花言葉をつけて
今日こそ、僕の気持ちを伝えよう。
花屋で花束を買って待ち合わせ場所に着いた。
花の種類はお店の人におまかせした。
早く渡したい。まだ来ないかな。
あっ、来た。
「お待たせ」
今日も可愛い笑顔だな。
「渡したい物があるんだ。これ」
花束を渡した。
「わあ、ありがとう。これ何て名前の花?」
「あ、なんだろうな」
「分かんないの?」
「花の名前とか見てなかった」
お店の人におまかせだったから。
「花言葉知りたいから調べてみよっと」
「そういうの気にする?」
「意味が付いてたらおもしろいでしょ」
「花言葉なんて後付けだろ」
「SNSで聞いてみよっと」スマホで写真を撮って載せてる。「誰か分かる人いるかな」
参ったな。変な意味だったら困るな……。そうだ!
「ねえ、僕がその花の花言葉、つけるよ」
「え~、自分でつけちゃうの?」
薄茶色の目を見つめて言う。
「花言葉は『愛してる』一生お前だけを……」
「ブーッ! 残念、不正解!」
「え……」
「正解はね、『永遠の友情』だって! すごーい、この人。花言葉まで調べてくれてる!」
スマホの画面を見せながら言ってくる。
「ちょっと、おい」
「私達、ずーっと友達だよね!」
完