第4話:設定差だらけの迷宮に、我ら突入す。
「これが…“カクトクの迷宮”か」
目の前に広がるのは、カラフルなレバー風のゲートに、光るリール状の通路。
ピカリ「見て見てっ、入り口の上に“本日設定ランダム”って書いてあるよ!」
ミラ「まさに運ゲーね」
「ダメじゃん…それが一番パチンコ屋っぽいやつじゃん…」
【第1階層:設定1】
スライムが1匹、ぽよんと出てきた。
『メダルスライム Lv1 があらわれた!』
攻撃したら…
「0.5ダメージ」
「かてぇぇぇぇぇ!!!!」
しかも倒しても落としたのは──
「メダル×1枚」
ミラ「しょっぺえ…」
ピカリ「設定1特有の“時間だけ吸われるゾーン”だね」
【第2階層:設定2.5】
敵のドロップが少し良くなった。
メダルスライムが「焼きそば」と「チラシ」を落とした。
「ホールの休憩所か!!」
しかし油断はできない。突然、天井オークが登場。
『ふははは! 倒すまで300ターン! そして報酬は飴玉だ!!』
「ゴミィィィィィ!!」
ミラ「今の演出、スカ演出に分類されるわね」
【第3階層:設定5(フェイク)】
敵の出現が減り、宝箱がポンポン出始める。
「おっ! 来たか設定5の挙動か!?」
開ける!
パカッ! → モンスター宝箱!
「うわああああ!! またフェイクかよ!!」
中身は…
「前任者が出してたから今は吸い込みタイム」
「今日、月曜だし」
「波理論信者の書き置き」
ピカリ「なんか…精神的ダメージだけデカくない?」
俺「……ピカリ。今こそ“確定演出”を使う時だ」
ピカリ「了解! チカっとな!」
スキル発動──!
宝箱が金色に輝き、ピカピカのオーラを放つ!
「よし……これが俺の、異世界ヒキ力だ!!」
中から出てきたのは──
『ペカりの指輪』:装備者の“連チャン率”が上昇する謎のアクセサリー
ミラ「こ、これは設定6もびっくりのアイテムじゃない!?」
ピカリ「やったねレンくん! でも明日はスキル使えないよ~♪」
俺「つまり今日ペカれなかったら明日死ぬってことだな」
こうして、カクトクの迷宮をなんとか突破した俺たちは、
次なる目的地──“朝イチリセットの都”を目指す。
ミラ「ねぇ、次はちゃんと寝るとこ分けなさいよね?」
俺「いや俺だって願い下げだわ!!」
ピカリ「また喧嘩してる〜♪」
──俺の異世界ジャグラー人生、まだ始まったばかり。