048
春が終わり夏がこんにちわしてきた頃、王様の無茶振りである西部要塞計画が完了して実家でのんびりしていた。
「あぁ~・・・これぞ田舎って感じよね。表敬訪問の対応をしなくて済むのは幸せだわ。なにより息子とここで暮らせるのが最高」
最早私が幼い頃の影を失った豪邸は、今でも私の育った場所として意味がある。あの庭で3歳の時から頑張って来たのだ。そこに息子が居るというだけで感慨深いという物である。
「お姉ちゃん、なんか老けた?」
「サリー。疲れを癒しに来たお姉ちゃんを虐めたいの?」
「あはは、でも長い王城生活で少しダレちゃったんじゃない?」
うーん、サリーの指摘通りかもしれない。11歳となった妹は私と同様に発育が良く。学校では密かに彼氏が居る事も確認済みである。あの学校デカいからなぁ。アイドルにもなれるだろうなぁ・・・。私はそんな環境じゃなかったからなぁ。
「あ、そうだ学校」
「ん? お姉ちゃん教師になるとか言わないでよ?」
なんで自分が理事やってる学校で教師をしないといけないのか。ああでも、妹に直接教えるのも面白いかもしれない。
「なんで? サリーに教えたら楽しいでしょ」
「私がやり辛いからダメ。あと・・・(彼氏が取られちゃうから)ダメ」
ほう・・・今の小声。聞き逃すと思うたか妹よ。私の仙人イアーは全てを拾うておるぞ。
サリーの耳元に近付いて小声で宣言してあげた。
「こしょこしょ・・・(大丈夫よ、私も応援してるから、二年後の成人の儀で妊娠できるように頑張りなさい)」
「きっ、気が早いって!!」
おおう。真っ赤になった150センチの妹も可愛いのう。ほれほれ撫でてやろうぞ。撫でつつ腕輪型マジックボックスから、試作品を取り出した。
「すぐだよ? あっという間に来ちゃうよ。あ、あとこれ、新開発の試供品」
「・・・? ナニコレ?」
「あの日用アイテムの改良版」
「あ、ありがと・・・」
棒タイプじゃなくて、穿くタイプだぜ。漏れない!蒸れない!匂わない!女の子にはとっても重要な事よな。
「匂わないから彼氏にも安心して抱き着けるわよ」
「違うし・・・でも、ありがと・・・」
可愛い妹を愛でながら、何を言おうとしてたんだっけと息子を持ち上げて首を傾げる。
学校・・・学校・・・あぁっ!
「そうだそうだ、神学校だ」
「神学校、通うの?」
「うん。回復魔法が使いたいの。あと普通に生徒をやってみたい。」
「あぁ、うん。そうだよね、お姉ちゃんは教師はしてたけど生徒はね・・・お母さんの生徒でもあるんじゃないの? あとハイネさんの」
妹よ。正しい形の生徒はハイネさんしかいない筈なのに、ついでのようにサリーに言われてしまうハイネさん可哀そう。
「お母さんもハイネさんも冒険者仲間だから、生徒かと言うと・・・ハイネさんは依頼で情報提供してもらった感じだからね。教えてもらったというのもちょっと違うかなぁ」
魔法教書の知識の上に、ハイネさんの知識が乗っかったような物だったからなぁ。ゼロから誰かに教えてもらいたいんだよね。
「あー、そういうのは無いよねぇ・・・ジュリアンヌ様は?」
「ジュリーは友達」
サリーが困ったような顔になった。
「お姉ちゃんてさ」
「ん?」
「もう王族だよね」
「・・・そうね」
何かお菓子を強請る時のような顔だぞ。これはいけない気がするぞ。でも可愛い、受け入れちゃう。
「という事はお貴族様だよね」
「それがどうしたのよ?」
「・・・礼儀作法を習いたいなぁって・・・」
ははぁ~ん・・・彼氏か!
