カンナ達との戦い
今回は勇者として相応しいかの試練が待ち受けます!
現代世界でのバトルオブスレイヤー……ご覧あれ!
零夜達はクロエのワールドワープで浅草に到着し、彼、ミミ、倫子、ヒカリは息を吸い込んで帰ってきたと実感する。
「やっと帰ってきたぜ……」
「うん。2ヶ月ぶりみたいね。それにしても、街並みも変わってないし……」
零夜とミミは元の世界に帰った事をしみじみ感じる中、エヴァ達は不安な表情でキョロキョロと辺りを見回していた。
「ここが零夜達の世界……」
「なんだか落ち着かないわね……」
「ああ……」
「オイラもだよ……」
(まあ、初めて来たから無理もないよな……)
エヴァ達の様子にトラマツは心の中で苦笑いする中、カンナが彼等の前に姿を現す。
「よし。全員揃うてるみたいね。ほな、戦いの場へ向かうさかい」
カンナは零夜達を連れて浅草での戦いの場へと向かい出した。
※
「あった!ここが戦いの場……ん?」
カンナが立ち止まって指差す方を見ると、なんとここで撮影が行われていた。しかも、牢屋みたいな場所に人が入っている。
「どういう事なの?」
「おかしいなあ……部下であるヨーコはんが会場を用意してるて聞いたけど……」
カンナが疑問に感じた直後、この撮影場所に倫子はすぐに直感する。
「あっ!これって『逃走ゲームX』ね!」
「逃走ゲームX?」
倫子の発言にクロエ達はキョトンとしてしまい、零夜が説明する。
「この世界でのテレビ番組さ。確かミミ姉、ヒカリさんも参加していたよな」
「うん。失敗したけどね」
「私も……そう言う零夜君は成功できるの?」
ヒカリがジト目で零夜を見つめたその時、カンナの部下であるギャルの木下ヨーコが彼等の前に姿を現す。
「すいません。会場ですが、ここは先客が使われまして。変更の場所については浅草神社の賽銭箱前です!」
「許可については?」
「大丈夫です!事前に取っていますので!」
「せやったら問題あらへんみたいね。ここじゃ空を飛ぶのんはまずいけど、背に腹は代えられへん!」
カンナは自身の周りに零夜達を集めて、そのまま魔術を発動させる。
「いっせーのーで!」
カンナ達はその場から跳躍したと同時に、神社の方へと入って行き、この様子を見たその場にいる全員が驚きを隠せなかった。
「何だありゃ!?」
「神社の中に入ったぞ!」
「その中にいる人達って……ミミさん達ですよね。元の世界に帰ってきたんじゃ……」
「「「ええっ!?」」」
逃走者である山村栞の推測にその場にいる全員が驚きを隠せずにいた。
「よし!撮影はもう少しで終わる!終わり次第自由に行動して良いぞ!」
「「「はい!」」」
現場監督の合図にその場にいる全員が一斉に応えた。
※
零夜達は浅草神社の中に入り、賽銭箱前の広場に着地する。そこにはカンナの部下である5人と、サポート担当の白烏がいた。
「カンナさん、突然の会場変更申し訳ございません!」
巫女服を着た女性である立花風夏がカンナに謝罪し、他の四人も謝罪の礼をする。
「心配あらへんさかい。ほな、自己紹介をお願いね」
カンナの合図と同時に、風夏達が前に出る。
「私からね。私は立花風夏。この神社の神主よ」
「神主さん!今回はお世話になります!」
「いえいえ」
零夜が代表して一礼し、ヨーコと入れ替わりに下がり始める。
「ウチは木下ヨーコ!ギャルモデルで宜しく!」
ヨーコは笑顔を見せて自己紹介し、次はダンサーが前に出た途端、ミミは驚きを隠せずにいた。
「ココア!ココアじゃない!」
「久し振りね、ミミ」
ミミとココアは手を取り合い、再会を喜ぶ。
「あなたの噂は聞いているわ。活躍は聞いているけど、零夜をビンタしたりする行為はちょっと……」
「う……ココアから言われると流石に恥ずかしいかな……」
ココアからの指摘にミミは赤面し、白虎の女性と忍者女性が前に出る。
「私は白虎族のハクレン!」
「忍一族の八重と申します!」
「あと一人はこの人です!」
ハクレンが指差す方を見ると、オーガの角を生やした女性が姿を現す。それはボディースーツでスタイル抜群となっていた。
「私はイシス。宜しくね、嬢ちゃん達」
スタイル抜群のイシスの姿に、ミミ達は自身の胸を見てガックリと項垂れてしまう。
「チーム名はジャッジメントキングダム。裁きの軍団と呼ばれているさかい。さて、うち等を納得できるか試さしてもらいまひょか?バトルオブスレイヤーの勝負で!」
