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キャプテンキラーと襲来

さて、<W>との抗争は一時的とは言え終わったものの、俺の本業は不本意ながら学生だ。つまり、これからの集団宿泊教室が本命であり、最重要でもあるのだ。

しかし、邪道を吹っ飛ばして戻ってみると全員気絶していた

『ま、まさかまだ<W>を引っ張るの?』と思った3割の人に懇切丁寧に教えてあげたい気分なので教えると

詰まる所、俺のせいである

分かりやすくいってしまえば、邪道を追いかける時の殺気が原因であり、遅れてやってきた清藤がそれを証明しているだろう


「で、真くん言うべき言葉は?」

「人がゴミのようだ」

「謝れ!起こして謝りなさい!!」

「嫌だ。この世の中は弱肉強食。世知辛いね」

「いいからしなさい。常識なし!」

「そりゃどうも」

「誉めてない!」

「………昔から思ってたけど、清藤、お前ツッコミの才能があるよ」

「そんな才能要らないよ!」

「よっ、ツッコミマスター」

「そんな不名誉な二つ名も要らない!」

「剣の道より芸の道」

「芸の道より剣の道ですけど!?」

「やっぱり才能あるよ」

「剣のね!」


さて、いい感じに誤魔化したところで


「寝るわ」

「待ちなさい!」


遅い。1秒で眠る俺に敵はない


●●●


殺気

俺を起こす感情

そのまま目を瞑ったまま


八式・両掌


「グゴガアァァァァ!?」

「写道先生!?」

「今度こそ死ね」


殺気の感触から既に邪道とは分かっていた。分かっていたからこそ、全力で確実にさっきの2倍の火力で穿った

200m以上吹っ飛んでいるだろう


「さて、確実に狩るか」

「やめなさい!これからレクレーション!みんな起きたの!待って!殺気出さないで!」


ようやく起きた全員の不安が分かる

これ以上やると危険か。過剰なストレスは精神崩壊に繋がるからな


「分かった。行こう」

「の前に写道先生を連れてきて?」

「ダレソレ?」


俺は起き上がると前進した。小中学校でも来たことがある。

これから行われるレクレーションと言う名のドッチボールのある体育館の場所は分かる


「いや、待ってよ!写道先生が何したの!?」

「イカれた車でキチガイ運転したクソ野郎なんだよ」

「どういうこと?」

「峠の帝王が憑依したんだよ」

「?………あ、あ~、なるほどそういうことね」


お前そういうネタ分かるんだな

それから俺を引き留めることが不可能だと感じたのか清藤は邪道を迎えに行った


「おい、あんた」

無視

「おい、聞こえてるんやろ?」


肩に手が置かれる力はかなり強い。仕方ない


「何?」


振り返ると、女子が3人佇んでいた

まあ、世間的に美少女と言われる類いだろう

恋愛感情のない俺にはどうでもいいと言っておこう


俺の肩に手を置いている奴はショートカットの女子で、女子の中では身長はかなり高い。スポーツ系の人間だろう。目を吊り上げて明らかに怒っていた


その横で、右手に扇子を広げ口を塞いでいる彼女は茶髪長髪で切り口を揃えている。雰囲気を比べれば、清藤はかぐや姫で、彼女は妖美な一国の姫だろう。きっと扇を外せばニンマリと笑っていただろう


そして姫が左手で捕まえられている暗い茶髪の少女は眼鏡にお下げのインテリ系。全てを効率よくこなしてしまいそうな冷徹美女というべきだろう。身長は猫山より10cm高いくらいで無関係を装うようにスマホを弄っている


そして俺は彼女たちを知っている

清藤と猫山の同類、つまるところ我が高校の1年生にして頂点に君臨するキャプテンキラーである

スポーツ女は空手部の鬼塚京

一国の姫は弓道部の姫木梓

インテリ女は算術部の姫木愛

もう、そこはかとないめんどくささが滲み出ていることはご理解頂けただろうか?