「そういう事なら私は向いてないよ。身内だと甘くなるし」
「でも、他に教えてくれる人なんていないし」
「ジュリーに頼んどくから、ついでに錬金術の知識も叩き込んでもらいなさい。地味に家庭料理に使えるわよ。精力剤とか」
既に実践済みです。
「し、しょれはちがっ、くすりじゃなぁい!」
「大事な事だよ? 側室なんていらないって言わせたいでしょ?」
「・・・うん」
お、真剣に考え始めたか。
「じゃあ努力しなさい」
「はいっ」
これで良し。頼んだぞ友よ! だがサリーは食うなよ!
◇◇
翌月になって夏真っ盛りな頃、私は王都に向かった。神学校の入学試験の為である。
神学校は、というより魔法学院も貴族院も、幼年院を除いた殆どの学校は秋ごろに入学するところが多い。農業大国なのでその頃は刈り入れが終わり、ひと段落ついている家が多いせいもある。そうした平民農家のとりまとめをする貴族も、その頃にはひと段落ついているので国民総ゆったり期間というわけだ。
「という訳で猛勉強をします。アル。勉強しながらだけどあなたはしっかりオッパイを飲みなさい。あなたは大きくなるのが仕事だからね」
「あぃ」
やだウチの息子かわいすぎ・・・!?
プニプニほっぺに頬ずりしていると、姫殿下が現れて息子が奪われていった。
「さぁ、勉強に集中してくださいまし」
「アルぅ~・・・」
「まんま~」
「がんばるぅ」
歴史、聖書の内容、計算、国語、錬金術・・・錬金? 何で? まぁ良いや。
それらを家族がアルにキャイキャイと構っている姿を見つつ、入学前の残り少ない時間で勉強した。
そうして秋口に入った頃の夏の終わり。王城の入り口に私は立っている。
「・・・アル。ママは行ってくるわね。お別れ前のオッパイは大丈夫?」
「あぃ」
ちょっと白い目で見るの止めて。ママ傷ついちゃう。
「ユリアなら何も心配していない。気負いせず行ってくるといい」
相変わらずの美形スマイルな愛しの旦那様。このまましばらく眺めていたくなる。
「うん、行ってきます」
レオンにアルを抱かせたまま背伸びしてキスをすると、アルが胸をもいもいしてくる。それやると漏れるから、帰ってからしようね。
うし、気合十分。行くぞ!
家族とパーティ仲間の応援を背に門を潜り、遠目に並ぶ野次馬の注目を浴びながら一人で神学校に向かった。護衛? 邪魔でしょ。
◇◇
神学校とは、キリシア教の神官を鍛え上げるための教育機関であり、基礎的な体力鍛錬や学問に加え、戦闘能力まで叩き込まれるという、意外と武闘派な学校だ。入学するには幼年院を卒業している事が条件で、無論、3年分の学費も必要になる。ちなみに私は老神官から地元の幼年院卒業証書を貰っている。
それだけの条件をクリアするには、10歳前後で3年間の学費を用意できる者、もしくは財力のある家の出で、戦闘訓練に耐えられる程度の肉体を持っている事と、割と厳しい事が伺える。大人になればなるほど、その条件は容易くクリアできるというものだ。
学問と言っても神学が中心で、その他は幼年院で覚えた内容を応用した商学に加え、教育学や料理なども学ぶ。学科からわかる通り、幼年院の代わりになれる村の教育機関や、孤児院の経営を任せられるような人物の育成内容になってるわけで、魔法学院のように礼儀作法などと言うものは一切教わらない。
因みにユリア町の学校は幼年学校と魔法学院と騎士学校と商業学校が一緒になったような場所なので、カリキュラムは厳しい。学費無料だけどね。全額をユリアブランが出しているので、設備なども優れている事で有名だ。まぁ、それはともかく・・・。
神学校卒業生の殆どは開拓村などの小さな村に派遣され、修行機関と称して貧しい時期を過ごす。そうして村と共に発展していくか、後発の赴任者に後を任せて大きい街の教会へ出世していくように働くものが多い。残りは冒険者か、聖騎士を目指す者か、魔法の道を究めんとする者か、実家の家業を継ぐ者かといった具合に分かれていく。
「一クラス20人・・・意外と少ない?」
