第5話:朝イチリセットの都で、リールに人生を賭けた男に出会う
ダンジョンを抜けた俺たちは、次の目的地──**「朝イチリセットの都・アサイチア」**にたどり着いた。
門をくぐると、目の前にはズラリと並ぶ巨大リールの建物たち。
街の中心には、こんな看板が。
「据え置くか、リセットするか。それがこの都の流儀──」
ミラ「うっわ…この街、クセがすごい」
ピカリ「朝イチ挙動で人間関係まで決まるらしいよ~!」
「なにそれ地獄すぎるだろ」
広場では、朝イチ抽選風の儀式が行われていた。
司会「本日の運命を決める──リールガラガラタイム!」
並んでる人々が一斉に謎の“抽選筒”を回し始める。
「ぺ、ペカっと出たぞー!」
「クソッ…REGスタートかよ…」
「据え置き三日目、むしろ信頼できるッ!」
あまりにもスロット脳すぎる街だ。
そんな中、異様なオーラを放つ1人の男がいた。
大きな背中。
ボロボロのジャケットに、胸元には「据」の一文字。
手には常にリールを模したメダルが握られている。
「……“今日も回すだけだ”…それが俺の生き様よ」
村人たち「うおお…据え置き教の神父様だ!!」
俺「何者!? 信者!? 宗教!? スロッターがここまで行くの!?」
名前は**“バクレン・ササミ”**。
通称:オヤジスロッター
この都では伝説の存在らしい。
ミラ「この人…噂では“据え置き理論で魔王城まで行った”って言われてるわよ」
ピカリ「つまり“前日グラフ信仰ガチ勢”だね~!」
バクレンは俺を見ると、何かを感じ取ったように言った。
「お前さん……“前日−3000枚グラフ”の目をしてやがる」
俺「えっ、そんな目あるの!?」
「チャンスゾーンでスカった顔してる…そのままだと天井一直線だぜ」
そして、俺に問いかけてくる。
「据え置き派か? リセット派か? どっちの人間か…ここではそれが“生き方”だ」
──この街では、リールと共に生きることが“運命”そのもの。
俺は答えなければならない。
だがその時。
謎の黒服集団が現れた。
「バクレン=ササミ、あなたの“据え置き信仰”は規定違反です。我々、リセット協会が排除します」
ミラ「でたわね…リセット協会…!」
戦いが始まる!
黒服たちの攻撃──「朝イチ高確スナイプ」!
バクレンの反撃──「据え置き据え魂・リール無限返し」!!
バクレン「回すことに意味があるッ!!」
リセット協会「設定変更こそ未来ッ!!」
俺「意味がわからねぇぇぇぇ!!!」
そして、ついにバクレンが倒れた。
だが最後の言葉を俺に残す。
「…お前さん、明日の朝……“抽選”を信じるか、否か。それが運命の分かれ目だ」
そして彼は、1枚の“金色のメダル”を俺に託す。
【据え置きのメダル】──前日と同じ出目なら、確率を操れるチートアイテム
ミラ「コレ…超貴重品よ…でも扱いを間違えれば破滅するわ」
俺「なんで異世界スロットはここまで深いの……!?」
こうして俺たちは、“抽選儀式”が行われる都の頂へ向かう。