表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
食恋族   作者: たかし
2/11

始まり、

一族とは、共通祖先を持つ血縁集団の事を指す。世界的に有名な家名を挙げるとすれば、ハプスブルケが思い付く。中世から20世紀初頭まで中部ヨーロッパで強大な勢力を誇っていた彼らは、広大な領地を所有し、ヨーロッパを代表とする一族となった。


しかし彼らに対する評判は賛否両論だ。その伯爵を掛けているのは、いわずと知れた。彼ら独自の風習である近親◯姦にある。親が子を子が親へと、、連鎖していくバトンタッチは一族の深い闇に包まれているだろう。(パタン)


近親◯姦ってなんだろう?と思いながら祖母から貰った図鑑を閉じる。僕は部屋の中にいる。朝だ。昨晩、机上で読書をしていたのだか、寝てしまい、、気がつけば朝になっていた。図鑑にはヨダレがびっしりだ。布団の上で寝なかった事に後悔する。昨晩、気にかかった事があり、本棚から七不思議の図鑑を取り出し、机上で読み更けっていた。昨日は思い出すだけでムカムカする出来事があったからだ、、。


そんな記憶のために労力を使うのは精神的にも肉体的にも宜しくない、、。だから、布団の上で寝なかった以上に、夜更けに図鑑を取り出した事にも後悔した。


さてさてと、僕は時計を見てこれからの予定を決めなければならない。朝食まではあと30分ぐらい余裕があるのだから眠りたい。しかし、我が家では、朝食の前にしなきゃならない独自の風習が存在するから、二度寝は不可能なのだ。


朝起きたら、窓から見える牛舎に向かって手を合わせる事。そして牛さん達に感謝し、意を示す事。


父が言うには「牛さん達が捧げた命だけ、僕らの命があるからだ」と、こっちに引っ越してきた初日、僕は言い聞かされていた。


だから僕は窓際から見える牛舎を確認するためにカーテンを開く。「まぶしい」。朝日が僕の視界を少し遮る。だけど次第に視界は慣れてきて、美しい自然の光景が現れ始めた。


大地は草原によって緑なコントラストを描いてる。大地の上にはトラクターや様々な小屋が全体に聳えたっている。それらの間を縫うように歩道がある。僕の視界から1番てまえの歩道の上には牛乳屋さんが自転車を引きながら歩いていて、丁度牛乳屋さんは僕の家の牛舎の横を通っている。

我ながらみすぼらしい牛舎だなと思った。だけど、一週間前は都会にある3階のアパートから景色を眺めていたがこんな自然はなかった。


まるで違う世界がここにはあった。僕は手を合わせ。拝む。


「牛さん達、本当にありがとう。」


すると、風が僅かに吹いた。僕は牛さん達が答えてくれてるような気がしたし、何よりも、窓を開けると風が入ってくることに感動する。


「朝の風ってやっぱ気持ちいいな」と呟いてしまう

程に、、。


追加で目もさえた。

5分ほど手を合わせた僕は、カレンダーをめぐり献立を確認をした。それをみて、僕は跳び跳ねて、

喜ぶ。だって、、!


朝食は、カレーライスなのだから!


しばらく僕はお部屋の身支度をして、時計を見て、丁度父が朝食を作り終えるタイミングである事を確認しし、ヨダレを拭いながら部屋を出て、階段を掛け降りた。部屋から出た瞬間が1日の始まりのような気がする。これからの予定はカレーライスを食べてから考えよう。そう決め、いざ居間へ!


