鬼人達の宴朱 第三章 鬼を祀る
今回はXでは結花の悪女IFがあったりする回なんですが、普通の優しい子の話で終わりました。
今回は鬼の祀りを自分なりに分析。
祀るとは霊を慰める儀式であるそうで、善鬼が人間に恐れられて嫌われる場面は、今の現在のイジメ問題や昔の村八分に似た部分があるかなと思ったりします。
大きいから、強いから、心が強いは無いです。自分はそうは感じません。
また誤字、脱字があったらごめんなさい。
勇吹は目を覚めると息を荒くしていた。岩愧に体を斬られた感覚が残っている。ヒューヒューと微かに呼吸をしながら、心臓の鼓動が弱くなるのが分かった。着ていたシャツを脱ぐとなんとなく斜めに赤い痣がある気がしたが、切り傷はなかった。
「…生きている。」
当然電話が鳴る。相手は翼だ。
「もしもし?翼?何かあったのか?」
「…うっ。あのさ、勇吹と護の夢を見たんだけどさ。…悪い夢だったから。…怖くなっちゃって。電話しちゃった。」
「…俺が、死ぬ夢?」
勇吹が言うと翼は思い出したのか、泣き出した。
「…私、怖かった。二人が死ぬ所を見て。私、勇吹が鬼とか、どうでもいいよ。あんな風に死なないで。」
「…うん。ごめん。でも、今は皆生きてる。大丈夫だよ。翼。一緒に生きよう。」
「…うん。」
翼は暫く考えてから護に電話をした。
「…翼?さっき、勇吹からメール来たんだ。怖い所を見せて、ごめん。勇吹は翼が亡くなった衝動で鬼の血が目覚めたんだね?もう勇吹と争わないから、大丈夫だよ?」
護は自分が勇吹に刀を向けた為にお互い相討ちになったので、少し反省していた。だが、返ってきた言葉は違った。
「…護。違うの。私、護が一人で人間から隠れて山の洞窟に暮らしていたのに、知らないで護を一人にして淋しい思いをさせてた。私、いろんな事をやり過ぎて、護があんなに私の事を大切にしてくれていたのに、護の逢うの、忘れてた。傷付けて、ごめんね。一人ぼっちにして、…ごめんね。」
護の頬を涙が流れた。
「…翼、俺、今は大学で逢えているけど、昔の事を思い出すと、あの頃の記憶を思い出すんだ。翼と離れたくない…。」
「…うん。」
「…また、後でね。」
翼が電話を切るのを確認すると護は溜め息をついた。
「…俺、しっかりしなきゃ。翼を…今度は側で守りたい。」
護は着替えて二階から一階へ。両親と暮らしており、父親は早めに仕事へ行っている。朝食を食べて、身支度をしたら家を出た。バスに乗って、暫くすると結花が乗る。
「護!おはよう!」
「中村さん。おはよう。」
「今日は…何か良くなかったでしょ?最近の感じでたぶん夢でしょ?」
「ははっ、凄いな、中村さん。昔、勇吹が鬼の力を使えば翼を助けられたかもしれないのに、翼を死なせてしまった事。許せなくて勇吹と戦ったけど、勇吹が鬼になったのは翼が亡くなった後だったんだ。あの時勇吹と俺が相討ちで死んだ場面を俺が夢で見てさ。だから、気をつけるよって翼に電話を掛けて言ったんだ。」
「…。うん?違うでしょ?その話?護、自分の過去の事を思い出したのに翼には言わなかった。だから電話も護が掛けたんじゃなくて、翼から電話が掛かってきた。でしょ?勇吹君と戦った事で怒って電話した感じじゃないよね?…うん。分かった。」
「…。何だと思う?」
「今までの護の、…ううん、岩愧の話、聞いたから。翼が護に逢わなくなった事で謝ってきた、じゃない?」
「…。凄いね。正解。あの時の淋しさを思い出して、ちょっと辛くなった。」
護は少し悲しそうな顔をしていた。
「確か最後に逢ってから一年翼と逢えなかったんだよね。ずっと人間から隠れて一人。でも、私、怒れない。私だったら、逢えた?分からない。それに護が人間から隠れて一人ぼっちだなんて知らなかったら分からない。…でもさ、今は、護は一人じゃないよ?いろんな人がいっぱいいるよ?もう、一人じゃないよ!…でも、鬼ってバレないようにしないとね?」
