空中投影されねえ

 それより映像がアリスの肉体に投影されて

 意味不明な物になってやがる

 さすがに萎える・・・気力が失せる・・・」


その言葉にマリアの視線は紫音の下半身に向き


「萎えて無いっすよ」


「イヤ・・・・気力は失せてんだ、マジで

 でも、アリスの肉体が映像で汚 (けが)せれてる風に見えてだな・・・・

 こう・・・なんだ下半身は興奮してる!」


「まったく変態っすね」


いつもの事ながら、俺の下半身を嬉しそうに凝視する変態に

俺は棒読みで言葉を返す


「オマエモナ!」



・・・


・・・


・・・


・・・


・・・


・・・



ベットに、うつ伏せで倒れる裸の紫音は

視線を部屋の中央にむける


まったく、色気も情緒も雰囲気もロマンも有ったもんじゃないな・・・

だが!いい体をしてやがる!


そこには、まるで海外モデルでも嫉妬する

完璧なポロポーションとも言える肉体美が存在いした

だが・・裸の肉体は、元気いっぱいで鼻歌まじりで

ラジオ体操をするように身体を動かす

紫音と共に流した汗は光に反射し、その美しさを寄り引き立たせる

だが、がに股で股を開き大きく屈伸し体を動かす姿には

色気もロマンも女らしさも、その欠片すら存在しない


そんな肉体を見つめながら考え込む紫音


それにしても身体に映像が移るなら

プロジェクションマッピングで肉体に身体を映ささせるか?

身体にポインターをつけて、動きに合わせてリアルタイムで投影したら?

顔はどうする?アニメキャラに似た白い仮面でも・・・ん?

いや、それじゃ肉体はマリアのままだな・・・

まてよ、俺視点に調整して、見える場所だけ映像化させたら?

それなら、映像の中に居ても?

いや、背面からの投影が遮断されると

空中投影場所のX点に交差する映像数が少なくなる

正面の投影機を増やせば?

それに俺が映像に近づくなら俺が映像を遮断する事もあり得るか・・

なら下から・・・・騎乗位なら?いけるのか?

・・・・・・あれ?

正面に立たないなら、正常位でも、バックでも?いける?

作ってみるか!!

でも新しい投影機と、モーションキャプチャのセンサーは要るな

プログラムを全部見直し・・・

新しく作ったほうが早いか?

ククク、出来上がれば、アニメッ娘と擬似リアルSEXができる


マリアは、自分の身体を

眉間にシワを寄せてヨダレを垂れて凝視するシオンを見つけ


「あ!シオンさん、もう一回っすか?

 それとも、あの男の事っすか?」


「ちょっとは休ませろよ

 で、速見はどうだったんだ?」


「仕方ないっすね

 なんか、仲間の女性っすか?

 ソレが2人拉致されたとか?

 なんかの情報を集めてたみたいっすね

 けっこう人数もいて戦闘準備もしてたっすよ」


「ほう・・・面白うそうだな」


「っすよね!拉致されて、どんな目に合っているか!

