ベルセルクの隠された秘密
今回はベルセルクとの戦いですが、思わぬ真実も明らかになります!
エムールからの技の伝授を終えた零夜達は、少し休んだと同時にベルセルクの討伐へと向かっていた。
「休んでばかりじゃいられないし、このまま放って置く理由にはいかないからな」
「ベルセルクの討伐に関しては私達がやるけど、瑠璃香達はヒューラーの討伐に向かうみたい」
「お互い役割がある以上、責任重大ね。トラマツ、ベルセルクはこの辺りにいるの?」
アミリスの説明に倫子は納得し、マップを確認しているトラマツに質問する。
「確かこの辺りに……ん?足音が聞こえるぞ」
「もしかすると……ベルセルクじゃ……」
エヴァが足音の正体に危機感を感じる中、ヒカリが足元に視線を移した途端、大きな足跡が見つかった。
「大きい足跡……もしかするとこれってベルセルクなの?」
「間違いないわ。この足跡こそベルセルク。もうすぐ近くなるから気を付けて!」
アミリスからの忠告に全員が息を呑む中、エヴァが匂いを感じ取る。
「エヴァ、どうしたの?」
「ベルセルクの匂いを嗅ぎ取ったわ!あそこよ!」
エヴァが指差す方を見ると、遠くでベルセルクが歩いているのを目撃する。
「あれがベルセルク……けど、なんか違う様な……」
「身体の毛色ってこんなのじゃなかったのかな?」
なんとベルセルクの身体の毛色は紫となっていて、角は真っ直ぐ、悪魔の羽も紫色、尻尾の先には猿の手があって鉤爪も付いていた。
「なんか雰囲気違う様な……」
「もしかするとパワーアップしたりして」
「いや、見間違いじゃないのかな……」
ミミ達がヒソヒソ話をしたその時、ベルセルクか彼女達の方を向いて接近してきた。
「接近してきたぞ!」
トラマツの合図と同時に全員が戦闘態勢に入り、そのままベルセルクに襲い掛かる。
「トラマツ、ベルセルクについて調べてくれ!もしかすると何かによってパワーアップしているかも知れない!」
「分かった!無理はするなよ!」
トラマツからの指示に零夜は頷き、跳躍したと同時に回転しながら急降下し始める。
「螺旋落雷蹴!」
回転と同時に稲妻が身体全体に纏わり、そのまま強烈な蹴りをベルセルクの脳天に炸裂させる。
「やったか!?」
零夜はダメージを与えた事を感じて距離を取るが、ベルセルクは頭を掻いてしまう。
「あー、痒い痒い」
「流石に効かないか……って、喋った!?」
なんとベルセルクが喋った事に零夜は驚いてしまい、それにミミ達も反応してベルセルクの方を向く。
「アンタ……喋れたの!?」
「ヒューラーという若造によって復活してパワーアップしたからな。それによって見た目も違うし、力も付けた。ネオベルセルクとしてな!」
「ネオベルセルク……数十年前とは大違いか……」
ベルセルク改めネオベルセルクの説明にトラマツは冷や汗を流し、すぐに彼のデータを取り終えた。
「俺を倒した奴等に復讐するのは勿論、ヒューラーと共にこのラリウスを征服する!邪魔する奴は殺すのみだ!」
ネオベルセルクは空を飛び始め、懐から大きな柿を投げてきた。
「躱せ!」
トラマツの合図で全員が回避する中、エヴァが駆け出して跳躍し、柿をキャッチする。
「何!?」
「これは……黄金柿ね。とても甘くて見た目は黄金。食べると体力、状態異常を全て治す幻の柿と言われているわ」
「そんな柿があるのか!?」
エヴァの説明に零夜が驚いた直後、ネオベルセルクはまた柿を投げてきた。しかも色は紫だ。
「紫色の柿は毒渋柿!喰らったら毒になるのは確定よ!」
「それだけは喰らいたくないな!」
零夜達は紫色の柿を回避し、柿は地面に激突して潰れてしまう。すると柿はそのまま蒸発して消えてしまった。
「チッ、あの女……ベラベラと喋りやがって……なら、こいつでどうだ!」