結花は護の顔を時々見ながら言った。
「…中村さんは。鬼って、怖い?」
「…うーん。怖い顔をしているけど、普通に話し合えているよね?護は、鬼の力を使えるけど、護だなって思ってる。今度は勇吹君に逢えるよね?仲良くなれるかな?鬼でもいいよ。仲良くなれるなら、仲良くなりたい。」
「うん、中村さんなら、大丈夫だよ。」
「…護は?翼を好きなのは知ってる。でも、私と友達でいてくれる?仲良くしてくれる?」
「…うん。ずっと、友達だよ。」
二人は見つめ合うが、すぐに大学前のバス停についた。バスを降りると翼が少し半泣きになっている。
「…護、あのさ…。」
「…おはよう、翼。」
夢のせいで半泣きの翼。作り笑いの護。結花は見ているのが辛かった。
「…こんなの、おかしいよ。」
翼と護が結花を見る。
「…分かるの。椿と岩愧の関係。でも、今は翼と護だよ。二人共、私の大切な友達なのに、傷付いてる…。二人は恋人なの?私は入っちゃいけないの?…分からない。でも、今の二人を見ていると辛そうで、私も辛いの。
翼とは小学校から仲良しだった。大好き。
護とは大学からだけど、私といろいろ話してくれる。大好き。
これからも三人で、ううん、勇吹君と四人で仲良くなりたい。皆と仲良くなりたいの。」
結花は護の手を握って、翼にも手を差しのべた。翼は手を握った。
「もう大学生なのにこんな事して、子供っぽい?でも、今は私がここにいるの。皆で幸せになりたいの。」
「…うん。結花は大切な友達だよ。皆で幸せになろう。」
結花は少し泣いていた。
(結花、私達の前世の夢の中には出ないから不安になっていたのかも。)
翼と護は結花の頭を撫でながら大学に向かった。
夜、勇吹から電話があった。
「もしもし、翼。明日逢えるけど電話掛けちゃった。前世は護と逢っていたんだな。今日、何かあった?」
「うん。護もだけど、友達の中村さんが私達が辛そうにしてたのが分かって泣いちゃった。」
「中村さんとは仲が良いのか?」
「私とは小学校入った時から友達なの。護は大学からだけど。後勇吹と仲良くなりたいって。」
「え?大丈夫かなぁ?俺、話し方少し荒いから。」
「たぶん、大丈夫だと思うけど。」
「…あ。この前の護と血族が一緒か調べたんだ。親父の一族に『五十嵐』に嫁いだ人がいたよ。その人の息子が護の親父。」
「…やっぱり、勇吹と護は繋がっていたのね。」
「護にはさっき知らせた。なんとなく分かっていたって。」
「…うん。ありがとう。」
「…。さっき言ってたけど、翼、今日はちょっと一日疲れていたんじゃないか?まあ護もだろうし、中村さんもか。」
「…うん。」
「…今日はゆっくり休んで。明日は皆で仲良く過ごそう。」
「…それ、結花も言ってた。今は、皆と逢っているからね。」
「…あぁ。…っ!長く話してごめんっ!また明日っ!」
「うん。また明日ね。」
電話を切って、早めに翼は寝た。
次の日、日曜日で皆休みなので大学とか逆の方向に神社があるので護、結花、勇吹と行く事になっていた。
グループチャットに護と結花が駅に着いて、20分位したら電車に乗ると書き込みがあった。勇吹も駅に着いたと書き込みがあった。翼は自宅で家を出ると書き込んで家を出た。
駅で電車を待っていると前の車両に護と結花が乗っているのが分かった。
電車に乗り込み、翼が護と結花の元に行った。
「おはよう!翼!」
「おはよう。結花、護。電車普段から乗らないんじゃない?大丈夫だった?」
「普段から中村さんも俺も電子マネー使っているから大丈夫だよ。」
次の駅で勇吹を駅で見つける。前の方にいたのですぐに逢えた。
「おはよう!勇吹!」
結花は普通に名前で呼んでいた。
「おはよう。結花。」
勇吹も名前で呼んでいた。あれ?仲良い?