合格発表と共にクラス表が張り出されるので、今私の目の前にあるボードには不合格だった者の受験番号が掛かれていない。私はDクラスの所に載っていた。
「やった! 受かってる!」
受験票の名前はユーリ。髪の色も受験当日から変えている。青い髪色の青目なのでよくいるタイプだ。これなら目立つまい。
表に出るようになって知ったのだが、王都でも銀髪青目というのは滅多にいないらしい。貴族に多い髪色らしいのだが、ブランママはもしかして貴族の家系なのだろうか? あれだけ強くて才能もあると、祖父か祖母が貴族の一員だった・・・なんて事も有りそうだと少し期待してしまう。今となっては調べようがないんだけどね。
合格発表当日から行事があるらしいので、クラスごとに集まって色々と説明を受け、全員で集まって学長のありがたーーーーい言葉を聞いて解散という話だ。
レオンがそう言うのだから、きっとそうに違いない。
尚、レオンも学校に誘ったのだが、仕事に忙しいのと、20歳にもなって通うのは流石に恥ずかしいらしく、受験してくれなかった。世間的には成人の儀が住む前に入学するのが当然らしい。つまり私は落ちこぼれ扱いと、そういう事ですかね。
私の席は一番後ろか。背が高いし好都合かな。周りは子供ばかりだし。
教室に入ってぽつぽつと20人集まる前に教師らしき男性が教壇の所で黒板に何かを書いていた。書き終わると書類を整理しはじめて、チラチラと周囲を観察している。終わる頃には席が全て埋まり、ようやく男性が話し始めた。
「さて、皆さん初めまして。私はこのDクラスを担当するチェスター=クライアッドという者です。階位は第八階神官位です。よろしくお願いします。まずは皆さんの事を私に教えてください。お一人ずつ、そちらの席からどうぞ」
私は真ん中位だからまだ先だ。
赤い髪の女の子が立ち上がった。
「アルエットです。12歳です。南部のヌアノという村から来ました。よろしくお願いします。趣味は」
礼儀正しいから貴族の家の子かな?にしては服が粗末な感じだ。
「あー、そこまでで結構。次の方、お願いします」
趣味言わせろやあああ。後で聞いてみよう。ちっちゃくて可愛いし。というか、私より大きいのが居ないな。
次の子も同じような感じで、男の子、女の子の紹介が続いた。消化不良に思いながら私の番になる。
「ユーリです。今度16歳になります。北部のユリア出身です」
う~ん? クスクス笑ってる子が多いな。やはりこの年で通おうとする子は少ないみたいだ。
「あー静粛に。神学校は学ばれようとする方には年齢に関係なく迎えています。ユーリさんがあなた方に笑われるような人間なのかは、あなた方が自分で判断してください。年齢・名前・出身地で判断できる程、人間は単純ではありませんよ」
この神官、意外と分別のある人間だな。
「まぁ、だからと言って機会を逸してしまう方もどうかと思いますが」
クスクス笑う子が増えたな。先生はどっちつかずな感じか。まぁ、その辺はどうでも良いかな。先生の視点で見たらそれもまた正しい。
そうして自己紹介が終わり、今学期の就学内容などの説明を終えて紙を一枚受け取ると、訓練場のような土を固めた広場に新入生たちが集められた。う~ん、私と同じ背丈の人は数える位しかいないなぁ。同じくらいの背丈は全部男の子だし・・・。
話を聞くふりをして、一人一人のステータスを見ていくと、既に回復魔法スキルが生えている子が多い。なるほど、才能ある子が集まる場所でもあるのか。それにそう言った子は大抵は貴族らしい服を着ている者が多い。私のは自社製品なので、特級品と言って良い。ユリアブランは王家御用達だから、貴族の子弟が多いこの中でもチョット浮いている。
「・・・であるからして、新入生諸君も日々励み、魔物に抗う力を得て下さい。全ては女神キリシアの御心のままに!」
最後のフレーズを周囲の全員が復唱して挨拶は終わった。なに最後の? 初めて聞いたんだけど。実家の老神官はやった事なかったぞ?
