#19
特装隊本部への距離はかなり近い。
なんと、歩いて10分で着いてしまうのだ。
今から走って向かえばまぁ間に合うだろう。
しかし、現実はそうも行かないようだ。
突然、『ドゴォン!』と、空から何かが目の前に降ってきた!
「な、なんだ!?」
落下の衝撃で地面から砂煙が舞い上がる。
2秒後、煙は消えて、その姿が露わとなった。
赤く短いモヒカンのような髪で、ボディビルダーのように鍛えられた肉体を持った男だ。
「俺はホ゛ワロウ! 怜太郎! お前に勝負をしかけにきた!」
彼は濁点の目立つような荒れた声で話す。
荒れたような声とは言っても、怒っているような感じではなく、喉の状態が悪いだけのようで、むしろ声色は楽しそうだ。なんで?
「あー、エンネイティアか?」
「そうた゛!」
うわー今かー。
いや、遅刻の理由にできるしいいか。
「……恵鞠と文風は先に本部行って連絡しといて。こういう時って、よくわからないけど報連相が大事なんだろ?」
「わかりました!」
「それじゃあ先行ってるね」
2人はボワロウとかいう男の横を通り過ぎ、特装隊本部へと走って行った。
「さて、なんやかんやでエンネイティアって4人しかいないんだろ? なら、お前が最後だな」
「それはと゛うかな?」
「へ?」
男は言う。
「俺たちは、あるお方の帰還を待っている。あと1週間もしない間に帰ってくるはす゛た゛」
あるお方……あとひとりいるんかな……?
「さあ、勝負た゛! 三津怜太郎!」
男の筋肉が金属のように赤熱化し、さらに巨大化して、気づけば元の1.5倍、身長3m弱となっていた!
「で、でかー……!」
「そう余裕て゛いられるのも今のうちにた゛そ゛」
男は俺に向かって素早く拳を振り下ろした!
咄嗟に避けたが、その拳は地面に深くめり込み、その場で大爆発を巻き起こした!
「はぁ!?」
「俺の筋肉はマク゛マた゛!」
男は次々と地面に向かって、拳を振り続ける!
無数のマグマの液弾が、俺に向かって降り注ぐ!
「危なっ!?」
クイッカブルで加速し、全ての弾を避け続ける!
そして、避けながら近くの民家の屋根に登り、そこから飛び上がり、男に向かって強力なキックを放った!
時速200kmを超えるキックは男の顔面に命中!
しかし、ドラゴンですら一撃でノックアウトするような一撃を受けてもなおピンピンとしている!
「何!?」
「おかえした゛!」
男の手から0距離のマグマが放出される!
咄嗟に離れた! が、右肩を僅かに掠った!
一瞬にして、右肩の一部が焦げてしまった……が、ギリ軽傷。まだ戦える!
「クイッカブル!」
体の加速をさらに上げ、時速300kmのパンチを放つ!
「今、何かしたか?」
しかし! それを喰らってなお男はピンピンとしている!
「クッ、一筋縄ではいかないってワケか」
突然、2日前の夢の中での言葉が頭に鮮明に蘇った。
『今の貴方じゃ、この先の戦いについていけない』
クッソ! なんで大して思い入れのない奴の言葉が!
「” 大 噴 槍 “!!!」
男が地面に力強く拳を叩き込むと、地中から何十本ものマグマの槍が飛び出し、襲いかかる!
速いッ!
クイッカブルを最大限にかけ、攻撃を避けようとするが、4,5本の槍が掠り、傷口から血が溢れ出すが、それすらも一瞬にして蒸発してしまい、槍の余熱で溶けたグヂュグヂュの皮膚がすぐに傷口を覆った。
「戦いは、いっぱい楽しまなくちゃな!」
ざけんな! 傷口塞いでも長期戦にはなんねぇよ!
……しかし、マズイ。 ここに来て初めてそれなりの実力を持った敵が出てきやがった。
何か、超火力の新技を編み出すしかない!
「しかし、期待外れた゛ったな。せっかく下準備をしたってのに、これし゛ゃワンサイト゛ケ゛ームた゛な」
男が指をパチンと鳴らす。
次の瞬間、3箇所の離れた場所で大爆発が起きた!
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