アジトへの突入
今回はアジト突入!エヴァの故郷を取り戻す為の戦いが始まります!
バルクとの出会いから一夜明け、宿屋ではエヴァ、ヒカリ、倫子、ミミが用意した朝食を皆で食べていた。
メニューは昨日の夜の残り物のサシミマグロ、デカタイ、アカカツオの刺し身、鳥の丸焼き、海藻サラダ、白米、海苔の佃煮が用意されている。
「この海苔の佃煮、美味しい!あなた達の世界で作られていたの?」
エヴァは白米に海苔の佃煮を乗っけて食べていて、倫子達に質問する。
「うん。私達の世界では海苔の佃煮の商品「ごはんでござる」があるの。それが目茶苦茶美味くて癖になるわ」
「そうなの。あなた達の世界に行ってみたくなったわ」
倫子の解答にエヴァが笑顔を見せる中、零夜は真剣な表情をしていた。
「それよりもこれからが本番だ。俺達はアークスレイヤーのアジトに突入する事になる。奴等のアジトでの戦いは初めてかも知れないが、油断は禁物と思った方が良い」
「零夜の言う通り。そう簡単に行くと思ったら大間違いと言えるし、仮にこのアジトを崩壊させても生き残りがいれば村にも被害が及んでしまうわ」
「となると、敵を全て倒す必要があるという事っすね」
零夜とミミの説明にバルクは真剣な表情で頷く。
「そういう事になるな。何れにしても各自準備を整えて置くように。その事を忘れるなよ?」
ノースマンからの忠告に零夜達は一斉に頷いた。
※
朝食後、ギルドに入った零夜達は、バルクの依頼を申請する。
「はい。バルクさん、アークスレイヤーのアジトの討伐依頼ですね。見事クエストに追加しました!」
「ありがとうございます!助かったっす!」
「いえいえ。なお、このクエストについての報奨金は、1万円となります!」
「了解。早いところ、奴等を倒しておかないとな!」
零夜は拳を打ち鳴らして気合を入れ、ミミ達も頷く。
「アジトに関しては案内を頼んだぞ!」
「了解っす!武器はガントレットを装着しているので」
「じゃ、早速向かいましょう!」
エヴァの合図で彼女達はアークスレイヤーのアジトへと向かい、この光景をアカヤマが見ていた。
(彼奴等、抜け駆けするつもりだな!そうはさせるかってんだ!)
アカヤマはすぐに危機感を察し、ヒューゴと紬を呼びに向かい出した。
※
零夜達はバルクの案内でアークスレイヤーのアジトに向かっていて、敵がいないか十分に確認していた。
「この辺りは大丈夫みたい」
「そう簡単に敵が出るはずが無いもんな……」
零夜が普通に歩こうとしたその時、変態スライムがまた姿を現した。
「また変態スライム!?」
「いい加減にしなさいよ!」
変態スライムを見たミミ達は一斉に攻撃を開始しようとするが、変態スライムは仲間を呼んであっという間に零夜達を囲んでしまう。
「くそっ!またしても変態スライムに囲まれてしまうとは!」
「変態スライムは私も知っているけど、私も酷い目に遭ったからね……」
「エヴァもやられていたんだ……」
エヴァの説明にミミが苦笑いする中、変態スライムは彼女達の服の中に一斉に入ってしまい、イタズラを開始してしまう。
「いやーっ!止めてー!」
「零夜!なんとかしなさいよ!」
「よし!こうなったら……忍法火炎の術!」
零夜は炎を吐いて変態スライム達を次々と倒しまくり、スライム達は次々と素材と金貨となってしまった。
「すぐに離すぞ!」
零夜はミミ達に付いている変態スライムを次々と引き剥がして投げ飛ばし、変態スライム達は木に激突したりして素材と金貨に変わってしまった。
「よし!残るは……」
「後一匹残っているわ!」
ヒカリが綺麗シートで身体を拭きながら指差す方を見ると、なんと変態スライムがガタガタと震えながら怯えていた。
「この様子だと仲間になりたいみたいだな。悪い事はしないみたいだし、仲間にしたら?」
「そうね。じゃあ、そうしましょう」
倫子が変態スライムに近づき、彼の頭を撫でた途端、変態スライムの色が変わり、スライムになってしまった。
「スライムになった!」
「このスライムは感化されて変態スライムになったみたいだ。あと、モンスター達は一部を除いて仲間になる事ができるし、融合させて新たなモンスターを誕生させるのも可能なんだ」
