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Sevens Heroes〜選ばれし7人の戦士達〜  作者: 蒼月丸
第二章 受け継がれる勇者の意思
23/32

決戦開幕!

いよいよ決戦が幕を開けますが、前日の夜には恋愛展開もございます!

 零夜達の訓練は激しさを増す中、次々と新たな技や合体技も生み出す事に成功。

 クエストも順調に進み、手に入れた素材でアイテムや武器を強化していたのだ。



 決戦前日の夜、零夜は自分の部屋で本を読んでいた。


「プロレス関連の本を読んでいるのですか?」


 蓮太郎は零夜に近付き、プロレスの本を横から見る。


「ああ。プロレス技は色々あるから、どの様に技を出すのか確認しつつ、その技を出す為に勉強しないといけないからな」

「なるほど。零夜さんはプロレスラーになるのが夢なのですか?」

「当然!」


 蓮太郎の質問に零夜は即答し、天井を見上げる。


「俺がプロレスラーになる夢を決意したのは、倫子さんがいたからこそだ。彼女の活躍を見てからプロレスに興味が湧き、隣に立つ為にも日々努力している」

「だから今の零夜さんがいるのですね」

「そうだ。しかし、プロレスはそう簡単に一朝一夕で終わる事はない。これまでの経験、プロレスラーからの話やアドバイス、更にはトレーニングの積み重ねも大事となる。それにプロレスラーだけで生活できるのはごく僅かだ」

「ごく僅か!?」


 零夜からの説明に蓮太郎は驚いてしまう。衝撃の事実を聞いていればそうなるのも無理はない。


「だからこそ、俺はサラリーマンとプロレスラーの二刀流で立ち向かい、新たな物語を切り拓く。現実はそう簡単にはいかないし、その分無限大の諦めの悪さで補うのみだ」

「そうですか……零夜さんはその先まで見つめているのですね」

「まあな。だからこそ、ここで倒れる理由にはいかないからな。後はクエストにも積極的に参加してお金を貯めておかないと」

「計画性だな……」


 蓮太郎が苦笑いしたその時、ドアのノックが聞こえる。


「どうぞ」


 零夜の合図で扉が開くと、倫子が入ってきた。しかも寝間着でなく、いつもの服装だ。


「倫子さん!どうしてここに?」

「眠れないの。ごめんけど、隣良いかな?」

「いいですが……」


 倫子は零夜の隣に座り、彼の身体にひっつく。


「倫子さん?」

「ウチ、不安なんよ……この戦いでラリウス全体の運命が掛かるし、プレッシャーが強くて耐えられへん……」


 倫子の不安な表情に零夜は心配そうな表情で見つめる。


「それに……負けてしまったら元の世界に帰れず、皆に会えなくなる……どうすればいいのか分からないよ……うう……」


 倫子は我慢できずに涙を流してしまい、零夜が彼女の手を取る。


「大丈夫です。その時の為に俺達がいます。それに一人で抱え込まず、辛い時こそ頼ってください」

「零夜君……」

「俺はあなたのユニット仲間である黒田さんと室山さんとは違いますが、あなたの力になる覚悟は既にできています。どんな困難でも突き進むのが俺の信念ですから!」


 零夜が笑顔を見せた途端、倫子は彼を強く抱き締める。


「ありがとう……ずっと、ウチの側でいてくれる?」

「勿論です!」

「うん……今日は一緒に寝よか」

「へ!?一緒に!?」


 倫子が零夜と一緒に寝る事に、彼は思わず驚いてしまう。


「じゃあ、俺はこの辺で……」

「おい、蓮太郎!逃げるな!」


 蓮太郎はその場から退散してしまい、零夜の声も聞こえなかった。


「分かりました。今日はそうしましょう」

「ごめんね。迷惑掛けて」

「いえいえ」


 零夜は観念して一緒に寝る事を決断し、倫子の謝罪に笑顔で返す。


「布団は既に敷いていますし、枕は大きめですが大丈夫でしょうか」

「うん。大丈夫」


 零夜と倫子は布団の中に入り、電気を消して眠り始める。


(な……なんかドキドキするな……)


 零夜がドキドキする中、倫子が彼を抱き寄せ、そのまま仰向けにして自身の上に覆い被せる。


「倫子さん!?」

「ええ子ええ子……」

(うう……我慢するしか無いな……それにしても……倫子さんの意外な一面を初めて知ったな……)