ネオベルセルクは黄色の柿をエヴァに向けて投げてきて、零夜が彼女をお姫様抱っこして間一髪で回避する。
柿は再び地面に激突して潰れ、そのまま消えてしまう。
「間一髪だったな……」
「ありがとう、零夜。優しいんだね」
エヴァが零夜の頭を撫でて尻尾も振っているが、ミミは怒りのオーラを出しながら彼に接近してくる。
「ゲッ!ミミ姉!」
「零夜の……大馬鹿ァァァァァァァ!!」
「ぎゃああああああ!!」
哀れ零夜はミミのパンチを顔面に激突されてしまい、そのまま弾き飛ばされてネオベルセルクの顔面に激突する。
「ぐおっ!?」
するとその衝撃でネオベルセルクの顔面が結合崩壊されてしまった。
「今の攻撃で顔面が結合崩壊した!」
「へ!?今ので……?」
倫子の報告にミミがポカンとしてしまい、零夜は落下してうつ伏せで地面に激突する。
「いつつ……助けたのにどうしてこうなるのか……ん?」
零夜はネオベルセルクの方を見ると、彼の顔面は既に傷だらけとなっていた。
「良くもやってくれたな……」
「俺じゃないけどな……だが、ここまで来たからには徹底的に倒させてもらうぜ!」
「返り討ちにしてくれる!」
ネオベルセルクは翼を広げて零夜に襲い掛かるが、彼は回避したと同時に跳躍し、ネオベルセルクの背中の上に乗る。
「何!?」
「これは土産だ!」
零夜は懐から火薬玉を投げまくり、次々と翼に当てて爆発を起こす。
「うおっ!翼が!」
「まだまだこれからだ!」
零夜は忍者刀を引き抜き、そのまま刀から水のオーラを発し始める。
「今だ!村雨斬!」
「ぐおっ!」
水の斬撃がネオベルセルクの羽根を切り裂き、そのまま結合崩壊に成功する。
「零夜、今の技って……」
「村雨斬。南総里見八犬伝の村雨を元に開発した技だ。初めてだったが、上手く成功できて良かった」
零夜が忍者刀の刃を見て微笑む中、ネオベルセルクは咆哮を出したと同時に、怒りで活性化してしまう。
「おのれ!よくもやってくれたな!」
「まだやる気か?」
「当たり前だ!お前等を倒さなければ気が済まないんだよ!」
ネオベルセルクは怒りで我を忘れて襲い掛かり、ヒカリをタックルで突き飛ばして木に激突させる。
「あうっ!」
「ヒカリさん!」
更にネオベルセルクはヒカリを右手で掴み、左手の爪で服を切り裂こうとする。
「さーて……まずお前には服を脱がせる必要があるな……」
「アイツ、ヒカリを全裸にするつもりだ!」
「ひっ……止めて……」
ヒカリは恐怖のあまり涙を流したその時、零夜が駆け出して強烈パンチでネオベルセルクを殴り飛ばす。
「ぐほっ……」
その衝撃でネオベルセルクはよろけてしまい、ヒカリを手から離してしまう。
「今だ!」
すぐに零夜がヒカリをキャッチし、彼女は涙を流しながら彼を強く抱き締める。
「ありがとう……怖かったよ……」
「大丈夫です。後は……任せてください」
零夜はヒカリを地面に降ろしたと同時に、ネオベルセルクに接近する。
「おい、ネオベルセルク……お前はやってはいけない事をした……女性を泣かせる奴は……許さないぜ!」
零夜は忍者刀を構えて刀にオーラを込め始め、怒りの表情でネオベルセルクを睨みつける。
「よくも邪魔をしてくれたな!お前を倒さなければ気が済まないんだよ!」
「やれる物ならやってみろ。返り討ちにしてくれる!」
零夜とネオベルセルクは駆け出したと同時に、激しい戦いが幕を開けた。
※
その頃、瑠璃香達はアークスレイヤーのクロモリ支部アジト内に潜入していた。多くの敵を倒し終えていて、残すはヒューラーのみだ。
「この扉の先にヒューラーがいるわ!けど、油断は禁物よ!」
ヒューラーのいる部屋の前ではユナスが瑠璃香達に忠告し、彼女達は一斉に頷く。
「よし!行くわよ」
ユナスが扉を開いた途端、そこにはヒューラーが待ち構えていた。