「なるほど。ますます興味が湧いてくるな」
トラマツの説明に零夜達は納得の表情をする。
「また、ビーストテイマーになるとモンスターを簡単に仲間にできるけどね」
トラマツのさらなる説明に倫子はすぐに反応し、彼の肩を掴んでしまう。
「な、何!?」
「その称号、欲しい!お願いできる!?」
「欲しかったらレベルアップするのみだね。そうしたらビーストテイマーの能力を手に入れる事が可能だよ」
「よし!だったらモンスター狩りでレベルアップや!」
「おい!」
倫子は目的を変更してモンスター達を狩りに向かうが、エヴァが真正面から立ち上がって倫子を抱き上げる。
「気持ちは分かるけど、我慢しなさい!今はアークスレイヤーのアジトでしょ?」
「そ、そうやった……ごめん……」
「目的を見失うと暴走するからな……その気持ちはよく分かるぜ……」
エヴァに指摘された倫子は落ち着きを取り戻して謝罪。それを見た零夜は同情のため息をついた。
「さあ、早く急ぐっす!」
バルクの合図に皆が頷き、そのままアジトの方へと向かい始めた。
※
同時刻、紬はトレーニングを終えていて、ヒューゴと共にホムラの町並みを歩いていた。
「平和ですね……」
「ああ……」
ヒューゴと紬が青空を見上げたその時、アカヤマが慌てながら駆けつけてきた。
「呑気にしている場合か!零夜達がアークスレイヤーのアジトに向かっているんだぞ!」
「零夜達が!?彼奴等、アークスレイヤーを本格的に倒しに向かったみたいだな」
アカヤマの報告にヒューゴは真剣に推測し、すぐに立ち上がる。
「よし!俺達も行くぞ!遅れを取る訳にはいかないからな!」
「その意気だ!すぐに急ぐぞ!」
アカヤマは叫んだと同時に、ヒューゴ達を連れてアークスレイヤーのアジトへ向かう準備を始めた。
※
その頃、零夜達はアジトに通じる洞窟の中に入るが、中は薄暗く気味が悪い場所となっている。
「なんか不安になってきた……」
「私も……」
ミミとヒカリが不安になったその時、コウモリがバサバサと音を立てて飛び立ち、そのまま人間に姿を変えて零夜達の前に立ちはだかる。
「俺の名はコウモリ人間のバットキラー!貴様等の命を貰いに来た!」
「またアークスレイヤーか!いい加減にしろよな!」
零夜が叫んだ直後、バットキラーは空を飛んで急降下しようとするが、勢い余って天井にぶつかってしまう。
「ご……ほへら……」
「「「……」」」
バットキラーは天井に頭を打って地面に落下してしまい、素材と金貨になってしまう。
この光景に零夜達は呆然と立ち尽くしてしまった。
「何これ?」
「俺が聞きたいよ……」
エヴァの質問に零夜がため息をつく中、出口がようやく見えた。
「あの先にアークスレイヤーのアジトがあるっす!早く急がないと!」
「おう!」
零夜達は急いで洞窟の出口へと向かい出し、その先を抜けた途端、アークスレイヤーのアジトが見えた。
その建物は全体的に黒を貴重としていて、屋根にはアークスレイヤーの旗が掲げられていた。
「これがアークスレイヤーのアジト……初めて見ると凄い感じね……」
アジトの外観を見たミミは思わず息を呑んでしまい、倫子とヒカリも冷や汗を流してしまう。
「アークスレイヤーの旗は赤地で仏の後ろに双剣が描かれているわね。なんでこんな絵なの?」
アークスレイヤーの旗を見たヒカリは、気になった事をトラマツに質問する。
「恐らくザルバッグが考えたに違いないけど……今はアジトに突入しないと!べムールの野望を止める為にも!」
「そうっすね。裏口から入るっす!」
バルクが零夜達を連れて裏口から回ろうとしたその時、扉が開いて兵士達が姿を現した。
「いきなり出てきた!?」
「出てきたという事は……好都合だ!忍法、影分身!」
予想外の展開にバルクが驚く中、零夜はニヤリとわらって影分身を繰り出し、分身と共にすぐに兵士達に向かっていく。
「おい!あの忍者、こっちに突っ込んでいくぞ!」
「銃を構えろ!」
「そうはさせるか!」
兵士達が銃を出そうとした直後、零夜と分身が投げた手裏剣が彼等の額に直撃。そのまま彼等は絶命して倒れ、武器と金貨となってしまった。