 今度は拉致強姦ゴッコでもするっすか!」


ソコには、違う意味で悪い顔をして嬉しそうに笑う

2人の姿があった




***********




千葉県市川市

郊外から少し離れた、とある場所のとある建物

元は何かの会社の事務所だったのか

その室内は広く開け、大きな空間が存在する

急ごしらえで作られたその室内には

多くの人間が暗い顔をしていた



古びた机を数脚合わせ

それを取り囲む様に6人の男達が顔を合わせ難しい顔をしていたが

沈黙の中、初めに口を開いたのは

オールバックのメガネの男

椅子に座り腕を組み、静かに口にした


「まだ、わからないのか!」


「まだだ・・・

 今は辛抱の時だ、情報が無ければ動くに動けないのは分かってるだろ」


「わかってる・・・でも、彼女達は既に拉致されて、すでに数日

 小宮に鷲尾・・・アイツ等、何を考えてんだ!」


先程答えたイケメンの男が再び答える


「わかってんだろ、島さん

 金と復讐の為だ、アイツ等の復讐心に2000万ドルと言う金が加わったんだ

 走り出したアイツ等が止める事は難しいだろう

 今はアイツ等の足取りを追うべく、組織の人間が動いてんだ

 みんな、我慢して待ってくれ・・・・」


「・・・・・・・」


2人が囲む机の周りにの全員が難しい顔をし、口を紡ぐのだった


そして横のスペースでは20人近い人間が静かに待機していた

その中に数人日本人以外も居るが彼等は静かに佇む

ある者は、イヤホンで音楽を聞き

ある者は、目を閉じ軽く睡眠をとる

ある者は、自身の装備を点検、確認をする

またある者はと・・・

それぞれが、それぞれの時間を過ごしていた


静まり返る中

髪の短い日本女性と、金髪で色白なアメリカ人女性の

連絡をとる小さな、コロコロと鈴が鳴るよな綺麗な電話の声と

ノートPCのキーボードを叩く音だけが静かに響いていた


数分の静寂の中

無言に耐え切れなくなった存在は、イケメンの男に声を掛ける


「それで?お前達は、何の情報が欲しいんだ?」


「決まってるだろ!拉致された2人の居場所だ!

 それに、そのあのバカ2人の・・・?

 お・・お前!・・・」


机に集まっていた6人は、その質問してきた人物に驚き

一斉に、いや速見を除いた5人は席を立ち、その存在から距離を空ける


「ひょっとこ・・・めんの・・・男」


「こいつが・・・仮面の・・・男・・・」


「いったい何処から・・・・」



そして、そんな5人の動きは

その場にいた全員に伝わり、一瞬にして全員が戦闘態勢に移るのだった



それを見た、ひょっとこのお面を被った存在は

両手を軽く挙げ、武器を持ってないことを提示すると


「まぁ待て!争いに来たんじゃねえよ

 俺の部下は優秀でな、そこの速見と島崎が困ってると情報が上がって来てな

 まぁ、カラカイついでに遊びに来ただけだ」


「いい所で会ったな

 お前が噂の、ひょっとこ男か!

 仲間達の敵を、ここで返させてもらうぞ!」


「まて!コウ!」


先ほどまで速見達と共に机にいた男が腰の銃を抜き

ひょっとこ男に向けるが

それを止めたのは、オールバックのメガネ、島崎だったが・・


すでに賽は放たれた後であった

それは、広いスペースでたむろしていた2人の男

男達には、すでにひょっとこ男を殺せば1000万ドルという懸賞金の事は知れ渡っていた

先走った男は両手に銃を構え、ひょっとこ男に向けて引き金を引く

そしてもう1人の男は間髪入れず、ナイフを投げた


紫音は仮面の裏でニヤリと笑う

たかが、7.62mm弾で俺を殺そうと言うのか?と

意思加速を使い軌道計算をし、動くことなく待ち受ける


そして2つの弾丸は、ひょっとこの仮面に当たり

紫音の頭はその衝撃で後ろに弾かれたが

粉砕されたのは、銃弾の方であり

仮面には、ヒビは疎か、キズ1つ有りはしない

頭を仰け反った姿勢のまま、紫音は右手を突き出し

飛んできたナイフを、人差し指と中指で挟み

手首を翻すと、投げてきた男に向けて投げ返す


その行動は、その場にいた全員を驚かす

確実に当たったはず、死んだはずの男がナイフを受け取り投げ返した!

そして、そのナイフは、投げた男の遥か頭上を超え

男の後ろの壁に当たり「カラン」と乾いた音を立て床に転がった


・・・・・・・・


・・・・・・・・


「アレ?・・・・・

 あのナイフ、バランス悪いぞ!

 そう、俺の腕が悪いんじゃないぞ!