「何じゃないだろ?常識考えろや」

「先ほど常識なしと罵られた俺に常識を考えろとは笑える冗談を」

「あ?何の事か分からないけどな。普通追いかけて先生に謝るのが道理やろう?」

「あ~、分かった。謝りに行くから手を離せ」

「ほう、中々に理解力あるようやな」


彼女が手を離すと、俺はそのまま直進した


「おい!どこ行くんや!逆方向やろ!」

「俺の座右の銘は『人間必ず嘘をつく』だ。だから人間()は嘘をついた」

「このクソ!」


咄嗟に捕まえにかかる鬼塚京。しかし同じ鉄を踏む俺ではない。左によれて避ける

避ける

避ける

避ける

避ける


「なんで見らずに避けられるんや!」

「お前は力強い。認めよう。しかし一撃必殺は当たらなければただの疲労」

「答えになってない!」

「京。やめた方がいいよ」


聞いたことのない声が京を制止する

姫木愛だった


「何よ!あともう少しで捕まえられるやろ!」

「そうは見えない。武力で引き留めるなら無駄なのは歴然」

「私から見てもそんな感じですね。触らぬ新木に祟りなしとまで言われる実力は付けていらっしゃるようですし。京では相手不足のように見えますね」


敬語で話すの姫木梓も制止にかかる


「そんなことない!こんなやつうちが本気になれば………」

「毎度腰を入れて連撃の遅い京じゃあ相性が悪い。しかも恐らくかなりの実力者である写道先生を吹き飛ばすほどの力がある。結論京では勝てない。捕まえるにしても戦うにしても」