「今日は!護と勇吹は睨んだらダメ!いい!」
「あの時みたいにしないから大丈夫だよ。」
「お、俺達和解したからしねぇよ!」
翼が手を上げる。
「ちょっと質問。私、よく分からないんだけど…。」
「あのね!前に三人で夕御飯食べに行ったお店!あの時護と勇吹が睨みあったの!ビックリ!護から衝撃波が出たの!」
「き…気のせいだよ。はははっ。」
「いや!周りのお客さん!皆こっち見たの!勇吹はね!鬼の形相でね!グラスにヒビ入ったの!持っていたグラス8個全部!」
「~っ!そんなに騒ぐ事じゃないだろ!」
「ビックリするって!あれ!あっ!ヤバい!って思って勇吹に話しかけたの!護も凄く怖い顔してるしさっ!勇吹落ち着かせてたの!で!夕御飯食べていたらさ!翼からドアガチャガチャのメール!あれ来た時に勇吹が早めに仕事終わらせて帰ろうとしていてさ!その時に翼の家の事を話していたから慌てて出ていったの!変身して翼の家に行ったんでしょ!」
「…っ!翼が心配だったんだよ!」
勇吹は結花に結構攻められている。翼は悪いと思いつつ、面白いと思って少し笑ってしまう。
「その後は…たぶん護も変身したんでしょ!護はね!一つ目妖怪の写真見た時にね、『本物の妖怪だと思うから助けに行く。』って言ってね。『危なくない?』って言ったら鬼の爪見せてくれたの!赤いんだよ!」
「結花が信じてくれて良かったよ。これだね。」
護は手を出すと爪が赤くなって伸びた。結花が勇吹の方を見ると嫌そうに爪を伸ばした。
「…俺もしないとダメか?これすると暫く赤いの残るんだけどさ?」
「指に圧が掛かるから血で真っ赤になるんだ。だから、硬くなって武器になる。」
「…でね、お金残して帰っちゃった。だから、またあの時のやり直しで皆と昼御飯食べたい!四人で!」
「…うん。そうだね。」
電車は神社前の駅に着いた。とは言っても、神社はバスで山道を20分登った場所にある。バスを降りて、四人で写真を撮った。結花はそれを見て嬉しそうにしていた。
神社の鳥居をくぐると結花は護と勇吹を見た。
「ん?どうした?結花?」
「いや、大丈夫かなって心配になった。鬼って入れるのかなって思って。」
「悪鬼なら無理だろうね。俺達は人間として入るなら大丈夫。中には良い鬼を祀る神社もあるからね。」
神社で手を合わせて、その後は四人でおみくじを引く。結花だけ大吉、三人は小吉を引く。翼や勇吹が微妙に機嫌が悪くなるのは分かる。護も少し機嫌が悪くなった。
「結んで帰ろう!」
「…厄除けの御守り。買って帰ろっか?」
結花に言われて御守りを四人で買って、神社を出た。風が軽く吹く。
「こういうのって歓迎されているんだって?」
結花が言うと動物が歩いているのが見えた。鼬だったが、前足の形がおかしい。
翼、護、勇吹の表情が悪くなる。
「…わぁ、…翼も撮る?ネットに載せないから撮らせてね?」
結花が言うと鼬は二本足で立って前足を見せた。前足は曲がっていた。
「えっと。鎌鼬で間違いないよね?今まで翼の話を聞いていて思っていたんだけど、大人しい妖怪と危ない妖怪がいるみたい。たぶん、他の妖怪は危ないと思う。」
不意に鎌鼬が四人に背を向けて警戒をした。そこには薄い紫の霧が緑色の細い笹のような物を持って振っている。
「…護!勇吹!あんまり近づいたらダメだよ!…凄い。写真撮っちゃった。『ムチ』。あの持ってる物で叩かれると病気になるの!」
「勇吹。あのムチが持ってる笹だけ燃やせる?周りの木は燃やさないようにね?」
「任せろ!」
勇吹がムチの笹を燃やすと拡散して消えた。他にもムチが出たが、護が笹に泥を付けて石にするとやはり拡散して消えた。
