第7話:設定6の真実と、大逆転のフラグ
ミラが黙ってうつむいていた。
さっきまで自信満々だった“自称設定6ヒロイン”が、今はただの…自称だった。
俺「……ミラ。お前、本当は設定いくつなんだ?」
ミラ「わかんない…私はずっと“設定6”って教えられて育った。だけど、それって…ただの【設定詐称】だったのかもしれない…」
ピカリ「まぁ、異世界にも“ガセイベ”ってあるからね~!」
ミラ「やめて! それ一番傷つくやつ!」
【ミラの過去】
ミラは貴族の家に生まれた。
家は「設定6の血筋」と言われ、代々ヒキの強さを誇る家系だったらしい。
父「お前は選ばれし存在、“生粋の高設定”なんだからな!」
だがある日、家が「据え置き詐欺」に巻き込まれ、すべてを失う。
彼女はそれ以来、「自分が設定6だ」と信じ込むことで、メンタルを保ってきたのだ。
ミラ「私は…もう、自分が設定6かどうかすら、わからないのよ…」
そんなミラに、バクレンが一歩近づく。
「だがなミラ、ヒキってのは【育てるもん】だ。最初から設定6なんて、面白くないだろう?」
ミラ「え…?」
バクレン「本物の設定6ってのは、“0からでもやれる人間”が、最終的にたどり着く場所なんだ」
俺「それ…めっちゃスロッターっぽいセリフだけど、たぶん真理だわ」
ピカリ「いいこと言う~! 確率とは、裏切られてもなお信じる者に微笑む~♪」
【リールの塔】
そこへ現れたのは、リセット協会の幹部「ゼンテイ・ヘンコウ」。
ゼンテイ「貴様ら、まさか“本物の設定6”を目指しているのか? バカな夢だ…すべての台は“誤爆”でしかない…!」
レン「うるせぇ! 人の希望を“誤爆”って言うなよ!!」
ゼンテイ「お前に何ができる? お前は…“無設定”だろう?」
俺は──ここで、ようやく気づいた。
ポケットにある“据え置きのメダル”。
バクレン「使え、レン。お前の“ヒキ”を証明するんだ!」
俺「わかった…じゃあ行くぞッ!」
【スキル発動:ペカリスト・ラッシュ】
→ レンの確率が、一時的に“設定6.5”まで上昇!
「チカチカチカ…ペカッ!!」
俺「うおおおお!! 連チャンが止まらねぇ!!」
ゼンテイ「こ、このヒキは…まさか、“神のゾーン”ッ!?」
ミラ「レン…あんた本当に、設定関係なく引ける人だったのね…」
【ミラの覚醒】
そのヒキを目の当たりにしたミラの中で、何かがはじける。
「私も…自分の力で“設定”を掴む…!」
──ミラ、覚醒。
【新スキル取得:自己設定チェンジ】
→ 状況に応じて、ミラの設定を任意に変更可能(ただし“過信”は禁物)
ミラ「これが…私の本当のスキル! “自称”から、“実力”へ!!」
【戦いの果てに】
ゼンテイ「くっ…まさか、ここまでの流れが出来レースだったとは…!」
俺「いや出来レじゃねーよ! リールは毎回本気なんだよ!!」
ゼンテイは敗走し、塔に静けさが戻る。
バクレン「お前ら…ようやく“設定”の本質に触れたな。だが道のりはまだまだ先だ」
次回予告:第8話「天井間近!? 勝負の女神はどっちを見る?」