カンナの宣言と同時に、零夜達も戦闘態勢に入る。
「ここまで来たからには受けるしか無いですね」
「決定やな。で、リーダーは零夜君ちゅう事やけど、リーダーやりたい人はおるかいな?」
カンナが質問したその時、ヒカリが手を挙げる。
「ヒカリさん!」
「この勝負、私がリーダーをする!」
「「「ええっ!?」」」
ヒカリの宣言に全員が驚きを隠せず、カンナは彼女に近付く。
「ヒカリ……その様子やと、覚悟はできてるみたいね。そやけど、現実はそないに甘ない。分かってるん?」
「もう覚悟はできているから……私は絶対に負けない!」
「決定やな」
ヒカリの覚悟にカンナが頷いた直後、零夜はヒカリの肩を叩く。
「あなたの覚悟は伝わりました。俺はあなたを支える事を決意します!」
「零夜君……」
この光景を見たミミ達も、一斉にヒカリに近付き始める。
「足りない部分は私達がサポートします!」
「絶対勝とう!」
「皆……ええ!」
ヒカリは目から涙を流すが、すぐに拭き取ってガッツポーズで応える。
「準備は何時でもできているわ。早速始めましょう!」
「よっしゃ!今すぐ始めよか!最高の試合を!」
カンナは虹色の箱を用意し、そのまま宙に浮かせる。同時にラビリンも姿を現した。
「試合の実況は私に任せてください!」
「お願いね!」
ヒカリが箱に手を触れようとした途端、栞達が駆け付けてきた。
「あっ!あなたは次世代タレントの山村栞!撮影終わったのですか!?」
「はい!私達もこの試合を見に来たのですが、大丈夫でしょうか?」
「問題あらへん。観戦したい人、この指とまれ!」
カンナの合図と同時に、テレビ局の撮影班、更には瑠璃香達まで駆け付けてきた。
「こんなにもいたんだ……しかも、瑠璃香さん達まで来ていたとは」
「この試合は見逃せないからね」
「よし!始めるで!」
カンナが箱に手を触れたと同時に、全員が魔法陣によって転移し始めた。
※
零夜達はそれぞれの陣地に転移し、トラマツ達は観客席、ラビリンは放送席に転移した。
「さあ、いよいよ始まります!ブレイブペガサスVSジャッジメントキングダム!実況は私、ラビリンがお伝えします!」
ラビリンの実況に観客達が歓声を上げる。
「更にマジテレビの方々も撮影に協力していますし、解説には先程撮影を終えた山村栞さんも来ています!山村さん、この試合の見所は?」
ラビリンの質問に栞は真剣な表情でステージを見つめる。今回の場所は前と変わらない春の京都の街となっていた。
「ヒカリさんとカンナさんの因縁決戦、私も注目しています。二人の戦いがどの様な結末になるのかですね」
「ありがとうございます!さあ、両チームが作戦を立て終え、戦闘態勢に入ります!おや?両チームとも全員が攻めに向かうみたいですね」
両陣営は全員出動の態勢に入っていて、獲物を狙う目をしている。どうやら総当たりで決着を着けようとしているみたいだ。
「この戦いはそれぞれ一騎打ちの状態を作るけど、私はカンナと戦うから。邪魔だけはしないでね」
「俺達もそのつもりです!やりましょう!」
ヒカリの決意に零夜達も同意し、すぐに円陣を組む。
「この戦いこそ俺達の最大の試練かも知れない。けど、乗り越えなければ先に進む事は不可能だ!」
「私達はどんな戦いも乗り越えたし、この戦いだって必ず勝てるわ!」
「その通りだ!行くぞ!」
「「「おう!」」」
零夜達が叫んだ直後、試合のカウントダウンがスタートする。
「いよいよか!」
そして0になったと同時に両チームとも飛び出した。
「さあ、始まりました!どうやら両チームは全滅作戦に出たみたいです!」
「何れにしてもそれぞれの一騎打ちは見逃せません。果たしてこの作戦は成功するかですね」
栞が推測した直後、八重が零夜の前に姿を現す。
「忍者の実力、見せてもらうわ!」
「なら、手加減は無用!」
零夜と八重の一騎打ちが始まりを告げられ、ミミと倫子の元にはココアと風夏が立ちはだかる。
「タッグマッチとなるけど、準備はいいかしら?」
「勿論!」
「覚悟はできているから!」
「じゃあ、始めましょうか」
ミミ達とココア達の2対2の戦いも始まり、序盤から戦いはヒートアップしてきた。
「いきなり戦いが始まりを告げられました!更にはエヴァとハクレン、ソニアとイシス、アミリスとヨーコの戦いも繰り広げられています!」
「となると、残るはヒカリさんとカンナさんですね。果たしてどうなるのか気になります!」