「戦うにしても?その気はないんやけど?」

「じゃあその手は何?」


手が最早捕まえる手ではなく拳に変わっていたことは俺も気が付いていたことだ


「あれ?いつの間に?」


お前の手は自動で固めるのか………


「で?捕まえることが出来ないならどうするんや」


「今は彼にお願いすることが正解。レクレーションはあと31時間後。話す時間は余ってる。良い?」

「構わん」

「な!?ウチはアカンのに!?」


だって脳筋と話って、大概一方的な願望を押し付けられるだけなのは目に見えている

それに比べて姫木愛は算術部のキャプテンキラーだ。相当頭が切れることは噂からも、そして『心眼』からも見える


「また嘘をつく気やな!」

「嘘をつくかもな。それでも話すと言ってるんだ策はあるんだろ?」

「でしょうね。話し合い言っても性善説と性悪説で言い争っても無駄だわ」

「性善説?性悪説?なにそれ?」

「これ、バカ?」


ズパンッ

空気が破裂する


「バカじゃ………避けられた!?」


空気が破裂するということは、俺に破裂していない


「確かにバカじゃない。ごめんな。俺の中じゃあ戦力あって戦術ない者を愚か者と言うんだ」

「愚か者。京にピッタリですね」

「梓!?」

「お姉ちゃんに同意」

「愛まで!?」


仲間に裏切られ、しくしくと2人の後ろまでご退場頂いたところで話を進めよう


「で、姫木………」

「愛って言って。お姉ちゃんと紛らわしいから」

「その通りです。私も梓と呼んでください」

「………はぁ、愛はどんな交渉材料を持っている?」

「流石、話が早い。やはり同類」

「買い被りだ。精々似た者同士に止めときな」


愛も俺も互いに頭が切れるのだろう。どこに力を入れているのかが違うだけ。だからここで互いに制限をつけたい


「交渉材料はない。互いに願いを叶える契約」

「構わない」

「では、こちらから。春音に必要以上の接触を持たないこと」


春音とは、清藤の名前である


「分かった。学級、学年、学校単位での交流時以外過度な接触を避けることを承諾する」


そして1間開けて


「俺からは清藤を俺に近づけるな」

「春音が新木に近づくとき私達が近くに入れば止める努力をすることを誓う。互いに契約を破った場合。契約を破棄する」

「それに同意。10分もかからなかったな。俺は先に体育館に行っておく」


話は終わった。即座に離れるのが常識だろう


「ちょっと待った!!なんだその不自然極まりない契約は!?」

「愚か者」

「愚か者ですわね」

「ここまで愚か者とは」

「急に一斉酷すぎるだろ!」


だって、ご退場頂いたのにしゃしゃり出てくるんだ。鬼塚

あえて言うなら、最後のヒーローショーを握手会、グッズ販売も終わって1時間後にまたヒーローが出てくるような不自然さ


「おかしいだろ!なんで春音を皆して遠ざけようとするの!?」

「春音に悪影響を与えるから」

「清藤がウザいから」


そう、互いに分かっていた

清藤春音は(新木真)に近寄ってはいけない


「俺は性悪説で清藤は性善説だ」

「どういう意味よ?」

「俺が言っていいのか?」


愛に確認を取る。

彼女はかまわないと言った


「性悪説は生まれながらにして悪であるという説だ。そして生まれたあとに善行を学ぶ

 性善説は生まれながらにして善であるという説だ。そして生まれたあとに悪行を学ぶ

 これは孫子がどちらにしても善行悪行を行うのに違いはないという意味だ

 じゃあ俺らの話だ

 俺は性悪説故に生まれながらにして悪である。しかし善行を学べず悪行しか学べなかった存在だ

 清藤は性善説故に生まれながらにして善である。しかし悪行を切り捨て善行を学んだ存在だ

 だから俺は悪を極めし悪者で、清藤は善を極めし善者だ

 そこでもし俺が清藤に悪行を教えてしまえば?清藤は今まで信じていた善に裏切られ、心を壊す

 それを愛は懸念している」

「それは2人とも分かっているやん?じゃあ、それは互いに気を付けることも分かってんのやから、別の事を話し合った方がいいんやない?」


……………

………………

…………………

世界が止まった


「奇跡ですわ!奇跡が起きました!京が初めてマトモなこと言いましたわ!」

「京が私を越えたことを言う確立0.000001%。それが今だとは………」

「2人はうちの友達なんか!?」


そして俺は上を見上げる


「どうやら話は体育館のようだ。雨が降ってきた」


この瞬間、敵同士でありながら心が遺伝した


「(鬼塚)京のせいだ」

「なんで、うちは初登場にしてここまで言われなきゃならんのや!?」


●●●


所変わってようやく体育館


「で?どうすんの?」


残り30分

開始前に集まるからあと約20分というところか


「そうですね。では1つ質問に答えてもらいましょう。嘘偽りのない答えで」

「やだ」

「何故か聞いても?」


だって、俺の殺気の理由とか聞いてくるのが読めてしまったからだ

基本的にこの能力について公言する気はない。むしろしない方がいいのは常人ならば分かることだ


「しかし、困りました」

『心で聞きますか?』

「おい、どういう事か説明してもらおうか?」

「それが条件でよろしければお答えしましょう」


俺は黙った。俺の条件は既に決まっている。そして理由も分かった。聞いたのは思い浮かべさせるため。そうすれば心で読める

梓と京が騒ぎ始める


「新木、どういう事だ?」

「梓何が分かったんや?」


しかしその声を無視………いや、答えるように言う


「あなたは『心眼』使いですね」

「堂々とバラしてくれたな」


少し殺気が漏れた


「『心眼』使いやて?どういう意味や」

「この人は常に心を読めるということです。コールドリーディングなら知っているでしょう?」

「相手の仕草で心を読む能力やったかな」


少し異議を入れる


「そんな面白能力と勘違いされたくないな。俺の場合相手の感情、心の声、そして次の行動まで読める。所詮相手の嘘や選択肢の確認程度にしか使えないそれとは一緒にしてほしくない」