 あのナイフが悪いんだ!俺のせいじゃねえ!」


首をグリグリと回転させながら

言い訳をする紫音に、男達は緊張していく


そして口を開いたのは島崎


「何で生き・・・」


「ぎゃぁあああああああああああああああああーーーーーーー」


島崎の声は、1人の男の叫びで遮られた

そして聴こえてくるのは、すこしハスキーな女性の声


「こんなのが、ひょっとこの兄貴に当ったら痛いっすよ」


そして女性は、叫びを上げた男は床に四つん這いになった

男の背中から脇腹に刺さっていた、ナイフを抜き

左のケツに挿し直した


「いてええええええええええええーーーーーーー」


そこには、ひょっとこ男にナイフを投げた男が

脇腹とケツを刺され、悶え苦しむ姿と

躊躇なく男をナイフで刺した女性の姿がそこにあった


肩と胸元がざっくり開いた、白色ミニスカートのセクシーワンピース

その上から羽織るように着ているのは、総レースのロング黒のアウター

白銀の長い髪と、完璧なプロポーションに、透き通る程の色白の素肌は

誰もが目を離せなくなるほどの存在感であった

ただ、祭りの夜店で買ってきた様な、撲殺少女いのりちゃんのお面だけは

だれがどう見ても、アンバランスであった


突然の事に驚く人間達など気にもせず

いのりちゃんのお面を付けたマリアは好き勝手に行動する


「とりあえず、これでいいっすね

 後はそっちの男っすね

 あっ!拳銃借りるっすね」


横で棒立ちになった男の腰から拳銃を抜くと

紫音に向けて拳銃を撃った男の太ももに発砲する

叫びと共に床に転がる男

マリアは、黒のハイヒールのピンヒールで男の背中を踏みつけ


「この手が、兄貴をうったんすね

 おしおきっすね」


そしてマリアは、男の右手と左手の掌に風穴を開けるのだった


「お~い、騒がしいぞ俺のじゃまをすんなよ」


「え~~~でも、暇っすよ、ひょっとこの兄貴~~

 さっさと全部殺して、温泉いくっすよ~~」


暇が理由で全員殺されたんでは、かなわないと

一斉に動き出し戦闘態勢に入るが

再び動きを止めたのは、島崎の声だった


「全員動くな!」


「なぜ止める!全ての元凶はコイツラだ!」(それに・・・)


「わかってるが・・・その前に少し話しをさせてくれ」


「そうだそうだ!

 遊びに来ただけなのに、殺そうとするんだもんな

 教育がなって無いな!親の顔が見てみたいわ」


マリアは周りを無視し全員の視線を受けながら紫音に近づいてく


「そうっすよ、身体に2つ3つ穴が開いたくらいで

 ギャーギャー騒いで、躾がなって無いっすよね、奥様」


「でしょ奥様、私なんて、頭撃たれたですのよ

 私も頭に穴が2つほど空く所でしたわ、もう死んだと思ったですわよ」


「そこで、死んどけよ!」


紫音に対して軽く突っ込んだ速見

近くには、次のボケを遮られ、小刻みに震えるマリアがいた


「はぁ~~~~すまないな

 ほっといたら終わりそうに無かったんでな

 色々言いたいことは有るが

 何をしに来たんだ君達は」

 (俺の後を付けてきたのか?)


「まぁコッチノ情報網にお前達がひっかかってな

 面白そうなんで、カラカイに来たんだ

 別にお前達と敵対する理由も無いし

 俺を楽しませてくれるんだった手を貸してもいいしな」

 (悪いな、おもしろそうなんで首突っ込むわ)


速見は紫音の意図を汲み取ったのか

左手を額に当て、大きくため息をつく

島崎は、小さく深呼吸すると


「お面の男、本当にカラカイに来ただけか?

 信用してもいいのか?」


その言葉の意味は、島崎とその部下数人にしか解らない

速見や、コウと呼ばれた男、その他の人間には理解されない話しであった

その言葉に、紫音は、ひょっとこ面の下でニヤリと笑う


「言葉通りの意味だ、好きに判断すればいいさ

 だけどその2人は、か弱い俺を殺そうとしたんだ

 正当防衛だと思って諦めろよ

 まぁ俺を殺したいなら、かってに攻撃してもいいけど

 次からは殺すよん♪

 って事で、後よろしく、いのりちゃん」


「ヘイ兄貴、まかせてくださいっす!

