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第36話

そろそろというか来週から第2章王都編入りまっす。

自分よりも魔物を多く倒せたらなんでも一つ言うことを聞く‥‥とミラとレイラの二人に言ってのけると途端に二人の目の色が変わった。


「ほっ‥‥ほんとですかぁっ!?」


「あらぁ~アリシアちゃん、ほんとにそんな約束しちゃっていいの?そんなこと言われちゃったら私ちょっと本気出しちゃうけど?」


「本気を出してくれても構わないわ。あなたの本当の力も見てみたいしね。」


これを機にレイラの力の片鱗を見れればいいけれど、この辺の魔物で相手になるかしら?まぁ、それよりも、あんなことを言ってしまった手前この二人よりも多く魔物を倒さないと何を要求されるか分かったものじゃない。


「それじゃ先に行ってるわよ?」


目を輝かせる二人を置いて一足先に外へと飛び出すと、馬車の周りをオークの集団が取り囲んでいた。ざっと数えても10匹ぐらいはいる。だとしたら5匹以上倒せば問題なさそうね。


「二人には悪いけど、速攻で行かせてもらうわっ!!」


二人が下りてくる前に5匹以上‥‥速攻で倒すっ!!

剣を抜き、地面を思い切り蹴って馬車の目の前に陣取っていたオークの喉へ向けて突きを放ち貫く。そしてオークの喉に突き刺さった剣を横に薙ぎ払いその隣にいたオークの首をはねる。


これで2匹‥‥後3匹は倒さないと


チラリと後ろに目を向けると、馬車の後ろにいたオークの群れに嬉々としてミラとレイラの二人が突っ込んでいっているのが見えた。後ろのオークが全滅するのも時間の問題ね。


「あっちもやり始めたみたいね。負けてられないわ。」


視線を少し後ろに向けていたのを好機と踏んだのか後ろと前から挟み込むようにオークが棍棒を振りかぶり襲い掛かってくる。


「ふっ!!」


一歩横に躱すと、私を挟み込んでいた二匹のオークの棍棒がお互いの頭にめり込み、自滅した。さすがはオーク、知能が低くて簡単に自滅に追い込めるわね。

そしてその2匹が膝をつく頃には、後ろにいたオークたちがミラとレイラによってすべて狩りつくされていた。残るは私の前に残る一匹のみ‥‥そうして必然的に私たち3人の視線を集めたオークは本能的に死を悟ってしまったのかブルブルと体を震わせ顔を真っ青にしながら逃げてしまった。

別に追撃をかける必要もないと判断した私は剣に付着したオークの血を振って払い、鞘にしまう。


「結局4匹、そっちはどんな感じ?」


「う~‥‥3匹しか倒せませんでしたぁ~」


「ミラちゃんが結構やってくれちゃったから私も4匹しか倒せなかったわ~」


どうやらレイラでも私と同じ4匹しか倒せなかったみたい。‥‥って言うかまぁ先に飛び出した私とおんなじ数倒すって相当よね。


「それじゃあ勝負は引き分けってことであの話はなしね?」


「う~‥‥う~‥‥千載一遇のチャンスを逃しちゃいましたぁ~。」


「ね~?何ならもっと大群で襲ってきてくれればよかったのに‥‥そうすれば魔法で一気にドーン☆すれば絶対に勝てたと思うんだけど、残念だわ。」


少しほっとしながら話す私とは対照的に悔しそうにミラとレイラはつぶやいた。そんな会話をしているとこちらに馬車の騎手が近づいてきた。


「本当に助かりました。ありがとうございます。」


「このぐらいどうってことないわ。それじゃ私たちは馬車に戻るから、また魔物が飛び出してきたりしたら言ってちょうだい?」


「次は絶対にお姉様たちより多く魔物を狩って見せますっ!!」


ふんす!!と意気込んで見せるミラに私はからかうように言った。


「次も同じ条件を出すかはわからないわよ?」


「そんなぁ~!!」


この世の終わりのような表情を浮かべながら縋り付いてくるミラに私はクスリといたずらに笑いながら馬車の中へと戻る。

そして今の今までエルの枕代わりになっていてくれたスラちゃんにお礼を言った。


「スラちゃんありがとね?」


そっとスラちゃんをエルの頭の下から抱きかかえ、エルの頭を再び私の太ももの上に戻す。するとエルは感触が変わったことに気が付いたのか、感触を確かめるように顔をぐりぐりと太ももに押し付けてくる。ひとしきり感触を確かめるとエルは安心したのか安らかな寝息をたて始めた。

そしてエルガ安らかな寝息を立て始めるころにゆっくりと馬車は動き始め再び王都への道を進み始めた。その道すがらふと興味本位でミラとレイラにさっき、もし私よりも多く魔物を倒していたら何を要求するつもりだったのか聞くことにした。


「ちょっと気になったんだけど、もしさっき私より多く魔物を倒していたら二人は何をお願いするつもりだったの?」


「私はお姉様と一緒のベッドで一晩寝たかったですっ!!」


「最近いっつも隣で寝てるじゃない?」


「一緒のベッドがいいんですよ~!!最近エルちゃんとは一緒のベッドで寝てるじゃないですか、それがうらやましくてうらやましくて‥‥」


なるほどね、そんなに過激なお願いじゃなくてよかったわ。別にミラとだったら一緒のベッドで寝てもいいけどね。まぁ、今度機会があったらって感じね。


「なるほどね、ミラのお願いはわかったわ。レイラは何をお願いするつもりだったのよ?」


「私?それはもちろん‥‥耳かき師の耳かきってやつを一回体験してみたかったわね~。」


レイラに耳かきなんてしたらどこまで強くなっちゃうのかわかんないわね。ただでさえ元魔王だし‥‥ね。

っていうか私レイラに自分のジョブについて話したかしら?話してないと思うんだけど。

改めてレイラという人物が持つ情報量の豊富さに怖さを感じたアリシアだった。

それではまた来週のこの時間にお会いしましょ~

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