「鎌鼬が教えてくれたの?偉いね!ご褒美のクッキーだよ!」
結花がクッキーを出すと鎌鼬がそれを食べていた。
「すごーい!妖怪がクッキー食べてる!」
「結花、あんた凄いわ。いろいろと。」
「俺もすげぇ胆が据わってるなと思った。でも、気を付けろよ。危険な妖怪もいるからさ。」
鎌鼬は神社前にある掲示板の地図の前に行くとフワッと浮いて、近くの広場を前足で指差した。
「翼。また鬼がいるかも。…まあムチがいるみたいだし、邪魔にならないようにする。一緒に四人で行ってみよう。」
「…うん。」
広場に行くと桃色の鬼がいた。
「…おっと!知らないお嬢ちゃんが一人いるなっ!」
「部外者Aだっ!どーんっ!…クッキー食べる?」
「いらねぇなっ!酒が良いっ!」
「翼!ごめんっ!餌付け作戦失敗!」
「結花、お前やっぱりすげぇな…。」
結花の凄さに勇吹は少し呆れていた。翼も少し困惑している。
「…試練クリアしたら、力を貸してくれるんでしょ?どうしたら良い?」
「…そうだな。俺が地面に倒れたら、風の石をやるよ!だがな、お前にデメリット付けてやるよ。」
桃鬼が翼に何か術を掛けた。
「嘘!翼!大丈夫!」
「…!」
「…もしかして、声出ないの?」
「ぎゃははははっ!まこちゃん、いぶりん。あっそびっましょ♪」
桃鬼は翼の声を出していた。
勇吹と護は刀を出して桃鬼に向かって行く。が、桃鬼は風圧で吹き飛ばそうとしたり、瞬間移動をした。
「翼!何か出来る事ある!?」
結花に聞かれると翼は勇吹と護を指差して、持っていた水と雷の石を見せた。
「…うん!確か黄色の石は雷だよね!雷なら相手を痺れさせるか、二人の移動速度上げれると思う!」
翼は集中して桃鬼を雷で包みこんだ。
「あっ!体が痺れて来たぞっ!」
「今だっ!行くぞっ!勇吹っ!」
「おうよっ!」
勇吹と護が桃鬼に刀を当てようとした瞬間、桃鬼は結花の声を出した。
「やめてぇえええっ!」
その声で勇吹と護の動きが止まった。桃鬼はニタアッと笑って二人を吹き飛ばした。
「キャハッ!騙された?おバカさん♪」
その言葉に結花が大声を上げる。
「…っ!結花っ!そんな事っ!言わないっ!」
翼の持つ雷の石が輝いて、結花から桃鬼に向けて雷が放たれた。桃鬼はビリビリと痺れていた。
「…あっ!声が出る!勇吹!護!刀を直して思いっきりアイツを殴りなさいっ!」
「…っ!おぉおおおおおおっ!」
桃鬼は勇吹と護に殴られて吹き飛んでいった。
「…っ!おぉ!いてぇ!いてぇ!思いっきり殴られた!」
そこに翼が結花を連れて歩いていく。
「結花を傷付けたっ!謝って!」
「え?あっ?うっ?…ごめんちゃい。」
「…ひっく。桃鬼大嫌い。」
桃鬼は翼、勇吹、護に睨まれていた。特に勇吹と護はあまりの怒りでオーラが出ていた。
「…試練、合格でしょ?風の石、出して。」
「…はいはい。風は安定して物を瞬間移動させたり、吹き飛ばしたり出来ますよ。雷も瞬間移動出来るけど、あっちは生き物はダメだ。負荷がヤバい。そこで風の力よ。」
また空が黒くなる。たぶん鬼の王が怒っているのだろう。
「あぁっ!かなりボスがお怒りだっ!…まぁ、暫くここにいたら大丈夫だろ♪」
結花、翼、勇吹、護は白い何かに一瞬包まれた。そして、それが無くなると雷が落ちて焦げた跡があった。
「…やられてるじゃん。でも、雷の音が聞こえなかった。…結花、大丈夫?」
「…うっ。勇吹と。護は。馬鹿じゃないもん。」
結花は勇吹と護が桃鬼に馬鹿と言われたのが嫌だったらしい。
「…結花、あんな奴に負けないようにするから、なっ?」
「結花が頑張ってくれたから勝てたよ。ありがとう。結花。」
