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夏生詩集2

優しい顔をして

作者: 夏生

冬だけれど

日差しはたっぷり

暖かそうな外


何もかも優しく見えて

さあ、外へ出ようと

ドアを開けた途端


凍てついた風に

驚いて

ドアを閉めた


あの日差しにぬくもりは

ないのか

この風はどこから吹いているのか


冬だけれど

春のような穏やかな顔をして

優しく包んでくれるような

雰囲気の外なのに



騙された気分

優しく美しく

見えるものほど


凍てついたものを

孕んでいるのじゃないか


かじかんだ手に息吹きかけながら

思った


寂しく弱っているとき

温もり、優しさを差し出されたら

手を出さずにはいられない


触れた途端の

冷たさに驚いたところで

もう、遅い

優しい顔をした魔物の腹の中に

いる


油断大敵


コートを羽織り、手袋をはめて

もう一度ドアを開けた


自分を守れるのは自分だけだ



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