あとに残した風景
いま海に向かう途中で
出会ったときからのこと思い出してた
いちばんの思い出を決めるのは
まだ早くて
とりあえずは潮風の行方を追った
海に向かう途中で、
こんなふうに思ってるのは
わたしくらいかしら
カーブ続きの道は
そのさきの風景の楽しみを
あとに残しているよう
海までの距離は
あと15分程度とあなたは言った
それでも
もっと時間がかかってもいいかなと思った
この空間が好きだから
昨日買った帽子のひさしを少しだけ
あなたに向けた
わたしの表情が分かるように
夏の空には、まだ遠いみたい
だけどココロに刻むものは
この夏に用意された風景と一緒だから
何も語らないで
ゆっくりと過ごしていけたらいいね