「あっという間に倒しちゃった」
「流石は忍者ね」
零夜の活躍を見たエヴァと倫子はポカンとしてしまい、彼はそのまま手を叩いた後に武器と金貨を回収した。
「このぐらい朝飯前だ。見つかった以上は強行突破あるのみ。そのまま突撃だ!」
零夜はすぐに正面口から駆け出し、アジトの中に入って行く。
「そうするしかないみたいね。私達も行くわよ!」
「見つかってしまったけど、やるしかないわね」
「私達も覚悟を決めないと!」
「結局こうなるっすね……」
エヴァ達も零夜の後に続き、アジトの中へ突入した。
※
アジトの中に突入した零夜達は、そのままべムールのいる場所へと向かっている。しかも、警報は既に鳴らされていて、敵兵達がいつ来てもおかしくない。
「警報は既に鳴らされている。襲って来る前にこちらから攻撃すれば……」
「先手必勝という訳ね。こうなる事は予測できるけど!」
ノースマンの説明にヒカリがウインクで応えたその時、敵兵達が前方から姿を現す。
「好都合!ファイアーボール!」
ヒカリがファイアーボールを敵兵達に当てた直後、戦いが始まりを告げられる。
攻撃の音を聞いた敵兵達が次々と姿を現して零夜達に突撃してくる。しかし彼等の敵ではなく、次々と蹴散らされて消滅して武器と金貨になってしまった。
「忍法、火遁の術!」
零夜は口から大きな火を吹き、敵兵の3人を真っ黒焦げにして倒してしまう。
「零夜、やるわね。私も負けられないわ!」
ミミも舞いながらリングブレードで次々と敵兵を切り裂き、音楽に合わせながらリズムよく倒していく。
「さあ、かかってきなさい!」
ミミがウインクした直後にヒカリも前に出る。
「大きい良い子の皆!胸の体操が始まるよー!」
ヒカリは両手を上に上げながら声を掛け、敵兵達が一斉に彼女の方を向く。
「横に揺らして1、2。縦に揺らして3、4!」
「「「ウヒョーッ!」」」
ヒカリが自身の胸を揺らす光景に敵兵達は興奮して獣の様にヒカリに駆け付けるが、その直後にトラマツがスイッチを押して敵兵達に電流を流す。
「「「アバババ!!」」
「今だ!」
すると倫子とエヴァが飛び出し、強烈な蹴りとパンチの雨あられで敵兵達は次々と倒れて武器と金貨になってしまった。
「男って巨乳の人が好みだと聞いたけど……こいつ等ほんまもんのアホや」
「うん……私も胸が大きいから狙われるかな……」
倫子が倒れている敵兵に軽蔑の眼差しを向け、エヴァは自身の胸に手を当ててそのまま揉み始める。
「くっ……デカい……」
ミミが自身の胸とエヴァ達の胸を比べてみて、嫉妬の眼差しを向ける中、零夜が手を叩きながらこの場にいる敵を確認する。
「これで全部。結局大した事なかったな」
「流石は選ばれし戦士達っすね。エヴァさんもその一人だとは驚きました」
「大した事じゃないけど……残りはいるかしら?」
エヴァが辺りを見回した直後、天井から男が降ってきた。
「危ない!」
危険を感じた零夜はエヴァを抱いて押し倒し、スライディングしながら男の攻撃を回避した。
「す、すみません……」
「ううん、ありがとう」
エヴァは零夜の手を掴んで起き上がった直後、男は真っ先に零夜を睨み付ける。
「ちっ!外したか!運の良い奴だぜ……」
「あっ、あなたは……私達の村を襲った張本人!」
「奴が俺達の村を襲った元凶っす!」
エヴァはその男の姿を知っていて、バルクもその人を警戒する。
「俺の名はマルセル。このアジトの副リーダーだ!べムール様からの指示でシルバーウルフ族の村を襲ったが、まだ生き残りがいたとはな……それに、売り出した奴隷もここにいるとは驚いたぜ……」
「つまりべムールが黒幕みたいやね。何故そんな事したん!?」
倫子が怒りの表情でマルセルに視線を移し、彼に質問する。
「俺はベムール様の命令でやっただけ……詳しい事は……彼から知りな!」
マルセルは鉤爪を装着した状態で襲い掛かり、この戦いに零夜が挑む。
「マルセルは素早さが高い。なら、俺が立ち向かうのみだ!」
「あまり無理はしないで欲しいっす!」
「任せな!」