居間では予想通り、ちゃぶ台上にカレーライスを置いてあって、父が僕に向けて手を降っていた。僕の期待度はますます上がり、階段を二段飛ばしで掛け降り、父の向かい側に正座する。ちらりと居間の奥にある祖母の部屋を見ながら少し安堵した「何かあったのか?」と気を使ってくれる父親がいたが、僕は「なんでもないよ」と嗜めた。本当は理由があったのだが、それは昨日起きた出来事と関係してるので、思い出したくない。それではと、僕は手を合わせ言う。「いただきます」すると父が顔を覗き込み「ほんっとに、、子供ってカレーが好きだな」僕は父の顔を覗き込み返す。父はカレーライスを食べながら微笑んでいた。


その言葉から浮かぶ感情はダイレクトも、やはり昨日起きた出来事を想起させる。思い出したくないのに、、。


せっかくカレーが食卓に並んでいるのに揶揄を入れられたようで少し不機嫌にならずにはいられなかった。考えないようにしょう。けれど、記憶の回帰はそれを許さない。


口にカレーライスをほおばりながら、、、昨日起きた体験の記憶が脳裏をかすめていく、、、、。




エピソード2 始まり〜農屋の裏にて〜



「や、やめようか」


僕は可能な限り、大声で少年達をあしらう。しかし、子供達は言う事を聞かないばかりか、その行動が当然かのような返答をする、


「どうして止めるの?お兄ちゃん、余所者なの?」


少年の一人が聞いてきた。それはまるで僕を試すようで気分が悪い。しかし、今は我が身よりこの人の事だ、、、。少年達はサークル上で囲い、一人の女性に蜘蛛やら、蛇を投げつけていたのだ。可愛そうに、、泣いてるような、顔を埋めている。それにしても、先ほど少年達はおっかないのがいる、と言っていた。しかし、今の状況を見れば、その対象はとてもじゃないがおっかなくない、、。故にこの女性の存在が明確にならない。


僕より年上の女性である事はわかるが、どのような経緯でこうなったかも想像ができない。そして、一体どんな事情があって、目上の人にこんな酷い事ができるのか?これが田舎の日常なのかと、疑問符が浮かぶ。

女性は少年達に一方的にやられていて、反抗も抵抗もしていない。しかし、少年達は籠に入れて持ってきた蜘蛛や蛇を取っては投げて、取ってはなげるを繰り返している。


投げつけられているのは蜘蛛だけじゃなく、地面に広がる石ころや泥もだ。特に石ころはとても痛そうで、


バチン、バチンと鈍い音をしならせていた。女性は腕で顔を守り、耐えているようだった。


女性は思わず「うっっ、うっ」と吐息を漏らしている。


僕は何度も彼らを止めていた、しかし,たとえ子供でも5人も集まると制御は難しい。リーダーのA君を捕まえても、隣のB君が蛇を投げ出すし、1番弱そうなC君を止めればA君、B君が石ころを投げ出す。終わりのないジレンマが続く、僕はこんな状況であるにも関わらず、父が以前に言っていた。相太は小さい時、テレビのリモコンを飽きもせず何度もオンオフにしていたな、、という他愛ない日常を思い出した。子供は同じ面白さを何度も繰り返す。飽きもせず、億劫にならず。まるで小悪魔のように同じ事を繰り返す。やられた相手は軽く自分の自尊心を奪われたような気持ちになる。自分という人間の存在価値を蔑まれているような、、、そんなに気持ちになる。すると、


「お前も仲間かーー、!」と声がしたと同時に


頭に軽い痛みが走る。その理由はすぐにわかった。リーダーっぽい犬笛少年が僕にも石これを投げつけたのだ。すると、他の4人が笑いだし、ターゲットを僕に変えてきた。彼らは一斉に僕に石ころを投げつける。


ビシッバシっ音がする。、、痛い。


1つ1つの痛みはそれ程でもない。しかし、何度もぶつけられると蓄積した痛みが耐えられなくなっていく。


僕は思わずかがみ、自分の頭を守る。


ビシッバシ


ビシッバシビシッバシビシッバシ


すると徐々に怒りが込み上げてきて、、。顔を石ころから守りながら、僕は思った。


許せない。


怒りは僕が味わっている苦痛にはではない。人に容易にしていたことに対してだ。目の前の女性はこれ程までの痛みに耐えてたのかと思うと、胸が熱くなった。


事情はわからない。もしかしたら、女性は子供達が絶対に許してはならない諸事情をしてしまったのかもしれない、、。でも仮にもしもそうだとしても、だからと言って、人に物を投げつけたり、嫌がる人に一方的に攻撃をしてはいけないと思った。なので多少倫理に反する事でも、彼らを止めなければならないと思った。


