今すぐに入部しろ!
「え!朝の方ですよね」
彼女は驚きながらも少し怯えた声で言った。
当然だな。
あんなこと言われて怯えない奴はいないだろう。
「なんでお前がここにいるんだ」
早速本題へ入る。
「私、今日転校して来て、とりあえずなんか部活入っとこうかなと思いまして....」
そこで俺は校長からの張り紙を思い出した。
こいつとりあえず入れておけば廃部は逃れられるくね?
「頼む!ラノベ部に入ってくれ!」
俺は必死に懇願した。
「い、いやじゃないんですけど...男の方と2人きりと言うのはなんかその.....」
彼女は顔を赤らめ、少し俯きながら答えた。
小さな物置小屋に気まずい空気で充満する。
ここは一つ冷静かつカッコよく答えておこう。
「俺はガキには興味ねぇ」
ん?!何言ってんだ俺?!ラノベの読みすぎでおかしくなっているのか?!いや!こいつのラノベが悪い
俺は隠キャ特有の脳内反省会を行なっていると
フフッ
「先輩面白いですね。」
彼女はクスクス笑っていた。
どこか馬鹿にしたような風にも見えるが。
まぁ距離は少し縮まったか。
そこで俺は畳み掛ける。
「頼む!ラノベだって俺は結構読んできたし、アドバイスできる点もあると思う!お前下手だし。」
なんで俺は勢い任せで無駄なこと言っちゃうかなぁー
第二次反省会を取り行っていると
「わ、分かりました。入部する方針で考えさせてもらいます。」
彼女は少し怒った表情ではあったがなんとかOKらしい。
「いや今すぐ入部してほしい。」
そうだ。校長からの猶予は今日までだ。
「いやでも私、他の部まだ何も見てなくて」
彼女は困っていたがそんなの関係ない。
「ダメだ。絶対に今日までだ。明日はないぞ。しかもお前運動できないだろ。」
また余計な事を言う。
「別に運動部以外にもいろいろありますよ」
「知らん。そんな部活将来役に立つか?答えはNOだ。」
まるで頑固な父親のように説得する。
「じ、じゃあもう入部でいいですよ。」
彼女は呆れたように承諾した。