三人で結花を慰めて、バスで駅前に戻った。そこから昼御飯を食べたが、結花の機嫌はあんまり戻らなかった。
「…結花、電車に乗る前に外で四人で写真撮ろうか?鬼の姿の勇吹と護と四人で。」
「…え?いいの?」
「…まあ、護とちょっと周りの人間達の視界を眩ませたら大丈夫だろ。」
「それで結花の機嫌が良くなるならいいよ。」
外の広場は少し人がいたが、勇吹と護が掌を出して何かすると人がいなくなった。四人だけ異空間にいるらしい。そこで写真を何枚か撮った。鬼と一緒に写真が撮れて結花は喜んでいた。
「今日はいろいろあったけど、楽しかった!また四人で出かけようね!」
「うん。」
帰りは勇吹が先に駅を降りて帰り、翼も次の駅で降りて、護と結花に手を振った。
その夜、いつも通り勇吹から電話があった。
「もしもし、翼?今日はお疲れ様。」
「勇吹も今日はお疲れ様。結花と写真撮ってくれてありがとう。」
「うん。…あのさ、結花って、今日思ったんだけどさ、翼と一緒じゃない?」
「…うん。知らなかった。あれってよくわからないけどさ。石を使って、術を使うの。普通の人間には出来ないよね?」
「…たぶん。でも、結花が桃鬼に声真似されて叫んだ時に凄い雷の術が出ただろ?今、思い出したら凄かったなって。」
「…もし、私の身に何かあったら結花にお願いしないと。」
「…翼、俺達は何と戦っているんだろう?」
「…あのさ、鬼が出る時、自分が使役する妖怪と敵の妖怪がいるみたいなの。推測なんだけど、鬼が警戒する何かがいるんだと思う。」
「…だんだん強くなったり、危なくなっている気がするよな。お互い気を付けよう。じゃあ、また明日。」
「…うん。おやすみ、勇吹。」
その夜、夢を見た。
鬼が自然の中で生まれ、人と楽しそうに暮らしていた。だが、中には人に恐れられ、武器を向けられた鬼がいた。鬼は見かけによらず、心が弱かった。悲しみで、毎日、泣いた。やがて、鬼は干からびてしまった。
また元に戻った鬼だが、心が癒える事はなかった。大きな鬼は愛情を求めた。そして、小さいが鬼を愛してくれる人間を探した。恵みと引き換えに、愛情を与えてくれる人間を求めた。これが鬼に人間を与えて祀ると言われている。
当然、善鬼に嫌がる人間を殺して捧げるのは間違いである。いくつか間違えた儀式を行い、消えた村があったが詳しく知る者はいなかった。
翼は目を覚ました。
(…結花は鬼が好き、仲良くなりたいって言ってた。私は前世で椿だった時に岩愧だった護と親しかった。今でも鬼の勇吹と護は大切。結花も鬼の勇吹と護は大切な存在。だから、私も結花も鬼の石の力が使えるんだ。)
手元には水、雷、風の石がある。特殊な文字らしきものがある、平べったい石だ。コインより少し大きな石だ。日に当てると少し光っているようだった。
今回はね、サブヒロインの結花がかなり出ます。こうなる予定ではなかった。
もう主人公の翼位頭が回る。原因は今回は途中何回か消えているんです。
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書き直すと変わりますね。
作り笑いの護、半泣きの翼。一回目は二人きりにさせようと結花はいなくなります。
これが消えたら物語のルートが変わりましたね。この前も三回話が消えてますからね。
「私の友達の幸せ、取らないで」みたいなのがあったかなと思います。
後桃鬼の試練も元は三人でのみを想像していたんですが、結花も出ましたね。全く違う話になりました。
たぶん、四人で昼御飯さえなかったかもしれません。変わりましたね。
ただ、全部含めて良かったと思います。
次回に続け。