#23
作戦通り、私は街のショッピングモールで爆発を放ち続けていた。
建物は殆ど倒壊し、人はもう殆どいなくなっていたが、別に構わない。なんせ、1番の目的は殺戮ではなくこうやって暴れる事自体だ。
人は後からでも殺せる。
現状で1番効果的なものは、相手が次に打つ手をどうコントロールするかだ。
現状、特装隊側の主な戦力はひとつ限りのロボと三津怜太郎だけだ。
それに対して、私たちが相手の戦力以上の人数で暴れれば、相手はかなり危機的な状況となる。
今回の騒動が終わってから、そこからが勝負だ。
もし、私の想定通りに動いてくれれば……
『恵鞠! とうちゃ〜く!』
巨大ロボが私の目の前に現れた。
……それもそのはずだ。今、三津はボワロウと戦っている。
そして、1番目立って暴れているのはこの私。
つまり、まず鎮圧しに来るのは私だろう。
「まぁいい。今、そのロボを破壊すればより戦力を削げる」
右に力を貯めると、光が一点に集まり始める。
それをロボに向け放つと、着弾点にて超強力な爆発が発生した。
機体の脚部が爆発に巻き込まれ、その右足の装甲は剥がれ、内部機構が剥き出しとなる。
「やっぱり、ヘナチョコ金属か」
ロボットはこちら側を向いて倒れそうになる。
手から再び爆破を放ち、ロボのそのカラダに風穴を空けようとする。
しかし、次の瞬間! コックピットからパイロットらしき少女が飛び出してきた!
彼女は私に抱きつき、離れない。
「へっへ〜ん! こうやったら爆発できませ〜ん!」
彼女はコアラのように力強くしがみ付き、離れそうにない。
そこにロボの巨大が倒れてくる!
「マズい!」
「な〜に〜が〜マズいのかな〜?」
コイツ、さては道連れ!?
なんでヤツ……化け物か!?
……あの巨大に潰されるくらいなら、一か八かゼロ距離で爆破を受けた方がマシだ!
「”蒼爆”!」
青い爆破が私と彼女の間、胸部から放たれ、火薬数トンに匹敵する威力の爆発を巻き起こした!
しかも、威力を集約させているため、その火力は核と同程度だ!
私も彼女も吹き飛び、ロボもそのボディが粉砕され、周囲数十メートルの建物も破壊された!
「っ……火力をミスった」
私の体の一部は欠損し、最早顔だけが綺麗なゾンビの肉体のようだった。
そんなボロボロな肉体を無理やり起こし、立ち上がる。
「流石にヤツは死んだか……」
私はゆっくりと、その場を離れた。
「怜太郎さん、起きて」
目が覚めると、そこはいつもの家だった。
「……言須か……あれ……俺はどうしてここに……?」
右手を見ると、包帯でぐるぐる巻きとなっている。
そうか、寝ている間に看病してくれたのか。
「怜太郎さんは文風さんが運んでくれました。恵鞠ちゃんは自らの足で帰ってきました」
「そうか……みんな無事だったんだな」
「いえ、あなたは無事じゃないです」
彼女が包帯を解き始めると、ミイラのようになった右腕が露わとなった。
「うわ……これが俺の腕かよ……」
「無茶のしすぎです。一応、恵鞠ちゃんの回復力を持った血を使えば治せますが、あの子も今瀕死状態なので、しばらくは無理だと思います」
「……恵鞠は、そんなにマズい状況なのか?」
彼女は気まずそうに答える。
「……はい。恵鞠ちゃんは全身の20%が残っていれば再生できるんですけど、どうやら先ほどの戦いで79%の肉体が焼失していたらしくて、帰るために必要最低限の部分だけ修復してて、今は少しの脳と足だけの状態です。完全修復にはあと16時間ほどはかかると思います」
「そうか……大分、無茶させちゃったな」
「恵鞠ちゃんは、役に立てて本望だと思います。それに、戦況が一変した今日なら仕方がないと思います」
「……」
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