§ 超能力
○超能力についての概要
霊的存在の力を借りず、自身の存在を一つの世界であり摂理であると見做して親世界の摂理との間に強制的にパスを繋ぎ、親世界の摂理にアクセスして摂理を外れた現象を発現させる、FOにおける異能力の代名詞の一つ。自身の内にあるイメージを自分という摂理を通して具現化し、実際の世界に干渉する。世界の在り方そのものを歪ませる傲慢の象徴と言える能力であり、霊的存在との相性は致命的に悪いため、超人種系は魔法等が一切扱えない。
○超能力システムについての概要
超人種系種族の戦闘システムの中核を担う戦術的要素。使用感としてはスキルに近く、能力名を口頭で発声することでその効果を使用する形になっている。スキルや魔法に比べて一つの現象のみで完結する能力が多く、その現象をどのように活用するかは使用者によって大きく差が出る。スキルや魔法とは異なり、複数の超能力の併用による現象の合成・相互干渉が可能で、その単純故の汎用性の高さが魔法やスキルに勝るアドバンテージとなる。
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●“加速慟力”
3秒間、挙動速度を3倍に上方修正する戦闘用超能力。デメリットがないため、超人種系種族の近接戦闘で多用される。
●“冷却慟力”
掌から相対位置で20センチ離れた位置を基点に低温の空間領域を発生させ、腕の動きでそれを自在に操作する戦闘用超能力。汎用性が高く、超人種系種族の近接戦闘で多用される。
●“透視慟力”
通常の視覚に頼らず、周囲の環境を把握する情報収集用超能力。視界内の物体が透明化して見える一般的な能力ではなく、暗闇や煙などの視界不良や一時的な視力喪失等の影響を無視して視界を明瞭にする能力であるため、感覚阻害に対抗する手段として利用される。
●“思念慟力”
周囲の物体を対象に、思考操作によって直接移動させる汎用超能力。動かせる物体に制限はないものの、体積・質量によっては操作性が非常に悪くなるため実質的にある程度扱いやすい物体は限られる。結果的に似た効果を持つ種族固有の特殊能力“超能の手”と異なり直接攻撃に使用することはできないが、複数同時に操作することができ、巨大な物体でも影響下に置くことができる点でも優れている。
●“探知慟力”
手の甲に埋め込まれた宝石を基点にソナーのように周囲を探り、一定範囲内のプレイヤー及びモンスターのいる方向を最大10本の光線が近い順に指し示す情報収集用超能力。指し示す優先度はプレイヤー>モンスターでモンスターのみの場合は大きいものほど優先的に表示する。
●“転送慟力”
特定の条件の何れかを満たしている物体またはモンスターを現在時間から消滅させ、10分~1時間以内のランダムな範囲の時間に元の場所に出現させる汎用超能力。対象に指定できる条件は、物体の場合は『耐久値が上限値と等しい物体』『フィールドオブジェクト』『自分以外のプレイヤーが接触していない物体』の何れか、モンスターの場合は『体力が上限値と等しいモンスター』『自分にのみダメージを与えたモンスター』『自分を含むPTメンバーの体力を全損させたモンスター』の何れかの条件を満たしていれば一時的にその物体・モンスターを対象にすることができる。また、基本的に対象となった物体は元の場所に戻されるが、自分を含むプレイヤーの所有物を消滅させた場合のみ、元の場所に出現させる代わりにその所有者のストレージ内に収納される。
●“転移慟力”
予め位置座標の保存フラッグを設置してある地点であれば何処にでも瞬間移動できる空間移動用超能力。指定できる範囲は同じフィールド内だけだが、プレイヤーがフィールド外へ出た後もフラッグは残るため同じフィールド内に入った時点から転移が可能になる。フラッグは基本的に不可覚だが、同じ超人種系であれば視認、撤去することが可能。
●“発火慟力”
掌から相対位置で20センチ離れた位置を基点に炎を発生させ、腕の動きでそれを自在に操作する戦闘用超能力。汎用性が高く、超人種系種族の近接戦闘で多用される。
●“分身慟力”
自分の素体を複製した実体を持つ分身を生成し、思考操作によってその分身を操作する汎用超能力。戦闘中にも使用することはできるが、基本的に素体の動作と思考操作を両立することは非常に困難であるため実質的には索敵や陽動等の目的で運用することが多い。他の似たような効果を持つスキルと異なり、自律駆動効果を持たない上に分身の感覚を自分の素体と共有しているため操作の癖が強く、運用自体が非常に難しい。
●“予知慟力”
所在フィールド内の自分の現在地から周囲半径100m圏内で1時間以内に出現するモンスター及び発生するフィールドイベントの出現・発生の時間と位置を予知する情報収集用超能力。ボスモンスターの出現位置等も把握できるため攻略や素材収集のための周回には重宝されるが、一度に相当量の魔力を消費するため連続使用には向いておらず、範囲も索敵系能力の割には狭いことから使い勝手はやや悪い。
●“過去知慟力”
所在フィールド内の自分の現在地から周囲半径100m圏内で1時間以内に出現したモンスターの移動記録及び発生したフィールドイベントの発生時間・位置を確認する情報収集用超能力。モンスターの移動ルートと時間が可視化されるため、基本的には見失ったボスモンスター等の追跡で重宝される。上記の“予知慟力”の逆とも言える超能力だが、魔力の消費量は圧倒的に少なく扱いやすい。
●“反射慟力”
掌を基点にして、相対位置で掌から前方1メートル地点に半球状の障壁を作り出し、その障壁に物理的に接触したものを弾き返す防御用超能力。
●“洗脳慟力”
モンスターを洗脳し、遠隔操作する汎用超能力。操ったモンスターの視覚・聴覚・嗅覚等の感覚情報を離れた場所からでも体感することが可能だが、プレイヤーの本体が無防備になるリスクがある。操作は逆凹の字型の仮想実体コントローラと長方形モニターで行い、操作中の視点は第一者仕様と第三者仕様で切り替えられる。尚、痛覚は受信しない。
●“偏光慟力”
自分の周囲半径1m圏内の光を捻じ曲げ、その範囲内の実体に対する視認性を低下させる汎用超能力。あまり細かい調整が効かず、モンスターからの発見を妨害・遅延させる程度の運用しか行えない。
●“浮遊慟力”
精霊系種族のような魔力翼感覚による飛行を可能にする飛行用超能力。性能はほぼ魔力翼と同等のため生体翼の種族より空中機動戦闘の面で劣るが、魔力翼に比べて魔力燃費はややいい。