実況と解説のアナウンスが響き渡る中、ステージ中央にある広場では、ヒカリが立ちながら誰かを待っていた。
「来る……あの人が……」
すると下駄の足音が聞こえ、カンナがヒカリの前に歩きながら姿を現す。
「待ちくたびれたみたいね。そやけど、この戦いこそ……うち等の物語の終わりとなる……覚悟はできてるんやろか?」
カンナからの挑発に、ヒカリは冷静に彼女を見る。
「キャプテン同士の戦いとなるけど……私は絶対に後悔はしない。あなたを倒し、必ず勝利を掴み取る!」
「後悔しないみたいやな……ほな……始めまひょか」
カンナは両手に鉄扇を持ち、ヒカリは剣と盾を構えて戦闘態勢に入る。
「行くで!」
両者が同時に飛び出し、武器をぶつけ合いながら激しい戦いを繰り広げ始める。
剣と盾、鉄扇がぶつかり合う度に火花が散りまくり、一進一退の展開となっていた。
「これは凄い!二人の戦いは激しさを増し、互角の展開が続いています!どうやら二人は従姉妹だという事ですが、長年の空白が今……動き出したという事なのか!?」
「こうなると二人の思いのぶつけ合いがカギとなります!」
この様子にラビリンと栞が興奮する中、観客席でも同じ様に興奮していた。
「凄い試合だ!」
「ヒカリさん、勝てるかも知れません!」
「だが、他の所はどうなっているんだ?」
「ますます気になる!」
観客達の興奮する姿を見たトラマツは、ステージの方に視線を移す。
「あいつ等はここで倒れないし、どんな困難であろうとも、最後まで抗いながら立ち続ける。たとえ相手が手強くても……最後まで諦めなければ必ず勝機は訪れるだろう」
トラマツの真剣な表情での推測に、ノースマンとサンペイも頷く。
「ああ!彼奴等なら大丈夫だ!どんなにやられても、他の奴等にはない不屈の心がある!」
「この勝負だって絶対に勝てる!」
二匹が意気込みを入れたその時、エヴァがハクレンの拳を回避し、そのまま彼女を背負投げで地面に叩きつける。
「これで終わらせる!」
そのままエヴァはハクレンの腕を前で交差させて後ろからその両手を掴みながら股の間に頭を入れ、肩車をする。
「ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックス!」
「ガハッ!」
エヴァはそのまま後ろに倒れてブリッジをし、フォールに入る。
『1、2、3!』
スリーカウントが決まり、エヴァが見事勝利。ハクレンはそのまま敗者ゾーンへ転送される。
「決まった!エヴァのプロレス技であるジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックスが炸裂!ハクレンを撃破した!」
「まさかエヴァがあの技を出すとはね……ますます負けられないわ!」
観客席にいる瑠璃香は拳を上に突き上げるエヴァを見て、負けられない気持ちが強くなった。
「エヴァ、なかなかやるな!俺も負けられない!」
零夜も負けじとスピードを上げ、八重の手裏剣を次々と回避する。
「それなら……煙幕!」
八重が煙玉で煙幕を出して移動しようとしたその時、零夜が後方から彼女に羽交い締めを掛け、そのまま上方へ持ち上げる。
「な!?」
「フルネルソンバスター!」
零夜は上空で片手を離してハーフネルソンの状態にすると同時に、八重の背中を下に向けつつ地面へ倒れ込みながら、背中から地面へ叩き付けた。
「がっ!」
背中を叩きつけられた八重はすぐに起き上がった直後、零夜のダッシュ膝蹴りを喰らってしまい、ノックダウン。そのまま彼女は敗者ゾーンへと転移させられた。
(これで残るは5人。後はヒカリさん達がどの様に立ち向かうかだ。後はお願いします!)
零夜はステージの天井を見つめながら、仲間達の勝利を信じた。
※
ヒカリとカンナの戦いは一歩も引かない展開となっていて、どちらが勝ってもおかしくない状態となっていた。
「ここまで追い詰めるとは……やるやん」
「そう言うカンナこそ……」
二人がお互い間合いを取った直後、そのまま武器を収めて拳を強く握り締める。
「此処から先は……殴り合いや!」
「だったら……思う存分やらないとね!」
ヒカリとカンナは同時に飛び出し、激しい殴り合いを始める。それは、戦いが後半戦に突入した合図なのだった。
ヒカリとカンナの戦いは殴り合いに発展!果たして勝利の行方は!?
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