 零夜は倫子に抱き締められながら眠りに落ち、彼女の肌の感触を感じ取った。



「ん……」


 翌朝、零夜が目を覚ますと、倫子に抱き寄せられた状態となっていた。


「そうだった……昨日、倫子さんと寝ていたからな……あの時の感触が忘れられない……」


 零夜が状況を確認したと同時に、倫子を抱き締めたまま起こさせる。


「ほら、朝ですよ」

「うみゃ……」


 倫子は目を覚ましたと同時に、零夜の頭を撫でる。


「おはよう、零夜君。昨日はありがとう。もう大丈夫だから」

「おはようございます。それを聞いて安心しました。さっ、準備して向かいましょう」

「うん!」


 倫子は零夜に笑顔で応え、彼等はそれぞれの準備を始めた。



 朝食を食べた後、零夜達はギルドの方へと向かっていた。


「いよいよ決戦。覚悟はできている?」

「何時でもいいぜ!」

「私も!」


 アミリスからの確認にソニア、ヒカリは準備万端で応える。


「零夜達は?」

「俺も大丈夫。戦う覚悟はできている!」

「ウチも覚悟はできている。不安はもう無くなったから」


 零夜と倫子も準備万端で応える中、ミミとエヴァはジト目で彼女を睨んでいる。


「あれ?何かあったの?」

「実は昨日、倫子さんが俺の部屋に来て不安な事を話してくれたんだ。そして……一緒に寝たけどな……」

「「「ええっ!?」」」


 零夜の説明にアミリス達が驚いてしまい、倫子は照れてしまう。


「うん。お陰で吹っ切れたし、パラースとの戦いも大丈夫だから」

「そうなの。しかし零夜も大胆ね。年上の女性を落とすなんて」

「意外な一面もあるのだな」

「いや、俺はそんな趣味は……」


 アミリスとノースマンの指摘に零夜が慌てたその時、エヴァが怒りのオーラを背中から放ち始める。


「零夜……アンタと言う人は……」

「ゲッ!エヴァ!」


 怒りのエヴァに零夜は驚いてしまい、彼女は彼の背に飛び乗って頭にガブリと噛み付いてしまう。


「あだーっ!」

「一緒に寝たのはどういう事かしら?巫山戯んじゃないわよ!」

「いだだだだ!」


 更にミミから強烈往復ビンタが炸裂し、アミリス達は慌てながら止めに向かう。


「そんな事をしている場合か!ラリウスの危機が迫っているんだぞ!」

「二人共落ち着け!」


 トラマツとサンペイからの指摘にエヴァとミミは攻撃を止め、零夜は自力で傷を修復する。


「いつつ……パラースの陣営はどうなっているんだ?」

「パラースの陣営はかなり強力と言われている。彼、ヘルガー、アンリ、トン、チン、カン、国重カンナのメンバーで挑むそうだ」

「国重カンナ……まさか彼女も出ているの!?」


 トラマツの説明にヒカリは驚きを隠せず、全員が彼女の方を向く。


「知り合い?」

「うん。私の従姉妹だけど、日本舞踊格闘術の達人と言われていたわ。まさか彼女がパラース側にいるなんて……」

「日本舞踊格闘術って何!?そんな格闘技があるのか!?」


 ヒカリの説明にノースマンがツッコミを入れ、彼女はコクリと頷く。


「ええ。しかも国際大会まで開かれて優勝したわ」

「あるのかよ!というか、こんな格闘技を開いた責任者は馬鹿だろ!」


 零夜がヒカリの説明にツッコミ叫んだその時、何処からか三味線の音が鳴り響く。


「聞きました……そないな事をおちょくるのんは良うないどすな」

「そ、その声は……」


 ヒカリが声のした方を見た途端、カンナが空から舞い降りて姿を現した。


「カンナ!まさかここで再会するなんて……」

「久し振りやな、ヒカリ。あんたは選ばれし戦士として活躍してるのに、うちはそれすら選ばれてへん……」

「だからパラースの元に入ったの!?」

「そや……あんたを殺す為にな……」


 カンナが宣言した直後、パラース、ヘルガー、アンリ、トン、チン、カンが姿を現す。


「まさかここで出会えるとは思わなかったな。まあいい……今からでも遅くない。さっさと始めるとしようか……」


 パラースが箱を取り出したと同時に、ヒューゴ達が駆け付けてきた。


「嫌な予感がすると思って駆け付けてきたが、まさかこの様になるとはな……」

「お前も来ていたのか、ヒューゴ……」


 パラースがヒューゴを睨みつける中、彼は零夜に近付く。


「零夜、この時が来たが大丈夫なのか?」

「覚悟はできている。相手が誰であろうとも……俺は負けられないからな!」


 零夜が拳を打ち鳴らして決意し、他の皆も頷く。


「私も覚悟はできている。相手が誰であろうとも……負けられない!」


 ヒカリも前を向いて決断し、パラースは箱を設置する。


「じゃあ、始めるぞ。準備はいいか?」

「勿論だ!」


 零夜が箱に手を触れた途端、魔法陣が展開して彼等は箱の中へと転移した。



 零夜達はバトルステージに転移し、辺りの状況を確認する。そこは京都の街其の物だが、人は誰もいないのだ。


「ここって京都の街並み?」

「なんか故郷を思い出すな……」