「まさかお前が来るとはな……ユナス……」
「私の故郷はアンタによって滅ぼされた。ここでアンタを倒し……ん?」
ユナスがヒューラーの方をよく見ると、彼の顔に傷が付いているのが見えた。
「その傷は!?」
「ベルセルクの奴が思わぬ形で苦戦をしているからな……お陰でこのザマだ……」
「ベルセルクは零夜達が相手をしているからね。でも、なんで戦ってもないのにこんな傷を……」
ヒューラーの説明に瑠璃香が考え始めたその時、エミリーがすぐにその原因を解明する。
「分かりました!契約時のフルリンクですね」
「フルリンク?どういう事?」
エミリーの回答にローザか疑問に感じて首を傾げる。
「フルリンクとは相手と一心同体となり、経験値やパワーアップ、戦いの記憶も共有する事が可能です。しかし、ダメージも共有する為、かなり危険な魔術と言われています!」
エミリーの説明に瑠璃香達は思わず息を呑んでしまう。
「その通りだ。俺はこいつを召喚してアークスレイヤーに貢献していたが……ベルセルクが思わぬ形で苦戦を強いられてこのザマだ……だが今は……お前等を倒すのみだ!」
ヒューラーは鋼鉄のトンファーを構えて襲い掛かり、ユナスに強烈な一打を当てようとする。
「おっと!」
しかし、ユナスは回避したと同時にナイフを構え、ヒューラーの足に投げ刺した。
「ぐあっ!」
ヒューラーが怯んだその時、睦美が銃を構えて彼の左手に銃弾を当てる。
「ぐおっ!」
ヒューラーの左手からトンファーが落ちたその時、ローザが駆け出して彼に襲い掛かる。
「ウエスタンストライク!」
「がはっ!」
強烈なハイキックがヒューラーの顔面に炸裂したその時、彼の両手とお尻に激痛が走る。
「ぐあああああ!!」
ヒューラーは右手からトンファーを落としてしまい、痛みのあまり息を荒げてしまう。
「ベルセルクは零夜達が善戦しているみたいね。こちらもすぐに終わらせてあげるわ」
「そうは行くか!こうなったら禁断の奥の手だ!」
ヒューラーは自身の周りに闇のバリアを発動させ、全身を闇の煙に包み込み始めた。
「何をするつもりなの!?」
「分からないよ。もしかするとまずい予感が……」
アンの質問にモニカは首を横に振ると同時に、冷や汗を流しながら危機感を感じる。
「恐らく……禁断の融合ね。ベルセルクと融合して完全なるモンスターとなるみたい……」
「「「ええっ!?」」」
エリザが冷や汗を流しながら推測し、瑠璃香達は一斉に驚いてしまった。
※
零夜達とネオベルセルクの戦いも佳境に入る中、ネオベルセルクは空を飛んで急降下してくる。
「躱せ!」
トラマツの合図で全員が回避し、ネオベルセルクは地面に着地する。
「その程度か……うっ!?」
するとネオベルセルクの足に激痛が走り、動きが鈍くなる。
「動きが鈍くなった!?」
「今がチャンス!」
すかさず零夜達が駆け出した直後、ネオベルセルクの顔面と膝にも激痛が走ってくる。
「ぐおっ!まさかアイツ……」
「隙だらけだ!風魔手裏剣!」
「ファイアーブレイド!」
「ダンシングサイクロン!」
ネオベルセルクがヒューラーに危機感を感じたその時、零夜の手裏剣、ヒカリの炎の剣、ミミの風の剣舞がネオベルセルクの尻尾を攻撃し、そのまま結合崩壊を起こした。
「レッドスナイプ!」
「ドラゴンスラッシュ!」
「狼牙羅刹弾!」
「サイコストライク!」
アミリスの紅蓮の弓矢、ソニアのカタールでの斬撃、エヴァのオーラを纏った拳の一撃、倫子のエスパー波動弾がネオベルセルクの両手も結合崩壊してしまい、彼に大ダメージを負わせる事に成功する。
「グアアアアアアア!!」
ネオベルセルクは悲鳴を上げてしまい、片膝をついてしまう。その様子は息も荒く、残り体力もあと僅かだ。
(まずい……このままだと……ん?)
