#18
とある和室。
毎度恒例いつもの如くエンネイティア(全4名)が羨ましいほど豪華な和食を食べていた。
「いよいよ、明日た゛な」
屈強な男ことボワロウが箸で器用に湯豆腐をつまみながら言った。
「いよいよだね」
そう言ってクソメガネミヅカキが眼鏡をクイっとしながら湯豆腐を食べる。
あんなに曇った眼鏡で何が見えようものか。
「今度こそ、あのロボには復讐してやる!」
そう言っているのは中学生の平均身長以下の25歳、エネリアだ。
「そうだな。私も怜太郎とかいう奴をぶちのめしたい」
「まて、その怜太郎ってのは俺か゛やる」
突然、言葉を挿してきたのは脳筋クソバカのボワロウだ。
「アイツとかまた゛一度も戦っていない。た゛からこそ俺か゛やる」
「ふーん……好きにすれば」
確かに、私よりもクソバカの方が強い為、言い返せない。
実際、今の私たちにとっての1番の敵は巨大ロボではなく怜太郎だ。
ボワロウが怜太郎と戦り合い、エネリアがロボと戦う。その間に私とミヅカキが暴れ、敵の戦力を削ぐ予定だ。
戦力を削ぐとは言っても、怜太郎とロボの二台巨頭がなくなれば、バッターのいない野球チームみたいなものだが。
「明日、全ての戦況が変わる。絶対に勝つぞ」
朝!
眠い!
「怜太郎君……昨日は何時まで修行してたの?」
文風が朝食のご飯茶碗を片手に持ちながら聞いてきた。
「……今日の7時」
「人はそれを徹夜って言うんだよ?」
体調は……万全とは程遠いだろう。
「なんか、もう慣れてきて朝でも言須がどこにいるのかわかるな」
そう言って振り返る。
「あの……私はこっちです」
前方にいたみたいだわ。
「ま、まぁ、朝でも見たり聞こえたりするようになったから」
「というか、言須ちゃんって何者なの? 幽霊にしては存在がはっきりしすぎじゃない?」
文風は軽く問いかけた。
「それは……まだ言えm」
「恵鞠と言須ちゃんが元エンネイティアだからですよ!」
……は?
え? は? え?
「はァァァァァァァァ!!??!?!??」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ??!!?!?!!」
急すぎるカミングアウトだった。
というか本当に急すぎる! しかも超重要だ! ほら! 勝手に言ったせいで言須がめっちゃ嫌そうな顔してる!
「あれ? 恵鞠、何かマズいこと言っちゃいました?」
「マズいも何も……尋問からの処刑がレール作業レベルで迅速に進められるレベルの事だよ」
「えへへ〜それほどでも〜」
「いや、褒めてないよ!?」
ヤバい、話の流れが不意打ちすぎる。
ちょっと、ちょっと落ち着かせてくれ?
……よし、落ち着いた。
「……まぁ、アレか。これで以前に恵鞠が異常な自然治癒をしたのも辻褄が合うか」
「怜太郎君……意外と冷静なんだね」
「俺はいつだって冷静だ」
恵鞠がエンネイティア……まぁそうか。
うん、そうだよな。うん、うん。
「恵鞠ちゃん……そういう事はもっと慎重に言わないと……!」
「えへへ〜ごめんごめん」
彼女はヘラヘラしながら恥ずかしそうに自らの頭を掻く。
「……でも、どういう経緯で恵鞠は他のエンネイティアと敵対してるんだ?」
「方向性の違いです!」
そんなバンドの解散理由みたいな……
「エンネイティア自体はとある紛争国の研究機関で起きた事故に巻き込まれた人の事で、恵鞠と言須ちゃん含めて6人ですね」
紛争国の研究機関で起きた事故に巻き込まれてぇ!?
「怜太郎君……」
文風が困惑の表情で俺の方を見てくる。
「いや、俺が尋問でそう答えた時はでたらめだから! まさか本当にそういう事例があったとは思わないじゃん! てか、じゃあなんで言須は地縛霊になってるのさ!」
言須が仕方なさそうに答える。
「それに関しては……なんか私だけ霊体でした。地縛霊っていうのは、実はキャラ付けです」
普通に幽霊なんだ……
というか地縛霊じゃないんだ……
「それより先輩と文ちゃん先輩、もう少しで出勤の時間ですよ!」
壁掛け時計を確認する。
「え!? あ、マジじゃん!」
「嘘! 本当だ!」
急いで朝食をかき込み、外に出る準備をする。
「とりあえず、エンネイティアの件は後で聞くから! 今は本部に行くぞ!」
「はい! 先輩!」
もしよろしければ作品のフォローとレビューの星をお願いします