「話には聞いていたけど、この場所を見ると凄いとしか言えないわね」


 ミミ達がステージを見渡している中、ヒューゴ達は観客席に転移していた。


「これが日本の古き都……凄い所だな……」

「ええ。修学旅行に行ったので懐かしさを感じます」

「修学旅行?」


 紬はステージの光景に懐かしさを感じていて、バルクは首を傾げている。


「私達の世界の学校では、この行事があります」

「なるほど。いい思い出だったっすね」

「羨ましさを感じるな」

「ほう。おいも行きとうなったでごわす!」

「私も!」

「日本か……興味あるな……」


 ヒューゴ達は修学旅行について楽しく話をしているが、パラース達の陣営では騒ぎが起こっていた。


「おい!これはどういう事だ!」


 パラースはカンナに対してこのステージの文句を言っているが、彼女は平然としていた。


「何ってうちの故郷である京都やけど。それにあの様な闇のステージは堪忍して欲しいわ」

「巫山戯るな!こんなステージで戦うのは勘弁だ!俺は絶対に嫌だからな!」


 パラースがステージを変更しようとするが、トン、チン、カンの3人が彼に近づく。


「諦めろ。これがお前の宿命だ」

「運命は変えられない」

「この試合俺達の負けだからな」

「なんて事を言うんだ!勝手に負けに決めてんじゃねーよ!」


 三つ子とパラースの言い合いが始まりを告げ、ヘルガーが間に入って止める。


「落ち着け。喧嘩している場合か。試合も始まってもないのにこれで終わりはおかしいだろ」

「そうだった。ヘルガーは人望があるからな……」

「それに比べて……」


 三つ子はパラースをジト目で見ていて、その様子に彼は顔を赤くしてしまう。


「人望なくて悪いかよ!」

「「「それでも人望悪い!」」」

「畜生!」


 三つ子の指摘にパラースが地面を叩く中、ラビリンが空を飛びながら姿を現す。


「ちょっと、何喧嘩しているのかな?これ、中継始まっているんだよ」

「は!?中継?」


 パラースが辺りを見回すと、撮影カメラを持っているウサギ達が、耳をプロペラにしながら空を飛んでいたのだ。


「ウサギが空を飛んでいるぞ!しかもカメラを持っているじゃねーか!」

「ラリウスのウサギ族は、耳をプロペラにしながら空を飛べるからね」

「マジかよ……って、中継は全世界なのか!?」

「その通り!今の行為も全世界に見られているからね」


 ラビリンの指摘にパラースは落ち込んでしまい、改めて彼女はマイクを構える。


「皆様、大変長らくお待たせしました!只今よりラリウスの命運を決める戦いが今、始まろうとしています!実況は私、ラビリンがお伝えします!宜しく!」


 ラビリンの自己紹介と同時に、クラッカーが次々と鳴らされる。


「さて、先程仰せられた通り、この試合は全世界生中継となっています!ラリウスの命運を決める戦いですので、これは見なければ大損ですよ!」


 ラビリンの宣言に零夜達はすぐに円陣を組む。


「世界の命運は全て生中継となると、これは尚更負けられないな」

「うん。ココア達も絶対見ているし」

「私の仲間やエルフの皆、エヴァちゃんの故郷の皆も絶対に見ているかもね」

「子供達も私達の勝利を信じているし、負けられない気持ちが強くなっていくわ!」


 零夜、ミミ、倫子、ヒカリの気合にエヴァ達も頷く。


「やるからには絶対に勝ちましょう!」

「後悔しないでやらなきゃ、絶対に勝てないからね!」

「アタイも覚悟はできている!アタイ等はもうチームとして纏まっているし、ブレイブペガサスとして負けられないからな」

「そうだ!やるからには……絶対に勝つぞ!」

「「「おう!!」」」


 零夜の掛け声にミミ達は一斉に応え、そのままそれぞれの配置に着き始める。


「あいつ等、配置に着いたか!俺達も……ん?」


 パラースが皆に命令を下そうとするが、三つ子の姿がいなかった。


「あいつ等何処行った?」

「勝手に自由行動したみたい」

「あの馬鹿共……すぐに……」


 パラースが言い切ろうとするが、戦いの始まりを告げるブザーが鳴り響いた。


「チッ!戦うしか無いか!あの三つ子は宛にならん!」

「いや、あれを見ろ!」

「!?」


 ヘルガーが指差す方を見ると、零夜達の陣地に三つ子が姿を現し、戦闘態勢に入っていた。


「あいつ等……行動早かったのか……アホだと思っていた俺の勘違いだったかもな……」

「だが、先手を取ったのは大きいですね。果たしてどう出るのか……」


 パラースとアンリはこの状況に注目する中、零夜達は落ち着きながら三つ子に視線を移す。


「自ら乗り込むとはいい度胸だな。だが、教えてやるぜ。相手が悪いという事を!」


 零夜は三つ子を指差しながら、彼等に対して宣言したのだった。

決戦が始まりを告げられましたが、零夜達はどう立ち向かうのか!


次回もお楽しみに!

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