零夜は2枚の手裏剣をマルセルに向けて投げるが、彼は天井に貼り付いて回避する。しかし、手裏剣はブーメランの様に回転し、マルセルの両膝に当たる。
「グッ!?」
マルセルは痛みで落下してしまい、床に激突する。
「ブーメランを知っているか?ブーメランは獲物を外すと持ち主の元に返ってくる。今、投げた手裏剣も同じ原理で返ってくる。これがブーメラン手裏剣だ!」
「おお!こんな手裏剣もあるのね!」
零夜の説明に倫子は興味深そうに感心する。
「おのれ……こんな手裏剣を出すのなら、こっちもお返しだ!」
マルセルは手裏剣を引き抜いたと同時に駆け出し、クロー攻撃を仕掛けてくる。
「おっと!」
零夜は次々と回避していくが、マルセルは闇の波動弾を発射して零夜の腹に直撃させる。
「ぐおっ!」
「零夜!」
零夜はダメージを受けてしまったが、すぐに態勢を立て直してマルセルを睨みつける。
「俺を甘く見るなよ。今までの奴等とは大違いだ」
(こいつはあまりにも手強すぎるぜ……)
零夜が冷や汗を流しながらそう思ったその時、倫子が特殊召喚を発動させる。
「お願い、スライム!」
倫子の合図でスライムが姿を現し、零夜に近付いてひっつき始める。
「おい。これはどういう意味だ?」
「大丈夫!スライムはひっつくと体力と怪我を治す効果を持っているの!」
「へ!?スライムにその様な効果が!?」
倫子の説明に零夜が驚く中、スライムは彼のダメージを回復させ、回復を終えた後に零夜から離れて倫子の元に移動した。
「凄い……あっという間に治った……」
「さあ、反撃の準備はいいかな?」
「勿論大丈夫です!」
零夜はすぐに戦闘態勢に入り、マルセルをそのまま睨みつける。
「何度やっても同じだ!」
マルセルはクローを使いながら零夜に攻撃を与えようとするが、彼は下にしゃがんで回避し、ローキックで膝に蹴りを与える。
「ぐおっ!?」
「今だ!」
マルセルが痛みでバランスを崩した直後、零夜は忍者刀を引き抜いて彼をそのまま右斜め上からの一閃で切り裂いた。
「がは……この俺が……こんな所で死ぬなんて……」
「エヴァ達の故郷を襲った罪……続きは地獄で裁かれな」
零夜が忍者刀を鞘に納めた直後、マルセルは消滅して武器と金貨になってしまった。
「ノースマン。これで敵はべムールのみか?」
「ああ。レーダーによれば敵の数はあと一人となった」
「そうか……後はべムールのみだな」
零夜が腕を回し始めて態勢を整え始めたその時、エヴァが彼に近付く。
「私を助けてくれただけじゃなく、マルセルまで倒してくれるなんて……本当にありがとう!」
「大した事じゃないさ。俺は大切な仲間を助ける為なら、命を賭ける覚悟だ!」
零夜はエヴァに笑顔を見せた途端、彼女はいきなり彼を抱き締める。
「エヴァ!?」
「暫くこのままでいさせて。暖かいから……」
「は、はあ……(エヴァ……もしかすると、俺の事を好きになったんじゃ……まさかな……)」
エヴァが幸せそうに零夜を抱き締め、彼の頭を撫でていた途端、ミミが頬を膨らまして二人の間に入り、そのまま引き剥がす。
「そこまで!今はそんな事をしている場合か!べムールを倒す事を忘れたの!?」
「むう……良い所なのに……」
エヴァがいきなり引き剥がされた事に頬を膨らます中、ミミは怒りの表情で零夜の方を向く。
「だいたい零夜は女の子には甘いのよ!その悪い癖をどうにかしなさいよ!」
「いや、それは流石に……」
「そう……だったら荒療治をしてやるわ……うおおおおおおお!」
「ぎゃああああ!!」
ミミの容赦無い強烈往復ビンタが始まりを告げ、ヒカリと倫子が慌てて彼女を止めに向かう。
「女って怖いっすね……」
この光景を見たバルクは冷や汗を流してしまう。あの光景を見せられたらそうなるのも無理はないだろう。
「やれやれ……こんな事している場合じゃないだろ……」
「ノースマンの言う通りだ。まだ他にも敵がいるかも知れないのに……ややっ!」
トラマツはレーダーの反応が強くなる事を確認し、全員が彼の方を見る。因みに零夜の両頬は赤く腫れていた。
「うおっ!零夜……お前凄くやられたな……」
「うるせー……で、何の騒ぎだ?」
「敵の反応だ!こっちに来るぞ!」
「まさか新手!?」