だけど、僕はこの歳になるまで暴力を奮った事が一度だってない。格闘技や学校での喧嘩を目撃したぐらいだ、、。


でも、ここで見過ごす訳にはいかない。僕は立て掛けてあった桑を持って可能な限りの怒声で脅す


「いい加減にしろ!」ちょっと声は震えてたと思う。だけど、以外にも硬直する少年達、、。効果はあるようだ。なので続ける事にした。「これ以上投げるなら、この桑で、」。今度は桑を高く掲げ、降りおろす構えをする。、、これならうまい演出になるはずだ。と、僕は確信した。


だが、リーダー各の少年のは顔色1つ変えない。しかし、顔を青ざめた少年もいたので。、、やりすぎたかな、と思った。いやいやこれくらいしないと止めてくれないだろう。リーダーっぽい犬笛を首に掛けた少年をビビらせなければ終わらない。だから続ける事にした。。そして、僕はじわりじわりと少年達に近付きながら、続けて脅す「僕は本気だ。この桑で、君たちがやってる事以上に痛みを、味あわせる。」


するとようやくリーダーっぽい少年が、解散命令を出す。「帰ろっか」。ピュフーと犬笛を彼は吹き、パチンと指先を鳴らす。すると何かの合図かのように、少年達は「りょうかーい」と一斉に号令し、農屋から去っていく、、。だが、リーダー各の犬笛少年だけは立ち止まり「余所者さん、バイバーイ」と手を振りながら、捨て台詞を吐き去っていく、、。


なんとも嫌な少年達だったと思った。

僕は汗を脱ぐい、、そして後悔する。

「やってしまった。」と阿吽が出る程に。


なぜなら祖母と決めた決まり事を破ってしまったからだ。祖母は言っていた。村民とは仲良くするようにと、。悪い噂はたちまち村中に広がり、、度か過ぎると物を売ってくれなかったり、お家に落書されるらしい、、。もしも、そんな事が起こったら。東京に帰りなさい。と。伝統や世間的を気にするひとだから、そう厳しく言われた。僕は自分で呼んでおいて、、と思ったが、気持ちを殺し、その時は何も言わなかった。故に、、、


「どうしょう、、。」と急に言葉が出てきた。気がつけば蹲っていた。、、


すると、服を叩くパンパンとした音がしている事に気がついた。そうだった。少年にやられてた女性は大丈夫だろうか、、?。


僕は振り返った。女性は自力で立ち上がり、頭についた泥などを落とし始めていた。僕はとりあえず駆け寄り、安否を確認する事にした。。「あの、大丈夫ですか。」僕は尋ねる。しかし、返答はない。女性は


薄い黄色のワンピースを来ていて、素脚も汚れている事に気がつく、何かできないかと、女性にさらに尋ねる。


「タオルを家から持ってきますか?」しかし、やはり女性に返答はなく、次は身体中についた泥を落とし始めた。


僕をまるで空気のように扱ってると、感じた。だから帰る事に。


しかし、、、


運命は僕を帰らしてくれなかった。



「ヴおおおおおお」




凄まじい咆哮が突然僕の耳を散策。


何があった!僕は咆哮の方向を確認する。そこには、、。黒く巨大な毛玉な、、




大熊が走ってくる!


田んぼの方から大きな口を開けて、こっちへ!


気がつくと僕は女性の腕を取っていた。


熊とは逆方向にある茂みへ走り出しながら、、。

ここまで読んで下さった皆様、有り難うございます。今後も村という狭いコミュニティの中で成長していく主人公を描いていけたならいいなと思っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