隣に居る子に小声で聞いてみよう。
「ねぇねぇ、アルエットさん。最後の御心のままにってやつ、何処の教会でもやってるものなの?」
アルエットは少し困った様子で周囲を窺いながら答えてくれた。
「えっと・・・女神キリシアにお祈りをするための決まり文句なので、普通はどの家でもやっていますね。ユーリさんの家では食事前にやった事は無いんですか?」
「あー・・・っと、時々やってたかもしれない。うちって一人で食べる事が多くてさ・・・・・」
嘘です。毎食私が食事提供して一緒に食べてました。
「あっ、ごめんなさい。そうなんですね。神のお祈りとして覚えておいた方が良いですよ」
「うん、そうするよ。ありがとうアルエットさん」
「あの、アルエットって呼び捨てで良いですよ。年上の方ですし・・・」
「だとしても同じ学年でしょ? 学友としては相手を尊重しないとね。だからアルエットさんって呼ばせてよ」
「はい・・・分かりました」
それでは、と一礼したアルエットは、そそくさと走って帰ってしまった。
嫌われちゃったか、もしくは関りがあるように見られたくないかな。
Aクラスの視線を鑑みるに・・・Dクラス自体が格下に見られるようだし、走り出しは良くないと思ったほうが良さそうだな。
◇◇
神学校のクラスは入学時の実力と期待値で分けられているらしく、私は年齢を勘案してABCDEFGの内、Dクラスに振り分けられたらしい。Gクラスになると読み書きすら怪しいクラスなので、アルエットが言うには準幼年クラスと呼ばれているらしい、という事を聞けた。
「じゃあ、生徒がテストで頑張れば、順位でクラスの構成を毎年変えてるってわけ?」
「そうなりますね。去年はDクラスだったのに、来年はFクラスなんて事も有りますし、逆にAクラスにあげる事も無くは無いらしいです」
ほうほう、そんなにランクの乱高下が発生しても良いのか? 学校運営に支障が出そうだけどな。主に貴族の子弟のやっかみとかで。学校の理事として興味あるな。
それより私は回復スキルの勉強がしたいなぁ。魔法教書は貰えたけれど、一向にスキルが生えない。商学も家庭学も錬金学も復習にしかならないし、神学は全く興味が湧かない。女神キリシアの在り方なんて人それぞれなんだから、こうして押し付けらえるように聖書で伝えられても、なんというか・・・有難味が無いんだよなぁ。
軽く溜息を付きながら聖書を閉じ、今日も今日とて授業日程を消化する。余りに暇なので、見えない所に変形魔法を大量召喚して訓練に充てている授業もある。錬金術とか今更だし。教わった事を10分かからずに出来るよ。
「本日からは戦闘訓練を行う。これは学年単位の訓練なので怖がらずに必ず出席するように。良いかねユーリ君」
「は~い」
クスクスという笑い声と共に教師が頷く。今はそれより空間結界内部の結合訓練の方が大事だ。これが成功すれば短距離の転移ゲートを造れそうなんだが・・・拡大と収縮の内、結界内の収縮を外部に広げる事で、同一の位相空間に二つの出入り口を用意して、内部だけ収縮させる。出入り口が離れるように拡大してからの収縮なので、拡大→設置→ゲート固定→収縮のプロセスを如何に手早く済ませられるかがカギだな。無詠唱のように一瞬で魔法を使うと魔力消費が大きいのは空間魔法でも同じで、これだけの大規模魔法を瞬間的に構築変形して展開すると、十万単位のMPがガッツリと減っていく。やっぱ固定化してから時間をかけた方が楽だし、安定するし、そろそろ杖を持った方が良いのかなぁ。ブラウが杖を作ったけど使ってくれないっていじけてるし、そろそろ試しても良い頃なのかもしれない。これまでは訓練の為に自分の魔力を触媒にして自力発動していたから、魔力の伸びも良かったし、それでなくとも・・・。
「ユーリさん?」
「はい? ああ、アルエットさん」
「ユーリさんの番ですよ」
「ん? ああ、組手?」
「・・・ええ、メイスを持って盾を構えてください」
差し出されたメイスと盾は熱を持っている。今までアルエットが使っていた物だろう。
「ありがとう」
「いえ・・・頑張ってくださいね」
「うん?」
前を見ると随分とガタイの良い、貴族の子弟っぽい男の子が立っていた。
しかしメイスと盾か。剣を使えばいいのに。そう思いながら、取っ手を空中に投げて再び取っ手でとるのを繰り返し、ヒュンパシ、ヒュンパシと遊ぶ。
「ユーリ君。神聖なる武器で遊ばないように」
「はい、すみません」
またクスクスと笑われる。
これって神聖武器だったのか。その割には聖別されていないようだけれど。魔力も感じないし、ただの訓練用メイスじゃないか。
目の前にニヤニヤした貴族の子弟が近付いてくる。ん? 殴って良いのか?
