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46 計画の実行は十二時

ロザリオは、リフォアナのそばに行くと向かい合うように立った。


「大きな力にはなれませんし、積極的に助けることはやはりできません。なによりわたくしには、三人のような特別な力はありません。ただ、この計画が成功することが、我が国を守ることになる。だからわたくしの立場としては、協力することが正しいと思っています。それに……、友人の力になりたいと思うのです」


リフォアナは、じっとロザリオの目を見る。

その目には、驚きと心配と迷いが浮かんでいた。

そんなリフォアナの視線を見つめ返し、ロザリオは続けた。


「わたくしのことは心配なさらないで。もし、明日わたくしの身に危険が迫るようなことがあれば、三人を置いて逃げます。この国を守ることがわたくしの第一の役割なので、そこはブレません。だから大丈夫です」


リフォアナの姿がだんだん見えなくなる。


「莉央、花音、よろしくお願いね。私はライフの中にいる。でも結界が張られていたら出てはいけないけど、そばにいるからね。ロザリオさま、まずはご自分の役割を全うしてください。そして、私はあなたを信じています。三人を友人と言ってくださり、ありがとう……」


そして、ふっと消えていった。



**********


花音が青いギャロファーを格納する任務の日がやってきた。


三人はいつもにように群青の間に入る。


ロザリオは、調べものがあるといって、宮殿内の書館に行くということになっている。


計画の実行は、昼十二時。

まだ十時だが、三人は落ち着かない。


「ロビーのダイニングに行ってお茶でも飲みたいけど、そこでまたオルビスに会ったりしたら面倒だから、今日は時間まで部屋でじっとしているわ」

いつなく落ち着きのない花音。


「これ。私のリップです。渡しておきます。強く念を入れたんで、触ればすぐに私の意識が視えると思います。私も魔法の糸、ぎゅっと引っ張って花音さんのところへ飛んでいきます」

そう言って莉央が花音の手のひらに、リップをのせた。


「うん。ありがとう。なんか莉央ばっかり重労働な気がしちゃうな。私もがんばるから。すぐに莉央の意識を認識する。今日の任務が無事完了したら、街の広場の屋台でおいしいものたべようね」


「……それ死亡フラグみたいなんでやめてください」

莉央の言葉に、花音とおりかが苦笑いをする。


おりかは、ライフの中にちゃんと壁が格納されているのか、何度も確認をする。

そして、ソファに座ると『ぶるーとす』を膝にのせ、言い聞かせるように話しかけた。


「いい。今日は時間がないから、一気にいくわよ。私の手が遅かったら『ぶるーとす』が私を引っ張っていってね。私を待ってなくていいから。私があなたに追い付く。私たちはペア。一緒にがんばろうね。莉央と花音のためにがんばろうね。よろしくね」


おりかにそう言われた『ぶるーとす』は、そっと青く光った。



時刻は十一時半になった。


ノックのあと、セイラがすっと入ってくる。


「ロザリオさまは、十二時に階段の下にいらっしゃいます。サイラスさまがその時間、ちょうどお兄さまのローランドさまによばれて不在ですので、自由に動けますのでご安心を。では」

それだけ言うとすばやく去っていった。


「準備はいい。大丈夫だから。自分のやることに集中して。いくよ」


おりかが、花音と莉央二人の肩をぎゅっと抱いて気合を入れる。


計画の実行だ。



**********


鏡の間は、多くの見学者でいっぱいだった。

出入口付近から人が並んでいる。


「めちゃくちゃ混んでるね。今日」

花音がおりかの袖をくいくいと引っ張りながら言う。


「うん。でもこれぐらい混んでいたほうが、怪しまれないで行動できるからいいと思う。三人離れないで板壁のところまで行くよ」


三人は人と人の間を抜け、奥の板の壁があると場所へとたどりつく。

多くの人は中央のシャンデリアの下から広間全体を見たいため、壁周辺は比較的人の数が少なかった。


「どう、莉央。魔法いけそう?」

おりかが莉央の耳元でささやく。


「……はい。なんとか。でも、こんなに人が多いと思ってなかったです。どれくらいの人の時間を凍らせられるのか、正直見当つかないです……。とりあえず、鏡の壁周辺の時間はなにがなんでも凍らせます」

莉央は少し震えながらこたえた。


その時、莉央のライフがかすかに震え、画面が光る。

莉央は急いでライフを手に取ると、かすかに声が聞こえてきた。


「莉央。私の魔法のパワーを送るわ。このライフの手に持ちながら凍らせる魔法を」

リフォアナの声だった。


それを聞きライフを左手ににぎった莉央の体には、力は湧いてくるような感覚が満ちてきて、右手から光のもやのようなものが出てきているのが見えた。


「おりかさんっ、花音さんっ。リフォアナさんが魔法のパワーを送ってくれています。自分の中にそのパワーが注ぎ込まれてきてるので、かなり多くの人の時間を凍らせられそうです。いきます」


その言葉を聞いたおりかは、ライフと『ぶるーとす』を手にして莉央の後ろに立つ。


花音は板壁の前にしゃがんだ。

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