トラマツからの報告にその場にいる全員が驚きを隠せずにいた。
「零夜、すぐに回復させるわ!怪我させてしまった私にも原因があるからね」
「助かる!」
ミミは回復術で零夜の頬を完治し、彼は忍者刀を引き抜いたと同時に、そのまま戦闘態勢に入る。
「来るぞ!構えろ!」
ノースマンの合図で全員が身構えたその時、向こうからヒューゴが姿を現した。
「ヒューゴ!?」
「零夜じゃないか!君達もアジトに来ていたのか!?」
「ああ!エヴァ達の故郷がピンチと聞いた以上、黙ってられないからな!」
零夜がヒューゴに説明する中、エヴァが零夜に後から飛びつく。
「ほら、あまり熱くなりすぎないの。落ち着いて」
「お、おう……」
(その様子だと進展しているみたいだな……何があったのかは聞かないでおこう……)
零夜とエヴァの会話にヒューゴが心から感じたその時、紬とアカヤマも駆け付けてきた。
「あっ、トラマツ!その様子だと……」
「ここにいる兵士達は全員倒したぜ!残念だったな!」
「チクショー!一足遅かったか!ん?」
トラマツのにやけ顔にアカヤマが悔しがる中、バルクの姿を見て彼に近付く。
「なあ、アンタがバルクか?」
「そうっすけど?」
「実は探していたんだよ。アフロディア樣が探していた選ばれし戦士であるお前をな」
「「「!?」」」
アカヤマの説明にバルクだけでなく、エヴァ達も驚きを隠せずにいた。
「バルク、あなたも選ばれし戦士の一人なの!?」
「いや、俺はそこまで……けど、先日夢の中で一人の女神と出会った様な……」
「その女神って誰なの?」
「確かオレンジ色の女神でアフロディアと言っていたっす」
驚きのエヴァにバルクが知っている事を話し、アカヤマが彼にそのまま近付く。
「それこそ選ばれし戦士達の証拠だ。夢の中でそれぞれの女神に出会い、選ばれし戦士達である事を告げられるだけでなく、その女神の部下達が会いに行く事を予言される。つまりお前は選ばれし戦士の一人なんだよ」
「そうだったんすか……俺の力が必要となれば協力するっす!」
「よし!これで決まりだな」
バルクはヒューゴ達のチームに入る事になり、彼等もバルクの元に駆け付ける。
「バルク。君も選ばれし戦士である以上、共に戦おう!」
「私も宜しくお願い致します!」
「こちらこそ!精一杯頑張るっす!」
ヒューゴ達の会話を見ていたエヴァは、自身の胸に手を当てる。
(バルクも選ばれし戦士達の一人となったけど、女神が違うからライバルになってしまったか……でも、私だって負けられないんだから!)
エヴァが心の中で決意を固めたその時、零夜が皆に呼びかける。
「それよりもべムールがまだ残っている。恐らく彼は最上階にいる筈だ」
「べムールは闇の使い手で鞭が武器だが、油断は禁物という事か……ともかく急ごう!」
ヒューゴの合図に全員が頷き、べムールの元へと向かい出した。シルバーウルフ族への襲撃を終わらせる為だけでなく、アークスレイヤーの野望を終わらせる為にも……
※
その頃、ゴッドエデンにあるメディアの部屋では、彼女とリリアはヒューゴ達のチームにバルクが入った事をスクリーンで確認していた。
「アフロディアのチームもメンバーを補充したみたいね……恐らく彼等は零夜達の最大のライバルになりそうな予感がするわ」
メディアがそう推測する中、リリアはスクリーンを起動してアフロディアのチームを確認する。
「今のところ確認しているのはヒューゴ、紬、バルクだけとなっています。他については今のところ不明となっていますが」
「そう。何れにしてもデータが分かるまではこの件は一先ず其の辺にしましょう」
メディアからの提案にリリアも頷き、彼女はスクリーンの画面を変えてべムールの画像を確認する。
「それよりも……問題なのはべムールです。彼は闇の力だけでなく、隠された力も持っています。零夜さん達がどう挑むかがカギとなります」
「そうね。今は信じましょう。零夜達が勝つ事を……」
メディアとリリアは零夜達の勝利を信じながら、彼等の活躍が映っているスクリーンに視線を移したのだった。
残すはべムールのみ!戦いの行方はどうなるのか!?