「安心しろ、怪我させた後でしっかり治してやる」
隙だらけだったので脛を蹴ると、前かがみになって蹲りだした。え? おいおい、良いのか? 顔が差し出されてるんだが。
スッと顔面の前でメイスを振り上げて止めると、貴族の子弟が動きを止めた。
「え? これで終わりですか?」
思わず先生に聞くと、周囲から爆笑が上がった。
「ユーリ君! まだ始まっていないのに手を出さないでください!」
「すみません足が出ちゃいました。隙だらけだったので」
ぶっ、と笑いを堪えていた者達も噴き出した。顔をあげたガタイの良い貴族子弟は射殺さんばかりに私を睨んでいた。でも足は痛いみたいで、自力で回復魔法を掛けている。
それ治療要らないんじゃないかな・・・。ちょっと小突いただけだし。
「合図が出てから始めなさい!」
「合図前に喧嘩を売ってきたのが目の前に居るんですが、アレはアリですか?」
「ユーリ君!」
「失礼しました!」
また爆笑が上がり、ぎりぎりと目の前の貴族子弟の顎から歯を噛みしめる音が聞こえる。わぁ、顔真っ赤。でも、あなたが悪いんだよ。
周囲を先生方が落ち着けさせて、暫くして合図が出た。
「始めっ!」
「許さんっ!」
許すかどうかはともかく、その大きく上げた右腕は肘を破壊して欲しいのかしら。隙だらけなんだけど、大丈夫か?
ゆったりと攻撃をかわし、軸足を踏み、メイスの先で背中を小突き、大振りを繰り返す男の攻撃を誘発させる。離れれば近づき、男が逃げれば接近し、盾の練習とばかりにパリィの訓練を繰り返す。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
「・・・」
もういいかな?
顔が青紫色になってきた男が自分の振ったメイスの重さに耐えきれず、そのまま前のめりにになって倒れた。チアノーゼか。呼吸法から訓練したほうが良いな。
「そ、そこまで!」
先生も止めるのが遅いよ。
列に戻って次の人に武器を渡すと、反対側の列ではAクラスと思しき連中が私を睨んでいた。アレを見て、私が何かやったと思ってるなら、ちょっと見る目が無いかな・・・。
怪我をしてないのに医務室に運ばれた男は暫く治療をされて戻って来たけれど、もう私の相手はしてくれなくなった。残念。
残りの時間は盾の扱いの習熟に集中した。バッシュ、パリィ、ラッシュ、スクリーン、様々な使い方で虚を突いて相手のスキを生み出せる盾術は、剣を扱う私にも有効だな。でも盾術スキルは生えない模様。何でだ。
フルメタルモードだと強制的に巨大剣を両手で使うから意味ないけど。
さっきの貴族子弟のガタイのいい男以外は防戦一方だったので、これと言って私に文句を言ってくる人は居なかった。だってメイスと盾で防いでただけだし。
でも・・・どうせなら同級生を鍛えてお互いに上手くなりたいなぁ。はぁ、と一息ついて、学科の授業に移った。明日から回復魔法だけど、教書を読んでるだけじゃ覚えられない・・・。何か必要な物が欠けてるのだろうか? 洗礼とか?