「なるほどな。ようは最上位変換とでも言える能力ちゅうわけや」


そして一幕空けて


「で、それをバラして何が聞きたい?」


もう、そこまで知っている。いや、導きだした彼女なら分かっているのだ。何を知るべきなのか


「その前に『心眼』なんていう嘘やめろ」

「「少し待てや(待ってください)」」


鬼塚京は雰囲気を破壊した現行犯で姫木姉妹に連行された


●説明中●


「なるほど。うちの攻撃を見らずに避けられたことを考えると、次の行動を予測できる『心眼』はあるということか!」

「その説明に10分もかかる時点で永遠の愚か者だよ」


いや、こいつに10分の説明で済ませた2人が賢者なのか


「では、もう一度聞こう。条件を使って何を知りたい」


その言葉で再びシリアスに戻り、そして愛は無慈悲に冷徹に非常識にほぼ唐突に


「あなた方の正体を事細かく詳細に教えてください。それが私の条件です」


とびきりデカイ爆弾を投下した


しかしそれを俺は悠々と聞き返す


「出生から今に至るまで話すと時間がかかるぞ。まずそちらで掴んでいる情報を開示してくれないか?」

「出生から高校入学前までの情報は入りません

私が独自に結論した情報は

大きな敵と争っている

写道先生とあなたは協力関係にある

写道先生が危険なチェイサーであること

あなたが『心眼』使いであることでしょうか」


嘘だ。本当はもっと分かっている。集団気絶の原因や八式の秘密。しかし全ては話さない。だが、俺は全ては話ささなければならない。互いに今は腹芸師。騙し合い嘘つき合いは当然なのだ


「俺は写道と旧知の仲だ。俺らはとある敵を追っている。いや、追われているの方が正しいだろう。名前は不明だ。今日の朝から写道の運転で命懸けのカーチェイスしてきた

悪いがこれから写道のこと邪道と呼ぶぞ。そっちが実際に呼んでる呼び名だから今さら直すと気持ち悪い」


愛は微かに縦に動かす


「俺は心を読める『心眼』を持っているのは説明不要だろう

俺はその力を活用して自分の感情の上下が得意になった。殺意を抱けば殺気を出せるということだ。

皆がよく気絶するのは俺のせいだと言っていい。しかし、弁明しておくと、ほぼ確実に邪道の殺気も混ざっていることが多々ある

他に聞きたいことは?」

「心を読む条件は何?」

「相手に五感の1つでも向けていること。相手を見てること。そのどれかの条件があれば最低限読める」

「最低限ですか………まあいいです。もう時間もそんなにありませんし、そちらの条件を教えてください」




もう残り2分でドッチボールの集合時間だ。愚か者せいで時間がつぶれたが、差ほど気にすることじゃない


「ドッチボールをしろ」


その一言で済むのだから


「それは私たちと勝負をするということで構いませんか?」


3人の目が光る


「そりゃえらい変な要求出して来おったな。勝てると思うとんのや?」

「さあな。普通に戦れば負けるだろうな。何せキャプテンキラー5人に勝負を挑むんだ。それが普通だ」

「それでは止めといたほうがですよ。負け戦なんてやっても面白くありませんわよ?」

「俺としては敵対勢力予備軍を早めに潰しておきたいからな。やらなきゃならねぇ

それに負けると決まったわけじゃない」

「あなた方普通に戦うはずもありませんからね」

「ルールを説明する」

「都合が悪いと無視ですか。都合がいいですね」

「キャプテンキラー側、清藤春音、鬼塚京、姫木梓、姫木愛、猫山綾

こっちは、俺、邪道

………構わんよな」


全員の顔を見る

戦前と燃えている者

状況を面白がっている者

全ての情報を考える者

もう戦い始まっている

ありふれた言葉だが、今この瞬間はそれが似合う


作)orzごめんなさい。今回のクオリティーの低さにごめんなさい!

真)それは首を差し出していると判断してよいのだろう?

作)待って!1晩掛けて手直しした結果がこれなの!許して下さい!

真)だが、断る

作)いやぁ~!!

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