 カモ~~ン、あたいに勝てたら、この体好きにしてもいいっすよ!」


手招きしながら、男達を挑発するマリアだったが

その出来事は早かった、マリアが言い終わるより早く

一人の男が、マリアに向けて銃を撃つ

性欲に負けたか、後ろに控える1000万ドルに目がくらんだか分からないが

弾丸がマリアに届く前にマリアの姿が消えた

銃弾より早く動くマリア、その男の背後に姿を現した時には

銃を撃った男の顔を左手で掴んでいた

残ったのは頭を失った体だった

そして体にしみ込んだ反応かのように一歩二歩と足を進ませると前のめりに倒れた

そして、マリアの左手の中では「ミシミシ」と音を立て頭蓋骨が潰れていくのだった


「遅いっすね、その倍は早くないと勝負にならないっすよ」


一瞬にして、首をもぎ取り、一人の男を殺し

その白い肌と白い服を返り血で赤く染め、楽しそうに話す悪魔の様な姿は

屈強の戦士をも恐怖に陥れるのだった


「あ・・・うん

 キミタチ、死ニタクナカッタラ、オトナシクシテネ」


紫音の言葉に返事はない

動けば殺される、その緊張が部屋を支配していく


「まぁいいや

 話はなんだったかな・・?

 そうそう、人探しだっけか?

 面白そうだから

 その探し人の居場所を探ってやってもいい

 俺の部下に聞けば、たぶん?

 知ってるはずだ!

 あ・・・たぶんだぞ!期待するなよ!」


「信じられるか!

 そうやって罠にハメるきか!

 こいつは、ここで殺したほうが世界の為だ!」


「ヤメろ!」


コウの叫びを止めたのは速見だった

速見は他の人間と違い、まだ椅子に座っていた

そしてそれは速見に声を掛けた紫音の側でもあった

速見は仮面の男が紫音だと知っているし

変態ではあるが、話の通じる人間だと知っていた


「とりあえず、これ以上俺達に手を出さないと誓えるか?」


「あぁ、俺に敵対しない限りはな

 俺は元々平和主義者だ

 ただ、そっちの女にはちょっかい出すなよ

 人間なんて、ハエかゴキブリ程度にしか思ってないからな」


紫音は視線を、コウと言う男に向けると


「それと何かあれば、少なからず因縁のある、この2人の側に付く

 まぁ、この2人しか話し合いに成りそうにないんでな」


そういって紫音は、速見と島崎を指差すのだった

だが速見と島崎は「2人の側に付く」の意味を本当の意味で理解は出来てなかった


コウは、重箱の隅をつつかれた様な嫌そうな顔をして

拳銃を腰のホルダーにしまうが

右手を拳銃に添えたまま


「お前が言う情報とやらを教えろ

 だがおかしな真似をしたら撃つ」


「おかしな真似?