ピンチになったネオベルセルクはどうすればいいか考えたその時、突如闇の気配を感じ取り始める。
(アイツ、覚悟を決めたか。ならば俺もそれに従うまでだ!)
ネオベルセルクは覚悟を決めた途端、翼を広げて空へ飛び始める。
「逃げるが勝ちだ!」
「あっ、こいつ!」
ネオベルセルクは空を飛びながらその場から逃げてしまい、零夜達はすぐに追い掛けようとする。
「ここはアタイに任せな!」
するとソニアが緑色のドラゴンに姿を変え、零夜達の前に移動する。
「早く乗りな!そっちの方が早いぜ!」
「助かるぜ!」
「遠慮なく!」
零夜達はドラゴン形態のソニアに乗り始め、彼女は皆を乗せて空を飛び始める。
「アミリス、ネオベルセルクは何処に向かっているか分かるか?」
「ええ。向かっているのは……あっ!アークスレイヤーのクロモリ支部よ!」
「「「アークスレイヤーのアジト!?」」」
アミリスの説明に皆が驚く中、トラマツはすぐにネオベルセルクの行動を察する。
「原因が分かった。ネオベルセルクは誰かとリンクしている。奴に激痛が流れたのも、アジトにいる誰かが攻撃を受けていた……その該当する人物は……」
「ヒューラーしか居ないという事だな」
トラマツの説明に零夜が答えたその時、遠くにあるクロモリ支部のアジトが崩れ始めていた。
「アジトが崩れていく!」
「あの中には瑠璃香さん達が!ソニア、急いで!」
「おうよ!」
倫子の合図でソニアがスピードを上げようとしたその時、空飛ぶ絨毯に乗った瑠璃香達が駆け付けてきた。
「無事だったんやね!」
「ええ!ヒューラーはネオベルセルクと融合して新たな姿に変えようとしているわ!」
「新たな姿!?それって一体……」
倫子が言い切ろうとしたその時、アジトが崩れたと同時に新たなモンスターが姿を現す。
その姿は猿の顔をして身体は雪男、悪魔の角にドラゴンの長さの尻尾、更には翼竜の羽が背中に生えていた。
「どうやらヒューラーとネオベルセルクは合体し、新たなモンスターとなった。名付けるとしたらヒュルセルクだな」
「けど、今は名付けている場合じゃないわ。皆で協力して倒すわよ!」
トラマツの説明とアンの合図と同時に、零夜達は戦闘態勢に入る。
(恐らくこの戦いはそう簡単にはいかない。これ以上奴等の好き勝手にはさせないぜ!)
零夜は心から強く思ったと同時に、仲間達と共にヒュルセルクとの戦いに挑み始めた。
ヒューラーとベルセルクはフルリンクで結ばれていた事が判明。更に二人は融合し、ヒュルセルクとなりました!
次回で戦いに決着が着くのか?




