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Sevens Heroes〜選ばれし7人の戦士達〜  作者: 蒼月丸
第一章 運命を切り開く戦士達
15/32

技の伝授と俺達のチーム名

今回はエムールからの試練です!

「まさかリリィ様によってこの世界に来るとは予想外やったわ」

「そういう倫子もこの世界に来るとは驚いたわ。ここで再会したのも何かの縁かもね」


 その夜、エルフの森にある食堂では、倫子と瑠璃香がお酒を飲みながら話をしていて、零夜達はその様子に苦笑いしていた。


「まさかこの様な展開になるとは驚いたけど……」

「意外な事もある物ね……」

「う、うん……」


 すると零夜達の元にエミリーが駆け寄ってきた。


「あの、ロリアンさんの孫娘であるエヴァさんですか?」

「そうだけど……」

「私、ミンミンの孫娘であるエミリーです!お祖母ちゃんから話は伺っています!」

「えっ!?ミンミンの孫娘!?」


 エミリーの自己紹介にエヴァだけでなく、零夜達も驚きを隠せずにいた。


「はい。お祖母ちゃんは既に亡くなっていますが、私に様々な技や治療術を教えてもらいました。今では魔術格闘家として頑張っています!」

「そうなの。まさかお祖母ちゃんから受け継いだ者がここにいるなんて。なんだか気が合いそうね」

「はい!」


 エヴァとエミリーが微笑む中、零夜達はこの状況を見て複雑な思いを感じていた。


「いずれトーナメントでは戦う事になるかも知れないな……こうなるとそう簡単には通してくれないだろう」

「ああ。零夜は自信はあるのか?」

「分からない。だが、ここで止まる事はできないからな。俺達はアークスレイヤーを倒す使命を果たさなければならないし」

「零夜君ならそう言うと思ったわ」


 零夜の決意にヒカリが苦笑いする中、モニカが彼の後から背中に飛びついてきた。


「おわっ!?モニカ!?」

「まあまあ。固い事は無しにして、どんどん食べようよ!」

「お、おう……」

「ちょっと!それは私の役目だから!」


 モニカの笑顔に零夜が苦笑いする中、ミミが頬を膨らまして彼女を彼から引き剥がそうとする。


「相変わらずみたいね」

「まあ、こんな事も悪くないんじゃないのか?」

「私もそう思うかな……」


 この光景にヒカリ、ソニア、アミリスは苦笑いをするしか無かった。


「ライバルが増えたのにも関わらず、毎回この有り様だな……」


 トラマツは今の状況にため息を付いていて、ノースマンも唖然としていた。


「あいつ等らしくて良いじゃないかと思うぜ。それに向こうさんもフレンドリーだし、ライバルである事は分かっているからさ」

「別にいいけど……」


 ため息を付くトラマツと苦笑いするノースマンの元に、妖精であるアンが駆け寄ってきた。


「お前はリリィ様の使いである妖精のアン!」

「久しぶりね、二人共!まさかあなた達のチームが揃うなんて驚いたわ」

「偶然もあったが、無事に揃う事ができた。けど、ベルセルクを倒さないと課題には進めないからな」

「なるほどね。私達もヒューラーを倒す必要があるわ。お互い頑張りましょう!」

「ああ!」


 トラマツとアンは拳を打ち合わせてお互い頑張る事を誓い、ノースマンも頷いていた。



 それから翌日、零夜達はエムールから技を受ける事になり、彼がその技の説明を始める。


「良いか?今回伝授する技は7人でしかできない合体技であるセブンス・スレイヤーじゃ。その技を上手く活用できるかはお主等次第となる」

「なるほど。となると、連携がカギとなりますね」