 それなら、お前達がおかしな真似をしたら

 俺は俺の好きなようにさせてもらうぞ!」


「かまわん、お前がアノひょっとこ仮面だろうが

 この人数に囲まれては、袋の鼠だ!」


速見は知ってた、この男の強さを

そして、いきなり現れた仮面の女と、妖精の様な存在を

そう彼等相手に、普通の人間では、100人居ようが太刀打ち出来ないことを

そして、目の前にいる女性の桁違いの強さを目の辺りにし

仲間がバカな真似をしない事を祈るのだった


島崎は思い込んでいた

あの仮面の男の周りには、姿を隠し動く存在が居ることを

20人ちかい人間を気づかれることなく移動させた

未知の集団、それがこの部屋に存在していると

そして、その1人がこの恐ろしい女性であり

そんな人間が、まだ数人いるかも知れないと思うと

どうやっても自分達が勝てる筈がないと


そして2人は勘違いしていた

仮面の男は、姿、行動、思考が普通ではないが

常識の範疇に有る人間だと思っていたことに


そして、攻撃的な性格のコウの考えと違い

ここにいた半分以上の人間が

すでに戦意を失っていた

いや森で紫音と戦った速見の仲間や

倉庫で仮面の男達と対峙した、島崎の部下達は

初めから戦うきなど有りはしなかったのだ


「いったな、ククク・・後悔するなよ

 まぁ、お楽しみは後に取っておくか

 それで、状況を簡単でいいから教えてくれ」


速見と島崎の視線が一人の男に向かう

男は唾を飲み込み、緊張した声で話しだした


「私は【矢吹紡 (やぶきつむぐ)】先日倉庫の2階に居た1人だ」


この男、あの場に居たと言ったが、魔物のオーラに負け

一番最初に気を失った男であった

そして、紫音がそんな男の事など覚えているはずもない

ただ

(へーーそういや、何人か男いたな

 それにあの時の2人の女は、なかなか可愛かったな・・・)と


男の話は続いていく

あの時の女性の1人、名前を【矢吹美織(やぶきみおり)

この男の妹と言う事らしい

そして矢吹美織は、あの時一緒にいた女性【城木洋子 (しらきようこ)】と

一緒に、拉致された


拉致した人間は、倉庫で紫音が倒した【小宮】

蓮が倒したらしい【鷲尾】の2人が手を組んだ組織

その理由は、戦いが終わった後、公園での話で

その2人の女性と【くまさん】のやり取りを、小宮と鷲尾が知った事から始まった

その数日後、リルが回収した2人の衣服が、2人の元へと戻った


仮面の男達に復讐を考えていた、小宮と鷲尾は

もしかしたら、この2人の女は裏で仮面の男達と通じてるのではと?

いや、関係者以外知るはずもないあの倉庫の場所がバレるはずはない

小宮達は、2人の女性が裏切り者だと決めつけたのだろうと矢吹は告げた


事実、小宮達2人は、あの後色々合ったのだと矢吹は言う

そして、仮面の男達に復讐を誓い

あの時無事で帰ってきた人間を裏切り者だと罵り

何を仕出かすか判らない精神状態になっていたと


そして、この月曜日の朝、アメリカの闇組織からある手配書が出回った

それは、黒い仮面の男と、ひょっとこ仮面の男を殺したら

1人に付き1000万ドルという手配書であり

それが、小宮達の動きを加速させたと思われると


矢吹の妹は日曜の夜に連絡が付いたが

月曜の夜に連絡が付かず探していたら

妹の友人である、望月も月曜から行方不明であり

なぜ、2人が拉致されたか分かったのは

同じく月曜に速見が襲われたからだ

速見も、ひょっとこ男と戦って無事帰ってきたことから

小宮達は、速見も裏切り者だと判断され

武装をした6人の集団に襲われたのだ

たまたま用事で待ち合わせをしていた自分(矢吹)が助け

5人には逃げられたが、1人を捕まえ事情を吐かせると

それは、アメリカ人の傭兵であり

その雇い主の名前の中に、小宮と鷲尾の名前があり

すでに、女性2人を拉致したと口にし

すでに元軍人のアメリカ兵が100人は集まってると口にし

お前達が勝てる見込みはない!と笑った所で殴り飛ばし気絶させたとか

合流場所は、その男は知らなかったと

リーダー各の人間が知ってたらしいが逃がしてしまったと


そして、矢吹は組織を動かし人を集め

妹の救出をお願いした

そこには、組織を辞めるため偶然居合わせた島崎が

事情をしり手を貸してくれたのだと

速見も数人ではあるが信用できる仲間を誘い此処に居るのだと


そして今、小宮達の居場所を探るべく

情報を集めていたと、ひょっとこ男に告げたのだった




ほう俺の首がたったの1000万ドル?安いな

それに、俺達を殺す為に傭兵を雇って・・・・ん?

何か最近聞いた事の有るような話しだな?

まぁいい、7:3メガネに聞いてみるか


紫音は頭を傾げながらポケットに手を突っ込み

身元がバレないプリペイド携帯を取り出し

電話を掛けるのだった



 

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