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第1話「生徒警察と蛮勇の勇者」

“生徒警察” 俺は教師のことをそう呼ぶ。


“型”からはみ出た生徒は徹底的にゆるさない。


大人たちが“多様性”と必死に叫ぶ世の中にあって

学校の中はそんなことおかまいなし。


すべての生徒たちが判で押したように同じでなければ気が済まない。

少しでも形が揃っていなければ徹底的に取り締まられる。


”同調圧力の醸成“


日本人の長所であり短所だ。

そんな同調圧力を”生徒警察“たちによってからだに植え込まれているようで仕方ならない。


生徒警察たちの見事な調教のおかげで同調圧力は生徒間でも生まれる。

クラスの空気を支配する上位の奴らと少しでも価値観がズレていれば

陰キャとレッテルをはられてクラスの輪から排除される。


俺は式柴京太郎(しきしば きょうたろう)


高校一年生

学校ではなるべく目立たないようにしている。

趣味も語らない。

聞かれても当たり障りない答えで誤魔化す。


「ああ、動画とかテレビでスポーツ観てるの好きだわ」


スポーツなんて気ほども好きではない。

なんせ運動が苦手だからな。


動画やテレビなんてもっぱらアニメだ。


それに俺の本当の趣味はゲーム。

MMORPG“ファンガルスフロンティア”で名を馳せたプレイヤーだ。

だけどそんなことをクラスで話せば、陰キャ、キモオタと好奇の目に晒されて

馬鹿にされる。


だから学校にいる間は身分を隠した水戸黄門気分。


「息苦しい⋯⋯」


中学よりマシになったとはいえ、学校の中に自由はない。


それはファンガルスフロンティアの中でパーティーメンバーやギルドに集まった

いろんな冒険者たちと交流しているから余計にそう感じてしまう。


みんなそれぞれのアバターは自分の好きなものを隠すことなく自由で個性的だ。

それに大人や学生といった垣根はない。


とにかく高校の3年間を無難に過ごすにはクラス内で浮かずに、生徒警察にも

目をつけられないことだ。


相馬(そうま)マリナ。なんだその髪の色は』


廊下を歩いていたら面倒な場面に出くわしてしまった。


こっちをチラッと見ないでくれ地味子⋯⋯


相馬マリナは黒縁メガネで背も小柄。

いつも図書館で本を読んでいてクラスに話す友達もいないボッチだ。

俺と違って高校デビューはうまくいっていないようだ。

そんな彼女だけど唯一他の生徒より目立つ部分がある。


“髪の毛の色”


地毛が茶色いんだ。しかもピンクがかったライトな色。


相馬のお母さんは外国の人で、髪の色はお母さんと一緒なんだと

自己紹介で話していた。

おそらく目立つ髪色の反動で地味に徹しているんだ。


だけど、今回目をつけてきた生徒警察は体育の剛乃(ごうの)だ。

剛乃は生徒にどんな事情があろうが徹底的に取り締まる。


「髪の毛の色は⋯⋯私はハーフでーー」

「それがどうした? 校則を読んだだろ。この学校では黒って決まりになっているだろ?染めてこい」


“ブラック校則”


矛盾している。

地毛の色を染めるのが禁止になったのは不良生徒の抑制が目的にあっただろうがいつの時代の話だ!

剛乃の場合は過剰反応だろ!

生徒全員の髪の色を黒で統一したいだけ校則そのものを履き違えている。

それに剛乃の目的は⋯⋯


「やめろよ!」

「あん?」

「相馬の髪の色は相馬が相馬のお母さんから授かったものだ!

相馬の髪を黒く染めさせるのは相馬への人権侵害だろ」

「お前、式柴だったよな。教師に反抗するのか?」

「あんたの目的は点数稼ぎだろ。生徒を些細なことで取り締まるだけでポイントが入って出世できるもんな」

「式柴、教師への反抗だけでなく侮辱か?」

「事実だろ! 相馬の髪が問題ならなんで入学から2ヶ月も経った今頃なんだ。

先生が真に問題に思うならとっくに取り締まっているだろ!

本当は何か別の目的があったんじゃないか」

「言いたいことはそれだけか?」

「は?」

「停学だ。停学だよおまえ」

「⋯⋯」


やってしまった⋯⋯


式柴京太郎 停学1ヶ月


つづく



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