「そうじゃ。一人が打ち上げたと同時に5人が次々と一人ずつダメージを与え、最後の一人が真っ二つに切り裂くという技。では、早速始めるぞ!」


 エムールはモンスターを召喚し、零夜達はどうするか話し合う。


「エヴァが上空に打ち上げ、アミリス、ヒカリさん、ソニア、倫子さん、ミミ姉がダメージを与え、そして俺が真っ二つに切り裂く!」

「OK!」

「ここは私に任せて!」


 エヴァはモンスターをそのまま軽々と担ぎ、上空へと投げ飛ばす。


「凄い怪力!」

「今がチャンス!連続射撃!」


 アミリスはジャンプしたと同時に上空にいるモンスターに弓矢を解き放ち、ダメージを与える。


「私も行くわ!スラッシュブレイド!」


 ヒカリもジャンプして強烈な斬撃をモンスターに炸裂させ、ソニアも背中の翼を広げて追い打ちを掛ける。


「ドラゴンスラッシャー!」


 ソニアは空を飛びながらカタールの斬撃を繰り出し、倫子も空高くジャンプして自身の足に炎を纏い始める。


「フレイムストライク!」


 強烈な炎の蹴りがモンスターに直撃したその時、ミミもジャンプしながらリングブレードに力を込める。


「ウィンドブレード!」


 風の斬撃が見事決まった直後、零夜が忍者刀を構えながら跳躍し、刀にオーラを込めて振り下ろし始める。


「快刀乱麻!」


 そのままモンスターを一刀両断し、零夜は地面に着地。同時にモンスターも消えてしまった。


「今のはスピードが遅かったな。もう少し速度を早めるぞ!」

「「「おう!」」」

「エムール様、もう一度お願いします!」

「うむ!」


 エムールは再びモンスターを召喚し、零夜達は再び連携の練習を始める。


「なるほど……こりゃもしかすると……1日足らずで完璧にマスターできるかも知れんのう……」


 エムールはこの光景を見ながら感心していて、遠くのベランダでは瑠璃香、エミリー、モニカ、アンが見ていた。


「彼等は強くなっていく。私達も負けられないわ」

「けど、こちらはメンバーがまだ……」


 エミリーが言い切ろうとしたその時、瑠璃香のスマホに通信が入る。


「はい。瑠璃香だけど……えっ!?メンバーが見つかった!?分かったわ。ここで待っているから!」


 瑠璃香はすぐに通信を切って、エミリーとモニカの方を向く。


「今、親友の睦美から連絡があったわ。ローザと共に仲間を探したところ、二人見つける事ができたって!」

「本当ですか!?」


 瑠璃香の報告にエミリーとアンは笑みを浮かべ、モニカは安堵のため息をつく。


「良かった〜!長くなるかと思ったけど、こっちも揃ったみたいだね」

「ええ。これでリリィ様に安心して報告ができるわ!」

「後は合流したら技も覚えないといけないけど、私達はヒューラーを倒す必要があるわ。その為にもメンバーが揃い次第、すぐにアジトに向かうわよ!」


 瑠璃香の宣言にエミリー、アン、モニカが頷いたその時、零夜が跳躍してすぐに忍者刀を振り下ろす。


「快刀乱麻!」


 モンスターを一刀両断して着地し、この様子に瑠璃香達は驚いてしまう。


「凄い……!」

「見事な連携……!」


 零夜が刀を収めたその時、エムールがコクリと頷く。


「まさかここまで成功するとは見事じゃな。僅か1日……いや、1時間で取得するとは……今までなら二日以上は掛かっておったぞ」

「そ、そんなにも掛かっていたの!?」


 エムールの説明にアミリス達は驚きを隠せず、彼はコクリと頷く。


「この技は仲間との絆、攻撃の威力、そして素早さの3つが揃わなければできない。しかし、お主達は全て取得してこの技を覚える事ができた。この技があればベルセルクも倒す事は可能じゃよ」

