第6話:設定6は2人いらない。ミラ、まさかの疑惑。
朝の光が照らす都・アサイチアの中心に、ついに辿り着いた俺たち。
その真ん中に立つのは、巨大な抽選装置。
「ここが…全てを決める場所か」
ミラ「私に任せて。設定6は私が掴み取るから」
「いやいや、さっきから“自称設定6”って言ってるけど、実際どうなの?」
ミラ「むしろあなたは、“−2”の設定持ちだから、わかるでしょ? その悩みを」
「おい! 負け犬代表みたいな言い方すんな!!」
ピカリ「(笑)じゃあ、今回はレンくんの代わりに挑戦してみようよ。ピカリ流の“抽選”を見せてあげる♪」
抽選の儀式
広場では、すでに数百人のスロッターが集まり、巨大なリールが回るのを待っていた。
空には金色の抽選ランプが点滅し、祭りのような雰囲気。
「さぁ! みんな準備はいいか!?」「抽選開始っ!」
ミラ「私が出るまでもないわ。最初から設定6は確定してる。」
俺「またその“自称”モードか! ちょっと冷静になれ!」
ミラは全く動じず、巨大な抽選装置の前に立つ。
その瞬間──
ガラガラガラ!!!
リールが一気に回り出し、画面に「777」の数字が光った。
「やった! 設定6確定だ!!」
ミラ「ほらね、言ったでしょ?」
俺「す、すごいな…本当に当たった!」
だが──
そのリールが完全に止まり、表示が変わる。
「え? なんで「777」の後に設定1が出てるの!?」
画面には「設定1」の表示が輝いていた。
ミラ「な、なにこれ…?」
ピカリ「ふふ…それ、【リセット操作】されたんだよ。さっきからリセット協会が仕込んでたんだよね~」
衝撃の事実
「ちょ、待ってくれ! それって…バクレンの“据え置きメダル”使ったのに!?」
ミラの顔に一瞬、動揺が走る。
「まさか、そんな…私の設定6が、こんな簡単にリセットされるなんて…」
その時、背後から声がかかる。
「お前さん…本当に設定6を自称する資格があるのか?」
振り返ると、そこには先ほどの“オヤジスロッター”バクレンが現れた。
「バクレン…! どうしてここに!?」
バクレン「いやいや、お前さんの目論見、実は全部見てたよ。設定6の“確定演出”ってのは、あくまで偶然の産物だからな」
「え、じゃあさっきのは?」
「それも“スロット運”だな。俺の予想通り、お前さん、どこかで操作されてたんだ」
ミラ「そんな…私のスキル、こんな簡単に操作できるわけない!」
バクレン「それができるのが、この都の“システム”だ。設定6を持つ者にとっても、リセットや設定変更は死活問題なんだ」
ミラ「じゃあ…私は…」
バクレン「だから言っただろう、運命を決めるのは、最終的には【抽選】だって」
ミラ「いやだ…こんなの…」
その時、俺がピカリに気づく。
「…お前、何か知ってるんじゃないの?」
ピカリ「へー、さすがレンくん、気づいちゃった? でも、私も言えないよ~♪」
そして、ついに明かされる。
ピカリ「実はね、レンくん。ミラの“設定6”って、ただの“チートスキル”だったんだよ」
ミラ「ちょ、待って! それって誤解! 私は本物の設定6を持っているんだよ!」
バクレン「いいや、ミラ。それを見せるには、もう少し時間がかかるんだ。お前、設定6にたどり着くために、【大いなる設定差】を乗り越えなきゃならない」
次回、第7話:「設定6の真実と、大逆転のフラグ」