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#9

 翌日。


 文風は自ら寝袋を持ち込んでいたらしく、リビングに寝袋を広げて寝た。


 そして朝、俺は文風の作った和食を食べ、恵鞠と共に特装隊基地へと向かった。

 そして、着いたのは地下15階、地下訓練所だ。


「恵鞠、今日からお前には徹底的に近接術を叩き込む」


「先輩……ついに弟子を取る気に!」


「違う! 昨日のお前が危なっかしくて心配になっただけだ」


 とにかく、今は彼女に動きを叩き込む。


 最近の俺の戦闘スタイルは強化魔法ありきだが、元々は結構体術を使っていた。

 今のところ、それを使わなくちゃいけない程に強い存在とは会合していない。


 彼女には、体力作りと筋トレ、そして実践で技を何度も教える。


 基礎からゆっくり、順番に。


「先輩! こうですか!」


「あぁいいぞ! その調子であと10回!」


「い〜ち! に〜い!」


 スクワットをやらせていると、エレベーターから3人の男がやってきた。

 昨日、俺に一撃も加えられなかったパイロット三人衆だ。


「おいおい! 雑魚パイロットが筋トレなんかしてるぜ!」


「今更何に使うってんだ!」


「まさに見ていて滑稽だ!」


 男達は口々に恵鞠を罵り始める。


「恵鞠、実力を見せてやれ」


「はい! 先輩!」


 そう言うと、彼女は3人の前に立ち塞がり、手をクイクイっとして、挑発する。


「お前、雑魚のくせにやるつもりか?」


「うん、もちろん」


 昨日、俺に殴りかかってきた標準体型の男が手に力を込め始める。


「調子に乗るんじゃねぇ!」


 男は力に身を任せ、殴りかかる!


 しかし、恵鞠はそれを軽く避け、彼の服を掴むと、そのまま地面に投げ飛ばした!


「てめぇ、仲間の仇!」


 2人目、小柄な男が彼女に飛び掛かる!


 それを屈んで避け、男が真上に来たタイミングでその腹に強烈なアッパーを放った!


 男は口から唾を吐き、慣性のまま飛んで、頭から地面を擦った。


「ふざけんな!」


 最後に身長180越えの大柄な男がその巨体で襲いかかるが、彼女は真正面からぶつかり合い、その力で彼を押し倒した!


 3人とも、無様にもその場に倒れ込む。


「ふっふ〜ん! 恵鞠に勝とうだなんて100年早いんよ〜だ!」


 逸材だ……






 ランチタイム、社員食堂にて文風と再開し、3人で食事を摂ることにした。


「好きなものを頼んでいいよ。このカードがあれば無料だし」


 そう言って、文風は俺らに一枚のカードを手渡した。

 書いてある文字を読んでみると、どうやら食堂の無料利用券のようで、これ1枚でずっと無料になるらしい。


「やった〜! 恵鞠は牛丼!」


「じゃ、俺はカレー取りに行ってくる」


 そうして、各々席を離れる。


 カウンターでカレーを貰うと、スパイスの香りが鼻腔を刺激する。

 非常に懐かしい香り、異世界にはなかったものだ。


 紙コップに水を注ぎ、お盆に乗せ、席へと戻ってきた。


「……恵鞠、何それ?」


「初めての社員食堂で興奮して、トッピング全部載せちゃいました!」


 そう言う彼女のお盆に乗っているのは、特盛チーズキムチねぎ牛丼、つゆネギだく、温泉卵と豚汁(大)、サラダ付きだった。


「とんでもないキメラ作ったな」


「ありがとうございます!」


「いや、褒めてない」


 それからすぐに、文風が帰ってきた。


「恵鞠ちゃん、どうしたのそれ?」


「あ! 文ちゃん先輩! いいでしょ! このお昼ご飯!」


「あはは、うん、そうだね」


 そう言って彼女は机にお盆を乗せて、座る。


 彼女が持ってきたのは、16種の惣菜と鰻の和風御膳だった。


 ……いやどこで売ってたのそれ?






 それからというもの、そういう日々の繰り返しだった。

 訓練して、ご飯を食べて、帰る。

 怪獣が出てきたらすぐ倒す。

 そして、基地に戻る。


 そんな流れが、5日も続いた。


「先輩! 今、恵鞠は先輩の何%くらいの実力ですか!」


「5パー」


「もっと修行しがいがありますね!」


 彼女は健気に、ずっと鍛えている。


「あ、怜太郎君と恵鞠ちゃん」


 エレベーターから文風が降りてきた。


「あのさ、今度みんなでお買い物にでも行かないかな? 恵鞠ちゃん服一着しか持ってないせいで度々家の中で下着になっちゃってるし……怜太郎君も同じ感じだしさ。一つ屋根の下に暮らす男女としてはあまりに意識が低いんじゃないかなって」


「別に、恥では無いしいいんじゃね?」


「恵鞠も別に恥はないです。子供用の下着は別にサービスシーンにもなににもなり得ないです」


「いや、わたしが目のやり場に困るの!」


 そんな訳で、俺らはショッピングモールへと向かうこととなった。


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