「貴重な技を教えて貰ってありがとうございます!この技を駆使して必ずベルセルクを倒します!」

「頼んだぞ、選ばれし7人よ。しかし……今後も同じ戦士達が出てくる可能性もあり得るからのう……ここはチーム名を作成して考えてみたらどうじゃ?」


 エムールの提案を聞いた零夜達は、お互い顔を見合わせて冷や汗を流してしまう。


「言われてみれば……考えた事なかったな……」

「チーム結成時から名前なんてすっぽかしていたからね……」

「けど、いい機会だからチーム名を考えるのも良いかもな。折角だから考えておこうぜ!」

「じゃあ、私の部屋に移動しましょう」


 アミリスは零夜達を連れて自身の部屋に移動し、それと入れ替わりに瑠璃香達がエムールに近付いてきた。


「私達も技の伝授をお願いします」

「ヒューラーを倒す技じゃな。しかし、お主等は7人揃っていないみたいじゃが……」

「その事だけど、こちらも7人揃い終える事ができましたので。すぐに駆け付けます!」

「おお!そちらも揃えておったのか!」

「ええ。こっちよ!」


 瑠璃香が手を降った途端、木の上から4人の女性達がジャンプしながら姿を現した。


「まずは日高睦美。彼女は元自衛隊で今では私と同じプロレスラーなの!」

「「自衛隊?」」


 瑠璃香の説明にエミリーとモニカはキョトンと首を傾げてしまう。


「自衛隊は軍隊と同じだけど、国を守る為に編成された部隊なの。他の国には攻め込まないし、仲間の国の手助けとなる攻撃には参加しないから」

「そうなのですね」


 瑠璃香の説明にエミリーとモニカが納得した直後、睦美が彼女に近付く。


「待たせてごめんね。メンバーは集めたから!」

「わざわざありがとう。こっちもメンバーを揃えたから!」


 睦美と瑠璃香が微笑む中、アメリカ人の女性が彼女達に近付く。


「ローザもありがとう!手助けしてくれて!」

「ええ。それに初めての方もいるわね」


 ローザと呼ばれた女性は、エミリーの頭に手を置いて微笑む。


「私はローザ・シンクレア。瑠璃香とは同じプロレス団体の所属よ」

「ワールドバトルリングの選手ですね。ブルーキャットのエミリーと言います!」

「僕はモニカ!ドワーフ族だよ!」


 二人の自己紹介にローザが微笑む中、吸血鬼の少女が姿を現す。その姿は赤いオーバーオール風の服を着ていて、白いボブヘアをしていた。


「あなた達がエミリーとモニカね。可愛さあっていいと思うわ」

「あなたは?」

「私はエリザ。吸血鬼だけど、あなた達の味方よ。そしてもう一人は私の友人」


 エリザはダークエルフの女性を指差し、彼女はコクリと一礼をする。


「私はアサシンのユナス。ダークエルフだけど、貴方方の力になるわ」

「ダークエルフ……噂には聞いていたが、里は全滅したのでは?」


 ユナスの自己紹介にエムールが反応し、彼の推測に彼女はコクリと頷く。


「ええ。私の故郷はヒューラーによって目茶苦茶にされてしまったわ。多くが殺され、今では散り散りになって何処かに住んでいる。私は彼を討ち取りたい!その為ならどんな困難でも乗り越えてみせる!」


 ユナスの強い決意にエムールは納得の表情をする。


「よし!ならば技の伝授じゃ。準備はいいか?」

「「「はい!」」」


 エムールの指示に瑠璃香達は返事をし、零夜達と同じ技を受け始めた。



 その頃、零夜達はチーム名を話し合う中、決まっていたのはこの3つの案となっていた。


・ブレイブペガサス

・アンリミテッドヒーローズ

・マジカルウォリアーズ


「どれも良いが……俺達は勇気あるからこそ、ここまで来れた。そうなるとブレイブペガサスの方がいいと思う」

「零夜の言う通りね。それに私達はまだ見ぬ可能性があるからヒーローズがいいと思うけど……あ、私達はまだヒーローじゃないしね……」


 零夜とミミの意見に皆が考え込む中、倫子が手を挙げる。


「私はブレイブペガサスがいいと思う」

「倫子さんはそれでいいのですか?」

「うん。私がここまで来れたのは勇気があったからこそ、ここにいる事ができた。だからこそ、このチームの名前がいいと思う」


 倫子の意見にアミリス達も顔を見合わせて頷き合う。


「私も自ら戦う事を決意したのは、勇気があったからこそだし、皆に出会わなかったらどうなるのか分からなかった」

「アタイも皆に出会えたからこそ、勇気を感じる事ができた。ブレイブペガサスがピッタリだと思うぜ!」

「そうね。私もその意見に賛同するわ!」

「勇気さえあれば何でもできるからね」


 倫子の意見にヒカリ達も賛同し、零夜とミミは納得の表情をして頷く。


「よし、決定だ!俺達はブレイブペガサスとして行動する。トラマツ、メディア様にチーム名が決まった事を伝えてくれ」

「任せて!」


 トラマツがメディアに連絡し、会議が終わった零夜達は背伸びをしたり、肩をもみ合ったりしていた。


「お疲れさん。今からベルセルクを討伐しに向かうのか?」

「ああ。技も取得したし、休んだらすぐに行かないとな。これ以上被害を出さない為にも!」


 零夜が腕を回したその時、エムール達が姿を現す。


「どうやらチーム名が決まった様じゃな」

「ええ!こっちも終わったの?」

「うむ。彼女達も技を取得した様じゃ。しかも、お前達と同じくらいで終わらせたぞ」

「ええっ!?瑠璃香達も!?」


 エムールからの報告に倫子達が驚きを隠せなかった直後、瑠璃香が彼女達に近付く。


「私達もここで止まる理由には行かないし、どんな困難であろうとも、戦う覚悟は既にできている。トーナメントでも、絶対に負けないから!」


 瑠璃香の熱き決意に零夜は頷き、すぐに手を差し出す。


「俺達と同じですね。ですが、戦う事になるのはトーナメントの決勝戦。その時は……全力で立ち向かいます!」

「ええ!」


 すると瑠璃香は零夜を思いっきり抱き締め、その光景に皆が驚きを隠せず、倫子は苦笑いしてしまう。


「ああ。いつもこうだから、気にしなくてもいいからね」

「そ、そうなのね……」

((なんだか複雑……))


 倫子の説明にヒカリ達は納得するが、ミミとエヴァは心の中で複雑な状況になっていた。


(なんだか前途多難となるのは気の所為なのだろうか……)


 零夜に至っては、この状況に先行きと不安を感じるしかなかったのだった。

エムールからの試練を乗り越え、いよいよ戦いが始まります!

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